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ポックンのレトロ三面記事
とくとう、うすげ、ぬけ毛のごときは、男にても見苦しく、ことに女にありては読み入りきずともなり、また毛のなきはふぐとも云うべく、道場に絶えざるところなるが、
前期の方々が一朝にして黒い毛が生え、新婚旅行の楽しみをも得られる福音は、最近に一夫人が我が身の上の恥ずかしさに思いを焦がして、ついに望みどおり黒い毛が生えた実験規約の分配なり、
本規約に限り、これまでの名称なみ立派でその実無効なる廃約と違い、実験者は着々良き異常の効果に狂気しつつあり。
詳細はハガキで、東京市築地1-18美容堂トリコ、電話京橋3976へ。申し込みは人助けのため、自分の秘密まで空所で通知す。
はい、ポックンです。ポックンのレトロ3面記事。このコーナーは何年か前の今日、どこかの新聞に書かれたとある記事に焦点を当てて、そのレトロを味わうコーナーです。
今月は1920年、大正9年にタイムスリップしてみました。久しぶりに大正時代の記事を取り上げました。そして以前、カルピスの広告を読んだように、今日はあなたの頭髪のお悩みを解決しますよ、といった宣伝広告を読んでみました。
カルピスの広告は健康を願うとても健全な内容でしたが、今回の広告は、うって変わってうさんくささがたどっていますね。
自分を実験材料にして、その成果は具体的に示されてないにもかかわらず、効果は上がっている、と言っていて、その秘密を知りたいなら電話してください。もしくは手紙を送ってください。さすれば折り返し返信します、と宣伝してますが、
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誰がそんなのに電話したり自分の住所を知らせたりするんでしょう、と言ってしまうのは簡単ですけど、今だってこういうのありますよね。むしろ今の方がもっと危ない。
ネット上で名前や住所はもちろんカード情報を打ち込んだりするんですもの。各有ポックン自身もそうです。通販でも最初はすごく抵抗があったんですが、カード払いを選ばないと利用できないので、今じゃ嫌々ながらもカード情報を打ち込んで買ったりしてます。
この前、海外のサイトでTシャツを買ったんですが、それもだいぶ迷った末に、どうしてもそのTシャツが欲しかったので、カードで買いました。
つたない英語力で配送状況を確認し、だいぶ時間がたって品物が到着し、翌月ぐらいにその通りの金額が引き落とされたのを確認したときは、正直、ずいぶんほっとしました。
偏見かもしれませんが、でもこれくらい用心してちょうど良い気がしてます。やっぱり顔の見えない存在とやりとりするのは怖いです。時々そのサイトが信用できなかったり面倒になったりして利用を見送ったりするんですが、それでもそのTシャツみたいに気に入ってしまうと、どうしても欲しくて、またサイトにアクセスしてみたりします。
こんな気持ちと同じなんだと思います。大正時代のこの新聞広告の人に電話してみたり手紙を送ったりした人は。怪しいんですけど、薄毛の悩みは惚れた弱みと同じくらい強い気持ちなんでしょうね、大正時代の人にも。
そして、それに付け込む人がいるのも、まあこの広告がそうだとは言えませんが、大正も令和も変わりはないようです。ポックンはハゲてはいないんですが、ややおでこが広めで、大学時代にお前はスティング、有名なミュージシャンですね、彼に似てるな、おでこがと言われたことがあります。
そして、やっぱり年を重ねるごとに上へ上へと上がっていってます。やっぱり嫌ですね。生え際なんかも立たせるようにしたりして、髪がぺたんこになるのを避けてます。
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だから、後退するわ、抜けるわ、少なくなるわ、そして地肌が見えてきたわ、となったら、ポックンも怪しい広告にアクセスしないと今現在は断言できません。けれども一方で、ハゲると決まったら髪を剃ってしまおうとも考えてます。
無駄なことに未練を残さず、ハゲた魅力を追求する。そんな男に私はなりたい。さて、ポックンの髪の毛は今後どんな変遷をたどるのでしょうか。
最後に、広がるおでこと反対に気ままに伸びるようになった眉毛について、最近思ったことを述べてみたいと思います。
千田ってテレビを見てたら、東京のとある古いビルを紹介してまして、そこで働く様々な人々の中に、もう白髪となった伸び放題の眉毛が目元までかぶさっている角尺とした男性のご老人を映してました。
一見とてもひょうひょうとした、ビルに入っているある会社の社長さんを務めている方でした。まるでスーツを着た仙人みたいな人でした。その人を見て、眉毛に白髪が混じりだしたら、眉毛をカットするのはやめようと思いました。
見出し並みを整えるのは知るまで大事なことだと思いますが、眉毛については自然のままがいいんじゃないでしょうか。
理由はともかく、そのおじいさんを見たときにぽっくんは、眉毛はいつの日かからは自然にまかせようと本能的に思ったのでありました。
というわけで、今回は1920年、大正9年の10月4日に戻ってみました。
次はいつかの11月1日にタイムスリップしてみたいと思います。また一緒にスリップしましょう。
それでは来月まで。さようなら。
