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2025-12-03 12:16

#845【エピジェネティクス】遺伝子と環境の相互作用でレジリエンスは作られる (Smeeth et al., 2021)

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【本日の一語】
エピジェネティクス (epigenetics):遺伝子そのものを変えずに、経験が遺伝子のオン・オフを切り替えて心や身体の反応を変える仕組み

【本日の論文】
Smeeth, D., Beck, S., Karam, E. G., & Pluess, M. (2021). The role of epigenetics in psychological resilience. The Lancet Psychiatry, 8(7), 620–629. https://doi.org/10.1016/S2215-0366(20)30515-0

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サマリー

エピジェネティクスは、遺伝子そのものを変えずに経験が遺伝子の発現を調整し、心や体の反応に影響を与える仕組みです。このエピジェネティクスの概念を通じて、レジリエンスを高める要因やストレスと遺伝子の相互作用について考察されています。

エピジェネティクスの基本
おはようございます、心理学者のじんぺーです。
心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学の専門用語を毎日一つずつ論文と合わせて紹介しています。
今日の一語は、エピジェネティクスという言葉です。
ずっと紹介しなくてはいけないなと思っていたんですけど、
改めて紹介したいと思っています。
とても重要な言葉だと思っています。
心理学でも出てきますが、精神医学とか、そうじゃなくても医学とか、遺伝学とか、
いろんなところで出てくる言葉かなと思うんですけど、
今回は心理学のレジリエンスという概念とともに紹介できたらと思っています。
よろしくお願いします。
お知らせをして、そろそろしておこうかなと思うんですけども、
金曜日に対談があります。
小松正文先生とボイスで対談をすることになっておりますので、
ぜひ遊びに来ていただきたいなと思います。
音響心理学の先生で作曲家、ご自身も演奏されるという方なんですけど、
1年ぐらい前に、本当にちょうど1年前ぐらいですね、
対談をして、とても意気投合をしまして、京都の先生なんですけど、
また話したいねというところから、結局1年ぐらい経ってしまったんですけども、
久しぶりに話ができるのはとても楽しみです。
夜の8時半から小松先生のチャンネルで前半、後半9時からこちらに移って、
話を続けるという感じになると思いますので、ぜひ遊びに来てください。
お待ちしております。
それでは、エピジェネティクスの話をしてみたいと思います。
できるだけ簡潔に例を交えて紹介できたらと思います。
まずエピジェネティクスというのは、一言で言うと、
遺伝子そのものを変えずに、経験が遺伝子のオン・オフを切り替えて、
心や体の反応を変える仕組みのことを言います。
意味が分からないと思うので、もう少し説明したいと思います。
例えば、強いストレスを受けますと、
その時にストレスホルモンを調整する遺伝子があるとする。
その遺伝子のスイッチが入りやすくなる、みたいなことが起こるんですよね。
遺伝子そのものは、生まれてから学譜みたいな感じで、
そこにそのまま存在しているんですけど、
それをどういうふうに発言するか。
発言というのは、発表の発に現れて発言の発という意味ですけど、
発言するかとか、どういう順番で発言するか、みたいなことは、
実は決まってないですよね。
それが環境とか、ある特別なイベントごととか、
そういうことによってスイッチが入ったり、入らなかったり、入りやすくなったりする、
みたいなことをマイページネクティックスと言うわけです。
双子の例と遺伝子の調整
ストレスの話をしたんですけど、逆に運動習慣とか、
いい人間関係とか、十分な睡眠とか、
そういったことで脳の下層性に関わるような遺伝子が、
いい方向にスイッチオンするようなこともある、
というのがここで重要なところかなと思います。
悪いイベントとか、トラウマとか、
そういったことで遺伝子の発言の云々を考えることが、
結構多くなっちゃうんですけど、
この論文でもレジリエンスを高めるというか、
高める方向に遺伝子の調整が働くことがあるよ、
ということも書かれていたりします。
少しエピジェネティックスの話が続くんですけど、
今日はこの言葉だけ覚えておいてもらえたらすごく嬉しいし、
できたら、おそらくこれだけじゃ明治つかめないと思うので、
エピジェネティックスを調べてもらえるとすごく嬉しいんですけど、
次は双子の例で紹介しようと思います。
双子、特に一卵性創生児の人たちというのは、
遺伝子は100%同じですよね。
それでも双子のうちの一人が鬱になりやすい、
一方でもう一人はならないということで容易に想像できるじゃないですか。
もしくは鬱とかじゃなくてもストレスに強い人、
弱い人みたいなのが分かれたりすることがあると思うんですけど、
これは遺伝子は一緒なんだけども、
育った環境とか経験がそれぞれ違うので、
遺伝子のスイッチの入り方、
これがまさにエピジェネティックスなんですけど、
スイッチの入り方が異なるために鬱になりやすい、なりにくいとかね、
が分かれていくというふうに説明がなされているというのが
とても興味深いことだなと思います。
だから我々は結構その遺伝っていうこととかはパワーワードだと思うし、
遺伝率何%とかね、たまにそういう論文をね、
割と気をつけて紹介はしているつもりなんですけど、
面白いじゃないですか。
なんか走る能力がこれくらい遺伝してとか、
ADHDがこれくらい遺伝してとか、
ディスレクシアの話もね、この間しましたけど、
そういう遺伝率の話は面白いんだけども、
遺伝しているからといってそれが発現するかどうか、
あとはそれがどれくらいの時期に発現するかどうかとかは、
環境とかにもよるよというのがとても重要なことだと思います。
今回の論文はレジリエンスの話なんですけど、
先ほどから言っている話が結構これまでも明らかにされているよというところで、
いくつかの観点で紹介したいんですけど、
まずはストレス反応に関わる遺伝子が調整されるというふうに、
結果がいくつか示されているようです。
逆境にあっても落ち込みにくい人、いますよね、そういう人。
そういう人というのは、
僕は遺伝子が詳しくなくて初見です、よく分かりません。
ストレス調整遺伝子である、一応言っておきますか、
FKBP5とか、NR3C1とかというのが調整を受けて、
安定したパターンを示すということがあり得るそうです。
これが調整される。
そういう遺伝子が何らかの影響で調整されることによって、
スイッチが入りやすかったり入りにくかったりですね。
入りにくいことかな、ここで言うと。
ストレス調整だから入りやすいのかな。
まあいいや、調整を受けることによってストレスホルモンの過剰放出が抑えられると。
それによって心の揺れが小さくなる。
動揺しにくくなったりとかすることがあり得るよねというので、
レジリエンスの関連で語られていたりとか。
レジリエンスと経験の影響
最初にポジティブな経験もレジリエンスの基盤を作るということを、
レジリエンスというか、ポジティブな経験もエピジェネティクスに関わるよと、
遺伝子の発言の有無に関わるよということをお伝えしたんですけれども、
レジリエンスのところで言うと、
良い養育とか、社会的なサポート、運動習慣とかというものは、
これも呪文です。スルーしてください。
BDNFなどの遺伝子を整えると、
これによって回復力や精神的な安定を高めるというふうに書かれています。
良い養育、社会的サポート、運動とか、
そういったことが遺伝子の発言を良い方向に調整するというところだそうです。
そうだよねと思いますよね。
最後にこれも面白いところなんですけど、
トラウマ経験があるとする。
トラウマ経験はネガティブっぽいじゃないですか。
だから鬱になりやすかったりとか、ストレスに弱くなったりとか、
そっちの方向に行くんじゃないかというところ。
それもあり得ると思うんですよね。ストレスのかかり方によっては。
ただしそれだけじゃないよということをお伝えしたいなと思います。
トラウマ的な経験であっても適応的なスイッチが入ることがある。
軽いというか、ある程度のストレス経験、ストレスの適応というのが、
後の大きなストレスへの耐性を作る。
エピジェネティック的にその遺伝子のスイッチの切り替えをすることによって、
後のストレスに耐えやすくなるようになるというパターンもあり得る。
そういう例もあるというふうに書かれております。
これもなかなか興味深いところかなと思いますし、
レジリエンスの回復力とか抵抗力とか、
そういうもともとの意味を考えると、
確かにそういった純風満帆でいいことばかり、守られてばかりというところだけ、
そういう生活とか環境だけではレジリエンスが座っていかないというのも、
なかなか理解できると思うので、
このトラウマ経験とか、ある程度のストレス経験というのが、
エピジェネティック的にいい方に働くというのも、
納得感のあるところかなと思って読んでおりました。
いかがだったでしょうか。
ちょっとやっぱり難しいね。
もうちょっといろんな角度で紹介できたらと思うので、
また出てくると思って待っててください。
もしよかったら、エピジェネティックス、
チェミニでもシャットGPDでもいいので、
聞いてもらって、自分の一番しっくりくる例えとか、
調べていただけるとすごくいいんじゃないのかなと思います。
こういう視点で物事を見ると、遺伝か環境かとか言われるけど、
もちろんどっちも意味があるんですよ。
人の心理とか態度とか性格とか行動とかを、
ある程度は予測したり関連したりすることがあるんだけども、
遺伝子か環境かで言うと今回の話は、
組み合わせですよね。
遺伝子を環境が調整するということ。
それもすごく重要なんだということを覚えていただければ
すごく嬉しいなと思っています。
遺伝子の話ってとても心理学から遠いように思うんですけど、
自分の京都大学の時のボス、野村先生という先生は、
この遺伝子のことを心理学に取り切れた、
日本ではだいぶ初期の方で、
だからこそ自分はそういうデータを取ることは最後までなかったんですけど、
先輩がそういう実験をしていたりとか、
そのデモに参加して、
遺伝子の本当に心理学かと思うんですけど、
大器を取ったりとかして、それを拡散したりしたんですよ。
そういう実験室があって、
懐かしいなと思っています。
本当にデモでちょっとだけやっただけですけど、
全然いい結果が出ないというか難しくて、
なかなか剥がせ方の間で難しいなというところで諦めたんですけど、
久しぶりにこういうエピジェネティクスとかの話をして、
その当時のことを思い出したんですけど、
最後は余談でした。
ギリギリ泣きました。ありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
陣平でした。心を込めて。
12:16

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