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2025-12-02 16:28

#844【インキュベーション】先延ばしにはいいこともある (Shin & Grant, 2019)

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【本日の一語】
インキュベーション(incubation):問題からいったん離れているあいだに、無意識のうちに発想が熟成し、新しいアイデアが生まれやすくなる過程

【本日の論文】
Shin, J., & Grant, A. M. (2019). When putting work off pays off: The curvilinear relationship between procrastination and creativity. Academy of Management Journal, 62(1), 244–264. https://doi.org/10.5465/amj.2015.0166

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サマリー

インキュベーションは、問題から離れることで無意識に新しいアイデアが生まれる過程である。このエピソードでは、アダム・グラントの研究を基に、先延ばしが創造性に与える影響を考察している。特に、インキュベーションの概念を通じて、適度な先延ばしが創造性や問題解決をどのように促進するのかが議論されている。

00:00
おはようございます、心理学者のじんぺーです。
心理学に触れる一日一語のお時間です。この番組では、心理学の専門用語を毎日論文と合わせて紹介しています。
インキュベーションの概念
今日の一語は、インキュベーションという言葉です。
ま、いきましょうかね、早速ね。インキュベーションというのは、問題から一旦離れている間に、
無意識のうちに発想が熟成し、新しいアイデアが生まれやすくなる過程のことを指します。
創造性とかに関する論文でよく出てくるキーワード、あとはビジネスとかね、そういう文脈でもインキュベーション、
インキュベーションセンターとか、ビジネスアイデアをふつうつとね、
温めるところ、もともとはインキュベートって、卵が孵化するのを温めるような、あの段階のことはね、言う言葉だというふうに理解してるんですけど、
創造性とかね、アイデア生成の文脈でよく使うわけです。
今日は、あれですよ、ボイシーのハッシュタグがタイムマネジメントの話があって、シワスのタイムマネジメントだったかな、
忙しいじゃないですか、シワスって忙しいっていうことなんですよ。そのシワスでどうタイムマネジメントするかということで、
タイムマネジメントするといいこと多いよねっていうのはもちろんそういう人が多いと思うし、
そうすることによって仕事の成果を上げたり、学業の成果を上げたりとか、
効率性を上げたりとか、そういう論文ももちろんたくさんあるんですけど、そうじゃなくてね、
先延ばしすることもいいことあるよということをちょっと紹介できたら嬉しいなというふうに思ってます。
今日の論文は有名なアダム・グラントという方がいらっしゃるんですけど、
先延ばしのことでテッドトークもしていたので、もしかしたらこの話も聞いたことあるかもしれませんが、
その方たちのやってる結構新しめの論文、2021年の論文ですね。
あ、違いました、2019年だ、結構古いか。
まあいいや、面白い論文なので一緒に読んでいけたらと思ってます。
ちなみにアダム・グラントというのは結構インパクトのある本もたくさん書かれていて、
ギブアンドテイクとかオリジナル、ギブアンドどっちかというとそっちが面白かった記憶があるんですけど、
そういった本を書かれている著名な方の方です。
実験の設計
今回は実験をやっています。
心理学が専門というわけではないと思うんですけど、心理学の実験と似ているような手続かなと思いますので、
やっていることも簡単に紹介したいと思います。
どういう課題をしていたかというと、まずは大学生ですね、大学生対象に実験室で実験をするということをしています。
まず全体の流れとしては、やってもらうこととしては、これから企業家のプロフィールを読んで、
その人のための新しいビジネスアイデアを考えてくださいということを説明されます。
アダム・グラントとかこの研究者たちは、どちらかというとビジネス側、経営学の専門家、マネジメントの専門家であると思うので、
こういう企業家のビジネスアイデアを考えるみたいな実験の枠組みになっています。
実験室でパソコンの前に座って、その企業家のプロフィールをまず見るわけなんですけど、架空の企業家ですね。
名前、年齢とか趣味とか得意なこととか企業の状況とかが書かれている。
ここまではどの参加者も一緒なんですけど、その後の先延ばしをするかどうかというところが3条件に分かれています。
これどうやって操作したかというと、その人がその企業家ですね、架空の企業家が好きなYouTube動画のリンクをつけるということをしました。
そのYouTube動画の数とか、あとはクリックのしやすさ、別にYouTube動画は見ても見なくてもいいよという設定だったらしいんですけど、
先延ばしがすごく短い条件としてはもうYouTubeのリンクの存在感もすごく薄い。
だからその条件では見ない人が実際に多かったみたいなんですけど、という条件。
あとは一番多い条件で言うともうYouTubeリンクがデカデカと紹介されていて、かつその内容も魅力的な内容で時間も長い、数も多いというので、
その一番長い条件でその実験参加者が使った時間というのは大体10分ぐらい、8分から12分とかそれぐらい使ったそうです。
中ぐらいがその真ん中ぐらい、5分ぐらいの時間を使ったというところで、
最初にこういうことをこれからやってもらいますよとビジネスアイデアを考えてもらいますよということを宣言された後でちょっと時間を置く。
そのちょっと時間を置くのの置き具合が参加者によって違うよという、そういう実験になっています。
ある人はもう全く見ずに、文章はさらっと読むけどもせいぜい1分未満とかそれぐらいの時間ですぐにビジネスアイデアの生成に取り組む人たちもいれば、
中には10分以上指示を受けてから実際に自分がビジネスアイデアを出すまでに時間を要した人というのがいるというのがこの研究の面白いところです。
これ実験者側の工夫なんですけど、その先延ばしがアイデアの量とかに影響しているということを知られない方がいいわけですよ。
知られないためにこういう結構、10分時間を置いたり5分時間を置いたりってもっとやりようがありそうじゃないですか。
だけど今回はこのYouTubeの動画を見てもらうか見てもらわないか、見てもらうかどうかは実際にはその人の自由なんですけど、
見てもらいやすさを調整することによってその時間を操作するというところがとても実験者の工夫が出ているところだなと思います。
先延ばしの効果
結果自体はシンプルです。皆さんどう思いました。先延ばしがほとんどない人たち、そこそこある人たち、結構長くある人たち。
3条件に分けた時に一番ビジネスアイデアの創造性が高かったのは真ん中ですね。こういう時は結構そういう結果が多いですよね。
そこそこ先延ばししていた人たちが一番ビジネスアイデアの創造性が高かったというのが研究の結果になっております。
なので先延ばしが悪いよという人ももしかしたら、思っていた方もいらっしゃるかと思うんですけど、
全くしないよりはそこそこした方がいいよということがここでは言えるわけです。
なぜそこそこの先延ばしがいいかという話なんですけど、あまりメカニズムの分析まで
やれているほど詳しい実験ではないんですけど、考察で挙げられているポイントといたしましては、
中程度そこそこ先延ばししている人たちというのは問題を違う角度から考え直す、再構成するようなことが多かったのではないかというふうに解釈がされています。
全く先延ばししない人たちはすぐに作業に入るわけなので、発散思考、いろんなアイデアを思い浮かぶということが不足しがちであると。
先延ばししすぎると今度は時間をたくさん使っているわけなので、その後の実際の自分のタスクに使える時間が少なくなっているように感じる。
それが心理的なプレッシャーになっていたのではないかと。これは先延ばしする方々は皆さんもご存知かと思うんですけど、締め切りが近くなるわけですよ。
締め切りが近くなると、やばいやばいってなって、あれは想像性にはそんなに良くない。
逆転劇が起こる時もあるかと思うんですけど、平均すると先延ばししすぎて、
タスクの締め切りに間に合わなくなるというのは良くないであるというふうなところで、中程度の先延ばしが良いよというふうに考察はされています。
皆さんももしかしたらツッコミを入れたくなることもあったと思うんですけど、僕は結構この研究で中程度の先延ばしって何なんだろうということを考えさせられましたね。
この研究だと、0分から1分くらいの人たちが全然先延ばししない。10分くらいの人がとても長く先延ばししている。
5分とかの人が中程度という話があったんですけど、10分を中程度っていうふうにね、10分だって短いじゃないですか。
だからこれを例えば30分先延ばしするとどうなるのかとかね、そういうふうな時間的な振れ幅というのはあくまで相対的だなというふうに思うので、
先延ばしの利点
こういう割とライトなね、ビジネスサイドで考えたら大変かとは思うんですけど、でも自分にプレッシャーかかってないし、
サクッと考えようと思ったら考えられるわけじゃないですか。こういうパターンと人生かかってるような
プロポーザルの提案、何かをしないといけない、比較を出さないといけないみたいなときの締め切りと先延ばしみたいなこととは状況が違うと思うので、
なかなかわからない、一般がどこまでできるかというところではあるんですけど、一つ逆有事ですよね、言ったら。
全然先延ばししないのもダメだし、めちゃくちゃ先延ばしするのも良くない、中程度がいいんだということが一つ面白いところだなと思います。
今回ね、研究校一つしか紹介できないんですけど、実は論文では他の研究、
実際の大学生だけじゃなくて、実際の会社で働いている方とかのデータを取ったりしていて、結構興味深い結果になっているなと思うので、
でもそのおよそ逆有事というところは一貫していたようなので、そこそこがいいんじゃないのかなというところは、ある程度の角度を持って言えることかなというふうには思っています。
結構やらないといけないことが多い人が多いと思うので、参考に少しでもなれば嬉しいなと思っています。
タイムマネジメントは確かに大事だと思いますが、これすらもマネジメントしちゃえばいいのか、そういうタイムマネジメントという言葉は最強ですね。
ただただ仕事が生まれて、それをすぐこなすということだけがいいことじゃないということは、ぜひ覚えておいていただけるといいんじゃないかなと思います。
インキュベーションという言葉でそれを紹介しました。眠らせる、温めておく時期を作るということです。
はい、そんな感じかな。最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい1日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。はい、雑談をしたいと思います。
昨日、普通にボイシーの更新を、ボイシーというかボートキャストの更新を休んでしまいまして、失礼しました。
ケヌンとボンに行ってきました。2泊3日の予定だったんですけど、ちょっと体調があまり良くなかったので、急遽電車とホテルをキャンセルして、1泊2日にして、1日で良くなったので行ってきました。
良くなるのが早くて本当に良かったんですけど、そこでね、これまた詳しくしゃべれたらと思うんですけど、
池原のアーティストの金子さんという方にお会いしてきて、ゆっくりとお話を聞かせていただいて、とてもそれが楽しかったし勉強になった。
池原の奥深さというものの、奥深さを感じられるほど時間をかけてるわけじゃないですけど、
でもその一端には触れられたかなと思いますし、ああいうアーティストの方がドイツで活躍されてるってことがとても誇らしいなと嬉しいなと思いましたし、
ドイツにいる間に自分は研究者として、金子さんは池原のアーティストとして、一緒にコラボで研究とかできたらすごい嬉しいなというふうに、
そういう一緒に仕事したいなという思いを強くするような、そんな時間でございました。
あとはケルンはね、ハンブルクほどではないんですけど、大きい歳でクリスマスマーケットに行ってきたりとか、それだけかとかって言ったけど、
ほんと割と時間がない中で弾丸で行ってきたという感じですね。
電車だと5時間くらい、結局ドイツの鉄道はいつも遅れるので、4時間台で行けると思ってたのが5時間くらいかかったんですけど、
でも帰ってこれてよかったかな、むすこが今7ヶ月くらいなんですけど、
自分は割といろんなところに行ったりとか、その時にも一緒に行こうっていうことが多いので、
多分7ヶ月、赤ちゃん界隈ではだいぶ外に行くのに慣れてると思うんですけど、
歩けるというかハイハイできるようになったりとか、つかまり立ちできるようになって、
5時間とか同じ椅子に座っているのが退屈に感じてるんじゃないかなって思うようになってきて、
それはまた新しいフェーズだなと思って、何か対策を考えたいなと思います。
できることも少ないけどね。
ご飯食べれるようになって、電車とかで離任食を食べさせたりとかは、
いい時間の使い方だな、過ごし方だなと思うんですけど、退屈してそうだなと途中思っている。
車窓の外見せたりとか、赤ちゃんはドイツだとめちゃくちゃ声かけられるので、
隣の席のおばさんがめちゃ可愛がってくれて、その時間も楽しかったんですけど、
でもちょっとそれだけじゃ間が持たなくなってきた。
多分足使って自分で動きたいんだろうなって思いました。
そんな週末でございました。
また、生き花の話とかで面白いと思ったこととかをシェアしたいなと思っています。
ありがとうございました。
16:28

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