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2025-12-19 11:06

#861【随方毘尼】お寺の樹木はどうやって土地に合わせて選ばれてきたのか?(Jin et al., 2025)

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【本日の一語】
随方毘尼(ずいほうびに):「仏法の根本の教えに反しない限り、その土地・時代・状況(方・時)に合わせて、風俗や習慣、規則(毘尼=律)を柔軟に適用・尊重し、従うべきだ」という仏教の教え

【本日の論文】
Jin, C., Hu, S., Zhou, L., Huang, L., Pan, Y., Jim, C. Y., Song, K., Minor, J., & Yang, Y. (2025). Religious uses shape the selection and distribution of Chinese Buddhist tree species. People and Nature, 7, 2094–2105. https://doi.org/10.1002/pan3.70097

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サマリー

このエピソードでは、仏教における「随法備に」という言葉の意味を解説し、中国の寺院における樹木の分布と選択について研究を深めています。AIを用いた分析により、樹木の選択には気候が大きく影響していることが示されており、宗教的な役割は一貫していることが明らかになっています。

随法備にの教え
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ、論文と合わせて紹介しています。
今日の一語と今日の論文は、あまり心理学じゃないんですけど、
面白いなと思った論文を見つけたので紹介したいと思います。仏教に関する話です。
年末も近いし、クリスマスも近いし、休みも近いので、ゆるりと聞いていただけると嬉しいです。
最近は趣味に全員フリしているところがあって、お付き合いいただける方はお付き合いいただけると嬉しいです。
今日の一語は前置きになってしまいました。
仏教の言葉を紹介します。
随法備にという言葉。
これは僕も初めて聞きました。
仏教に詳しい方などは聞いたことあるかもしれませんが、
どういう意味かというと、仏法の根本の教えに反しない限り、
その土地、時代、状況に合わせて風俗や習慣、規則を柔軟に適用尊重し、従うべきという仏教の教えだそうです。
今日の論文は心理学の一語でもなければ心理学の論文でもないのですが、
樹木の分布と気候
People and Natureという英語の国際誌に載っている仏教に関する論文ですが、
この雑誌は結構好きで、目の付けどころが面白いなといつも思っています。
仏教に関する樹木があるのですが、一番王道はボダイジュなんですが、
他にもいろいろと出てくるのがあるわけですよね、いろんな教えの中で。
今回の研究では、中国の寺院、246箇所に入っています。
寺院、246箇所に生えているというか、生やしていると言ったらいいかもしれませんが、
樹木とかを調べて、その分布とかを計算している論文になっています。
何が言いたいかというと、もともと仏教というのはご存知の通り、
インドで起こって、中国に渡っていくわけですが、インドもそうですし中国も大きいじゃないですか。
だからボダイジュというインドで育つ樹が、中国でそのまま育つとも限らない。
特に中国の北の方に行くと、ボダイジュがない寺院もあるというところは知られていたのですが、
どういう分布の仕方をしているかをAIの機械学習を使って調べているという論文になっています。
246箇所の寺院と言ったのですが、中国は大きいし人口もたくさんなのでもともと寺院があるわけですが、
各行政区からできるだけまんべんなくその寺院をチョイスしたそうです。
いろいろな変数を計算に使うのですが、例えば一番重要なのはその土地の気温です。
一番寒い月の平均気温と一番暑い時期の平均気温を入れる。
あとはもちろんそこに生えている樹木というのも調べる。
あとは母大樹というのを基本にして母大樹からどれぐらいその種として離れているか近いかということの指標。
この辺りは正直よく分からないです。詳しくは。
だけどなんとなくその種の近さと遠さというのは分かると思います。
これも調べたりとか、あと意味的にどれぐらい近いか、象徴的な役割を果たしているかというので調べています。
樹木が担う8つの宗教利用カテゴリーというものを簡易的に作っているみたいで、
例えば覚醒の象徴であるとか、役除け、あとは諸行無常を表すみたいな、
そういったいろんな意味を持たせているというのも整理しています。
各寺院についてどの樹木がどの宗教的役割を担っているかを整理するということをやったみたいです。
基本の話したでしょう。
あとはその土地のどれぐらい都市化しているかとか、
寺院の歴史みたいな、これは人為的な要因というふうにまとめられているんですけど、
これらも説明する変数として使っているそうです。
それらを一石二鳥にして分析する、AIを使って分析するとどういう結果になったかというと、
まずは仏教樹木は全部で184種類確認されたそうです。
260ぐらいの寺院から。
最も多くの寺院にあったのが胃腸ですね。
本来の母大寺を使っているのは39寺院のみ。
主に温暖な南部に集中していたというのがざっくりとした数の結果になっています。
重要なところで何が樹木選択を決めていたかという、この研究のメインのところなんですけど、
これは圧倒的に気候だったそうです。
特に寒い月の気温は重要で、
寒いとそもそも母大寺を育たないというので、
母大寺を育てないという選択につながっていたのかなと思います。
一方で都市化、どれぐらい寺院がある場所は都市化していたかとか、歴史とかというのは影響がそんなに大きくなかったそうです。
気候が変わると何が変わるかということも調べ、考察がなされているわけなんですけど、
宗教的役割の一貫性
寒冷な地域になるほど、
種の構成が現象的なセット、だから母大寺とかそういったところからどんどん乖離していく、
系統的にもどんどん遠ざかっていくそうです。
そういう結果が見られたそうです。
一方で宗教利用とか役割、意味みたいなところの変化はほとんどない、とても小さいという結果だったそうです。
何が一体かというと、母大寺という木からは系統的にはどんどん離れていくんだけども、
宗教的な意味の持たせ方というのはほとんど変わっていない。
例えば覚醒とか例がいろいろあって面白いんですけど、もうちょっと例を言ったほうがいいかな。
分かりやすいなと思ったのは諸行無常みたいな話で、
日本はイメージしやすいと思うんですけど、落葉しますよね。
落葉する前に色が変わる、落葉する、また春になると葉っぱが生える。
ヨーロッパとか北の方に行くと全然そういうのもない木とかもたくさんあるわけなので、
落葉樹というか紅葉樹というのが当たり前だろうと思う方も多いかもしれませんが、
そうじゃないところもあるので、こういった役割であるとか。
あとはやっぱり胃腸がすごく特徴的に、一番多く使われていたというのもあるんですけど、
色の変化が激しいとか、寿命が長いというところ、寿命が長いためにどんどん大きくなっていくという、
そういったところも象徴としては対応しているそうです。
あとは涅槃を意味しているサラッサラソウジとかね、言えてないね。
あとはヤクヨケの意味を持つコロモタイチョウがあったり、クスノキ、ケヤキ類とか、
そういった意味と木の種類というのが対応している。
そこの離れ方はあまりない。
もともとの宗教的意味から離れた木は使われていないというのがすごく面白いところだなと思いました。
そんなところかな。これ以上いくと説明できなさそう。
基本とか最初に紹介した言葉はもう一個だけ。
もう一回だけ復習すると、
随法備に、これ覚えれるかな。
仏法の根本の教えに反しない限りは、その土地とか気候とか時代とかに合わせて、
柔軟に規則とかを適応して尊重する、従うべきという、
そういう考え方がある、教えがあるということを紹介しました。
面白いですね。
随法備にをこんな風に研究できるんだということが伝われば嬉しいです。
専門外だったので少し物足りなかったかもしれませんが、
いつも通り論文を貼っておりますので興味があれば覗いてみてください。
こういう他の分野であっても新しい研究手法とか、
そういうやり方あったんだみたいなことを探していくのはとても楽しいなと思っているので、
たまにやるかもしれません。
その時は温かく聞き入れてくれると嬉しいなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
じゅんぺいでした。心を込めて。
11:06

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