シグナリング理論の概要
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しています。論文も併せて紹介しています。
今日は心理学というよりは、心理学に近いんですけど、
進化生物学とかでよく使われるシグナリング理論という言葉を紹介したいと思います。
この理論は進化的な領域とかでよく使われているみたいなんですけど、
今回の論文ではこのシグナリング理論的な考察がなされているとても面白い研究かなと思いますので、
それもぜひ楽しみにしておいてください。研究自体は謝罪の話になります。
ちょっと前に感謝の話をして、今日はごめんなさいの方をやりたいと思います。
まずシグナリング理論、あ、お知らせをします。
昨日ノートの記事を更新したので、それを貼っておこうと思います。ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
先日生配信でお話しした、これから研究していきたい3つの体験ということについてノートを書きました。
研究していきたいし、社会的にも大切になっていく。
既に大切なんだけども、ますます大切になっていくんじゃないかと思っていることです。
考えていることとか、これからのやっていきたいこととかを意思表明しているような記事になっています。
ぜひ読んでコメントを書いていただけるとすごく嬉しいです。
シグナリング理論の話をしていきたいと思います。
シグナリング理論というのは、生物、人間だけじゃないですね。進化の話も含むので。
生物、もちろん人間も含むが、自分の能力、意図、状態などを他者に伝えるために信号、シグナルを発し、その信号の信頼性をコストや努力によって保証することを説明する理論的な枠組みです。
よくわからないと思いますので、今日の謝罪の話はまさにこういう考察に戻っていくんですけど、その前に代表的なよく言われる例を話します。
クジャクの羽根というのは羽根で綺麗で大きな尾がある。これは生存にとってはすごく不利。蓄積的にバレちゃう。なかなか隠れられないという不利なんですけど、それでもこういう羽根を持っているというのは健康で強いという証拠であると。
これはコストを払う。払ってますよね。生存リスクというコストを払うことで繁殖能力、自分は生き残っているんだぞという、そういう力をシグナルしている。信号として伝えている、伝わっているという、そういうことを説明するような理論になっています。
謝罪表現における研究
今回の研究、謝罪の話なんですけど、2025年のブリティッシュ・ジャーナル・アブ・サイコロジーというイギリスの心理学の雑誌に載った論文なんですけど、2つの研究やっててどっちも面白いので話したいと思います。
1つ目の研究がSNSを使っています。やや小規模かなと思うんですけど、有名人、著名人25名と一般人25名の謝罪投稿なんで50件ですね、合計をピックアップすると。その人の謝罪じゃない普通のツイート投稿もそれぞれ10件ずつ集めるということをします。
何がしたかったかというと、仮説としては謝罪をするときに人は長い言葉を使うんじゃないかという仮説です。これがコストなわけですよ。最後にまた振り返りますので。
今ちょっとシグナリング理論をあまり考えすぎるとパンクすると思うので、まずこの謝罪を調べたかったということですね。謝罪をするときに長い言葉を使うということを調べたかったということです。
ここで注意というか、この研究者たちがやりたかったのは文が長いということではなくて、長い言葉を使うアブストラクトの例が一番よくわかるなと思うんですけど、英語で書かれているので、普通に謝るとしたらI'm sorryなわけじゃないですか。
ちょっと付け加えるとしたらI'm really sorryだと思うんですよね。めっちゃごめんみたいな本当にごめんみたいな。他にも副詞の付け方って無数にあるわけじゃないですか。
アブストラクトに出ているのはI'm genuinely sorryですね。本当にみたいな。真心を込めてじゃないけど、すごく心のこもったようなsorryだっていうのがね。
本当にですよね。心から誠実にっていう、そういう謝り方なんですけど、これって意味的にはそんなに変わらないんですけど、単語として長いっていうことですね、シンプルに。
めっちゃ見せかけじゃないですか。長いって言う。長い言葉を人を謝罪の時によく使っているんじゃないかっていうことを調べたきて、SNSの投稿を見て、有名人とかよく謝ってるじゃないですか。
長い言葉使ってるんじゃないのっていうふうに調べたかった研究で、これ研究の1個目ね。実際に結果としては長い言葉使ってたということです。謝るときは普段の投稿よりも長い言葉、文が長いわけ。
ちなみにこれ文が長いわけじゃないって言ってるんですけど、文も長いんですよね。それメインのターゲットじゃないので別に覚えなくていいんですけど、投稿自体も長い。つらつらと多分いろいろ説明するんでしょうね。
なんですけど、長いだけじゃなくて一つ一つの単語が長い。レアリーよりはジェニューリーをよく使うっていうね。それだけじゃないと思うけど、使ってるってことです。
なんで使うかっていうと、ここでシグナリング理論を少し思い出してほしいんですけど、長い言葉を使うってことはコストを払ってるわけですよね。
誠実さと受け取り方
コストっていうとね、さっきの苦弱の例と比べるとなんてちっちゃなコストだと思うんですけど、これもコストはコストなわけですよ。
このコストによって人は誠実だと受け取るっていうね、そうなんじゃないかっていう、そういう考察がされていてすごく面白いなと思います。
研究の2つ目がもう少し心理実験的なことをしていて、研究1で集めたような謝罪の言葉とか文とかを、意味はほとんど変わらないけども、より単語の一つ一つを短くしていく。
ジェニュインリーじゃなくてレアリーにしたりとか、ベリーソーリーっていう、ベリーは4アルファベットで構成されているのでより短いと思うんですけど、
多分そういう変化を加えていると思うんですけど、それらを50人ぐらいの別の参加者の人に評価をしてもらって、どの投稿がより誤っているというふうに感じるかということを調べた研究になっています。
そうしたところを予想通りというかさっきの結果と一致するような感じで、長い単語を使っている謝罪の文章というのはより誤っていると感じやすいというような結果になったそうです。
なのでこれも繰り返すんですけど、長い言葉というのはコストを払っている。そのコストによって、それをシグナルとして受け取るわけですね、受け手側は。
なのでより誠実だと思うというかね。この研究だと多分誠実さという言葉が一番の主要かなと思うんですけど、それだけじゃないですよね。
普段の生活でもしかしたらいい人だって思うかもしれないし、次はやらなさそうだとか、それも誠実の一つか。
そういう風にコストとシグナルと、今回では誠実さ。進化の文脈で言うと、生殖能力とか健康度合いとか、そういったシグナルになり得るというシグナリング理論という言葉と、
今日は謝罪の研究を紹介させてもらったので、謝るときは長い言葉を使ってもらう。日本語だとどうなりますかね。
申し訳ありませんでした。結構長いけど、大変申し訳ありませんでした。大変を変えるとしたら何なんだろうね。
めちゃくちゃごめんなさいとか言っちゃうけどね。あんまりコスト払ってる気がしないですが。
英語はちょっとね、この点はやりやすいのかなと。意味が変わらずに、いろんなバリエーションがあるのかな。日本語もあるのかな。
日本語ってあんまり副詞って、英語喋ってるときってすごい副詞が大事だなって思うときがたまにあるんですけど。
日本語でもあるのかな。ちょっと考えてみていただけるといいんじゃないかなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい一日にしていきましょう。
チェンペイでした。心を込めて。