おつかれさまです。経営企画のたばこ部屋、46回目の配信です。
戦略コンサルから事業会社の経営企画FP&Aに転身したきりんが、今日も経営企画の日知な話題をお届けしております。
今日の話題はPMIで、特に自分が子会社の立場にいて、どういうことをしてきたか、どういうことをされてきたか、みたいな、そんな話を少ししてみたいと思いまして、
それ関連で、最近のPMIの話題について、もう少し深掘りをしてみたいと思っています。
私が経営企画として働いていた、経営管理なんですけれども、やっていたのが、ある子会社としての仕事だったんですね。
親会社がその時はいたので、どういう形で親会社が子会社をPMIしてこようかというところを、子会社の立場で経験したことがありましたと。
その時に、どういうことをやられて嫌だったか、あるいは良かったのか、みたいな話を少ししてみようかと思いまして、いくつかあるんですが、まずは文化っていう観点で言うと、顔出しをしなさいと。
基本はリモートワークの会社だったんですが、スラックとかアイコンをまずちゃんと顔を出しましょうとか、あとはウェブ会議をする場合、ZoomとかGoogle Meetとかを使うときにですね、基本は顔出しをしなさいということだったんですね。
私自身、別に顔を出すことに抵抗はなかったですし、それまで言われる間もなく、言われることもなくですね、自分から進んで顔を出すタイプではあるんですけれども、
ただ会社の文化として、エンジニアが多かったということもありまして、エンジニアの方の特性なのかもしれませんが、あまり顔を出さない方が多いんじゃないかなというふうに比較的思います。
それを、そうですね、親会社から言われたからといって、社内にそういうおふれが出ましたみたいなところで周知をする必要があったんですけれども、それをですね、強制することは少し違和感はあったなというのはありました。
やっぱりいろんな理由はあると思うんですよね。顔を出したからといって何がいいんだとかですね、出す出さないって結構宗教論あるとは思うんですけれども、そういう部分を話し合いではなく、強制的に親会社がこうだからという理由で押し付けられたというのは、一つ乱暴なやり方だなと思ったことはありました。
ルールはルールだからっていう範囲ではあるんですが、少し文化も混ざる部分だと思うんですよね。
他の話で言えば決済権限関連ですね。これは当然親会社の立場からすると入れたいところで、とにかく報告をしなさいというのがその時の話でした。
いろいろと別に大きな決済金額ではないにしても、とりあえず経営会議っていうものを親会社を含んだ場でやりなさいと。
その時は親会社から人が派遣されてきていて、経営会議には親会社の人も含んだその体制でやっていたので、なんせ経営会議決済事項が非常に多くなったなと思っています。
別に現場のことが見えていらっしゃる方ばかりではないので、報告したとして何を別に解決してくれるわけではないし、単に知りたいだけっていうのは見えていたんですよね。
だからあまり意味がないというふうに、この子会社としてはどうしても感じてしまっていたのはありました。
その報告のための報告ということが増えて、そのために資料を作ったりとか、報告の時間を取られるというか、次の経営会議に入れないとこれは進められませんねということも多くて、
社内のプロセスが少し立ち行かなくなった、時間がかかったりとか、これまではずっとできていたことが1週間遅れるみたいなことが増えてしまったなという印象はありました。
ある種仕方ないことなのかもしれませんが、子会社からすると一つ一つのことがストレスになるなという、そういう学びはあったかなと思います。
また別の話題で言えばツールですね。ツールの統一圧力というのもありまして、具体的に言うと会計ソフトとかですかね、あるソフトを使っていたのが親会社と連結するためにこのソフトにしてくださいと。
自分がそのソフトを直接使う立場ではなかったので、あまり自分自身は不自由は感じることはなかったんですけれども、経理の方は相当負荷がかかっていたかなと思います。
それは使い慣れていた会計システムというんですかね、それを入れ替えるというのは相当移行期間も含めて大変だったというふうに記憶をしています。
それで別にハッピーになるのは親会社だけであって、子会社としては仕事が増えるだけのことだったなというのも思っています。
その時はですね、比較的それについて親会社から具体的に手を動かしていただける支援のメンバーが入ってきていたので、そういう意味では何とかなっていたかなというのは思いますね、同時に。
あとは評論家というと言い方がかなりきついんですけれども、あまり組織の現状とか課題を把握しない中でいろんな人が派遣されてきました、親会社からですね。
それこそ人事のプロですだったりとか営業のプロですだったりとか、あるいはビジョンの策定とか中期経営計画の策定に関して私はプロですという方ですね。
100点取れてないよねっていうことでそれに関するいわゆる反省文とかですね謝罪文みたいなことを書かされて、
もちろん改善もするんですけれども、今までのペースで言うと良くなってきているがまだ待ってよっていうようなこともありましたね。
いろんな大変なことがありましたけれども、極めつけはですね、親会社のロゴの入ったアミニティが配布されるみたいなこともありました。
これは感情魚でみたいなもんで、子会社からするとそういうふうにいろいろ親会社からの、
あんまり支援らしい支援はないわりにいろいろ押し付けられて大変な思いしかしてないっていうような、
そういう感覚に現場としてはなっていたところですね、これを配布しますみたいな話で、
アミニティが配られてそれをある種踏み入れじゃないですけども、そんな感じで配られたこともあったなと思いました。
何が言いたいかというとですね、いろいろ気をつけないとこういう感じのPMIになってしまいますよという話で、
親会社って立場でいろいろとできてしまうんですよね。ガバナンスなんか特にルールを押し付けるだけで、
それで親会社としてはやりなさいって言えば終わるみたいな、そういうふうに思っている方も少なくはないと思うんですよ。
支援らしい支援というのもない中で口だけ出して評論家っていう方も多いというふうになってしまいがちなので、
もちろん分かりますよ。親会社は親会社でやることはありますし、担当者もいきなり自分の普段の仕事に加えてPMIというか、
子会社の支援もしなければならないというのは仕事の量的にもそれは無理だろうというのはあるとは思いますが、
その無理だろうでそのままやるとこういうあんまりお互いハッピーじゃない結末になってしまうというのもありますので、
どうしましょうかという話です。今日はここまでですでに結構長く話していますけれども、
こういう悪いPMIにならないための要定というものが仮にあるのであれば、
どういう考え方があるかというのを少し歴史を振り返りながらお話をしてみようというのが次のパートでございます。
なぜ歴史に学ぼうと思ったかというところからお話をしようと思いますけれども、
PMIというもの、会社が会社を買ってそれを支配してうまくいかせるというのは、
歴史で言えば戦争を仕掛けてその国に勝ってその国を植民地支配して何とかするということにある種似ているなと思ったんですよね。
これに何か要定がないかなというところのアナロジーで調べてみたという話なんですが、
基本はですね会社というか国が戦争をしてその国に乗り込んでいくということで嫌われるわけですよ。
だから嫌われて現地から反発にあって追い出されてということが一番のリスクとしてあるわけなんですけれども、
そうならないパターンがいくつかあるというところで調べてみたのが台湾の例だったり南洋、南の島にですねパラオという国があるんですけれども、
その南洋パラオというところで行った植民地支配というのが日本の例で言えばうまくいったとされているものなんですね。
もちろんですねその戦争自体であったり植民地支配をすることについてのその良し悪しであったり、
価値判断をする内容ではないということは明確にお断りをしておきますけれども、
このアナロジーを利かして考えるという意味でおいてはですね、
このお話は一つ役に立つかもしれないというそういう趣旨でお話をしてみようと思います。
具体的にこの2つの国で行われた植民地支配の政策が同化政策、同じにする政策ですね。
同化、同じ化ける政策と書いて同化政策ですけれども、
日本人と同じになりなさいというそういう思想で現地を染め上げるものなんですね。
具体的に言えば公衆衛生もそうですし、
教育から何からもう日本と同じものにしてしまうというふうにお金をかけて、
人も送り込んでも変えてしまうというものなんですね。
文化から言語から何からもすべて変えてしまう。
日本語を話しなさいですし、教育も日本語で行うし、
日本の本土から日本人を送り込んで、
日本にしかなかったビジネスを現地に自立させるであったりとかそういうことをして、
もう日本人が南の島で住むんだ、台湾で住むんだという形で、
大量に押し寄せてその島を支配してしまうというものになりました。
もう一つ、この同化政策以外に成功したものがあるとすると、
いわゆる多民族共生モデルと言われるような、
そういった帝国主義支配というものが歴史的にはあるらしいですね。
あまりその文化を潰すとか、染め上げてしまうとか、
そういうことはせずに、そのまま保全をするんだけれども、
ちゃんと政治的に税金を取るだったりとか、支配をするということはすると、
仕組みとしてですね。
その現地の資源を利用するだったり、税金を取るとかいうことはするが、
現地の民族性だったりとか文化というものは保全をするというやり方があるというふうにも見ました。
それは、ある種会社で言えばですね、PMIをするときに別にミッション、ビジョン、バリュー、
そういう大きな部分については同じく方向を向いてやっていくんだけれども、
現場のオペレーションとか、そういうものに関しては口を出さない。
ある種、そういう意味で言うと、文化として顔を出す出さないとか、
スラックとか、Zoomみたいなところで顔出しをするかとか、
そういった細かいところはもう覆っておきながら、
大きくビジネスのシナジーが出るような、そういう取り組みさえ一緒にできればいいじゃないかという、
ある種の割り切りの政策というふうに考えることもできるかもしれません。
詳しくはですね、このオスマン帝国のミレート制度というんですかね、
そういったものもいろいろあるらしいんですけれども、
あるいはシンガポールとかの例でも、他民族の共生について、
いろんな背景が、いろんな文献から読むことができますけれども、
この辺りを調べていただければと思ってまして、
大きくですね、この同化政策と他民族の共生モデルというものが、
子会社をマネジメントする上で大きく2つ考え方としてあるんじゃないかと考えた次第でした。
PMIの話に戻ると、失敗するPMIは、
この両方をハイブリッドでどっちつかずでやってしまってるんじゃないかというふうに思ったんですね。
これは具体的に子会社に文化的な価値観とか、そういったところまで含めて押し付けようとするが、
でも人の派遣とか、ハンゾーンの支援というものは中途半端になっていて、
そういうことをやり切ることができない。
ハンゾーン支援はするんだけれども、あるいは担当レイヤーの手足みたいな感じで派遣してしまって、
全体的なレベルが底上げされずに成果が出ないとか、そういうことも含めてだと思います。
どっちつかずが一番良くないなというふうに思ったのがこの話の結論でして、
やり切るんであれば、もう同化政策のように現地に人を送り込んで、
文化を形成するというか、人を送り込むのでその人たちが新しく文化を作り上げるというか、
現地の人と子会社の人と共生するのか、みたいなところも含めてですね、
もうやり切ってしまう。圧倒的なマンパワーとコミットでやり切ってしまうということがあって初めてできるのが同化政策なので、
文化に口を出すならそれだけ口も手足もコミットをしましょうねというところができますかというのがポイントかと思いました。
それができないのであれば、細かいところまで口を出すのではなくて、いわゆる多民族の共生モデルじゃないですけれども、
ミッションビジョンバリューとかそういう大きなところは握っておいて、細かいオペレーションには口は出しませんと、
その代わり一緒にシナジーが出るような取り組みさえ一緒にできれば大丈夫ですよという、そういうやり方。
浅くやるなら浅く、深く入るなら深くというこの塩梅ですね。
これのミックスを中途半端にしてしまうと失敗するんじゃないかなというふうに思ったということです。
もちろんこれは全体で考えなくてもいいと思います。
ビジネスの領域ではものすごくハンズオンでやる。
あるいはそこはやるけれどもガバナンスとかそういった部分についてはちょっとこの1年は目をつぶっておこうとかですね。
メリハリをつけて人をちゃんと送り込める部分に関しては深く口を出して文化まで変えていこう。
なんなら日頃のその会議の開催の仕方とか報告の仕方とかですね。
そういうことも含めて共生していこうというふうにやるのであれば圧倒的なハンズオンコミットが求められるのであると。
半端は良くないんじゃないかって思ったのがこの話のオチでございます。
ちょっと経営企画というよりはPMIの話が最近多めになってしまっていますけれどもご容赦いただければと思います。
引き続き聞いていただければと思います。
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お疲れ様でした。