1. 経営企画のたばこ部屋
  2. #38 稟議の遅い会社は崩壊する
2025-04-30 11:02

#38 稟議の遅い会社は崩壊する

◆同期処理と形式主義が稟議を腐らせる◆
稟議が遅い会社では、定例会などの同期的な場でしか承認が進まず、差し戻しによって1〜2週間単位で簡単に遅延が発生する。また、文面のわずかな不備により形式主義的に差し戻す文化も、合理的判断より様式を優先する非効率な体質を露呈する。さらに、通知機能のない稟議運用では、承認の事実が現場に即時伝わらず、確認作業の無駄が重なる。

◆稟議の遅延が組織崩壊を引き起こす構造◆
稟議の遅延は、唯一の武器であるスピードを自ら手放す行為に等しく、競争力の喪失を招く。現場からの提案は差し戻され、意思決定はトップの一存で進むようになるため、社員は思考停止し、指示待ちの作業者と化す。改善提案も評価されず、やがて誰も声を上げなくなる。稟議の遅さは現場のやる気を奪い、組織の活力を削ぎ落とす。

◆市場感覚の欠如と稟議がもたらす衰退◆
稟議プロセスの形式化は、社長の市場感覚の欠如を表している。価値創出に寄与しない書類作業に時間を費やし、外部のフィードバックも拒む体制では、プロダクトの進化も採用の成功も望めない。人材は定着せず、ノウハウも蓄積されない。稟議の遅さという単一の問題が、会社の根幹を蝕む深刻なリスクを孕んでいる。

サマリー

倫理が遅い会社は、決定プロセスが長引くことで競争力を失い、中小企業としての強みであるスピードが奪われ、最終的には崩壊の危機に直面します。特に、形式主義や同期的な承認プロセスがこの状況を助長する要因となっています。稟議の遅延がもたらすリスクは、企業の競争力を損ない、経営者の価値観が顕著に反映されることに起因しています。この問題が放置されると、社員の定着や採用に悪影響を及ぼし、最終的には会社の崩壊を招く可能性があります。

倫義が遅い理由
経営企画のたばこ部屋、38回目の配信です。今日もきりんがお届けします。
今日は倫義の話をしたいと思いまして、倫義が遅い会社、これはまあ、遅かれ早かれ潰れてしまいますという、そういうことを言いたい回でございます。
倫義がですね、遅い会社にいない人、早い会社にいると、どっかの会社と付き合ったとしてですね、そのハンコに2週間も3週間もかかっていて申し訳ありませんみたいな、何かそういうやり取りをしたことってないでしょうか。
そういう会社ってなぜ倫義が遅いのかということをですね、まず想像してみることから始めるといいと思うんですね。
私が過去関わった会社って意味だと、まずその倫義が遅い会社ってありまして、そういう会社で実際何が起きていたのかということをまず最初にお話ししたいなと思います。
いくつか理由はあるんですけど、一番大きな話があるとすれば、それは同期的な場での倫義の処理を行っていることが原因だと思います。
同期的って何かと言いますと、要はメンバーが顔を付き合わせる場所でですね、収持定例とかそういった場で倫義を処理していくっていう、それが慣習的になっていることがあります。
にゃんちゃら定例みたいなところで、じゃあ倫義の話をしようということで、そこで初めて倫義の確認をして承認するとか差し戻しをするとかいうことをしているわけですね。
これが収持定例であれば1週間最大に待たされることになるのがこのタイミング次第で確定してしまうわけですね。
仮にじゃあそこで差し戻しされてしまったら、さらに翌週の倫義の会まで待たなければならないというので、こういう同期的な場、収持定例とかで倫義を処理するとこんなことが起こりますと。
また翌週になるといいんですけど、その翌週は社長が例えば出張に行っててスキップになるとかですね、そういうことがあるともう2、3週遅れるということがあるのはわかるんじゃないでしょうか。
こういうことをやっている会社はですね、例えばもうちょっと言うと不条理な形式主義がはびこるということもあります。
倫義をしているときに不条理なっていうのは記載が不十分なときってあるじゃないですか。
当然何かを書いたいですとかその説明欄にいろいろ書かなければならないことがあるとして、その内容がちょっとわかりづらいとか結局いくらなのかっていうところの金額が少しずれていた。
金額はさすがに良くないかもしれませんが、口頭で補足をして後からそれを修正しておくみたいなこともやろうと思えばできるわけですけれども、
そういった場でですね、承認せずにまた上げ直してくれっていう判断をすることがあるわけですね。
そうなるとまた1週間それで遅れると。形式についてはわかっていて、実際それが正しい記載であるのであれば承認されるということもわかっているのであれば、
先にもう進めておいて、あとは記録のために修正するっていうことをせずに、そんな形で差し戻しをして送らせるみたいなことも起こるわけですね。
びっくりするかもしれませんがそういうことが起こるわけです、本当に。
もう一つあるとすれば、倫理がそうやって承認された後の話で、倫理が通ったのか通ってないのかっていうことをその担当者、現場の人が知るまでにさらにリードタイムがかかるってことがあるんですよ。
これちょっとよくわからないかもしれませんが、例えば現場のAさんが倫理を挙げたとしましょう。
その上長たるBさんが倫理の場に臨んで、それで説明をして、社長に承認をもらってとかっていうことをするわけですけれども、
BさんはBさんで、上長たるBさんは忙しいわけですね。
そこでちゃんと承認がもらえたとして、また次の日にお知らせしようと、担当者であるAさんに倫理通ったよってことをお知らせしようとした場合、
翌日それを忘れてしまうと、またそこで数日ラグが起きて、倫理ってどうなりましたかみたいなことを遠慮がちにAさんがBさんに聞いて、
ごめんごめん通ってたよみたいなことで、ここで2、3日遅れると、そういうこともあるわけです。
これは通知が可能なシステムを使っていないっていうことも一因だと思います。
通知が可能っていうのは、いわゆる普通のシステムであれば、承認がされましたとかであれば、承認を挙げた人、倫理を挙げた人に通知がいくはずなんですが、
それを仕組みとして持っていない、例えばGoogleスプレッドシートとかExcelとかそういったところで倫理の管理をしていると、
通ったかどうかっていうところは本人に通知がいかないみたいな話があると思ってまして、こういうことが一つ一つ倫理が遅れていく仕組みとしてあるかと思います。
同期的な場で倫理を行っていたり、形式主義になっていたりとか、そういう話ですね。
崩壊につながる影響
こういうふうに倫理が遅いとした場合、なぜ倫理が遅いと崩壊するって言ってるんですけれども、なぜそんな会社が潰れると言い切れるのかという話で、
わかりやすい話で言えば、中小企業の唯一の強み、スピードなわけですよ。
スピードを倫理であえて潰すっていうことをしていると、もう中小企業たる会社は何ら優位性がなくなるわけです。
競争優位の厳選たるスピードというものを自ら捨てているから弱くなるという話です。
人もの金、この資本力が全てですけれども、こういった資本、あらゆる人もの金に関する資本が大企業に比べると劣っているんですが、
唯一小さい会社の強みはスピード、これを捨てているということが非常にもったいないということがわかるんじゃないでしょうか。
スピードが遅いと当然現場が拾ってきたチャンスもつかめないし、危機回避も難しくなるというチャンスもリスクも両方逃してしまうと、
リスクは受け入れてしまうということになってしまいますね。
倫理が遅いと、基本現場の人がどうせ行っても何も変わらない、これを挙げたとしてまた何かつまらないことで差し戻されてできないとか、
トップダウンでいろいろ決まるだけだから、私が何を言ったとしてもどうせこの会社は変わらないというような、そんな雰囲気がはびこってしまうというデメリットもあります。
そうすると当然、従業員が思考停止して作業者になりますし、社長の顔色をうかがうようになってきますし、
現場で何か問題が起きたとして、その問題も基本放置されるようになってしまうということですね。
ワークフローシステムを入れたらいいじゃないかという話なんですが、それを入れようと言い出す人もいない。
それを入れたときのコスパはどうなんだとか、もっと安いところはないのかとか、いろいろ言われることが想像できるじゃないですか。
そういうことを言ったとして、結局自分の評価にもつながらないだろうなとか、そういうことを言い出すと、もう誰も現状ままでいいやっていうふうになってしまう。
いたとしてその案が潰されてしまうと、倫理も挙げ損になるという話ですね。
承認されたとしてそれをやりきれる人がいないみたいな問題もあるかもしれません。
稟議の問題と企業の競争力
要はこういった倫理が遅いということで現場が試行停止して、全てがその会社の実力がイコール社長の器次第というふうになってしまう。
これが一番の問題だと思っています。倫理が遅いと社長次第に全てがなってしまう。
そしてその社長次第になったその会社がですね、こういった問題を放置する社長なわけですから、市場感覚がないということの勝算なわけですね。
自分の会社がいかにスピード感がないということに気づけていないかというところもそうですし、市場感がないとですね、外部からのフィードバックを受け入れることもできなくなります。
価値の概念に疎いという言い方がいいかもしれません。
根本的にですね、そういった形式的な倫理プロセスというものは価値を生まないわけですけれども、検討のプロセスはもちろん意味がありますよ。
やるかやらないかっていう本当に必要な情報を集めて判断をするというプロセスはいいんですが、形式的にそれをちゃんと書くとかそういうのはあんまり意味がないわけですよね。
そういう意味のないことに対して時間を使いたがるということが、そもそも市場感覚がない、一利用がりになりやすいということが言えるんじゃないでしょうか。
つまり、会わない顧客がいたとしたら自分たちのサービスとか商品は優れていると、会わないのは顧客が悪いからだと。
会う顧客とだけやっていけばいいんだ、それがカリスマだみたいなんですね。そういう言い方をしてしまうかもしれませんね。
だから、プロダクトとかサービスの高度化につながらないということにもなりますでしょうし、市場感のなさというのは採用とかそういうところにも通じる話になると思います。
結局、人を採用してもその人が組織に合わなかった、ミスマッチだというふうにすべてを片付けがちになって、人も定着せず、ノウハウも積み重なっていかず、
俗人化した組織になってしまって、勢弱になってしまうということが論理的につながれていくのがわかるんじゃないでしょうか。
市場感覚というものがないと、価値の感覚というものがないと、そもそも採用候補者から見た自分の会社のレベル等もわからないでしょうし、
いつまでたっても今の会社の実力以上の人を採用したいというふうに高望みを続けて、それで結局誰も取れなくなって、人も定着しなくてということのダブルパンチなわけですね。
さらには従業員の給料とかも市場感がないので、優秀な人ほど辞めていく、優秀な人ほどより高い給料を得ることが他社ではできますから、
より高い給料を求めて利反も起きてしまうということになるんじゃないでしょうかということですね。
倫義が遅いという一つの事象をとってみても、それが社長個人の席といいますか、そういったことを放置してしまう社長、すなわち価値に関する感覚がうとい、市場感がうとい人というふうになると、
その倫義を放置することがいかに会社のリスクにつながるのか、チャンスをつかむことができない、そんなことにつながるのかということが、
今日伝えたいかったことになります。
社長の役割と人材の定着
皆さんの会社ではどうでしょうね、この倫義が早いのか遅いのか、どれくらいだと早い遅いという基準はよく分かりませんが、
早いところではですね、もう1日に社長が何回もその倫義を回していて、システムで通知をすれば、それがリアルタイムにほぼ承認されるみたいなこともあると思います。
その日のうちに倫義が通るとかいうこともあるんじゃないでしょうか、あえて根回しをせずともですね、
中小企業であればそういうことは普通にあると思いますが、それができない会社というのも結構世の中にもあるんですよという話と、
そういう会社ではこういう会社の崩壊につながるようなことが起きてしまいますという、そんなことがお話しできれば今日はいいかなと思います。
お疲れ様でした。
11:02

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