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2025-01-24 12:09

#16.みんな抱える「親への葛藤」について

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皆さんどなたも少なからず親子との関係で悩まれたことがあるんじゃないかと思うんですが、今回はお便りを通して、母子関係を「解決」というよりは「どんな風に考えると良いのか」を考えるお話をしてます。親子関係に悩まれている方、もしよければ。


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関連エピソード:#12.燃え尽き症候群(バーンアウト)対策を考えよう

サマリー

このエピソードでは、親子関係、特に母子関係にお

親子間の葛藤
皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。公認心理師臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困り事の解決に役立ちそうな心理学カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
今回は、以前バーンアウト、燃え尽き症候群についてのお困り事をお便りフォームでいただいた方から、また別のお話でお便りをいただきました。
テーマはズバリ母子関係、とりわけ母子の葛藤です。 あの皆さんどなたも少なからず親子との関係で悩まれたことがあるんじゃないかなと思うんですが、
今回のお便りも一つの親子間の葛藤を書いていただいています。 今回はこのお便りを通して、その母子関係を解決というよりは、どんなふうに考えるといいのかを考える回にしていければなと思います。
ではカウンセラジオを始めていきましょう。 では早速お便りを読んでいきます。お便りをくださった方はさっきお話しした通り、
以前バーンアウトについてご質問いただいたお医者さんの方ですね。 ありがとうございます。
気になる方はそちらの回、シャープ12燃え尽き症候群バーンアウト対策を考えよう、も聞いてみてくださいね。
ではお便り少し省略して読み上げていきます。 渡るんさん、この前のバーンアウトの悩みについて答えていただいてありがとうございます。
もう一つ相談したいことがあるのですが、母についてのことです。 もともと正反対の性格で母の価値観が全く合わず考え方や知識のレベルも違うので、話すたびにとても疲れてしまいます。
母はどこかの田舎の村で育てられていたので、30代に父と結婚するまでは料理や運転、掃除、金銭管理など一般的なことが一切できなかったらしくて、
アルコールやタバコという存在も知らなかったようで、ザ箱入り娘だったというべきかな。
でも今30年以上都会に住んでいても何も学ぼうともせず、世間体について疎いまま、明らかな嘘でものんきに信じてしまうので、人に利用され騙されやすいです。
私の父は母と正反対で、頭がとても良くって、勉学へかなり熱心。
医者としてとても厳しくて勉強やキャリア、お金ばかりの人間なんだけど、私は子供の頃からその強くて利好な父を憧れてきました。
父のようになりたいなぁと思って医学部に入ったし、父のおかげで自立した医師としてバリバリと働くことができるので感謝しています。
私は何も努力しないでただぼーっと生きていく母を見るとすごいイライラします。
常識に欠けすぎているし、友達や趣味もありません。会話は雑談だけ。
深い話どころか人間関係や人生相談、お金、人生や恋愛相談などもできないし、父や友達のようにアドバイスもくれません。
一言で言うと頼りにならない子供のようです。
親から遠く住んでいるので母から週に2回くらい電話してくるけど、あまりの頭の悪さで精神的に疲れるし一日中イライラすることもよくあります。
父を憧れていますが母を尊敬すらできないというか心の中で見下しているんじゃないかと私は思うのです。
親としても女性としても失格だと。でも根が優しくて別に悪いことをしていないので切り離すのはかわいそう。
物理的に距離をとっているけど精神的にももっと距離をとった方がいいでしょうか。
話すと疲れるので連絡の回数を減らそうと思っているけど、母には私と父以外に話す相手がいなさそうなのでどうすればいいのかわからないんです。
少しでもアドバイスがあれば教えていただけると嬉しいです。
かっこ長文になってしまって申し訳ありません。
かっことじ。
ということでした。お便りありがとうございます。
距離を取る選択
その後お仕事はいかがでしょうか。うまくいっていることを祈っています。
それで今回はお母様のことについてですね。
見たところお母様がものすごく嫌いというかイライラすると言った方が正しいのかな。
母として認められない。そういう気持ちがある一方で、でも嫌いだから距離をとっちまおうというシンプルな気持ちというわけでもなさそうですよね。
自分が距離をとっちゃうと母がかわいそうという思いも持たれていると。
そうですよね。そういう両極端の思いを持っているからこそ苦しいわけで。
なので、いやそれはもう試しに精神的に距離とっちゃいましょうというアドバイスでは終わらなそうですね。
もう少しその気持ちについて振り返る必要がありそうです。
さて親への葛藤の話。皆さんは親に対してどういう思いを持っていますでしょうか。
ちょっとこの話に関しては慎重にならざるを得ない部分があって、なぜかというと世の中いわゆるごく一般的な家庭で育った方ばかりではないからですね。
中には虐待とか劣悪な環境で育ってきた方もいるかと思います。
あとそれとはちょっと違いますが、ドック親という言葉も中最近流行ってますよね。
またお子さんとの関係でうまくいかないという親御さんの立場の方もいらっしゃるかと思います。
なので、もし親子関係の話題について聞きたくない、今聞くのはあまりにもしんどいという方がいたら、そっと別のエピソードに移動していただければと思います。
さて話を戻しますが、親子関係って複雑です。
質問をくださった方は、どうにも嫌いな部分が目についてしまうお母様と距離を取るかどうか、
でも自分が距離を取ったらお父様以外との繋がりがなくなってしまう、かわいそうという葛藤を抱えているということですね。
罪悪感が出てきちゃうというところかなと思います。
やっぱり相手への思いが複雑なことって人間関係では多くあって、特に親は小さい時からずっと一緒だった存在ですからね、影響は大きいわけです。
こういう親子間でそういう思いが錯綜しているときは、親子間葛藤とか母子葛藤と言われて、よくカウンセリングで扱われます。
もう少し関連した専門用語を挙げるとすると、エリプスコンプレックスとかエレクタラコンプレックスとかっていうのもあるんですが、これはちょっとマニアックなので割愛します。
気になる方は検索してみてくださいね。 さてお二人の内容、個人的には2つポイントがあると考えています。
それは一つ目は先ほどお話しした、イライラするけど距離を取ったらかわいそうという両極端な気持ちを持っていること。
そしてもう一つは、自分の母親はこういう存在であってほしいという気持ち、期待があることかなと思います。
その2つが主にこんがらがっている感じがして、お便りをくださった方自身が、お母様から思い切って距離を取る、言い換えると自立しきれていないように感じます。
孤独と罪悪感
この2つのポイントを詳しく考えていこうと思います。 まず両極端な気持ちについて考えてみましょう。
イライラする、距離を取りたい、でも距離を取るとかわいそうということでしたね。 このかわいそうという気持ちは、距離を取った結果起こりそうなことに罪悪感を抱えているわけですよね。
では実際に距離を取るとどういうことが起こりそうでしょうか。 たぶんお便りをくださった方は、距離を取ることでものすごく孤独に日常を過ごしているお母様のイメージが湧いてしまうんじゃないかなと思います。
ただそれはお母様にとってはどうなんでしょう。 お便りをくださった方にとってはそれはかわいそうに見えるわけですが、お母様ご自身はどのように感じそうでしょうか。
さらに言うと、そのイメージはどのくらい実現しそうでしょうか。 つまりはそのイメージや先行きの予想の確からしさを考え直してもいいかもしれません。
また、距離を取ることでお便りをくださった方自身にはどんな良いこと悪いことがあるでしょうか。 罪悪感に苛まれるということはあるとして、他にもいろんなメリット・デメリットがありそうですね。
そうですね。距離を取ることで少なくとも平穏に過ごせる時間は増えるかもしれませんし、逆にその方がお互いに気持ちよく付き合えて、むしろその方がお母様のことを好きになれるなんてこともあるかもしれませんね。
もちろん逆のパターンで、距離を取った結果お互いの調子が悪くなるというリスクもあります。 それはある種やってみないとわからないし、距離を取った直後の結果だけで判断できるものでもないですよね。
その辺をもう少し深掘りしていくと、じゃあ自分と母はどういう付き合い方をすればいいのかについて、もう少し重要なバランスの取れた距離感というのがわかってくるかもしれません。
あともう一つのポイント。お便りをくださった方は、母親はこういう存在であってほしいというある種の期待を捨てきれない気持ちもあるんじゃないでしょうか。
お母様は深い話どころか、人間関係や人生相談、お金、人生や恋愛相談などもできないし、父や友達のようにアドバイスもくれない、頼りにならない子供のようだとのことですね。
そんなお母様を見てとてもイライラするということですね。 これはアンガーマネジメントのお話にも通じますが、イライラの裏には何かしら自分の気持ちが隠れているということでしたよね。
そう考えるとお便りをくださった方は、お母様に対して何かしらの期待をしていて、それが成就されないからなんで自分の母親はこんなんなんだとイライラしてしまうわけですよね。
じゃあどんな期待をしているかというと、きっともっとしっかりしてほしい、自分の悩みにアドバイスをくれるようなしっかりした考えを持ってほしいという期待、
言い換えると甘いに近いものなのではないでしょうか。 もちろんこれは合っているかどうかわかりませんが、こういうイライラの裏にある自分の気持ち、
つまり相手、今回はお母様にどんな期待をしているかを考えて整理することも、お母様と適した距離を取るためには大事なことのようにも思います。
ご自身がお母様に対してどのような思いがあるのか、そして自分が実際に行動に移したらどういうことが起こりそうか、
少し掘り下げて考えてみてもいいかもしれませんね。 とはいえ繰り返しになりますが、親子関係というのは本当に難しいもので、
多分お便りの中身かなり端折ってしまったんですが、そのお便りの原文以上にいろんな思いをお母様に持っているんじゃないかなと思います。
その辺の葛藤紐解くにはさすがにこのラジオでは力不足なので、もしそのお悩みが深いようでしたらカウンセリングなどで整理してみることをお勧めします。
期待の整理と適した距離感
今回のお話はそのお母様との関係を考え直すヒント、足掛かりと考えていただけると嬉しいです。
さて今回はいかがでしたでしょうか。今回の話をまとめると、親子関係は難しい、嫌いと側にいたいが両立することだってありふれた話なんですよ、
ということになります。 皆さんは今回のお話いかがでしたでしょうか。
もしそれこそ親子さんとの距離感で悩まれている方がいらしたら、お互いにとっていい距離感を模索するヒントにしてもらえたら嬉しいなと思います。
では最後にもし良ければこのエピソードがいいなと思ったら星5評価をしていただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたらお便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
ノートにも記事を書いていますのでそちらもご興味あればご覧ください。
では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。
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