1. 経営企画のたばこ部屋
  2. #52 自壊する組織の構造
2025-07-26 12:40

#52 自壊する組織の構造

◆組織維持の課題と対策◆組織は放っておくと自ら壊れていきます。特にスタープレイヤーへの属人化が進むと、新たな人材の採用や育成が困難になり、マニュアル化や受け入れ体制の不備から短期離職が多発します。これにより企業の評判が悪化し、採用コストの増加や、高い報酬に見合う成果へのプレッシャーが高まる悪循環に陥ります。業務委託や派遣の活用は短期的な解決策となりますが、属人化やブラックボックス化を招きやすく、長期的な組織強化には繋がりません。これらの問題は、正社員の採用に時間をかけ、マニュアル化と仕組み化を徹底することで解決できます。

◆組織のモラル維持の重要性◆組織の崩壊を防ぎ、健全な成長を促すためには、モラルの低下に真摯に向き合う必要があります。経費の不正使用やハラスメント行為は、たとえそれがキーマンによるものであっても、厳しく対処し、適切な処分を下すことが不可欠です。これらを放置すると「仕事ができれば何をしても許される」という誤った認識が広がり、社員の士気を低下させ、離職を招きます。また、ローパフォーマーに対しても、安易な解雇ではなく、目標設定の見直し、役割の変更、配置転換などを通じて会社としてサポートする姿勢が重要です。そして、成果に見合わない場合は、適切に評価と報酬を調整することで、組織全体の公平性を保ち、他の社員のモチベーションを維持します。

◆Personality:きりん外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。

◆Twitter:⁠⁠⁠⁠https://x.com/kirin_fpa⁠⁠⁠⁠◆Note:https://note.com/logicalkobo

サマリー

このエピソードでは、組織が自壊するメカニズムとその防止策について考察しています。特に、スタープレイヤーが組織に与える影響や業務委託を採用することによるリスクに焦点を当てています。自壊する組織の構造について、経営資源の問題やパワーハラスメントなどの職場環境が組織の健全性にどのように影響するかを探ります。また、ローパフォーマーの問題への対処の重要性と、適切な雇用戦略が組織の崩壊を防ぐ鍵であることが強調されています。

組織の自壊メカニズム
おつかれさまです。経営企画のたばこ部屋、52回目の配信です。戦略コンサルから事業会社の経営企画、FP&A に転身したきりんが、経営企画の日常話題をお届けしております。
経営企画の唯一絶対のミッション、これは企業価値の向上だという話をしたことがありますけれども、全ての企業価値というものは、結局は人の問題に帰着するというふうな意識で、人の話を今日はしたいと思っています。
人、もっと言うと組織の話ですね。全ての戦略、どうしても実現できるかどうかというのは、どんな人間がどのような意識でその会社に集い動いているかというところに全て帰着するわけですね。
強い組織を作るためにとか、良い組織を作るためにとか、いろんなそういった本がありますけれども、そもそも組織というものは放っておくと自壊していく、自ら壊れていくものだと思いますし、強いものを作る以前に壊れないように組織を維持するって非常に大変なことでして、そのためにどうすべきかという、そんな問いを立ててですね、今日話してみたいと思います。
まずは組織はですね、放っておくと壊れてしまうという、壊れるって言うとあれなんですけれども、どうしてもスタープレイヤーがいる状態、その俗人的なところから脱却することができないと言いますか、その俗人的なスタープレイヤー、この人がいるから組織が回っているっていうその状態で新しく人を雇うことってとても難しいし、
そのスタープレイヤーの周りにうまく活躍する、第2のスタープレイヤー、第3のスタープレイヤーみたいなものを育てていくことがとても難しいというところがまず一つ目あると思うんですよね。
どうしても自分でできてしまうからこそ、人に教えることが難しかったり、自分でできるからあえてマニュアルにせずですね、他の人に任せるみたいな発想を持たずにそのまま来てしまったという組織であるあるなんですけれども、
そういう受け入れ体制とかマニュアル化、カタカが整っておらずに新しく入ってきた人がすぐ辞めてしまう構造にあるということがあるでしょうと。
そうしたら短期の離職みたいなものがどんどん発生してですね、この会社に入っても私は活躍できませんでしたっていう実績がどんどん積み重なってしまいます。
そして組織の問題点みたいなものが挙げつらわれて採用の口コミサイトみたいな転職サイトみたいなところにも企業の口コミが書かれてですね、
それを見てまた他の採用の候補者も入社を辞退してしまうとかいうスパイラルが回ってしまったりもするんですよね。
すると報酬水準も上げざるを得ないという風になってお金で吊る形で採用するんですけれども、そうすると報酬を上げたからにはこれぐらいの期待値じゃないと困るよねというようなハードルが上がるわけで、
この会社としてもまた任せるハードルが高まってですね、どちらかというとこれぐらいの水準の報酬を上げているんだから、これぐらい雑に振ったとしても何とかしてくれないと困るよみたいな、結局は型化されていない組織においてその人に丸投げをしてまたその人が壊れてしまってみたいなループが回ってしまうのだと思います。
こういう風にですね、新しく人を採用する、特に正社員とかある程度コミットした人を採用して組織を大きくしていくことが難しいっていうのが基本的な構造だとは思うんですよ。ベンチャー企業においてですね。
業務委託の影響
じゃあそういう状況でどうしたらいいのかというところで2つぐらいあるかと思います。
1つがですね、業務委託や派遣の採用に逃げないという話で、これがいわゆる業務委託の方って市場的には強い人が多いと思うんですよ。
この個人でバリバリやってますと、自分で個人事業主になっていろんな会社に営業をかけて、それで仕事をもらってという方をいわゆるこの場合の業務委託だと想像していただければいいんですけれども、
その方々は放っておくと強いですと、ある程度ざっと仕事を投げたとしてもなんとかしてくれたりするんですけれども、その代わりに俗人化するんですね。
その人が仕組みを作ってしまうとか、その人なりの仕事のやり方というものを作るんですが、そうするとやっぱブラックボックス化するというか、
なんかこの人に任せれば確かに仕事は回っていくんだが、その人がいないと回らない状態というのが完成されてしまうんですね。
これは業務委託の方が狙うところでもあると、別に悪意を持ってやってるわけではなくて、普通にやればそうなるという話で、
自分で活躍の余地をどんどん広げると、自分でないと回らないってなれば、それはそれでその業務委託の契約の継続をする理由にもなるわけですから、
やっぱり放っておくとそういった俗人化、ブラックボックス化というのは避けられない。
かつ、業務委託ってよくある話ですけれども、当然他社との兼務もありますし、稼働比率も分かりにくいから、
どの程度仕事を振っていいのかというところもいまいち分かりづらくなってしまったり、その辺が難々になってしまうこともあると思います。
ただ本質的には、そもそも業務支持をしていいわけではないのが、この業務委託ですね。
純委任契約であればあるほど、具体的な業務支持度とか、その完成に関する責任を負わせることはできないというものになりますので、
あんまりそんな自由にですね、正社員のように働かせることができないというのは大前提なんですが、
加えてですね、評価を受けるわけでもないので、評価をする対象でもないじゃないですか、業務委託って。
なので、その方ができる範囲でできることをやるというのが業務委託。
そういった意味であまり期待値を高く設定しても、あまりワークしないというので、頑張るインセンディブを持たせることが、SOとか設定すれば別ですけれどね、
そういうことはあまり難しいというのが業務委託になるかと思います。
派遣も同じだと思いますね。この自由に組織の都合で業務を変更できない、全ては契約の場合、契約の中身で決まっていますし、
派遣の方の契約内容のところの文言に記載されている内容の範囲内かどうかというので、仕事を振れるかどうかが決まりますので、
あまりここもですね、自由に仕事を沸かせることはできないと。地味に時給も高いわけですね。
派遣会社が常に3割以上持っていきますから、その部分でコスト的にもどうしてもコストは悪くなってしまうと。
こういった背景があるので、業務委託派遣採用、スポットでどうしてもつなぎでという話はあるんですけれども、
その場合もその方々の俗人化した仕事にならないように、常にマニュアルとか仕組み化を同時にお願いするということをスコープに入れて発用する必要があるかと思います。
この業務委託派遣採用に逃げないというのが一つ目、どうしても正社員の採用って時間がかかりますし、
一回採用してしまうと逆に辞めさせづらいという話もあるので、
ミスマチの場合ですね、そこは慎重になるのもわかるんですが、どうしてもこの部分、業務委託に採用すると短期的には何とかなるが長期的には悪種だということが私のここで言いたいことになります。
モラルの重要性
実際そういう企業を何社か見てきているんですけれども、
それ以上ですね、30名40名以上の規模になる上での大きなハードルになっているかと思います。
リーダー格を務める人が業務委託である場合とか特に県庁で、その人を育てるインセンティブとかっていうのは業務委託の方にはそんなにないわけですね。
仕事的にも役割的にもそんなところは担うわけでもないので、あまり組織の長みたいなところを任せるのは業務委託というのは向かない性質かと思います。
もう一つ組織を崩壊させないために、より大きくしていくためにどうすべきかという話ですと、2つ目がモラルの低下からどれだけ目をちゃんと反らさずにですね、向き合っていけるかということかと思います。
いくつかですね、自分も向き合ってきたことがあるんですが、一つ目例えばあれば経営費の使い込みをされている方とかですね、こういう方にちゃんと辞めてもらって、
辞めてもらうというのはその経営費の使い込み自体を辞めてもらうことであったり、あるいは悪質な場合は組織から去っていただくとかそういうことも含めてですけれども、
例えば元々大企業出身の方だったりとか、緩めの会社に所属されていた方であれば割と起こりやすい事象なので、結構目を光らせておく必要があるとは思います。
何らかのロジックで業務利用しているというロジックが組めれば、それで何でも買っていいと思っている人がいたりするので、結構注意で、
過去1年分とか1業1業経費生産の内容を洗っていくと、何だこれはというものが結構出てきたりするんですよね。そういうことがですね、現場単位ではおそらくわかっているが、
これは会社は黙認しているんだよねというふうに現場は思っているので、こういう一つ一つをですね、ちゃんと取り締まっていくということで、まともな会社である、まともな会社になっているのだということをアピールしないといけません。
その他やっぱりダメなのはパワハラとかセクハラですね。セクハラはわかりやすく論外だとは思うんですけれども、難しいのはパワハラですね。どこまでがパワハラ、どこからがパワハラというのは議論が尽きないところではありますけれども、ここはですね、もう本当に厳しく会社としては取り締まっていくと、それがいかに売り上げを持っている人とか会社にとってキーマンであろうが、もう正しくですね、規定の通りにさばいていくというふうに考えております。
さばいていくということが必要になるかと思います。これを黙認すると、仕事さえできれば何やってもいい会社っていうふうになってしまうので、これはこれでまた社員の利反を招いてしまう。長期的には大きくならないと言いますが、その結局はスタープレイヤーというか、その方々の俗人的な組織からの脱却ができない一つの要因になることも少なくないと思います。
もう一つあるとすればローパフォーマーの方々ですね。これが一番実は厄介で、本人は頑張っているんですよ。本人頑張っているので悪意がなくて、ただただ仕事がうまく回らない。その方が悪いというよりは会社とのミスマッチということなんだとは思いますけれども、これがまあもちろん正社員の場合にですね、単純に首を切るわけにもいかずですね、一番難しい取り扱いになると思います。
単純に目標設定をまずちゃんとやり直したりとか、役割を見直したりとか、配置転換も含めてですね、そういう会社としてまずできることがないかという視点で考えることが健全で、いかにやめさせるかみたいな風になると非常にもったいないですし、それで仮に訴訟なんかになってしまうとですね、多大な労力、金銭的な時間負担が一番大きいかと思いますけれども、になってしまうので、
そういう部分含めて丁寧にやらないといけないのが、このローパフォーマーとされる方々ですね、との向き合い方かと思います。
これもちろん難しいんですけれども、その方々、本人頑張っているからといってこれを放置すればするほど逆に他の社員、ちゃんと普通に働いていて普通に成果を上げていただいているその会社員、他の会社員の方の指揮が下がってしまいますので、
頑張っているからといって見逃すのではなくて、ちゃんとその方々の目標を設定し直して、満たない場合にはグレードや等級を下げて年収水準も下げてという風に適切にちゃんと役割とか成果に応じた報酬テーブルを適切に運用していくというのが当然ですけれども必要なことかと思います。
このモラルの低下にちゃんと向き合うということ、あとは最初にも申し上げたような結局採用ですね、業務委託とか派遣に逃げずに正社員、ちゃんと組織にコミットしてくれる人を採用するべきであるというのが今日お話をしたいところで、この辺りを放置してしまうと、あとは楽な方に逃げると組織って勝手に崩壊していく方向にしかなりませんよということでございます。
ローパフォーマーへの対応
強い組織をするためのその前提の話として今日の組織の話が何かのお役に立てればいいかなと思っております。
今日は以上となります。この配信はVoicy他ですねSpotifyなど各種配信サイトでお聞きいただけます。もしよろしければ高評価やコメントなどフォローいただけますと大変励みになります。いくつかいただいているのを拝見しております。ありがとうございます。お疲れ様でした。
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