1. 経営企画のたばこ部屋
  2. #47 経営企画でどう尖るか?
2025-06-21 16:56

#47 経営企画でどう尖るか?

◆中堅企業における経営企画の立ち回り◆
中堅企業規模になると、経営企画はチームでの価値発揮が求められ、業務もゼロイチより既存業務の強化や自動化が中心となる。顔の見えない関係者や複雑化するデータ環境の中で、自らの役割を明確にし、ルーティンに埋もれず新しい課題に挑む余力を持つことが重要となる。

◆専門性とキャラクターの確立◆
事業計画、業績予測、業務改善、DX導入、資金調達など多様な役割の中から、自身の得意分野を明確にし「この領域なら自分」と言えるキャラクターを形成することがカギとなる。実務に根差した貢献が期待され、単なる分析や資料作成にとどまらず、明日からの行動に結びつく成果が重視される。

◆経営企画の進化と火消し型の可能性◆
経営企画には、問題解決型の“火消し”として機能するケースもあり、部署横断的にあらゆる課題に対応できる強さが問われる。キャリアの一貫性よりも現場での実行力が評価される場合もあり、多様なスキルを活かせる場面が広がっている。


◆Personality:きりん

外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。

ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。


◆Twitter:⁠⁠⁠⁠https://x.com/kirin_fpa⁠⁠⁠⁠

◆Note:https://note.com/logicalkobo

サマリー

中堅企業における経営企画のあり方について、特にチームとしての動き方や業務の複雑さが増す中で求められる役割の特化について解説します。また、経営企画の具体的な役割や業務改善の重要性についても触れ、リソースや予算の制約の中でどのように価値を提供するかを考察します。経営企画の役割は、業務改善やシステム導入、資金調達など多岐にわたり、特にAIの活用やKPI設定が重要視されています。経営企画として際立つためには、自身の得意領域を見極めることが求められます。

中堅企業の経営企画の特徴
お疲れ様です。経営企画のたばこ部屋、47回目の配信です。 戦略コンサルから事業会社の経営企画FP&Aに転身したきりんが、今日も経営企画の日知な話題をお届けしております。
前回、前々回とですね、PMIに関する話が続いてしまいましたので、今日はもう少し一般的に経営企画に関するお話をしたいと思ってまして、
中小ベンチャーの立ち回りというのを44回目の時に話しましたけども、中小ベンチャーの場合ではなく、今日は500名とか1000名とかそれぐらいいるような会社、
あるいは、中小企業じゃなくて中堅企業と呼ばれるような、それぐらいの会社になっていた場合にどういう動き方をするのかと、経営企画がですね、
というのをお話をしてみようかなと思っています。 中小の場合はですね、ベンチャーの場合は基本的に経営企画はいたとして1人。
1人なんで、経営企画に専念するというよりは、経営管理とか含めてオペレーションの構築とか、何でもやですかね、幅広く何でも動くのが基本の動きだということを
44回目のお話をしてみましたので、詳しくはそちらをお聞きいただければと思いまして、じゃあ今日の中堅企業ですね。
大きなある程度の会社になった場合にどういう動きをするのかというと、まずは基本は自分以外にも経営企画のメンバーがいるということになります。
この規模になってくると、通常5名ぐらいいてもおかしくないのかなというところで、個人ではなくてですね、チームで価値を出すという、そういう頭に切り替える必要があります。
見方がいるというか、自分以外にもいるという意味だと非常に心強い環境になっているのかなとは思います。
もう一つ特徴があるとすると、01ではなくて、一重というか、既にある業務をある程度より強くしていくとか、冗長性を担保していくとか、そういった方向で仕事をしていくことが多くなってくるのかなと思います。
これは回っている業務は既にあると思うんです。余日管理とかなんだらかんだらってのがあると思うんですけども、それは完成はしていないことは結構多いんじゃないかなと思います。
それはもう会社がこの規模になってくると日に日に成長しているということもあると思いますので、昨日、一昨日、去年やっていた業務が今年の規模だとちょっと回りづらいとか、さすがに規模が大きくなってきたから自動化しなきゃねとかですね、新たなニーズが日々生まれてしまっているということもあるかもしれません。
したがってですね、ベンチャー企業よりもすべからく難易度が高くなるというのも、これぐらいの会社の規模になってくると出てくる特徴かと思います。これはデータ数が増えてくるという話もありますし、取り扱うデータ数ですね、あとは部署の数が格段に増えてくる、組織の数も増えてくるということがあるので、単純に取り扱うデータの難易度といいますか複雑さが増してくるということ。
あとは組織も増えますので、全員の顔が見えなくなって、誰に何を相談すればいいのかとか、今でこそ特にリモートワークの会社が多くなっていると思いますので、誰がそういうライトパーソンなのかというのが社内であっても分かりづらくなるというのもあるかもしれません。
関係する部署ですね、部署ごとの協力してくれる度合いとかです。そういうこともあまり分からないとか、そういうところからのスタートになってしまうことは一つ難しいところかもしれません。
経営企画の役割と業務改善
今日お話をしたいのは、この経営企画という役割が中小ベンチャーであれば、一人で全部何でもとりあえずやりますという姿勢でよかったんですけれども、ある程度の中堅企業になってくると、自分なりにどういう経営企画になっていくべきかというのをある程度決めて、自分なりの役割を見つけていくことが必要だということをお話をしたいと。
例えば連結会計をする人、単体の会計をする人とか、あとはPMIじゃないですが、子会社のマネジメントをやる人とかですね、いろんな役割が分かれてくるのがこれぐらいの会社の規模なんですよね。
放っておくと、ある程度ルーティンもそれなりの難易度があるので、放っておくとそればっかりやっちゃうとか、ルーティンのバグ取りとかですね、そういうところに意外と傍撮をされてしまうと。
そうするとどうなるかというと、同じことばっかりやっていることになるので、どうしても飽きるでしょうし、楽しくないし成長も感じないみたいなふうになってしまうんじゃないかと思います。
だからこそ、基本は同じルーティンを持つのは仕方ないんですけども、当然必要ですよね。
それを2度同じことをしないとか、ある程度自動化できることであれば自動化をしてしまって、毎月ルーティンがあるとしても1営業日かけたらすぐ終わるようなものとか、それぐらいにしてしまうというのは一案かと思います。
だいたいみんな何らかのルーティンを持ちまくっているので、新しい課題が生まれてきたときに手を挙げてそれを取りに行くということがだんだん億劫になってくるんですけども、そういうことができると自然とですね、自分のキャラクターも定まっていくわけなんですけれども、
要はそういった余力を常に残しておいて、新しい課題に手を挙げられるようにしておくと動きとしては稼働がだんだんついてくるというような形になると思います。
もう少し一般的な話をすると、以前TwitterのほうでPivotという会社がですね、うまく経営企画の役割を整理しているYouTubeを上げていたのをそれをキャプチャーさせていただいて引用したことがあるんですけれども、
その中でいくつかですね、経営企画の役割をまとめていただいていました。これはなかなか広い定義でうまくまとまっていたんですけども、
例えば上げていくと、事業計画・中期経営計画の策定・予実管理・業務改善BPR・システム導入DX・役割最適化・外部活用・資金調達みたいな感じでですね、
かなり思っている経営企画よりも広いところまで定義として入れていただいていてですね、非常に納得感があったんですよね。
こういう部分も含めて、中堅企業になってくると役割としても全てをやるということがどうしても難しくなってきます。
これはどうしても難易度が上がってくる一つ一つのデータの取扱い量が増えるとか、関わる人間が増えてスピードが落ちてくるというのがあるので、
どこかの領域に自分は特化した存在になって、この件だったらあなただよねと、この辺だったらキリンさんですよねとか、そういう感じでキャラクターをつけていくという意味だと、
今挙げたような役割の中のせいぜい1,2個ぐらいに絞って自分のキャラクターをつけていくというのが特策なんじゃないかと思っているということになります。
リソースの制約と価値提供
この際ですね一つ一つ言ってみると、事業計画や中期経営計画の策定というのはコンサル出身の人は取り付けやすいところかとは思います。
ただ落とし穴じゃないですが、コンサル出身の人はコンサルの時のプレイをそこでやりがちなんですけども、
求められているのはそういった成果物ではなくて、結局明日からどういうふうに動きを変えればいいのっていうような、明日からの行動が変わるサムシングニューみたいなそういうものを求められているので、
ちゃんと分析をするとかちゃんとスライドをまとめるとかそういうことが意外と価値とはならないんだってことは、これはしっかりと心に決めておいたほうがいいとは思います。
対外的にコーポレートストーリー的なものをまとめてきれいに見せなければならないというそういうシーンはあるので、資料作成の価値はもちろん残ってはいるんですが、
社内で新しく事業を立ち上げるだったり、そういう方向を考えようみたいなときには、きれいにまとまっているということよりは腹落ちがどれだけするか経営陣の間でみたいなそういうところが重要なので、
ある意味コンサルのときよりもより深くやらなければならないということにもなります。
一方でコンサルのときとは違うのが、リソースですね。使えるリソースとして、ユミズのようにいわゆる戦略コンサルはインタビューとか、
1回10万円のインタビューとかっていうのをガンガンやったりとか、矢野経済とかのレポートを買ってきたりとかそういうことをたくさんするわけですけれども、
予算も限られていますし、その買ったからにはっていう話にもなるので、なかなか社内でそういったことのお金の使い方ができないというのはあります。
なので、限られた情報量とか限られた予算の中で戦略を考えるっていう意味だと、なかなかコンサルのときよりは意外と難易度が高い。
それも片手間で他のルーティンを持っているとかいう状況なので、パワーの先方とかも難しいという、割とバランス感覚が求められるところになるかなと思います。
個人的にはですね、事業会社にせっかくいるのであれば経営企画として、コンサルとしてやるんであればコンサル的なそういう役割をすればいいとは思うんですが、
せっかくそこに来たのであれば、今から言うような予実管理、業務改善とか、そういうより現場に近い方に張っていった方が実は価値が出やすいんじゃないかと思っていたりするので、ちょっと進めていきますと、
予実管理とかですね、今ある予実管理、この子会社含めた予実管理っていうのを作る機会はまだあるかもしれません。
やるんなら、子会社のほうがゼロ一をする機会は多いとは思いますが、本社は本社でですね、これがまた完成されているとはいえど、
必ずしも経営人が求める水準の具体的な報告になっているとは限らないというのがあって、よりですね、各事業のほうに深く入っていって、
より分かりやすい予実の報告とか、リウドの細かい報告とかっていうのはやる余地はたくさんあると思います。
それは価値が出やすい領域かとは思いますので、予実の席が空いてるかみたいなところはまず考えてみて、そこが得意なのであればそこをまずやってみてしまう。
数字の人といえばあなただよねというような役割を持ってしまうのも一案かもしれません。
そこがまだ空いているとしたら、業務改善とかBPRとか、もう現場に入りきってしまうっていうのは一つあると思います。
何々事業であればあなたが詳しいよねっていうそういう役割の持ち方もあるので、
余実管理とかよりももう一段ですね、深く業務に入り込んでみて、何なら自分でちょっと手を動かして現場で何ら売り上げを作ってきたとかですね、そういうこともしてみてもいいとは思いますし、
業績予測とかそういう整地化をする上でも、現場の読み管理の徹底とかそういうところを含めて避けて通ることができない領域なのでBPRとかは非常に重要なところでしょうと。
オペレーションレベルで事業を知ることになるので、解像度は非常に上がります。
とはいえ、狭く深くのパターンになってくる領域かなとは思います。
業務改善とシステム導入
全部の事業を見ることはもちろんできませんので、どこの事業を自分は中心的に見たいのか、その事業をどうしていきたいのかという思いがあるところがあればよりいいでしょうね。
そういうところの延長なんですけれども、今の業務改善BPRに加えてもう一つあるとすれば、システム導入とかDXっていう領域になってくるかもしれません。
これ結構あるんですよね。今はExcelでいろいろ運用しているんだけれども、これがどうしても毎月すごく時間がかかっていて困っているんですよねとか、
子会社は子会社でこの数字がExcelベースですごく俗人的になっていて、その人が今度辞めることになった、大変だみたいな、そういう話は結構あって、
じゃあこの際ちょっと俗人化はやめましてシステムに変えちゃいましょうとか、そういうことをやるためにベンダーを選定するところからお手伝いしましょうかということもあります。
これ結構コンサルっぽい動きに近くなってくるんですけれども、IT導入コンサルですね、そういうふうになってくるんですが、
具体的にExcelの設計とか読み解きとかそういうところも含めて入っていくという意味では、結構現場のことが深く知られるので、さっきの業務改善BPRと同様お勧めのポイントにはなるかと思います。
ここですね、非常に細かいし非常にややこしい分野なので、やりきれる覚悟がないと下手に入らないほうがいいというのもありますので、
ここは事業について明るいのか、あるいは技術について明るいのか、技術というのはExcelだったりとかシステムだったりとか、何らか自分はこれができるというものがあって入ったほうがいいと思います。
現場の人もですね、あなたは何の人なのっていうふうに言われてしまうので、これは自分の得意領域だなというものが一つあるような部分に選んで事業に入っていくのがお勧めかと思います。
一応あと二つあってですね、役割最適化外部活用と言われているものと資金調達と言われているもので、役割の最適化のほうはそうですね、人員の削減とかコスト削減の話にもつながってくると思うんですよね。
外部活用をするもそうですし、やめるも同じだと思います。
さっきこの動きだとAIの活用とか言われているところが多いと思います。
生産性を上げようとか、生産性を上げるためには分母のFTEというか、人をどれだけ減らせるかみたいなところが問題になってくると思うので、
AIの何かのサービスを入れよう、その代わり人を減らそう、業務委託を終了しよう、派遣の人を減らそうとかそういうことになると思うんですよね。
それに関して全体的にKPIを設定して、生産性を測るモニタリングの仕組みを作って、
入れたシステムをみんなにちゃんと使ってもらっているかというのを見て、使い方を指南してみたいなことも含めて行われるような領域かもしれません。
ちょっと役割最適化というと曖昧な言葉なのでよく分かりませんが、そういうところもあるかなというところで、最後は資金調達という部分です。
これはIR的な動きが強くなってくると思います。上場会社であれば非常に活躍している部署だとは思いますし、そうじゃないにしても、これからIPをするぞとか、
資金調達と経営企画の役割
対外的に会社をよく見せる、よく見せるというと語弊がありますね。ちゃんと会社のことを周りに伝えていくという役割という意味だと、
IR的な動き、資金を調達するというところの役割を担うというのも経営企画の一つの役割といってもいいかもしれません。
500人、600人いていうよりは、上場しているかどうかというところでIRの専門部隊がいるのか、経営企画が兼務しているのかというのは分かれるかとは思います。
どういう部分で、対外的に自分を寄せていきたいのか、対内的にといいますか、事業のことに入っていきたいのかというところで結構判断の分かれるポイントかとは思いますが、
外向きに行くのであれば、最初に話した事業計画とか中期経営計画、あるいはそれをちゃんと説明するという意味の資金調達とか、
投資家向けの業務を持ってみるみたいなところも一番かもしれません。
ここに加えてという話ですけれども、これにない話で言えば、やばい事業とか、やばい会社とか、そういうのがグループ会社にあったとして、
否決的にここに送られるというのは意外と少なくないパターンかと思います。
これは経営企画としての役割といいますか、否決屋さん的なポジションを取るということは一つ重要かとは思います。
重要というか、こういうことができると、より強いという言い方のほうがいいかもしれませんね。
ただそうなると、キャリアに一貫性がどうなんだというのはあるんですけれども、
私に任せてくれればというような圧倒的な自信がつくような領域かもしれません。
なんで否決という意味だと、今述べたことのすべてを多分やってくる人になるとは思うんですけど、
こういう部分ですね、とりあえずCO的な派遣をされつつ、何かしら問題をすべて解決してくる人みたいな、
そういうスーパーマン的な動きというのを心出すこともいいかもしれません。
非常に大変だとは思いますが、そういう方も実際いらっしゃいます。
ちょっとつらつらとお話をしましたが、いろんな経営企画の役割があると、
それはある程度の500名とか1000名とかそれぐらいの会社になってくると、
必然的に自分のキャラクターをつけるというか、経営企画としてどう尖っていくのかということが命題になってくるので、
あなたがどういう経営企画になりたいですかというところを投げかけをしながらですね、
今日のお話は終了となります。
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お疲れ様でした。
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