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ポックンのレトロ三面記事
電気社用活動台写真の観覧興行を催すよし、ステーションの雑踏、海水浴場の形状、子供遊び、美人踊り図書、その他、すべて原型のまま、かつかつ非道するものにて、
各国皇帝もすでにこの新発明に対し、賞賛及び軍賞を贈与せりと、会長は毎日午後六時、上等五十戦、下等十戦。
はい、ポックンです。ポックンのレトロ三面記事。このコーナーは何年か前の今日、どこかの新聞に書かれたとある記事に焦点を当てて、そのレトロを味わうコーナーです。
今月は1897年、明治30年にタイムスリップしてみました。活動写真、今で言えば映画のことですね。皆さんも映画が好きかと思います。ポックンも大好きです。でも明治時代の人たちが見た記事の映像は、映画というより記録映画、とても短いドキュメンタリーだったんだと思います。
そして、令和の僕たちが映像を見るときとは全然違う気持ちになったんだと思います。いろんな国の皇帝が軍賞を与えているくらいですから、当時は驚きをもって映像を見たのは、想像にかたくはありません。
そして、驚きの後にもう一つの気持ちが生まれたのではないかと想像するんです。それは一言で言えば、たぶん不思議な気持ち。これはポックン、わかる気がするんです。
父親が映写機を持っていました。今で言えばビデオカメラです。日曜日に出かけた先で家族を写し、写したフィルムを確か現像に出していったと思います。そして出来上がったら、自宅で上映会が催されたんです。それがとても楽しみでしたし、実際とても楽しかった。
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同時にすごく不思議な気持ちになったんです。生身のポックンはここにいるのに、カタカタ音をさせる映写機から発せられる光が当たった先のスクリーンに、動くポックンがいることに、とても不思議な気持ちがしたんです。あれは本当に自分なのか、と当時5、6歳だったポックンは思ったものです。
港座の大活動写真を見に行った人たちも同じように思ったんじゃないかと想像するんです。なぜ平べったい幕の中で人が動いているんだろうというふうに。触ってみたいと思ったんじゃないでしょうか、この幕を。ポックンは触りました。スクリーンを。さらっとしていて、触ったところは真っ黒になって、今までそこにいたポックンはいなくなってしまいました。
離れるとまた現れる。もう一回触ってみました。また真っ黒。他の家族から見えないと文句が出て、やめました。お出かけ先の次のシーンでは、帰宅して自宅の縁側の隅に座っているポックンが映されていました。
着替えることもせず、当時お気に入りだった、もういろんなところがほすれてしまった年季の入った水色のタオルを持ち、タオルの四隅を順に鼻にあてがって、その匂いをカメラ目線で嗅いでいる映像です。
それは捨てようと思ってるんだけど気に入って離さないと母親が言ってた子供ポックンのお気に入りのタオルだったのを思い出します。どこかにしまっていた記憶を今回の記事は呼び起こしてくれました。そして束の間、5歳の時のポックンにタイムスリップすることができました。
こんなタイムマシーンを作ってくれたのは発明王ことトーマス・エジソン。
彼が1891年明治24年に開発したキネトスコープと呼ばれる装置が映像の元祖だと言われています。
一方、世界最古の映画と言われているのはフランスのリュミエール兄弟が1895年明治25年に制作したタイトルラ・塩田駅への列車の到着という作品で、駅に入ってくる列車の映像が記録された1分に満たない映像だと言われています。
あと記事に出てきた料金ですが、測り方がいろいろあって一概には言えませんが、上等50銭は2500円くらいのようです。これだったら今の映画館と同じくらいですね。
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というわけで、今回は1897年明治30年の3月6日に戻ってみました。次はいつかの4月3日にタイムスリップしてみたいと思います。また一緒にスリップしましょう。
それでは来月まで。さようなら。