おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。
この番組では心理学の研究論文を元にして、皆さんの悩みとかお困りごとに、
疑問とか不思議とかに答えるお話をしています。
先週の後半、金曜日から引き続きで、匿名性がもたらすものというテーマで、お悩みに答えていきたいなと思っています。
サミリンさんからのお便りでした。簡単に概要を話すと、裏垢で
実生活をまったく隠さずに発信をしている。それが楽しい。それへの心理的な背景が気になるというお便りだったと思います。
前回は、匿名だと事故を開示しやすいという、当たり前のことを実験で示したような論文を紹介したのですが、
今日は心理実験というよりは、インタビューの研究になっていて、特に若者がどういうふうにインスタグラムを使っているか、
みたいな話、そして裏垢の話がテーマになっているので、
また別角度で匿名とは何かみたいな、そういったことを考えを深めていけたら嬉しいなと思っています。
よろしくお願いします。
雑誌としては、心理学からはメインでは離れているのですが、
Journal of Computer-Mediated Communicationですね。コンピューターを介したコミュニケーションの雑誌であるということですね。
さっきも言ったように、インスタグラムの話なんですけど、結構多くの若者、今回の若者は結構若いですよ。
13歳から17歳だったかな。そうですね。20名を対象にしたインタビュー調査。
正式にはフォーカスグループと言って、1対1でインタビューするんじゃなくて、数名の学生に集まってもらって、
ファシリテーターみたいな人がいて、どんどんその人たちの発話を引き出していくと。
それを録音して、文字起こしして、テーマ別に並び替えたりとか、整理するみたいな分析の方法をとっています。
そこで話された内容としては、リアルのインスタグラム、通常のアカウントと裏垢があれば、その裏垢について、
わき合い合いと話すみたいな雰囲気だったみたいです。
かしこまったインタビューの様子というよりは、仲良しの人たちをわざと、普段から話しているような人たちをわざと一つのグループにして、
話しやすい。できるだけ本音を引き出せるような雰囲気を作っていると。
これ結構面白いなと思いますけど、研究的に。
そんなやり方はいいのかというと、自分の普段の感じで言うと、知り合いが実験したりするのって結構ごはっとというか、
ある程度緊張状態というか、緊張までしなくていいけど、あんまり砕けるような感じでやるよりは手続き的に進んでいく方がいいのかなと思っていたんですけど、
今回はそういうふうに仲良しグループで話すということのようです。
でもやったことはそんなぐらいか。
質問しとかも取ったみたいなんですけど、今回は結果をピックアップしながら紹介していきたいと思います。
まずは面白いところとしては、偽やか?裏か?の方が本物っていう風な提示を投げかけています、この論文では。
リアルなアカウントの方だと、例えば先生、友達か、それは仲の良い友達だけじゃなくて、
あんまり普段話さないような友達だったりとか先輩後輩、先生、地域の人たち、家族みたいなね、いろんな人が見る可能性があって、
そこで発信される内容は結構、何て言うんですかね、
持ってたりとか場合を気にしてたりとか、そういった自分であるという風な発話がとても多く見られたそうです。
結構その投稿の仕方というか、発信のスタイルにも影響があって、綺麗な写真、これはまさに場合の話ですけど、綺麗な写真を上げがちだったりとか、
よく考えられた投稿をする、頻度もそんなに多くないんですよね。
これよくわかりますね、自分の周りを見ても、リアルなアカウントの方で投稿バンバンするって、
ストーリーとか違うけど投稿しすぎないとか、ネガティブを出さないとかね、
このネガティブっていうのも、もしかしたらある人には共感されるかもしれないけども、
また別の角度、隣のクラスの人が見たら違う受け取り方をするんじゃないかとかね、
違うクラブの人が見たらみたいなことを考えてしまう故にネガティブを出さないとか、
美意識がそこには大事になっているよっていう話とかもあったみたいです。
持っている、ちゃんとした自分を演じ続けているようなイメージです。
一方で裏垢というのはもうそういうのも気にしないので、
綺麗な写真を上げ続ける必要もなければ連続してあげてもいいし、
時にネガティブ、弱い自分とか失敗したこと、嫉妬していることとかね、
そういう感じを出せるというのが裏垢であるというふうに書かれています。
だからそういった意味で、さっき言った裏垢の方がむしろ本物の自分であるのではないかというふうな主張につながっていくということです。
とても興味深いなと思うし、そうだよねっていうふうにも思いますかね。
もしかしたらサミンさんのアカウントを分けることで起こっていること、
もしかしたらこういうことかもしれないなと思ったりします。
一人の学生の特徴的な発話が載っていて、
リアルのインスタは自分をプロモートする場所であると、プロモーション、うまく見せようとする場である。
一方で裏垢のインスタというのは自分をリモートする。
このリモートというのは広角するとか下げるみたいな意味だと思うんですけど、
そういった発話もされていたりするぐらい、そういうふうに思っているんだなというのは興味深い研究結果かなと思います。
あとは、大体それがメインかな。
あとは裏垢が主流SNS文化への抵抗の場として機能していると。
そういうキレイ、ポジティブというのにカウンターを打つような感じで弱さとか雑さとかに価値を持つような、
そういった発想というか思想があるみたいですね。
BDRとかそういうふうに聞いてますね。
加工ができなかったりとか、撮り直したりとか、決められた時間以外で撮ったものをあげると、
それがバレるというか記録されるので、
あるがままを映さないといけないという意味で、
そういうSNSがインスタとかカウンターのように流行っているんだと思うんですけど、