お疲れ様です。経営企画のたばこ部屋、43回目の配信です。この番組では、戦略コンサルから事業会社の経営企画FP&Aに転身した私、きりんが、今日も経営企画の日知な話題をお届けしております。
今日の話題は、経営企画のエージェント問題と言いますか、ちゃんと意思を持って働くことができていますかということを、少し違った切り口からお話をしてみたいと思います。
ミルグラム実験というものをご存知でしょうか。社会心理学というそういう学問分野では、あまりに有名な実験らしいんですけれども、私は最近知りまして、それについてまずご紹介するところから始められればと思いますけれども、
どういった実験かと言いますと、権威性ですね。偉い人とか、そういう人への服従、そういうことがあった時に、普通その人ならやらないだろうことを、
権威性というものが縦に後ろにあった場合に、やってしまうんじゃないか、ついやってしまうんじゃないかっていう、そんな実験の話なんですね。
ちょっとうまく言えないんですが、例えばですね、具体的な話をすると、何かこう、
2人1組になるわけです。問題を出す人と問題を答える人とに分かれて、あなたは、その被験者はですね、必ず問題を出す側に回るんですね。
問題を答える側の人は、あろうことが電気椅子に座らされます。この電気椅子は偽物なんですけれども、本当に電流が流れているかのような、そんな演技をする人が、そこの回答者として座るんですね。
被験者である問題の出題者は、何問か、何十問か定期的に問題を出していくんですけれども、回答を必ず間違えるようになっていて、何回かに1回は正解して、自然さを保つらしいんですけれども、
問題に対して回答を間違ったり答えなかったりしたら、電流を流してくださいというふうに、その実験の主催者に言われるわけですね。
その実験は、非常に権威があるところが、正しく行うための非常に意味のある実験なのであるという、そういう前提でやらされていて、お金もその実験代、協力代として受け取っているという前提でやります。
最初は微弱な電流なんですけれども、間違えるたびにですね、その電流の強さがだんだん上がっていく。
で、しまいにはですね、もう大声出して痛いみたいな、結構もう人間が受けると、もうかなり、なんだろうな、一応こう死なない程度にはなっているみたいなことだけは断られているんですけれども、
もう相当な苦痛が与えられるような、そんなレベルのボルト、何ボルトまで上がっていくということらしいですと。
普通に考えれば、今これを聞いているとですね、何かこう実験であったとしても、他の人に対して電流で何かクイズ間違えたからといって、
それ、スイッチを押して、その人を苦しませますかというと、いや、そんなんしないわと。もうやめてくれってその人が叫んでるんだったら、もう当然やめるわって思うんですけれど、
その実験に参加する人はですね、実際どうだったかというと、もう最後まで強力な電流を流し続けて、それでこの回答者の方がですね、
演技なんですけれども、もう何か倒れたふりをして、一切喋らなくなったと。喋らなくなったらどうしますか?とか聞いてですね、
実験の監督者に聞くと、喋らない、回答を拒否しているという場合は電流を流してくださいというわけですから、もう黙々と高圧電流を流し続けるみたいな結果になったんですね。
全員が全員ではないんですけれども、そういうふうな普通に考えればやらないであろうことを、実験のエージェントと言いますか、
お金をもらって、ちゃんとやるべきことをやるだけの人になった瞬間に、ある意味非人道的な実験に協力し続けてしまうみたいな、そんな結論が得られたんですね。
こういうミルグラム実験というものがありまして、注意すべきはですね、この被験者の方、もうごくごく一般の方で、普通の方で、何なら善良な方と言いますか、
非常に良識のある方、後ほどインタビューをされるんですけれども、普通の方なんですね、別にサディスティックな人でも何でもないんですが、
結果として、私が全責任を負いますと、実験の運営が全責任を負うので、あなたは言われた通りにやってくださいみたいな、そういう言われ方をすると、
本来自分の意思ではやらないようなことをしてしまったという、そんな心理学的な実験、これをミルグラムさんがやったので、ミルグラム実験という言い方をしています。
かなり端折っていてですね、実際はいろんなバリエーションがあったりとか、もうちょっとこの実験の前提についてお話しするところはあるんですけれども、簡単にまずはご紹介というところでした。