おはようございます。研究者がそばにいるくらし、ドイツ在住心理学者のじんぺーです。
この番組では心理学の研究論文をもとに、皆さんのお悩みとかお困りごとに答える話を
答えるような、答えるかもしれない話をしています。今日は
健康情報との付き合い方という話の第3回目で、健康情報との付き合い方にあまり関係ない話をしたいなと思っています。
お悩み自体は、出産前後から健康情報に対してさらに敏感になったと。
健康情報に対する関わり方とか、SNSとかインターネットとの関わり方みたいな話を
昨日とかその前とかで話させてもらいました。 そのお便りの最後の方に
面白い追記がされていて、自分は家族背景的にもどちらかというと安全志向な家庭だということも影響してそうだなと思います。
こういうのはやはり受け継がれるものなのでしょうか、ということで。 これについて今日話してみたいなと思います。
いくつかこの論文、論文自体はそんなに新しくないです。2005年の論文なんですけど、サイコロジカルサイエンスという一流誌に載っている
面白い研究は研究なんですけど、いくつか
事前知識というか ちょっといるので
一個ずつ説明してみたいなと思いますけど、あんまりね
全ては結構厳しいと思うので、サクッといけたらと思っています。 ちょっと重たそうなやつほどサクッといけるというのをね
意識したいなと思っています。 論文タイトルは
児童期中期における行動抑制を予測する遺伝子と環境の相互作用に関する証拠という論文です。
いつも通り概要欄に論文貼ってますので、よかったら見てみてください。 遺伝子で全てが決まるわけではないということもわかると思いますし、環境で全てが決まるわけではないというのも
なんとなくわかると思います。どっちもそれなりに影響しているし、それの相互作用というか組み合わせでいろんな
性格とか態度とか人の特徴みたいなのが出てくるという、それは心の問題だけじゃなくて体とか運動神経とかいろんなことがそうかもしれないんですけど
というふうなことをまず前提としてあります。 前提と言ったけど、結構前に紹介したエピジェネティクスみたいな話もあって、環境によって遺伝子の方も書き換わるっていう
そっちもあるので、そんなに簡単な話じゃないですよね。 遺伝率数十パーとか言われて、じゃあ遺伝でこれぐらい進めできるんだねっていうそういう話でもないんですけど
そういうのを前提で聞いてください。前提多いですよ。前提多い。これがまず覚えておいて欲しいこと。
このタイトルにもあるように遺伝子と環境の相互作用に注目していると。 遺伝子からいきましょうかね。遺伝子は何に注目しているかというと
この遺伝子と心理学との関係で一番よく出てくる 遺伝子の多形っていう
人によって遺伝子のいくつかパターンがあるんですけど、多形、多い形って書いて多形って言ったりするんですが、一番多いその多形でセロトニントランスポーターっていう
遺伝子があるんですよね。 多形って言ってる型があるので色々あるんですけど、大きく分けるとS型、ショート型とロング型の2種類があります。
何がショートで何がロングなのかという話はあまり詳しく説明できないので調べてみてください。
S型の人というのは、脳内でセロトニンを取り込む効率がL型よりも低くなりやすいという特徴があります。
このS型の人というのは不安とかネガティブ感情を持ちやすい傾向があるというふうに報告されています。
恐怖に敏感であるということも分かってたりします。
そういうS型とL型、ちなみに日本人はS型が多くてアメリカ人とかはL型が多いという研究とかも有名な研究があったりするので、
不安を感じやすいとか恐怖を感じやすい、恐怖に敏感であるとかっていうのは日本人の多くはそういう傾向を持ちやすいかもしれないという、
多形の話だけで言うとあります。
環境の話をすると、これは母親のソーシャルサポートを図っています。
どれくらい子育ての環境を家族とか地域の人とか生徒とか、生徒だけじゃなくて家の収入面であるとか地域の安全性とかいろいろなソーシャルサポートってあると思うんですけど、
それらを組み合わせたようなものを聞いています。これが環境です。
柔軟調査になっていて、一番最初は14ヶ月時点、1歳ちょっとの子供から実験がスタートします。
見知らぬ大人とか動くロボットとかに対してどれくらい近づくか、もしくは泣くかとかね、そういった行動を観察して、
生まれつき、14ヶ月生まれつきと言っていいかわからないけど、行動抑制のレベルを測る。
これが今日の重要な概念で行動抑制という概念があります。本当にこれはよく出てくる。
behavioral inhibitionとか言ったりします。英語だと。これがまさにこの今日のお便り、原徳青松さんのお便りの慎重な行動をとるとかね。
安全指向というふうにすべてイコールはできないけど、こう行動抑制する。新しいものにあんまり近づかないとか、あとは何でしょうね、ちょっと待ってくださいね、行動抑制についても。
そうですね、単なる注意深さというよりは、新規なものに対する恐怖とか不安というニュアンスがこの研究では特に強調されているというところですかね。
なのでこの14ヶ月の子どもに対しても見知らぬ大人とかロボットとかそういうのに近づいたりとか泣いたりとか、だから行動抑制が高い人というのはおそらくそういう新しいものに対してはあんまり近づこうとしなかったりとか、
距離を置こうとするような行動をとるだろうということが14ヶ月という、なかなか言語で指示をしたりとか質問しておいたりできない子どもに対してもこういうふうに実験ができるということです。
同じことを言っていますが、別の角度で言うとそうなるということのようです。
行動のデータにおいても、母親に子供がどれくらい打ち気ですかということも聞いていたそうですが、
行動においても、アンケートにおいても同様の傾向が確認されたということなので、結構効果としては主張できるぐらいなのかなと思います。
いかがでしょうかね。
お便りに戻ってみますか。
そういった安全指向とか、それは身長であるとか、新しいものにあまり行かないというか、ちょっと違うのかな。
安全指向が過程というのも影響してそうだと。
こういうのはやはり受け継がれるものなのかというところなんですけど、
セロトリントランスポーターってどれくらい遺伝するんだろう。
ざっくり調べました。
遺伝しますと、
ただし親がS型なら子供もS型になるとは限らない。
よくある話で、父親から一つ母親から一つ受け継いだアレル、対立遺伝子の組み合わせでタイプが決まるというふうに言われているそうです。
だからSS型、LS型、LL型みたいな組み合わせがあって、
親がS遺伝子を持っていてももう片方がL遺伝子を持っている場合はLS型になる。
子供にLの方は足すという可能性もあるみたいな感じです。
なので確実に親がSなら子供もSというわけではないんですけど、
親がS型を持っているということは子供もS型を持つ可能性は高まるという意味では遺伝をするというふうに言えるかなと思います。
受け継がれるものかと言われると、もしかしたらそういう身長派であることとか、
恐怖に敏感であるみたいなことは受け継がれるかもしれません。
そういうセロトニー・トランスポーターの他系の話だけで言うと。
一方で母親がどれくらいソーシャルサポートを受けていたかとか、この研究はそれだけですけど、
それだけじゃないんだよ、そうだよ。
これも面白くて、皆さんへも言ったり来たりで。
ソーシャルサポートって言ったじゃないですか。
ソーシャルサポートがあると行動抑制が発現しにくいみたいな感じだったんですけど、
母親自身のうつ病のスコアも聞いてるんですって。
うつ病じゃないや、うつ症状か。
うつ症状と子供の遺伝子の組み合わせでは、そういったうつ系効果は見られなかったそうです。
だから母親の気分そのものよりも、母親が周囲からサポートされていると感じているかどうかの方が重要である。
環境要因ですね。そっちが大事だったっていうのが面白いですね。
これも興味深い。
だから環境っていう意味では別にソーシャルサポートだけじゃなくて、
住んでる家とか、教育とかね、学校とか、友達関係とかいろいろあると思うんですけど、
あると思うけど、家のほうは環境もすごく重要であるということなので、
受け付かれるは半分イエスで半分ノーという感じかなと思います。