1. ”心理学に触れる” 一日一語
  2. #698 同僚のワーカホリック伝..
2025-07-04 18:17

#698 同僚のワーカホリック伝染します (Atroszko et al., 2025)

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【本日の論文】
Atroszko, P. A., Kun, B., Buzniak, A., Czerwinski, S. K., Schneider, Z., Woropay-Hordziejewicz, N., Bakker, A. B., Balducci, C., Demetrovics, Z., Griffiths, M. D., Innstrand, S. T., Morkeviciute, M., Pallesen, S., Pontes, H. M., Sussman, S., & Charzynska, E. (2025). Perceived coworkers’ work addiction: Scale development and associations with one’s own workaholism, job stress, and job satisfaction in 85 cultures. Journal of Behavioral Addictions, 14(1), 246–262. https://doi.org/10.1556/2006.2025.00011

【研究トークアーカイブ】
https://youtu.be/FwnsMTzDE0s

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サマリー

エピソードでは、ワーカホリックの影響が同僚や上司の仕事への取り組みによってどのように変わるかについての研究が紹介されます。特に、同僚の依存度が自分のワーカホリックの度合いに大きな影響を与えることが明らかにされ、文化的な違いについても考察されます。ポッドキャストでは、ギャンブル依存やゲーム依存、フードアディクションについての研究が取り上げられ、依存症に関する関心が高まっています。また、投資とウェルビングの関連についても触れられています。

ワーカホリックの定義と研究背景
おはようございます、心理学者のじんぺーです。 本日も心理学の最新論文を紹介していきたいと思います。
今日はワーカホリックの話をしてみたいと思います。 連日お伝えしているように、今学会に参加しておりまして、キプロスで
ヨーロッパ心理学会に参加しています。 本当に大きな学会で、
ヨーロッパ中心から、本当に各地からいろんな人が来ているし、 あとは分野の広さもありますね。
自分は普段は芸術の心理学とかやっていますけど、あまり普段、自分が先行研究を読むという段階では触れないような研究もたくさんあって、それがとても楽しいなと思っています。
その中で昨日、あるセッションが、ワーカホリックの話ではなかったんですけど、
依存症とか中毒みたいなものを研究している人たちが集まるセッションがあって、それが面白そうだなと思って参加をしていました。
その中の一人が、まさにこの論文を書いていらっしゃる方なんですけど、その方が結構
依存症関係の影響力のある方みたいで、本当にたくさんインパクトのある論文を書かれているような方でした。
ハレイさんって言ったかな?
はい。その方の先行研究を読んでいたところで、自分が一番面白そうと思ったやつを紹介したいなと思います。
新しかったよね。2025年ですね。今年出たばかりの論文になっています。
ワーカホリックっていうのは、本当に日本が一番そうじゃないかと思うんですけど、働きすぎっていうね、あれも言ったら依存症とまではいかないけど、
なかなか自分がコントロールできない状況までになっていると、もしかしたら依存症の一つなのかなと思って、その人たちが研究しているのもわかるなと思いますし、
この雑誌ですね、JOURNAL OF BEHAVIORAL ADDICTION なので、まさに依存とかね、アディクションって依存とか依存症とかっていう意味だと思うんですけど、
行動の依存みたいなのを扱っている雑誌なのかな、自分は初めて知りましたけども、
これによっているぐらいなので、このワーカホリックっていうのが依存症の一つであるというふうに位置づけられているのかなと思います。
今回どういうことをしているかというと、自分の依存症というのはもちろん重要なんですけど、
上司、あとは同僚の依存症の度合いというのが自分の依存症に影響しているかということを調べた研究になっています。
それを85の国や地域で研究をしているというので、とても大規模な、33,000人ぐらいかな、サンプル数でいうと、
すごく巨大な研究結果になっています。ちょっと方法を詳しく見ていきたいなと思います。
85カ国なんですけど、ヨーロッパが34カ国、アジアが29カ国、南アメリカ8カ国みたいな感じですが、
なんか日本が入ってないのかな、なんでなんでしょうね、そこまでは分からなかったんですけど、日本が入ってないというふうに出てきました。
もしかしたら見落としているかもしれません。とりあえず今回は文化で差を見るというよりも、全体的な傾向を
同僚と上司の影響
いろんな文化で一般化できる部分を語るような語り口だったかなというふうに思います。
まずやっていることとしては、自分のワーカホリックを測る尺度というのはあるんですけど、
そうじゃなくて、上司とか同僚が、別に上司とか同僚にわざわざ質問しに行くんじゃなくて、
自分から見て上司とか同僚がワーカホリックかどうかということを調べるような尺度になっています。
実際の項目で言いますと、これも書いてて、例えば上司バージョンで言うと、これ3つだけなんで全部言いますかね。
私の直属の上司の生活全体が完全に仕事中心になっているように見える。
2つ目、私の直属の上司は自分がどれだけ働いているかをコントロールできていないように見える。
3つ目、過剰な仕事量が上司の健康、気分、職場での人間関係などに悪影響を及ぼしているように見える。
みたいなことで聞くみたいです。だから自分から見て上司はどう見えるかということで聞くということです。
これ同じような項目が同僚にもあると、時々顔を合わせる同僚について考えてくださいというので、
彼らの生活は完全に仕事中心になっているように見えるみたいな感じで聞くということです。
自分自身についても聞いていて、それらの相関とかいろいろな分析をしているということです。
ちょっと簡潔な方法の説明かなと思いますが、そんなにやっていること自体は難しくないかなと思います。
結果で言いますと、文化の話も最後にしましょうかね。
これは僕がすごく好きなパートというか、ぜひそれは一緒に考えたいなと思うところなので最後に言いますが、
まずはとても重要なこととしては、上司と同僚の仕事の依存度、だからワークホリック度合いというのは自分のワークホリック度合いに影響するということです。
これは83カ国中97.6%で優位であったということです。だからほとんどの国や地域でそういう傾向が見られたということ、特に同僚です。
同僚のワークホリック度合いが自分のワークホリック度合いに影響を与えていたということです。
もちろんその影響の方向というのは、同僚がワークホリックであればあるほど自分もワークホリックになるというようなことです。
方向というのは逆ももちろんあるんですけど、言いたいのはポジティブかネガティブかということです。
わかりますかね。同僚のワークホリック度合いが上がれば上がるほど自分が下がるわけじゃないじゃないですか。
自分も上がるというのでポジティブなというふうに言っています。
これというのは同僚との日常的、あとは感情的な接触の多さとか、集団規範、あとは模倣行動、いろんな業務の真似をするということもあるでしょうし、
もう少し行動ベースなのかもわかんないですけど、模倣するという行動が影響している可能性があるということです。
日本でもありますよね、同僚が。どうなんですか、日本とは上司の方が強いのかな。
上司が帰らないからなかなか帰らないみたいなのってある気がするので。
そういうのはちょっと面白いなと思いますが、まずはそれが重要な結果です。
2つ目が、上司とか同僚のワーカホリック度合いというのは、自分の仕事ストレスの上昇、もしくは仕事満足度の低下と関連していたということです。
これも当然ですよね。ワーカホリック的な職場というのは支援の欠如であるとか、
あとはちょっとプレッシャーがかかる、過度なプレッシャーを生み出している可能性があり、ストレス増加につながっているだろうということです。
こういうふうに結果は出ているしあるし当たり前だなと思うんですが、自分がここで気になったし、あとは研究者の方たちもその限界点として認識しているというふうに書かれていたんですが、
それって上司とか同僚のワーカホリック度合いが自分のワーカホリック度合いと関連しているというよりは、
文化的な違いと相関
その職場にいるという職場環境とか方針とか哲学みたいなものが共通して関連しているだけじゃないのというふうに僕は思ってしまったところがあります。
でもなかなかそれを検討するのって難しいので、こういう調べ方はありなんですが、共通する要因があってという説明の方が無難だし綺麗だなというふうには思ったりしますかね。
当然じゃないですか、上司が働き過ぎだったのか、自分も働き過ぎだったのか、それなんかホワイトの職場かブラックの職場かという要因の方がより大きく影響しそうだなと思うということです。
最後、文化の話も主題ではないんですが書かれているので紹介したいなと思います。
自分が思ったこととしては、日本は残念ながら入っていないんですが、集団主義の国、東アジアとか、アジアの国々とか、あとはアフリカの国とかもそういう国があるのかな、南アメリカでもそういう国があるのかな、
そこら辺は国によるところもあるし、まだまだ検討されていない国もあるんですけど、そういう集団主義、個人主義みたいなところが文化によって違うし、それが今回の関連度とも関わっていそうだよねと思って聞いた質問としては、
83カ国、85の国や地域の中で特に相関が高かった国と低かった国を教えてくださいというふうに、補足資料みたいなのをちょっと長いのでGBTに投げて聞いています。
そうしたところ、特に高かったのがパキスタン、コロンビア、マケドニア、インドネシア、チュニジアという国だそうです。
アジアの国が入っていればアフリカの国も入っているかな、このような国というのはやっぱりちょっと集団主義的な国であるというふうに言われていて、相関が高い、相関が高いというのはつまり例えば同僚が働きすぎだと自分も働きすぎになるというその影響を受けやすいということですね。
これまさにちょっと思っていた通りだと思いました。
フィリピンとかも入っているかな、その同僚と上司のというふうに合わせていたりすると。
逆に相関が低かった国でいうとドイツ、自分の住んでいるドイツ、フィンランド、デンマーク、オランダ、まさにヨーロッパの国々。
より個人主義的、あとはおそらくワークライフバランスが重視されていると、もうそもそもワークアホリックの人ほとんどいないよねみたいな国かなというふうにも思いますが、
こういった国では相関が低め、つまり同僚のワークアホリック度合いが自分のワークアホリック度合いにあんまり関係していない。
ちょっと効果的には優位なんですけど、でもその効果がちょっと弱いというのが特徴かなというふうに思います。
この辺りは面白いなと思うので、どんどん研究されてほしいですし、世界一ワークアホリックといってもいいこのジャパンという国で検討されているのはややもったいないなと思うので、
やってみたらいいんじゃないのかなというふうに思います。
今日はワークアホリックの話をしました。依存症の話面白いですよね。面白いというのはもちろん研究的にということですけど、
依存症研究の紹介
昨日のプレゼンでは、ギャンブル依存の話があって、そのギャンブル依存の研究をしていた方が、今日紹介した論文の著者でもある方なんですけど、
その方がメインでやっているのはゲームの依存ですかね。ゲームの依存とギャンブルの依存は結構近いみたいな話もしていて、面白いなと思ったし、
その次に話された女性の研究者の方は、フードアディクションですね。甘いものを食べ過ぎてしまうとか、人工甘味料とかのアディクションみたいなのを研究されている方のようで、
そういう話も普段あまり聞かないので、とても興味深いなと思って聞いていました。
いろいろと選べる時代だし、コストが低い、特に砂糖とか、イントネーションの砂糖とか、あとゲームとかもそうですよね。
昔は別にそんなに広まっていなかったけど、今はスマホ1台で無料でだいたいできてしまうというので、
あとは自分がたびたび紹介しているTikTokとかショート動画みたいなことも依存の一つになり得ると思いますし、
依存性ということはこれからいろんなテーマで研究されていくべきだなと思いますし、
物質的に豊かになる時代だからこそそういう問題が出てくる部分もあるのかなというふうに思うので、
自分は特にショート動画が興味あるのは、メディア的な部分は興味あるかなと思いますが、
その辺りは重要だなと思うから研究をしたいなというふうに思います。
最近実はショート動画でもう一つ女性菌を書いたので、撮れたらやりたいなと思います。
これ撮れないんだよね、いつもね。
何でだろう、あまり普段研究しているテーマとはちょっと違うからかもしれないんですけど、
ぜひやりたいと思っております。
投資とウェルビングの関係
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
じんぺいでした。
心を込めて。
はい、最後またキプラを雑談したいなと思うんですけど、
昨日は学会で自分が発表するターンでしたね。
無事終わりました。
結構人もいたんじゃないかな、そんなめちゃくちゃ大きい場所ではなかったですけど、
30人、40人いなかったかな、それくらいの感じです。
前で発表してきて、昨日も話した通り、
自分の研究メイントピックではないんですけど、
党首行動の話を去年かな、沢上東進さんと共同研究したのを発表してきました。
めちゃくちゃ専門というわけではないですよね。
でも論文を書いてから話せるようにはしないといけないんですが、
普段やってるテーマではないので、やや不安もなくはなかったんですけど、
つかみをちゃんとしたいなと思って、昨日はつかみを用意していきました。
自信がないからってつかみを用意するっていうロジックがよくわかんないと思うんですけど、
そこで一回ホームグラウンドにしたいって感じですよね、イメージはね。
失敗したらどうやるって感じなんですけど、そこがうまくいったんで。
投資の話なんで、みなさん投資してますかってことを振って、
株に投資してる人って聞いて手を挙げてもらって、
今度は暗号資産、クリプトに投資してる人って聞いて手を挙げてもらって、
これあんまり多くなかったですね。
なんかもっとみんな、ヨーロッパの人とか投資してるのかなと思ったんですけど、あんまりいなくて、
投資してない人って聞いたらそれが一番多かったかな、ちょっとびっくりしたんですけど。
この質問を答えたくない人みたいな感じで、それも何人か出会って、
それはそれでそうだよなって思いながら聞いてたんですけど、
その後にもうこれが今日の結論ですっていうので、スライド出して、
これ本当に研究結果なんですけど、
投資をしている人というのは、してない人よりもウェルビングが高いっていうことを一言で言って、
investors are happierっていう、めちゃくちゃシンプルな文で、
これで終わりですみたいな感じで言ったら、ドッと受けまして、
自分は何を目指してるんだって感じですけど、大事なんです、そういうこと。
それでちょっと今日大丈夫そうだと思って走り抜けました。
なんかそういう雰囲気で話したほうが、個人的な感覚ですよ。
質問とかもいっぱい言ってもらえる感じがするんですよね。
あんなじゃ自分の発表の後が一番質問が出てます。
もしかしたら自分の発表が分かりにくかったからかもしれないんですが、
してもらって、それも良かったですね。
結構普段使ってない質問尺だとか使ったので、それにすごく詳しい方がいて、
別の、こんなのもあるから使ってみるといいよみたいなこととかね、有益ですよね。
アドバイスもらったし、あと何て言われたかな。
あ、あれだ、株に投資している人とクリプトに投資している人っていうふうに分けてるけど、
それって結構オーバーラップあるんじゃないっていうことを聞かれたんですけど、
それは募集段階でちゃんとこれだけに投資している人みたいな感じで聞いてたので、
大丈夫かもねって言いました。ただ、セルフリポートなので、
それぞれが本当に何に投資しているかっていうのまでは分類が難しいので慣れなんですけど、
そういった質問ですね。良かった質問内容も、あと一人が言ったのも覚えてるな。
結構身取り、短い時間ですけどね、身取りある時間だったんじゃないのかなと思っています。
明日まだ最終日あるので、結構最後は気楽に楽しんでいきたいなと。
ずっと気楽ではあるんですけど、一応発表があるっていうので、
そこにね、照準を合わせてやるところはあるので、それが終わってひとまず、
よりリラックスして明日は楽しみたいなと思っています。
では。
18:17

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