スピーカー 2
このご経歴をご拝見させていただきましたが、これまで一貫して新潟市の花街に関する研究をされてきたとのことですが、新潟市のご出身とのことですから、地元新潟に関する関心で研究を続けてきたと言えそうですけれども、どのようなきっかけや関心からこのような研究をされてきたか、教えていただけますか。
スピーカー 4
おっしゃる通り、これまで続けてきたという意味では、まさにやっぱり古町、新潟に非常に面白い価値のあるものがあると感じたからなんですけれども、実はきっかけを言うと、新潟ではなくて八王子市の花街なんですね。
そこに私が4年生、大学4年生の時に、それまでは花街というのもあまり知らなかったんですけれども、研究室に入って、私もともと伝統文化とかですね、歴史とかそういったものが好きで、建築の人間だけども、そういった歴史民族、そういったものに関わりながら研究できるものはないかと考えていたところ、ちょうど入った研究室で花街というテーマをやっていると。
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で、花街というのをまた調べていくと、本当にもう歴史、伝統文化、そういったものが丸ごと残っているような、そんな場所だということで、やりなりまして、最初に行ったのが八王子だったんですけれども、実はその八王子がですね、ただ花街として面白いだけじゃなくてですね、人がすごい頑張ってたんですね。
そこの地域の芸妓、京都で舞妓さんのような存在ですけれども、その芸妓やですね、町内、町内界の地域に住んでいる方、あとは商売をやっている方と、皆さんが一丸となって、町を花街の伝統文化を活かして盛り上げていこうと、そんな動きをしてまして、そこに私もですね、加わって、花街というのは本当に町を盛り上げるためにすごい大きな存在になり得るんだと。
いうことを感じてですね、新潟に帰ってきて、新潟で私自分も頑張ろうというふうに始めたのが、活動と研究のきっかけと言えるかなと思います。
スピーカー 2
花街を中心に経済活動だったり、その町並み、景観が作られてたりっていうところが結構大きく見れたってことですよね。
スピーカー 4
そうですね。
スピーカー 2
新潟に帰ってきて、その活動をまた取り組むってなった時に、どういうところに注目して、そういう活動をしていこうかなというふうに思ったんですか。
スピーカー 1
新潟はですね、八王子も良かったんですけども、新潟は実はもう、いわゆる町並みというかですね、古い歴史的な風情のあるですね、町並みが全国でももうほとんどないぐらいすごく残っているんですね。
スピーカー 4
なので景観、まさに私が担当、都市デザインとかのですね、専門的な分野から見ても、すごく全国的に見ても面白いエリアだと。なので一つが景観ですね。
あとですね、古町の花街はですね、古町も芸妓がいるわけですけども、その新潟の場合はですね、株式会社として芸妓を雇って、ちゃんと昔ながらのですね、個人事業主ではなくてですね、会社として雇って、
スピーカー 1
お稽古、歌やですね、三味線や踊りや、あと太鼓のようなつづみっていうんですけども、そういったもののお稽古も全部会社で面倒を見て、で、ちゃんとお仕事をしてと。
スピーカー 4
で、それはまた地域の会社、いろんな会社がですね、お金出したり、新潟の市役所だったりと。地域が全体一丸となって、その文化を支えていこうという、そういったですね、全国でなかなか見られないような文化を守る取り組みもあったんですね。
スピーカー 1
そういったところで、文化と街並み、これはもう全国でもなかなかないということで、新潟の活動の核にしようと思ったわけですね。
スピーカー 3
直近では旧斎藤家別邸の学芸員をされてたとのことですが、旧斎藤家別邸、多分私は行ったことがないところなんですけど、この別邸がどのような場所で、そこで久保先生がどのようなお仕事をされていたのか教えていただけますか。
スピーカー 4
旧斎藤家別邸もですね、説明をすると長くなるので、すごく簡単に言うと、新潟市で明治時代、今から150年ほど前ですね。その頃に、あの地域一帯で、特にお金持ちだった家ですね。
スピーカー 1
新潟は豪商って言うんですけども、そのですね、新潟でもとりわけ豪商として名が知れていたのが斎藤家でして、それだけ商売でも大成功している方なので、自分のご自宅もすごく大きかったんですけど、それとは別に別荘も市内のいいところに大きくドンと建ててですね。
そこに夏暑い時とかに、まずそこで涼しくなるような造りになっているので、そこで過ごしたりですね。あとまあ、いろんなVIPのですね、方を新潟に招いた時に別荘に連れて行って、非常にですね、庭園とか建物がすごくいい造りなので、それを見てもらいながら楽しんでもらって、商売のお話もすると。
そんなですね、形で使っていたのが旧斎藤家別荘ですね。
スピーカー 3
ここは誰でも入っていい場所なんですか?
スピーカー 1
今はですね、実はもう2012年ですね。新潟市がですね、買い取って、もうその後公開してるんですね。
なので、もうあの、今300円です。
スピーカー 4
300円。
入館料300円払えば誰でも入れます。
スピーカー 1
え、行きたい。
スピーカー 2
先生はこの学芸員としてどのような仕事をしていたのですか?
スピーカー 1
そうですね。学芸員、知っている人は知っている、いろんな美術館とか博物館の絵をですね、展示したり、昔の古いですね、新潟の土器とかですね、いろんなものを展示する。
いわゆる、そういった仕事が学芸員なわけですけども。
斎藤家別荘でも、建物とお庭がもうとにかくすごいので、まずそれを見てもらうのが一番ですが、やっぱりそれだけだとリピーターがあまり少ないよねということで、
じゃあもういろんな地元の作家さん、画家の方であったり、いろんなですね、伝統的な作品を作っている方とか、いろんな方と連携をして、
1年の中で4回か5回かですね、企画展という、何回来ても楽しめるように毎回来るたびにいろんな展示をしていると。
そんな風な場作りのために展示を企画したというのが私の一番の仕事ですね。
また他にもですね、いろんなセミナーをですね、講座を開いたり、講演もしたり、そういったことからですね、あと広報ですね。
それこそいろんな新聞だったりテレビのマスコミの取材の対応をしたり、いろんな雑誌にも載せてもらうので、その原稿のチェックだったりしたり、
また他にもですね、スタッフが多くないところなので、人が多いときはですね、私も抹茶を立てたりですね、コーヒーを入れたり、それを配膳したりと、
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そういったことから、場合によってはもう受付に至ってですね、入管料300円頂戴しますみたいなことをですね、やったりと、本当にもう幅広い。
スピーカー 1
何でもやらされましたと。そんな感じでですね、斎藤家別邸の運営に全般的に関わっていたという感じですね。
スピーカー 2
なるほど。じゃあその保全と運営と活用っていうのがすごい大きな仕事ですよね。
まさにそうですね。素晴らしいまとめを。
その学芸員のお仕事とかの関係もあって、長く新潟市の古町とかその周辺の伝統ある地域に関わっていらっしゃったと思いますけども、
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今日はですね、収録日の段階ではまだ大学に着任されて間もないのですが、もう一つの伝統の町新発田にいらっしゃってどのような印象をお持ちでしょうか。
スピーカー 1
新発田もですね、私はそんなにたくさん来たことがあるわけじゃないんですけども、何回か調査であったり、
スピーカー 4
街づくりの知り合いがいくらか新発田にもいるので、そういった方の活動にちょっと参加したりと、そんな感じで来ているぐらいなんですけども、
それでもですね、やっぱり新発田のその歴史、文化の残り具合とかですね、本当に素晴らしいなと思っています。
スピーカー 1
例えば清水園という国の名所もあればですね、他にも最近大倉家八郎という、斎藤家のですね、党首よりももっと全国区ですごかった商売人のですね、
スピーカー 4
方の別荘が最近新発田に移りました。
スピーカー 2
蔵春閣というところですね。
スピーカー 3
知らなかった。
スピーカー 1
蔵春閣、そういうところもやっぱりできましたし、あとはやっぱり新発田お城の城跡もですね、あったりと。
本当にこれだけこの中心部にですね、よく残っている場所は他にもないことはないですけども、少なくとも新潟の中ではですね、かなりポテンシャルが高いなと感じているので、
まさに私のですね、文化を活用したり、街並みを保存して、街を活性化させようというのとぴったり合うような街なので、そこを本当に新発田に来てからは、これから取り組んでいきたいなと思っているところですね。
敬和キャンパスレポ
スピーカー 2
お届けした曲はネギっ子、サンシャイン日本海でした。
今日の敬和キャンパスレポは、共生社会学科に新しく着任された先生、街づくり、都市計画、デザイン学を専門の久保有朋先生をお迎えし、お話を伺っております。
後半もどうぞよろしくお願いします。
2月に敬和学園大学から国際教養学科の開科が発表されました。
過渡期での着任ということで、新しい学科では地域経営コースに所属されると伺いました。
どのような科目を担当される予定なのでしょうか。
スピーカー 1
いくつかあるんですけども、一つはそのままコース名と一緒に地域経営論ですね。
スピーカー 4
地域経営、これもかなり広い言葉ですけども、地域社会をですね、どのように経営運営していくのかというところですね。
スピーカー 1
それこそ新発田市役所であったりですね、商工会議所とかそういった企業関係ですかね。
あと他にやっぱり非営利組織というNPOとかですね、いろんな市民の団体とかそういったいろんな人たちがどう連携して、どんな手法で地域を活性化とかしていこうか。
そんなことをですね、いろんな手段とか、そもそものその地域の動き方みたいなところを学ぶような授業をできればなと思ってますね。
あとは他にもコミュニティデザイン論とかですね、観光ビジネスとか、あとは私の専門にかなり近いですけど伝統文化、街並み景観論とかですね。
スピーカー 4
そういったものを担当するようでですね。
スピーカー 2
コミュニティデザインっていうのは具体的にどういうことを勉強する学問なんですか。
スピーカー 4
簡単に言うと、地域社会のつながりをどう作っていくかみたいなところですね。
スピーカー 1
本当にコミュニティという言葉とデザインという言葉をくっつけた、本当に最近、近年生まれた造語なんですけども。
何でそれが数年前から注目されているかというと、もともと都市何もないところに作るとなればですね、そんなに気にしなくていいんですけども。
今やっぱりもうほとんど日本だと山の中を除けばですね、街はもう建物がもういっぱい建ってるじゃないですか。
でもそうなってくると、じゃあその街を変えようといったときには、全部行政が勝手にもうみんな壊して道路を拡幅しようとかですね。
スピーカー 4
このエリアを大きくして再開発だとか、なかなかできないわけですよね。
スピーカー 1
それを何かやろうと思ったら、必ず住んでる人とか、今商売してる人、住んでる人といかに話し合って、街をどういう街にしていこうかっていうのを。
スピーカー 4
いわゆる地域の住んでる方、皆さんと連携しなきゃいけなくて。
そのために連携するための話し合いの場とかですね。
スピーカー 1
一緒に活動するための組織をどう作っていくか。
それがコミュニティデザイン。コミュニティという地域社会をデザインする。
スピーカー 4
結構アクティブな感じですね。
スピーカー 1
そういった授業の中では、場合によっては地域に出て行ってですね。
地域の方と実際に地域社会の今のコミュニティをですね。
実際に体感してもらって、それをより良い形にするにはどうしたらいいかってところもですね。
考えてもらうような、そんなことができればいいなと思ってますね。
スピーカー 3
最初にご紹介したプロフィールを拝見すると、
古町花街に関すること、町遺産、町並保全、伝統文化継承、観光振興といった分野でお仕事されてきたとのことですが、
それぞれどのような活動をされてきたのか。
新発田ではどのようなことができそうか。今考えていることを教えてください。
スピーカー 4
そうですね。
古町遺産、町並保全、この辺りは割と同じです。
町遺産というのは、その言葉の通り、町にある遺産というか財産ですね。
スピーカー 1
町の昔から残っている財産、それをどう守って活用していこうかというのが、町遺産の会という会での活動なんですけれども、
スピーカー 2
なんか最近だとあれですよね、新発田だと、新発田をテーマにした、最近映画が出ましたよね。
11人の賊軍というやつ。
あれはあれで、その映画の上映が発表された後に、また新発田城が大体的に公開され、いつ普段公開されないところも結構公開されてて、結構そういう部分でやっぱり活用っていうのは大事なのかなって、結構肌で感じてましたね。
スピーカー 4
まさにそういった意味では、映画、アートですね。
芸術分野の映画によって、また地域の歴史であったり、そういった文化の文化遺産、歴史的な建物、関係がまた脚光を浴びて、またそれを本当に活用することによって、またお城に来た人が映画を見てとですね、そういったもう循環していくような仕組みが作れるのは多分一番理想的なのかなって思いますね。
スピーカー 3
聖地巡礼とかあります?
スピーカー 1
まさにそうですね。それも本当にアートと地域の活性化と地域の文化の活性化といろんなものにも結びついていくので、聖地巡礼は本当にそういった意味では町づくりのですね、すごく今の時代に合ったやり方なのかなって思いますね。
スピーカー 2
これからの地域経営コースで学ぶ人たちにはたくさん地域活動の可能性がありそうですね。授業やゼミの活動でこれから学生の皆さんとどのような取り組みをしていきたいかお話をお願いします。
スピーカー 4
一つは私はゼミでやっぱり地域にちゃんと入ってですね、地域の方々とまた話し合うだけじゃなくてですね、どんな町にしていきたいかというところをですね、学生の意見と地域の方の意見をですね、すり合わせながら一つの未来をですね、ちょっと考えてそれを実現ですね。
スピーカー 1
実現する、考えるだけで終わらないで、少し小さいことでも、じゃあ町歩くときに夜足元が暗いから灯籠があったらいいよねっていう案が出たとしたら、実際にその灯籠デザインを学生でして、コンペなどを地域でして優勝したチームの実際に未来作っておくとかですね、そういった形で本当に町にですね、影響を与えるような活動もできればと思っています。
スピーカー 4
そのためには、自分のまずフィールドで自分が事務局長をやっているところだったら、地域の方ともすぐに動けるので、まず古町を対象にしながら、ゆくゆくは新発田の中でも地域の皆さんとですね、連携の形を作っていければ、この地元の新発田でも実際に町を変えていく活動をゼミの学生と一緒に作り上げていければなと思っています。
スピーカー 3
本日の敬和キャンパスレポは、共生社会学科に新しく着任された先生、町づくり、都市計画、都市デザインがご専門の渡部有朋先生をお迎えし、お話を伺いました。大学の活動が本格化してきたら、またラジオでお話ししてください。どうもありがとうございました。
さてエンディングです。これまでたくさんのお話を伺いましたが、芸妓さんって知っているんですけど、見たことがあまりなくて、どうやったら見れるかなと思っていて、学生でも芸妓さんって呼べたりするんですか。
スピーカー 1
私も学生時代に研究室のメンバーで呼んでやりましたけれども、本当に簡単です。ホームページでふるまち芸妓とかで調べて、出てくるホームページから料亭さんってお店に電話して、料理と合わせて芸妓も呼びたいといえば、それだけで予約はできます。
スピーカー 3
結構お高そうなイメージがありますが。
スピーカー 1
それこそ居酒屋よりはちょっと高いですけれども、それでもお店の料理の予算これだけなんですけどって話すれば、じゃあこういうメニューにしますかと提案してくれるので、割と安くやることもできるんですね。
スピーカー 4
芸妓の謝礼って結構高いイメージでも、別世界ってイメージあるかもしれませんけれども、実は芸妓の謝礼は参加者全員で割る形なので、それこそ10人とか集まれば芸妓を呼ぶというだけでかかる費用は3000円以下ですね。
スピーカー 1
なので、例えば飲み会を2回行くのを我慢して、1回お座敷、料亭に行って芸妓を呼ぶというやり方が実はできると。学生さんでもできるので、ぜひ。
スピーカー 3
そうですね。では、今日の放送はこの辺で。
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今日の敬和キャンパスレポ終了の時間です。皆さん、おやすみなさい。
敬和キャンパスレポは、実践するリベラルアーツ、敬和学園大学の提供でお送りしました。