1. 考える農みそ:農学好きな農家の嫁のラジオ
  2. 制限ができるという幸せ/育児..
2025-05-23 13:47

制限ができるという幸せ/育児に賃金が発生しない理由 ep.18

おたよりから色々考えちゃいました。


ーーーーーーーーーー
考える農みそは、月2回金曜日に、17時からPodcastにて配信しております。
【お便りはこちらから】
メール parpos@abashiriradio.com
GoogleForm https://forms.gle/pwcT9z6Zu1Us1VUu9
SNS https://lit.link/parposradio
番組への感想は「#考える農みそ」を付けて、投稿してください!

サマリー

このエピソードでは、子育ての制限がもたらす幸せや、育児が経済に反映されない理由について話します。特に、ケア労働の重要性とそれが社会に与える影響に焦点を当てています。育児は未来を育てる重要な労働ですが、現実には経済活動の外に追いやられています。この状況を打破するためには、社会全体で意識の改革が必要です。

子育ての制限
農家の嫁で白種合持ちの知恵です。何でも農学の脳みそで考えてしまう私が、日々の生活で感じたことや学んだことを農学系の研究と合わせて紹介していく
ポッドキャスト番組です。本日もライブ配信しながら収録しております。 今日は以前、子どもを持つメリットを話した時があって、それが13話なんですけど、それにお便りを
いただいているので、その紹介をしたいなと思います。 複数いただいているんですけれども、一人ずつにそれぞれコメント返していきたいなと思いますので、今日は一人だけピックアップしていきたいなと思います。
お便りいただきました。ありがとうございます。 ラジオネームトモケロさん。今日も家事・育児・仕事にお疲れ様です。
子どもを産むメリット。この話は語れば長くなりますが、人生において子どもを産める体に生まれてきたからこそ、体験できる最高の経験値ですよね。
私は子どもが欲しくて不妊治療で授かりましたが、子どもがいるからこそ、できる愛情や経験が視野も含めて、未知の世界へようこそ
くらいな出来事がたくさんあって本当に幸せです。 たぶん子どもがいたからこそ、行動に制限があるからこそ、私が私で言えられたのかなぁと思います。
子どもがいなかったら何してたんだろうなぁ。 でも子育ては大変だし、社会は子育て中のサービス業には冷たい社会だけど、私は子ども大好きです。
メリット以外考えられないといただきました。 ありがとうございます。
他にもいろんな方からメッセージいただいてたんですけど、一番最初にいただいたので、まずは紹介したいと思いました。
いやー 本当にあのトモケロさんはですね
先輩ママなんですけど、これは先輩の言葉というか、あとはすごいキャリアウーマンでですね
ザ大人の女性みたいな感じなんですけど、すごいかっこいい方ですね。 その方が言うからこそ説得力っていうものがありますね。
読んでいてね、共感するところとか、深いなぁというお便りをいただきました。 ありがとうございます。
一番いいなぁって思ったのが、未知の世界へようこそっていうフレーズなんですけど、これめっちゃいいですね。
子どもに対して言う言葉でもあるし、自分が母親になって、それでいろんな未知のことが出会うんですけど、
それに対してのようこそっていう、なんか仲間入りした感じで嬉しいんですけど、本当に子どもが生まれると世界がガラッと変わりますよね。
例えば時間の使い方、あとは何を買うか、どのお店に行くか、外食とかでも選びますよね、今までは自分の食べたいものの場所だったんだけど、
今は子どもを連れて行ってもいい場所、そういったところに連れて行く、そういった行動範囲、そして自分の限界も変わっていきますよね。
これが行動に制限があるっていう表現なのかなと思うんですけれども、
でもそれは制限というデメリットだけじゃなくて、自分が自分でいられたっていうことなんだろうなぁとおっしゃってますね。
だからね、制限と言いつつ、その制限があるからこそ新しい自分に出会う機会っていうのが作れるきっかけになるんだろうなと思いました。
で、私は子どものメリットを話した時に、かわいいですべてをまとめたんですけど、そのかわいいでしか表現できなかったことをそれをうまく分解して言語化してくれたともけろさんには感謝ですね。ありがとうございます。
で、このお便りにあった制限がある、これが成長だなっていうこの視点、それについてちょっと思い出した文献があったので紹介していきたいと思います。
ケア労働の重要性
行動に制限があるっていう言葉、自分なりに分解していくと、社会学的な概念で再生産労働っていうものがあるんですけれども、再生産とか言いますけど、言葉で言うと2番再生産、リプロダクション、これは言葉の意味の通り再び生み出すっていう意味なんですけど、
再生産労働としてよく取り上げられるのが家事労働ですね。ケア労働とも言ったりします。つまり、育児、介護、家事など、生きることを支える日々の営みのことをケア労働って言ったりして、
そのケア労働っていうのは、人を再び傷ついた人、そしてまだ小さい人、そういった人たちを再び元気にするとか、あと出産というのは生み出すとか、そういったことを再生産と言います。その働きのことを再生産労働で言います。
すごい難しく言ってるけど、日々必要な行動、こういったことを難しく言うと再生産労働って言うんですけど、これは社会全体を回すための根っこにある行為ですね。ある意味当たり前にやる、やらなければならない行為。全員がいつかはやる機会が訪れるような行為。
誰しもが通りそうではあるけれども、でも社会を支えるための重要な労働なんですけど、これって重要だからって老人がもらえるわけではないんですよね。だから数値ではわからないんですよ。この家事、育児、介護などのケア労働っていうのは見えにくい労働となってしまいます。
このケア労働の特徴こそ行動に制限があると感じてしまう理由なのかなと思いました。重要なことだから絶対やらなければならないんだけどかといって、老人だったりとか自分の履歴書とかに反映されることじゃないじゃないですか。履歴書に反映されたらいいですよね。
何月何日子供が怪我して入院そのための対応として何とかをとってこういった処置を行ってどうなったみたいな。そういったことっていうのは記録に残らないというか、それで成果というかそういうのが目に見えるわけじゃない。
だからそのケア労働っていうのが見えなくなってしまうブラックボックス化してしまうんだけれども、でも絶対外せないから行動に制限っていう感覚になっちゃいますよね。
3つ目、そのケア労働の中でも子育てについて前回話したので今日も子育てについて深く話したいんですけれども、経済学的に見ると育児はお金を生み出さないじゃないですか。だからどんなにね子供を健やかにご飯食べさせても怪我などのトラブルに対処してもGDPにはほとんど反映されないわけですよ。
お金を生み出してないから。つまり経済活動の、経済ってぐるぐる回ってるとかって表現しますけど、その経済活動の外に再生産労働があるわけですね。これが基本的な仕組みなんですけど、これはどうしてこの経済に含まれないのか、経済活動の中に含まれないのかって言ったら公的な労働、賃労働と私的な労働、ケア労働っていうのが明確に分断されているから。
これが近代の仕組みだからっていう考え方があります。これが近代家族とか近代社会の中で作り上げられた、これが学派で行くとマルクスフェミニズム学派、経済の中で男女の労働っていうのを考える学派があるんですけども、それの学派による人たちによると、
公的労働と私的労働が分断しているからこそ再生産労働っていうのは経済活動の外側に追いやられるっていう考え方ですね。もうちょっと難しく言うと子育てとか育児っていう再生産労働は外部経済化されます。外部経済。これは高校生とかだと外部不経済っていう言葉を習うかもしれないですね。
外部不経済っていうのは公害とかそういうのを言うんですけども、経済活動の中にあって社会的に負の影響を与えるのが外部不経済。これに対して育児とか家事とかっていうのは社会に負の影響を与えていないですよね。でも経済活動の外に追いやられているので外部経済って言います。
ケア労働が外部経済化されていったのが近代社会ですけれど、でもやっぱり子育てとか家事とかっていうのは外すことのできない労働なので外部経済化されてもなおかつやり続ける労働となっているわけですね。
そういった位置づけにある子育てなんですけども、そこに意義を見出そうとするわけですよ。我々は頑張って。で、エックスでいただいたのは大丈夫じゃなくて大丈夫のしおりさんがですね、エックスで自分たちも子育てについて話しましたということを教えてくれですね。
はい、拝聴いたしまして、彼女が言ってたのは子育てっていうのは未来を育てるっていう行動だといったようなことを言っていて、もうまさしくその通りだなと思いました。子どもがいるからこそ地域に人がいるし、それが育っていったらね大人になってその地域を作っていく。子どもがいるからこそ教育や医療文化も根付いて回っていく。
で、それが大きくなっていくと子どもたちが大きくなったら次世代の人へとつながっていくっていう未来を作る労働。だから自分が死んだ後でもこの今の行動っていうのが残るっていうこれはとてもやりがいのある行動ではありますよね。
ただ、お便りにもいただいたんですけれども、トモキロさんのお便りに戻りますが、社会全体としてまだまだ子育て中の人に優しくないという現実もあったりしますね。
社会の冷たさ
先ほど述べた通り、ケア労働っていうのは外部経済です。ですので基本は不払い労働なんですね。そのケア労働を経済の内部化したところで低賃金になる傾向があります。
不払い労働で今まで支えられていた分、そこへ十分な資本も投入されないというのは想像できますよね。だって今まで無料でやっていた行為なんだもん。だから資本主義の運動にはケア労働っていうのはマッチしないんですよ。
だから資本主義の運動だけにケア労働の仕組みっていうのを任せるっていうのはとても不安定になります。だからこそトモキロさんが言うように、社会は子育て中のサービス業には冷たい社会といったことになってしまう。
社会全体で資本主義の運動だけに任せず公的な仕組みとして再生産育てることへの評価っていうのを上げていかないと、現在育てている人にシワ寄せがいってしまうなと思っているところです。
それでは、そろそろ終わりの時間となってまいりました。今日のお便りはですね、子供を産むことのメリットというタイトルでいただいたものなんですけれども、単なるメリットデメリットっていう言葉だけではなく、自分の生き方とか人生の生きがいとかそういったことが浮かび上がってくるようなお便りをいただきました。
トモケロさん、本当にありがとうございました。このようにポッドキャスト番組考える脳みそでは、皆様のいただいたお便りを深く解釈して、能学的に見つつ一緒に共感していけるような番組にしていきたいと思っています。
番組へのご感想、そして話したいこと、考えたいことありましたらいつでもお便りいただければ幸いです。
Xでは、ハッシュタグ考える脳みそをつけてポストいただくと、私が読みに行きます。
それでは、農家時々研究者の知恵でした。ありがとうございました。
13:47

コメント

スクロール