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おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ、論文と合わせて紹介しています。
嫉妬の定義と恋愛関係
今日の一語は、嫉妬という言葉。聞きなじみのある方も多いと思いますが、心理学ではどういうふうに研究されているかということを紹介したいと思います。
本題に入る前にお知らせをさせてください。2つあります。
まず、今日の夕方の5時から、島袋先生、天文学者、宇宙の研究をしている島袋先生とXのスペースの方で対談することになりました。
1時間ほど研究の話と、あとはアウトリーチ、こういう発信を積極的にされている先生なので、ボイシーもやっていますし、
Xとかインスタとかいろんなところで発信されている方法とか、なんでとか、どういう意図でやっているのかみたいな話を聞いてみたいなと思っています。
あとは生配信を日曜日にもしたいなと思っていまして、夕方ですね、おそらく4時だと思いますにする予定にしてますので、そちらは週に1回の緊急報告などをします。
遊びに来ていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
今日の論文は嫉妬の話をします。
嫉妬というのはまずどういうことかというね、どういうことかってわかると思うんですが、ちょっとややこしく説明をしてみたい。
せっかく心理学をやっている、しかも感情の研究者なので自分はしたいなと思っています。
嫉妬というのは自分にとって重要な他者との関係が第三者によって脅かされる時に生じる認知的、
感情的、行動的反応からなる社会的な複合的感情であると結構ややこしいですよね、言われています。
今日の論文は恋愛関係の話、嫉妬というと一番先にそれが思い浮かぶ人も多いと思うんですけど、
嫉妬って恋愛関係だけじゃないですよね、職場の嫉妬とか、社会的なそれはソーシャルメディアとかかもしれませんが、嫉妬ってありますよね。
自分にとって重要な他者との関係が第三者にとって脅かされるみたいなことって、
恋愛関係で言うと自分とパートナーの関係が第三者、別の人、友達かもしれないしそうじゃないかもしれないけど、
別の人にパートナーが取られるというか、じゃないかっていう恐怖みたいなところから生まれる。
これが職場での嫉妬はどういう時に起こるかというと、例えば同僚に嫉妬するというパターンがあると思うんですけど、
それは上司が同僚を評価したりとか信頼するということが起こって、
自分に対する評価とか承認というのが脅威にさらされるというふうに感じるので、そういう嫉妬というのが起こると。
そこは何かが第三者によって脅かされるという状況は一緒であるというふうにまとめられるので、
そんなふうに定義してみました。
あとは今日の手続き的なところでまた話すと思いますけど、認知的な嫉妬もあれば情動的感情的な嫉妬もありますし、
あと行動的な嫉妬もあるという結構多次元的な尺度、概念であるというふうにまとめられるのが多いみたいです。
今日の論文はComputers in Human Behaviorという雑誌に載っていて、
SNSとかオンラインでの関係上の嫉妬を扱った研究になっています。
やっていることはすごくシンプルだと思います。
簡単に結果も報告できればと思いますが、
2つやっていますが大体同じかな。
2つ目も面白いのでどっちもいきますが、
自己開示と嫉妬の実験
まず1つ目が基本となる方が大学生130名で恋愛中であると。
その人たちに対して自分の恋人が異性の友人とチャットしている画面、スクリーンショットみたいなものを見てもらうという実験です。
そういうことできるのかと思うけど、してもらうと。
この時に条件が2つに分かれていて、浅い自己開示をしている条件と深い自己開示をしている条件。
浅い自己開示というのはただの用事を伝える。
明日の授業何時からだよとかね。
深い自己開示はもう少し個人的な話とか感情的な話、自分の家族がとかね。
小さい時にこういうことがあってみたいなことを話しているようなイメージです。
その後にどれくらい嫉妬を感じるかということなんですけど、
ここでさっき言った認知的な嫉妬と感情的な嫉妬というのに分けられて、
だいたい結果は同じなのであまりそこは意識しなくていいんですけど、
一応今日は嫉妬の話をしているので紹介すると、
認知的な嫉妬の方で言うと浮気しているかもしれないみたいなそういう考えが浮かぶというような認知ですよね。
感情の方はもう少し感情語で表されるような感覚で、
怒りとかも入ってくるし悲しみ嫌悪とかもそういうのが混ざったような感情なので、
そういうふうに聞くということのようです。
今回の研究では使われていないみたいなんですけど、行動的な嫉妬というのもあって、
例えばこっそりと恋人の行動を確認したくなるとかね。
この多分、尺度が作られたときはスマホとかSNSってあまりなかったと思うんですけど、
今で言うと、例えば恋人のSNSをチェックしてしまうとか、
スマホを開いてしまうみたいなことというふうに言えると思います。
なので3次元であるよというふうに覚えておいてもらえればいいかなと思います。
この後の結果はだいたい同じです。
この研究者の仮説通りですね、深い自己開示をしている方が浅い自己開示の時よりも
嫉妬の感情も認知も大きかったというのがメインの結果になっています。
常に面白いですよね。浅い自己開示ではそういう嫉妬というのはあまり生まれないんだけども、
自己開示をする自分について深く話すときに嫉妬というものが生まれるんだと。
今日の定義に照らし合わせると脅威を感じるんでしょうね。
第三者に関係性を脅かされるというふうに感じるということのようです。
2つ目の研究も面白いと言ったのは、2つ目の研究は学生に対する調査というのは一緒なんですけど、
遠距離恋愛中の人たちと近距離恋愛中の人たちで分かれて分析をしたということです。
同じような実験ですね、チャットを見せて、その中では深い自己開示のパターンがあったりとか、
浅い自己開示のパターンがあったりとかするんですけど、その結果は一緒です。
さっきと一緒で深い自己開示の方が嫉妬が大きいんですが、
そこでさらに面白いのが遠距離恋愛の人というのが近距離恋愛の人よりも嫉妬が強くなるというのが今回の結果だったようです。
特に深い自己開示の時にその差が大きくなったということのようです。
遠距離恋愛かつ深い自己開示をパートナーと第三者の異性の友人がする時に嫉妬というのはとても大きくなるというのが研究結果のようでございました。
とても興味深いなと思います。
遠距離恋愛と嫉妬の関係
これも言葉とかは大丈夫なんですけど、これを説明するような理論がイントロとかで論じられているんですけど、
ハイパーパーセプションモデルという、カタカナにするとややこしいんですが、
嫉妬研究以外でも言われてきた理論のようなんですけど、情報が欠けている状況の時に人というのはわずかな手がかりを過剰に意味付けてしまうという風なモデルのようです。
今回の研究でいうと、距離が離れているということは、自分のパートナーに対する情報が近距離にいる時よりも欠けている。
すぐにその状況を確認することもできないし、顔を見て話したりすることもできないわけなので、
そこで過剰に何か意味を付けてしまったりとか、余白を埋めてしまう、自分の解釈をしてしまうということなのかもしれないですけど、
それが遠距離恋愛の方で嫉妬がより大きくなった理由なんじゃないかという説明がされていて、これもまた面白いなと思いました。いかがでしょうか。
遠距離恋愛、自分もしていたことがあるので、嫉妬という感情にはあまり縁がないんですけど、
結構大学生とか、大学生だけじゃないか、むしろ社会人とかになった方が遠距離恋愛って多いのか、
ぜひ身近なそういうことを頑張って、頑張ってる人に伝えると良くないのか、伝えないでください。
遠距離恋愛の方が嫉妬が大きくなるって伝えても全く良いことないですよね。
伝えないでください。すみません。面白いなと思って聞いてもらえていたら嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい一日にしていきましょう。
じゅんぺいでした。心を込めて。