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2025-10-15 12:13

#793【ソーシャルジェットラグ】海外に行かなくても「時差ボケ」は起こっています (Zhang et al., 2026)

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【本日の一語】
ソーシャルジェットラグ (social jetlag):平日と休日で寝る・起きる時間がずれることで、体内時計と社会生活のリズムが合わなくなり、慢性的な時差ボケのような不調が起こる状態

【本日の論文】
Zhang, J., Harris, A., Bjorvatn, B., Vedaa, Ø., & Pallesen, S. (2026). Social jetlag and insomnia in the framework of personality traits: The mediating roles of general procrastination, problematic social media use, and bedtime procrastination. Personality and Individual Differences, 248, 113491. https://doi.org/10.1016/j.paid.2025.113491

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サマリー

今回のエピソードでは、ソーシャルジェットラグという現象について解説されており、平日と休日の睡眠リズムのずれがもたらす影響が考察されています。この不調は人格やスマートフォンの使い方と関連しており、誠実性の高い人は先延ばし傾向が少なく、ソーシャルジェットラグが少ないことが説明されています。

ソーシャルジェットラグの理解
おはようございます、心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ取り上げて、最新論文と合わせて紹介しています。
今日の一語は、ソーシャルジェットラグという言葉です。
ソーシャルジェットラグというのは、平日と休日で寝る時間、起きる時間がずれることで、体内時計と社会生活のリズムが合わなくなり、
慢性的な時差ボケのような不調が起こる状態を指しています。
そもそもジェットラグというのが時差ボケのことですね。
それが日常生活で、別に海外に行ったりしなくても起こっているのではないかと調べているような論文です。
それを引き起こすのが何かということを調べています。
パーソナリティの研究なので、人の性格に焦点を当てたりしています。
あとは最近自分も何度か取り上げているソーシャルメディア、スマホの良くない使い方、問題のある使い方みたいなところも焦点が当たっているので聞いていただければと思います。
1000人ぐらいを対象にした調査が行われていて、何がソーシャルジェットラグ、あとは不眠症を引き起こすかということを調べています。
さっきも言ったように特に興味があるのが、スマホの問題のある使い方、あとは先延ばし傾向ですね。
これを2つ分けて聞いていて、より一般的な先延ばし、仕事もそうだし、学校の宿題とか予定を先延ばしにしてしまうという、
ジェネラルな人の特性としての先延ばし傾向を聞いているのと、あとはもうちょっと状況にフォーカスを当てた寝るのを先延ばしするという、そういう尺度も併せて聞いています。
あとはよくある、実はビッグファイブじゃないんですよね、これがビッグファイブにプラスイッチしたみたいな尺度があって、それはあまり今日は詳しくは説明しないんですけどあります。
特に関係があったのだけ紹介したいというふうに思います。
どこからいきましょうかね。
なかなか複雑なモデルみたいになっているので、図があれば一瞬で説明できるんですけど、言葉で説明するのはやや難しいんですが、特にソーシャルジェットラグとか、今日はそのあたりに焦点を絞って話したいなと思います。
まず、ソーシャルジェットラグをどうやって測るか気になりません。
ソーシャルジェットラグの測り方はせっかく今日一語として取り上げたので紹介したいんですけど、結構シンプルでしたね。
定量的に平日の中間睡眠時刻ですね。
これは就寝と起床の真ん中で測ります。
例えば、最近の自分だいぶ変だと思うんですけど、分かりやすく8時に寝て4時に起きるとするじゃないですか。
分かりやすいですね。
8時に寝て4時に起きると、睡眠の中間時刻は12時ですよね。
真ん中だから。
平日のこの時間、皆さんもぜひ見てみてください。
休日はもしかしたら10時まで起きてて、
6時まで寝てるというふうに、
8時間睡眠はキープすると中間は2時になるわけですね。
この平日の中間睡眠時刻と休日の中間睡眠時刻の差分がソーシャルジェットラグの数値。
自分は土日とかないというか、ほぼ一緒なんですけど、
仮にさっきの例でソーシャルジェットラグを測るとすれば、
2時間というふうになります。
休日は深夜2時、平日は12時というふうになると2時間の時差があるというので、
これがソーシャルジェットラグです。
皆さんはいかがでしょうか。
これが高くないほうがいいわけです。
リズムが整っていくので。
どういう人がこれを悪化させるかというところで今回調べてるんですけど、
予測通りというか仮説立てた通り、
まずはこの就寝ですね。
就寝時の先延ばし。
だから寝る時間を先延ばしにする人っているじゃないですか。
そういう人がソーシャルジェットラグを起こしやすいと。
当然というのは当然なんですけど、そこに有意な関係性があったということのようです。
その就寝の先延ばし傾向、
ベッドタイムプロクラスティネーションですね、先延ばし。
これを予測するのがジェネラルな、より一般的な先延ばし傾向。
例えばお仕事のこと、これあれですかね、尺玉あった方がいいですかね。
例えば数日前にやるつもりだった作業をようやく取り掛かることがよくある。
やらなければならない仕事を始めるまでに時間をかけてしまう傾向がある。
みたいな人は寝る時の先延ばし傾向も強いというような感じです。
あと一つが、もう尺度が多すぎて行ったり来たりしてるんですけど、
スマホですよ、今度は。
ソーシャルメディアですね。問題のあるSNS仕様というのが、
睡眠の先延ばし傾向も予測する。
でもこれは有意な結果はないので、これはあまり気にしなくていいか。
特にジェネラルな先延ばし傾向が予測したということです。
このジェネラルな先延ばし傾向というのをどういう性格が予測するかというところまであるので、
先延ばし傾向との関連
ややこしいですよね。
誠実性ですよ。誠実性が高い人は先延ばし傾向が低いと。
当たり前だと思うかもしれないですね。
あとは感情の浮き沈みが激しい人というのは先延ばし傾向が高いですね。
なので浮き沈みが低い人が先延ばし傾向が低い、逆を言うと。
というふうな関係になっていて、その性格のところに戻ってこれたわけです。
ちょっとややこしいのでまとめますね。
誠実性だけでいきましょう。
誠実性が高い人は一般的な仕事とかで先延ばし傾向が低いです。
この先延ばし傾向が低い人は、
就寝時の寝るのを先延ばしにしようというベッドタイムの先延ばしが低いです。
就寝時の先延ばし傾向が高い人というのが、
ソーシャルジェットラグが大きい。
社会的な時差ボケみたいなことが起こっているということで。
あとはちなみに不眠の度合いも高いというので、
誠実性を高めましょうって話じゃないんですけど、
そういう先延ばし傾向とか、
あとはこれごめんなさい、関係。
やや端折った部分があるんですけど、
問題のあるソーシャルメディア仕様というのも、
関係のあるパスもあるので、
もうちょっと端折りました。
多すぎます。
とりあえず覚えておいてもらいたいのは、
誠実性高い人と先延ばし傾向が低くて、
そうするとソーシャルジェットラグが少ないんだというような感じでございました。
皆さんの性格とか、
今日はソーシャルジェットラグですよ、なんて言っても。
そこだけ覚えてもらったらいいので、よかったら測っていただいて。
よく言われる話だと思います。
平日であれ休日であれ同じような時間に寝た方がいいとかね。
同じ習慣でやっていくのがいいんだというね。
それは言われなくても分かっているよということだと思うんですが、
毎日というか毎週、
365日そうしろとは自分も思いませんので、
できるときだけやってみたらいいのかなというふうに、
ちょっとの意識が大事かなとも思いますので、
ぜひその辺り覚えて帰ってもらえると嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
神戸でした。心込めて。
聞いていただきました。ありがとうございます。
今日の論文、最初に言うのは忘れたんですけど、
友人が紹介してくれたというか、
そういう論文でございました。
2026年の論文なんですよね。
未来の論文というか、よくある話なんですけど、
論文としては採択をいただいているんだけども、
まだ先が詰まっているというか、
採択されて出ていない論文が先にたくさんあるので、
論文によっては毎月出ているのもある、
論文というか雑誌か、
雑誌によっては毎月刊行されているものもあるし、
例えばシーズンごとに、
だから年に4回発行の雑誌もあるし、
あとは年に2回だけとか1回だけとかという雑誌もあるんですけど、
例えば10月号、11月号、12月号があって、
今までの論文、研究がいっぱいいっぱいになってしまっていて、
今日紹介した論文は、
なんと2026年の1月号で出る予定ですというふうに書かれているので、
こういう年末を感じるわけですよ、こういう時に。
研究者って本当に雑談だな。
そういうね、
自分普段こういう論文読まないですけど、
ソーシャルジェットラグとかも正直初めて知ったぐらいなんですけど、
友達がこういう研究をシェアしてくれることによって、
新しい概念も知れたし、
こういう研究があるんだというのも面白く読ませてもらいました。
引き続きこういう研究ないのかとか、
質問などありましたらコメントなどでお寄せいただけると、
できるだけお答えしていきたいなと思いますし、
自分もその都度新しい研究に出会うことができていますので、
お寄せいただけるとすごく嬉しいです。
よろしくお願いします。
12:13

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