前田長吉の競馬人生
こんにちは、ダルマー競馬場です。このポッドキャストは、競馬の文学や歴史など、文化的な視点にもスポットを当てていき、競馬ファンタジーの視野を広げていこうという番組です。
今日も一冊、本を紹介したいなと思っております。なんか競馬の本って10年置きぐらいにね、まとまって出るようなイメージだったりしますけどね、2010年代はこの年いっぱい出たなとか、2000年代この年いっぱい出たなとかってね、なんかよく見る
とあるんですけど、それ以外の年が出ない、全く出てないってわけじゃないんですけど、なんかこの年いっぱい出たなとかっていうの結構あったりしますよね、というところで、今日紹介したい本はこちら。
島田晃博著、消えた天才騎手、最年少ダービージョッキー前田長吉の奇跡でございます。
本自体は2011年に発行された本になります。ダルマー大好き島田先生の著書でございます。
この本はですね、第二次世界大戦真田田中、1943年第12回東京優秀大競争日本ダービーで20歳と3ヶ月で勝利した前田長吉ジョッキーのお話でございますと。
いやー、島田先生の前田ジョッキーのお話といえば、第一回競馬見聞録でも紹介させていただきました。虹の欠片でも登場しておりましたが、今回はその時よりも細かく昔の資料をたどって書かれる前田さんだけの本になりますね。
この本はですね、2011年のJRAバジ文化賞にも選ばれております。
いやー、今後絶対ね、前田ジョッキーのお話聞く時って、例えばヒンバがダービーに挑戦した時とか、最小戦力でそのダービーを優勝しそうな時とか、
これね、同じ馬が達成してるんですけど、栗藤という馬。この馬の主戦ジョッキーだったのが前田長吉さんなんですよね。
栗藤はご存知、11戦11勝のパーフェクト戦績を持っておりまして、ダービー6馬進、オークス10馬進、キッカ賞大差というとんでもない勝ち方をして、1984年に検証馬っていうのができて、
検証馬、昔の馬とか種馬とか顕著な功績をあげた馬を称えましょうっていうところで、検証馬っていう制度ができたんですけども、
その第一回の検証馬に選ばれているもはや日本競馬史上屈指の名品なんですよね。ヒンバですかね。
この変則参観を達成した栗藤なんですけども、この栗藤はですね、コイワイの品系を持ってまして、明治40年にコイワイ農場がイギリスから輸入した基礎品場、アストニシメイトが後代母にて、そこから繋がって栗藤に到達するんですけども、
この栗藤の母父がですね、チャペル・ブラムトンという、これも馬もまたイギリスから輸入した馬なんですけど、この馬を輸入したのが下宇佐御寮牧場、輸入なんですよね。
なので、戦前はこのコイワイ農場と下宇佐御寮牧場、二大牧場がですね、日本競馬で生産できる、日本競馬でじゃない、日本で生産できる馬を強くしていくんだっていうので頑張ってた時代なんですよね。
なんで、栗藤はですね、言うなれば日本例明記競馬の決勝なんですよね。
菊花賞のゴール前なんてあれですよ。ゴール前というかゴール後なんてあれですよね。足元も軽やかに前田長吉と栗藤3冠達成でございますって言っちゃったりね。
実際は噛まないし言わないと思うんですけどね。3冠言うてもね、変則ですからね。今聞くとダービーとオークス連闘かよみたいな感じで思うかもしれないんですけど、これはですね、オークスがまだ半身優秀品馬っていう名前で半身競馬場でですね、秋の開催だったので達成可能だったという。
後に3冠というものができて、後にというかその3冠という概念、競馬でもできたのが後なんですけども、今考えると変則3冠だったよねみたいな感じなんで、当時はあんまりそんな感じではなかったと思うんですけども、というところで。
まあでもね、そんな中でも栗藤がどれだけすごいかっていうのはお分かりいただけたと思います。
で肝心の本の内容なんですけども、この本はですね、序章から終章まで全6章構成となっておりますね。
昔の人の話なので、歴史をたどる本でしょって思いがちなんですけども、ただの歴史をたどる本と思う流れと。
ここが島田先生すごいと思うんですけどね、もうね、序章がやばいんですよ。一気に引き込まれる、序章を読んでいって。
でこの本を書くにあたっての経緯がその序章で書かれてるんですけども、そこにたどり着く前の目次の1ページ前。
ここに島田先生の言葉が書かれてるんですけども、その中で自分のライフワークともいえる作品をお届けできることを嬉しく思うって書いてるんですね。
でそのライフワーク、なぜそれが届けられるようになったかっていうのを序章に書かれてるんですよ。
でここで一気に読むテンションドゴーンと上がって本編に突入するんですけども、この本編はですね、この前田さんの少年時代から戦争へ出世するまでの、出世した後もかな、ちょっと話はあるんですけども、
一番衝撃だったのはですね、前田長吉さん、既死生活、なんとわずか2年半っていう、え?2年半?デビューしたから2年半?っていう感じなんですけど、
しかもですよ、今と違って春と秋の開催しかないんですよ。夏と冬の開催ってないんですよね。
で、そんな中1年目の成績はですね、12戦5勝2着2回、2年目は77戦22勝2着8回、3年目は38戦15勝2着9回と、通算124戦42勝、勝率、障害勝率ですよ。
なんと、脅威の3割3分丘陵っていう、プロ野球選手の障害打率みたいな感じになっちゃってますけども、それでもすごいですよね。プロ野球選手の障害打率でもすごい方だと思います、3割3分丘陵って。
で、これどれだけすごいかっていうと、もちろんね、今よりも起場回数が少ないので、全然比べ物にはならないんですけど、一応参考まで数字をお伝えすると、
竹豊ジョッキーの障害勝率が1割8分2里、ルメールジョッキーが2割2分というところで、これ今、ルメールジョッキーはJRAジョッキーになってから、竹豊ジョッキーはデビューしてからになるんですけども、
2024年、この1年間だけで言うと、去年ですね、ルメールジョッキーはですね、年間勝率2割9分8里、えー、それよりもっていう感じなんですけども、しかもですよ、しかも、今、JRAのジョッキーって150名ぐらいなんですよ、で、1年間を通じて毎週ね、レースがあるわけじゃないですか。
なんですけども、この時代、前田聴吉さんが乗ってたこの時代の機種って、246名在籍してたらしいんですよね。その中で起乗馬を獲得して、いい馬に乗ってって言ってるの、この積数からね。もうやばいっすよね、元祖天才ジョッキー。
で、しかもこの2年半の機種生活において、クラシック4冠獲得してんすよ。これもやばくない?っていう、もちろんクリフジでの3冠プラス、大賀賞の前身も買ってるんですよね。まあ、でもやばいっすよね。こんな、今でもそうですけど、圧倒的な成績を残しながらもですよ、戦争にはいかなきゃいけなかったんですよ。
で、満州に出征して、出征先で終戦を迎えてっていう感じなんですけども、まあね、出征先で終戦を迎えてしまうとね、日本ってこの時敗戦国になっちゃうので、どうしても捕虜になっちゃうんですよね、その終戦先で。
で、満州で終戦を迎えるんですけども、そこからシベリアに移動して、そこで捕虜になって、静かな最後を迎えられるんですけども、ただ、物語にはまだ続きがあるっていう感じの構成なんですよね。
で、もうね、この本を一度でも読んだら絶対忘れないんですよ。前田長吉というジョッキーがいたってことを。それだけ内容が濃い一冊なんですよね。そして、折に触れて思い出すんですよ。
競馬の歴史と文化
最年少のダービージョッキーが誕生しそうな時とか、全戦全勝で競争生活を終えた馬が現れた時、マルゼンスキーとかね、いますけども。
あとは、金馬でダービーを勝ちそうな馬が現れた時ですよ。まあ、もちろん最近ではね、ウォッカが勝ってますけども、2007年に。
その2007年に勝った時に、実況で言ってた、64年ぶりの夢叶うって言ってた時が、このクリフジですからね。
で、金馬で例えばダービー勝つ時もそうですし、金馬でキッカションの時もそうですよね。
あとは、青森から強い競争馬が誕生した時。こういう競争馬、強い馬出てきましたけども、ジョッキーはどうなんだ、みたいな感じで、いう話って絶対話題になると思いますし。
そのジョッキー、青森県出身のジョッキーが出てきた時とかね。そういった時は、もう絶対にこの前田聴吉さんの話題が出てくると思うんですよ。
なので、もうこの1冊読んで、あなたの知識の中に前田聴吉を置いておきましょう。そんな1冊でございますので、お時間のある方、ぜひご一読おすすめでございます。というわけでございます。
写真とかも多く掲載されているんですよね。で、何百回もおそらく見たことあるであろう、栗藤のダービーの時の写真であったりとかも、掲載されてるんですけども、初めて見たなっていう思う写真が1個あって、この写真がすごい僕の中では印象に残ってるんですけども。
言うて結構前じゃないですか、この写真を撮ったって言ってももちろんモノクロですし、その写真が結構鮮明に残ってて、で印刷されて本になってるんですよね。それでもすごいなと思ったんですけど、その鮮明さがあるからこそなのかわかんないですけども、
こんなにポートレートで感情に訴えかけてくる写真ってあるんだなっていうふうに思いましたね。なんかその著名な、例えばカメラマンが撮ったりとか、別にそういうわけではないと思うんですけども、これから戦争に行きますっていう覚悟と、
その覚悟があるんだけども、まだちょっとあどけなさもあったりとかっていうね、いろんな感情というか表情が混ざり合ったような写真だったんですよ。もうね、それだけでも結構見てほしいですけどね。
そしてね、そんな前田聴吉さんも買った大賀賞のトライアル、チューリップ賞が今週行われるというところで、今週のJRAでございますと。今週からですね、中山阪神コクラの参上開催となります。コクラはですね、12日目、13日目とね、ロングラン開催の最終週となっております。
土曜日に中山競馬場でG3オーシャンステイクスが行われ、日曜日には阪神競馬場でG3チューリップ賞が行われます。そして、日曜日に中山競馬場でG2中山記念が行われるというところで。
阪神競馬場が今週からリニューアルオープンですので、プロモーションビデオを見たんですけど、めっちゃ綺麗ですね。もうね、これ行ってみたいなって思いました。
オーシャンステイクスとチューリップ賞の戦略
なんかあの、親としては子供を連れて競馬場に遊びに行くって、まあまあ結構ハードル高いんですけど、あのプロモーションビデオを見ると、結構アリだなみたいな。
特設サイトもあったんですけど、そこでいろいろ調べてみると、これ全然行っていいなみたいな。子供遊べる公園とかも結構広くてあるし、
もちろんね、リニューアルオープンしたてなんで綺麗だしっていうところで、これはね全然、じゃあちょっとあそこ今週遊びに行くって提案できるぐらいな感じのところだったですね。
そしてですよ、徐々に徐々に今週からクラシックな足音がね、ちょこちょこちょこちょこと、ちょこちょことかわかんないけども、あのね近づいてきてますけども調子の方はいかがですかというところでございます。
まあオーシャンステイクスはね中山1200m、千葉1200mですね。スプリンターズステイクスと同じコースなんですけども、スタートして徐々に徐々に下っていって4コーナー回って一番谷底に行って最後急坂ドンみたいな感じで、まあ1200mですけども、先行は有利層に見えてオーバーペース元気みたいな感じですよね。
前に行きたい馬が集まると後ろから突っ込んでくる馬もいますよみたいな感じですよね。なのでなんですけども、勢いよく結構4コーナー回れるんですよね。
もうほぼ3コーナーまで確か200mぐらいでそこから徐々に徐々に回っていって4コーナーなんであんまりスピードが落ちないので結構外に振られるんですよね。なんですけどもこれをね、4コーナー内に進路を取れてロスなく回れたりすると意外と前にいる馬も残れるなっていうような感じなので、まあその辺の見極めとかも結構重要になってくるなっていうのと、
意外と高齢馬が突っ込んでくるというか、高齢馬が馬鹸に絡んでいるようなイメージがあるんですよね。そしてチューリップショーですね。阪神競馬場ですね。先ほども言いましたけどもリニューアルオープンということで芝がね全員張り替えされてるんですよ。
で、あのJLAのホームページ見に行くと野芝も陽芝もね生育状態が順調ですという感じなので、もしかしたらこれなかなか前が止まらないスタイルじゃね?みたいな感じで思ったんですよね。なんですけども阪神1006といえばサシウマっていうイメージあるじゃないですか。
なのでこれはねちょっとねあの当日の競馬を見て馬鹸の構成を変えるのがいいんじゃないかなというふうに思いましたね。そうですね前日までに決める組としては結構心配な部分はありますね。
そして中山記念ですよ。中山記念はね今年で99回目今回で99回目なんですけれどもこれをねあの創設自体は1936年89年前なんですけどもあの春と秋があって中山記念春とか中山記念秋があったんでその時は1年に2回カウントされているっていう関係で回数自体は多いんですけどもっていうところでございましてでその春と秋あったんですけども
今続いている中山記念はですね中山記念秋を継承してるんですよ。あっそうなんですねみたいな。え、春もあったら春継承すればよかったじゃんみたいな感じなんですけどこれなんかね秋を継承してるらしいですね。
で、先ほど紹介した前田聴吉さんですよ。前田聴吉さんはですね第15回が行われ中山記念が行われ第15回中山記念が行われた1943年12月5日の中山秋季
開催6日目での記錠がね記録として残ってるんですけどもこの中山記念時代の記錠はないらしいんですよね。
でその1943年15回の中山記念に勝った馬が島早という馬でこの馬に記録していたのがですね日本初の三冠馬セントライトの主戦直起だった
小西喜造さんでしたというところで。もう絶対見てましたよね前田さんね。もうゴール前とかいやぁ小西さん上手いなぁとか絶対言ってたと思うんですよね。
まあなんですけどもこのコースはですねThis is repeater's courseですから。ああもう中山で実績のある馬。中山戦八で実績があれば侮れないというところでね。
どうしてもですねあの人気がなくても馬圏圏内の可能性低いかなぁと思っても気にかけてなきゃいけないっていうね。買い目が増えちゃうっていう感じなんですけども。
まあね勝馬はもう4コーナー10番手以内にいないと厳しいなというふうに思いますのでまあ追い込み馬というよりか先行馬はね比較的有利なイメージはありますよね。
なんですけどもまあ過去10年がたまたまそうだってだけであって今年はねそうもいかないかもしれないですからねというところで慎重にここはね馬圏検討していきたいなという思っております。
といったところで今週もいやぁ真面目に馬圏検討してたらさぁ周りになんかすごい天才じゃねって言われるようになっちゃったんだよねっていうぐらいの
会心の的中があることをお祈りしています。
はいえーというところで最後になりますけどもこの番組への感想質問などありましたらメールフォームからご連絡いただくかコメントもお待ちしております。
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はいというところでまた次回の競馬見聞録でお会いしましょう。