学位は京都で取って、ポスト読からドイツって感じなんですね。
そうですね。
なぜドイツなんですか。
ドイツは結構自分の今の先生とかも経験美学って言ったりするんですけど、
心理学の中でもデータを使う方の学問で、
統計を最後使って定量的に論文を書いていくんですけど、
そういう経験美学って呼ばれる領域の、自分のボスがパイオニアの一人であったりとか、
ドイツの先生が割と多いなと感じるんですよね。
なんでなんでしょうね。
統計っていうのが一つキーワードなのかなと思ったんですけど、
よく心理学やってますって人に紹介するときって、
人の心読めるんですかって言われたりしますよね。
でも私の認識だと心理学って人の心を読むとかそういう話じゃなくて、
ゴリゴリに統計的な手法とかを使って議論していくっていう印象なんですよね。
例えば人の心っていうのは主観的なものじゃないですか。
なので、人の心なんて主観的なものだけど、そこから何らかの知見を得るためには、
主観ではなくて客観的な議論をしないといけないと思うんですけど、
そこで出てくるのが統計学ということで、
心理学っていうのは主観と客観の狭間の学問みたいなイメージを持ってるんですけど、
そんな感じの理解ですかね。
もう完全にやってますね。
僕よりも心理学の説明が大きい。
ありがとうございます。
その中で美に関する話みたいなことをおっしゃっていましたけど、
それはもう少し掘り下げるとどういう感じのことなんですか。
ありがとうございます。
ちょっとすいません。
最初の方から聞いていただいて恐縮なんですけど、
まさに主観と客観的な話で分けて言うと、
まずはやっぱり芸術、特に自分は俳句とか、
最近はイケバナとか書道とか、
そういった日本的な題材をテーマにしてるんですけど、
それをたくさんの作品を用意して、
それについて例えば300人とか400人の人にひたすら評価をしてもらうんですよね。
あなたは今見ている作品にどれくらい美しさを感じましたか。
それで0点から100点ってつけてもらうと、
一応それがデータなわけじゃないですか。
それを使うっていうのと、
あとは他の指標と組み合わせたりとかするんで、
客観的な方で言うと、
例えば目の動きを測ったりとかして、
イケバナのどこに注目しているかとか、
どこを長く見たとか、
そういうのもあるだろうし、
あとは脳ですよね、脳活動を測るということも、
最近この分野でよく手法としては組み合わされたりするので、
どういう感情を感じているときに、
どこの脳領域が活性化するかみたいなことを、
芸術を使ったりとかして検討しようとするっていうやり方が多いですかね。
じゃあなんか、例えば芸術って結構、
例えば絵画とかを見たときに、
これいいな、綺麗、美しいなみたいなことを主観というか、
なんかぼんやりとふんわりと思ってしまうところだと思うんですけど、
そこに対して科学的統計的な手法を入れることによって、
何を美しいと思っているのかみたいなことを、
もう少し客観的というか具体的に語れるようにするみたいな話なんですかね。
そうですね。
本当に科学の基本の実験的な手法とあまり変わらないと思うんですけど、
例えば絵画とかで最近多いのはやっぱりAIの話とか多くて、
同じ絵なんだけども、
AIが作りましたってラベル付けするのと、
プロのアーティストが作りましたってラベル付けするのとでは、
絶対プロのラベルがついている方が評価が高くなるんですよね。
だから物理的な刺激は同じはずなんだけども、
そこになんかいろんな文脈情報が載ってきて、
人の美しさの評価ってできてるよねみたいな話を、
その実験手法をわかるわけじゃないですか。
そういった感じですね、イメージとしては。
なるほど。
そのAIが出てきましたけど、
そのAIの作成した絵って何となくこれAIっぽいなみたいなものがありますよね。
それを言語化しろって言われたらちょっと難しいんだけど、
何となくでもこれをAIが使ったっぽいなみたいなものとかあるので、
そこに対してなぜそういうふうに思うのかみたいなこととかを説明していくことも
もしかしたら可能になるかもしれないみたいな話なんですかね。
そうですね、本当におっしゃる通りで、
いつの文献か忘れたんですけど、
主観的にはAIの作品を見てても人間の作品を見てても
見飽きがつかないんだけども、
それこそ脳のパターンを分析すると、
脳はちゃんとそのAIか人間かっていうのを分けてたというか、
異なる脳反応を示してたみたいな研究があったりして、
それも結構面白いですよね。
どこかでは多分何かを分別してるというか、
可能性ありますよね。
なるほど、なるほど。
そういうことを考えるとやはり今AIの話とかもありましたし、
心理学の対象とする範囲っていうのがどんどん広がっていくみたいな感じはありますよね。
そう思いますね。
なるほど、なるほど。
嬉しい、いっぱい聞いて。
クロノ先生も絵画の検定とか持ってるみたいな話を聞いたんですけど。
私はポス独で2年間フランスのパリの方にいまして、
ドイツにいるから分かると思うんですけど、
やっぱりヨーロッパってヨーロッパ独特の雰囲気みたいなものあるじゃないですか。
あります。
パリっていうのは芸術っていうのがさらに深されてるような街なので、
めちゃくちゃ絵画を楽しんでたんですよね。
美術館巡りを楽しんでて。
そうすると結構私懲り性というか、
興味のあることをいろいろやりたくなるタイプなんで、
もう少し絵画っていうのを漠然と見るだけじゃなくて、
もう少し背景的に知識として知りたいなと思って勉強していたら、
たまたまオンラインで美術検定の1級かな、
受けることができたので、一番低い級なんですけど、
それを受けたらたまたま合格したっていうだけの話ですね。
いいですね。
島袋先生、そういうプラスアルファのところから聞いてしまいましたが、
自己紹介はまだちゃんとしていただいていないので、
改めてお願いしてもよろしいですか。
ありがとうございます。
リスナーの皆さんこんにちは。島袋駿と言います。
出身は沖縄県で、大学は東北大学、大学院は名古屋大学で
博士号を取得しました。
専門は天文学、宇宙の話ですね。
宇宙の話の中でも、とりわけ宇宙論と呼ばれる分野を研究していて、
宇宙論っていうのは何かっていうと、宇宙自身の歴史や進化、
この先の宇宙がどうなるか、そういったものを研究する分野をやってます。
博士号を取得した後は、フランスのパリ天文台というところで、
2年間ポスドク研究員と呼ばれる研究員をして、
その後は中国北京の聖火大学というところにポスドクでまた移って、
そこで1年8ヶ月ポスドクをやった後に、原職の雲南大学というところに
テニアトラックという形で採用されて、その後審査を受けて
それをパスしたので、いわゆる人気の定めのない
準教授のポジションになって現在に至るという感じです。
いやー、これも情報量が多い。
どこから聞いたらいいのかというところなんですけども。
せっかくドイツの話を聞いていただいたので、
パリの話とかは聞いてみたいなと思ってたんですよね。
やっぱりパリの天文台って、素人目に見ても有名な感じがするんですかね。
そうなんですかね。
世界的に見て有名なのかというのはちょっと分からないんですけど、
天文台とはいえ、でっかい望遠鏡があるとか、そういうところではないんですね。
ただ研究機関という感じで、教育用の望遠鏡とかはあったりするんですけど、
大きな望遠鏡で観測しているっていう感じではなくて、
ただ歴史が結構長くて、350年とかぐらいの歴史がある組織というか研究機関でして、
日本だったら江戸時代とか徳川幕府がある時代ぐらいから建設されて、
天文学の研究を推進してきた、
フランスの天文学の中心的な場所だったっていうのがパリ天文台って感じですね。
なるほど。
実はもう一つ知っていて、
みんなが行くとこなんだなっていう印象を勝手に持ってたんですけど、
そういうぐらい、いろんな有名なインスティチュードがあるからかなと思うんですけど。
なるほど。
そんなに世界的に有名かと言われると、有名ではないかなって感じではしますね。
そうだったんだ。
国の話、結構ヨーロッパの中でも面白いなって思ってて、
それこそ直前なんですけど、下村先生の本ちょっとだけ読ませていただいて、
すいません、最後まで読めてないんですけど。
ありがとうございます、逆に。
コペルニクスとか、ケプラーもでしたっけ?
どこでしたっけ?
ドイツとかじゃないなって思ったんですよね。
ポーランドとかですね。
ポーランド、ポーランド、ポーランドとかだし、
あとはガリレオガリレもイタリアだしみたいなので、
僕は美学とか哲学とか心理学とかをやってると、
やっぱドイツ人の人は圧倒的に多いなって感じるんですよね。
ゲイって誰だっけ、カントとかもでしたっけ?
カントもそうだし、バームガルテンって美学を作った人もそうだし、
あとはすごくたくさんいますよね。
だから分野によってヨーロッパの中でも色があるのかなっていうのを
ちょっと本を読んだだけで感じたんですよね。
フランスも結構哲学が強いところ。
日本から留学してきてる日本人の人とか結構いたんですけど、
みんなやはり哲学であったりとか、
それこそ芸術で留学してくる日本人の人が多かったですね。
面白いですね。ありがとうございます。
そういう欧州の話もおもろいなと思いつつも、
もうちょっと研究内容の話も聞いて、
中国の大学の話もめっちゃ面白いと思うので、
最後の方にそっちも聞かせていただきたいんですけど、
まず研究の話からもう少し行かせていただきたいんですが、
パリの天文台に大きい望遠鏡がないみたいな話と、
星を見るのが好きってわけでもないみたいな話を
これまたどこかで聞いたんですけど、本当ですか?
そうなんですよ。やっぱり天文学者ですというと、
一般的なイメージとしては星を見るのが好きなんですねという
イメージを持つ方が多かったと思うんですけど、
ただ私の肌感覚だと天文学者で星を見るのが好きっていう人は、
そんなに多くないなっていう感じなんですね。
もちろん星を見るのが好き、天体観測が好きっていう人もいるんですけど、
どちらかっていうとそうではなくて、
天文学ってどういう学問かっていうと、
これ科学なので、サイエンスなので、きちんと科学的に
観測データを自分のパソコンで取ってくれたらどういうことなんですか?
観測データというのは、もちろん望遠鏡が宇宙を見て観測して
データをするわけなんですけど、そのデータというのはアーカイブとして
残るわけですね。なので、電子空間に残っているわけなので
データというのは、それにアクセスすれば世界中のどこからでもデータを
ダウンロードして解析することができるということです。
いやー、そうか。面白いですね。
望遠鏡を覗くって時に
なるほどね。よく東京の
ある地点、万博とかでもよく話題になってましたけど
ライブカメラみたいなのあるじゃないですか。常にカメラが
動き続けていて、24時間それが世界中どこからでも見れますみたいな
ああいうイメージなんですか?
そこもまた皆さんちょっと勘違いというか
そういうイメージを持たれる方が多いと思うんですけど、あれって
ただの言い方のあれですけど、空の写真なんですよね。
あるいはよく見たことあるものとしては、宇宙に
銀河がたくさんあると、その写真を見るみたいな
これが宇宙ですよっていうのを見て、宇宙って綺麗だなみたいな
印象を受けるかと思うんですけど、でもあれってもう言葉を選ばずに
言うと、ただの写真なんですよ。さらに言うと、あそこからなんも
わからないんですよ。銀河がたくさんあるねぐらいしか見れないんですよ。
なので我々が本当にサイエンスをするために
必要なデータっていうのは、あの写真に写ってる
一つ一つの銀河が、例えばどういう明るさを持ってますかとか
そういったデータを数値として使わないといけない
わけですね。なので、いわゆる我々一般の方々が
見る、宇宙の写真っていうのは、あれはどちらかというと
鑑賞用ですね。
あれで研究しないんだ。あれはもう見て綺麗だな
宇宙ってこんなもんですよっていうのをビジュアル的に分かってもらう
みたいなものですね。
実際に使うのはどう?
賢で見れるのなんてたかが知れてて、いろんな
X線やら赤外線やらで
見ようとしてるのが、なんか研究者って感じなんですかね。
そうですね。おっしゃる通りで、宇宙って
すっごいいろいろな現象が宇宙で起きてるんですね。
例えばわかりやすいところで言うと、星が爆発して
その後ブラックホールができるみたいな話とかも、宇宙のどこかで起きてる
わけなんですけど、それって聞くからに高エネルギーの
現象ですよね。爆発なんてめちゃくちゃエネルギーの高い現象だっていう風なイメージ
がすると思うんですけど、なのでそれを見ようと思うと
高エネルギー現象を見るための電磁波が必要になってくるわけですね。
じゃあ高エネルギーを見る電磁波って何かっていうと
X線とかγ線なわけです。我々日常生活したら
CTスキャンとかレントゲン撮るときにX線とか使ったりするんですけど
X線っていうのは電磁波の中でもエネルギーの高い
電磁波なんですね。なので
星が爆発とかするときにエネルギーの高いX線とかを
出すので、じゃあX線の望遠鏡でそれをキャッチすれば
そういった爆発現象とか見ることができる。逆に
できる、星が作られる話とかはですね、
まずは冷たいガスが材料になるわけです。冷たいガスを
材料として、そこから星が作られるわけですね。
ということは、星が作られる現場を見ようと思ったら
冷たいガスを観測するための電磁波が必要になってくるわけです。
そうすると、どういう電磁波かっていうと
電波とかなんですね。電波っていうのは基本的にエネルギーの低いものを
見ることができる。なのでこのようにですね、2回天文現象に
応じて使う電磁波の波長、周波数が
異なってくるということです。
それって、なんかめちゃくちゃ
分業みたいな感じになるんですか?
おっしゃる通りで、なので天文学者、特に観測の天文学者
っていうのはですね、自分は電波の天文学者ですとか
自分はX線の天文学者ですとか、自分はあるいは可視光とか
赤外線をやってますみたいな感じで、どの波長を使って
天文学やってますかっていうのはですね、結構分業というか
分かれていますね。面白いですね。
さっきの望遠鏡の話で言うと、望遠鏡も分業なんですか?
同じ望遠鏡でいろいろ見れるわけではない?
同じ望遠鏡で、それはもういろいろ見れます。例えば
2023年とかかなに打ち上がったが
時期忘れたんですけど、JWST
James Webb望遠鏡っていうのがありまして、これ宇宙に打ち上げた望遠鏡
なんですけど、この望遠鏡というのはですね、この一つの望遠鏡
ちなみにこれ1兆円ぐらいかけて打ち上げた、アメリカが打ち上げた望遠鏡なんですけど
この望遠鏡って、例えば
宇宙がですね、始まって間もない頃の銀河の写真を
撮影することができるだけではなくてですね、逆に
そういう広大な宇宙ではなくてですね、惑星
地球も惑星なんですけど、惑星の一つなんですけど、地球以外の
太陽系の外にある別の惑星の
例えば惑星の大気とか空気ですね、空気とかの
その構成要素とか成分とかをですね、調べることもできたり
するわけです。なので一つの望遠鏡、同じ波長の望遠
ある波長を観測するための望遠鏡がですね、実は
銀河を見たりとか、あるいは惑星の観測をすることができるのようにですね
一つのある波長とはいえ、いろいろな
天文現象を見ることができるというのがありますね
面白いっすね
望遠鏡の話とか観測の方をたくさん聞いてしまったんですが
島村くろ先生の天文は理論の方だということで
もうちょっとだけスペシフィックに話を聞けたらと思うんですけど
あれですよね、ちょっと僕の事前予習が甘いかもしれませんが
暗黒時代というか、星ができる前の話でしたっけ
ありがとうございます、逆にありがとうございます
宇宙って138億年の歴史があるんですね
宇宙が138億年の歴史があるって分かっていること自体が
そもそもすごい話だと思うんですけど
物理学の知識にもつけば、宇宙の年齢とか調べることができて
今我々は宇宙の歴史の中で
今我々はビッグバン、宇宙の始まりに起きた
高温で高圧で宇宙の始まりから
138億年の時代を今生きているわけですね
ご存知の通り、今夜空を見上げると星がたくさん
輝いて見えるわけなんですけど、でもちょっと考えてみたら
分かるんですけど、宇宙の始まりから星って
存在していたのかということを考えると
なんかそれはちょっと違うんじゃないと、何もないのにいきなり星が生まれて
ずっと星があるっていうのはないんじゃないと、逆に星ができる前の時代
宇宙の時代っていうのもあったんじゃないか
逆にそういう時代は星がなかったわけなので宇宙は真っ暗だったんじゃないかと
なのでそういう宇宙最初の星とかができる
時代の前の話、星とかがない時代の話
これを宇宙暗黒時代って言うんですね
宇宙暗黒時代に初めての星
ファーストスターとか初代星とか呼ばれるものが誕生して
星がたくさんできると銀河ができるわけなので銀河がたくさんできて
今の宇宙につながっているわけです
私の研究っていうのはまさに宇宙最初の星ができる前後
すなわち宇宙暗黒時代であったりとか
その後宇宙最初のファーストスターが登場したことによって
カメラの前でこれが映画の最初の映画と言ったら
映画の前で映画の最初の映画っていうのは
映画の初めての写真で最初の映画
そこにある映画の最初の映画というのは
その前にある映画が登場したときに
うちのクラウドが面白い映画を付けている時代
そういう情報を学ぶ時代は
ちっぽけすぎてなんか 動いどうでもよくなっちゃうというかいいねそういう話が
138億年という数字も結構ワクワクするような数値だと思うんですけど ただ
とホームランで回数字なんですねなのでもう少し この日常的な感覚で言うと太陽
一番近いですよね我々にとって一番馴染みのあるところなんですけど 太陽と地球って1億5千万キロメートル離れてるんですよ
1億5千万キロメートル 地球の半径が6千キロメートルですね
それに比べるともう遥かに途方もなく離れてるわけなんですけど 一方で電磁波っていうのは速度が決まってるんです秒速30万キロって決まってるん
ですねこれよりも早く移動することはできないわけです ということはですよ我々太陽を観測するとはいうものの1億5千万キロメートル離れてる
太陽を観測するってことは光の速さ1秒間に30万キロメートルなので 太陽から出た光っていうのは我々に到着
地球に届くまでにだいたい500秒ぐらいかかるんですよね なので8分ぐらいですかかかるわけなんですけど
ということは我々つまり太陽っていうのは8分前の姿を見ているわけなんですよ
これはすごい身近な話で言うと 我々太陽っていうのは光が届くまでに8分間かかっているのでこれだけでも
宇宙って結構でかいな 光が8分もかかって届くのかっていうのが感覚です
すごいですね 確かにいやー
ロマンがありますね あの
ファーストスターとかって聞くと スターって言うだけでも
ワクワクするのにファーストスターってどんな存在なんだろうっていうね 思うわけですよ
ファーストスターについてはどれくらい
なんか違いますやっぱり一人目というか一つ目は違いますね
分かっていることをぜひシェアしていただきたいんですけど 例えば138億年の中でファーストスターが何億年前なのかとか
ドイツなのかとか もういない可能性が高そうですけど
どうでしょう ありがとうございます まず
ファーストスター自体が見つかったっていうのはないです まだ見つかってないです
見つかってないのか 見つかってないです ただ我々はそのさっき言ったJWSTっていう望遠鏡でどんどんどんどん過去の宇宙を見ることができるようになっていて
どれくらい過去なのかっていうと大体宇宙が誕生して3億年後ぐらいにできた銀河っていうものまでは観測が届いてます
見え始めてきてます 38億年の宇宙の歴史の中で宇宙が3億くらいの頃の銀河がですね
見えてきているっていうのがあるので ファーストスターではないけどそういったものすごく過去の宇宙の様子っていうのが見えてきてます
でもそうは言ってもファーストスター見たいと思うじゃないですか でもファーストスターって
今現在の太陽みたいな星と大きく違うところがあるんですよ それ何かっていうと構成要素が違うんですね
っていうような見方はされています あーそっかそっか
面白いちょっといろいろ聞きたいことが多すぎるがどうしようかな
というか宇宙ができて3億年くらい経ったらもう銀河ができてたってことですよね
そうですね はい だからてかそこまでは
見れるってのはどういうことなんですか それこそそのジェイムズ
ジェイムズウェッグ 見れるんですか
もうそれこそもうあの 銀河の写真が撮れてます
これその宇宙3億年の時の銀河ですよーっていう写真がもう撮れてます
13億年の時の銀河の写真はいあの先ほどなんかにそれ あの人の写真とか結構みんなが抱いている天文学に向いて星の写真っていう話し
あんな感じでこれ3億年の時にできた銀河ですっていう写真がもう撮れてます どうする
3億年の時っていうのは計算したらわかるっていうことですか あそこもですねそこは物理学の話になってくるんですけど
あの我々電磁波で大前提として宇宙を観測する時って電磁波を使うのが主流なんですね 主な方法なんですね
じゃあ電磁波で何を見るかっていうとそれはもちろんなんですけど あの銀河とかを構成している元素とかですね
そこの元素から出てくる電磁波っていうものを観測するわけです で元素ってあの
量子力学とかの話になるんですけど物理学の話を用いると その元素に固有の波長の電磁波っていうのがあるわけですね
例えば何か波長が何だろう 何とかオングストロームメートルの電磁波を出すとか
私の研究しているところで21センチの波長を出すとか そういうのがあるので特定の波長を出すんですよ その元素って
ということはその特定の波長の電磁波を観測しますよと でも宇宙って膨張しているのでその特定の波長が伸びるわけなんですよ
例えば波長21センチのものがちょっと伸びて42センチになりましたとか 伸びて63センチになりましたとかなるわけですね
逆に言うとじゃあそれどれだけ伸びたのか 波長がどれだけ伸びたのかっていうのを分かると
換算してこれは宇宙が何億年前の時の電磁波の信号ですねっていうのが分かるわけです
なので波長の伸び具合ですね これを見ることによっていつの宇宙の電磁波なのかが分かるということです
いや面白いですね 何だろう135億年前までは分かって138億年前までは分からないという理由があるんですか
えーとですね これは単純にそれより過去の銀河が暗くて見えてないっていう可能性もありうるし
あるいはこの場合には銀河がないみたいなこととかもありうるかもしれないんですけど
今のところはやっぱり観測の限界というか ここから先はまだ暗くて見えないとかそういうことかもしれないんですけど
ただもう少し望遠鏡の性能が上がると もっと過去の宇宙の銀河が見えてくる可能性っていうのは全然残ってますね
うわーわくわくするわー
えーありがとうございます じゃあ島本先生はその3億年のあたりの研究がメインになってるんですか
そうですね なので私の研究ってもうまさに今言った宇宙が誕生してから数億年ぐらいの出来事に注目してるわけですね
なのでもう私の感覚だと太陽までの距離とかっていうのはせいぜい光で8分間の距離なので
あのご近所の位置ですよ 135億年とかになってくると光の速さで135億年かかるような距離にあるので
そのぐらいを研究してるので 太陽はもうご近所 もうほぼすぐそこって感じですね
うんうん
いや本当に天文学的な数値とかよく言ったもんだって思いますよね
本当に言い得てみようやなって思いますよね こういう話を聞くと
いやー素晴らしいですね ありがとうございます
ちょっとこう問題感ながら もうめちゃくちゃワクワクできるような話を聞かせていただきました
なんかそのちょっとで最後20分ぐらいで そのアウトリーチとか
大学の話から先聞こうかな 今ねこうやっぱ話聞いてたら島袋先生のそのチューニング能力の高さが
すたまじいなと思ってて 物理をやったことがない人に 宇宙のこと分かってない人に対しても
説明をしていただけるのがホタリオタイラーだと思って聞いてました
ありがとうございます
どうしようかな
この話は続きだからアウトリーチの話から聞いてみようかな アウトリーチの取り組みもおそらく
どうですかね 天文学者の方では相当されてる方なんですかね
されてる方だとは思いますね というのも自分で天文学のコミュニティを主催して
毎週ですね何かの話してます 天文学の話 物理学の話とかをしてますし あるいはその一般公演とかに呼んでいただいて
参加することもありますし 私地元が沖縄なんですけど 沖縄に帰省するときはですね
毎回その小学生を相手にしてですね 宇宙の話をしておりますし
最近は執筆活動の方もちょっと力を入れてやっておりまして 既にですね 先ほど読んでいただいたとおっしゃってましたが本を一冊出しております
来月11月の20日にですね ネルバックの方からも新しい本をですね 出版する予定で そこは今言ったまさに宇宙が誕生してからの暗黒時代の話とか
そういったものをですね フォーカスして書いた本となってます なのでアウトリーチ活動は結構
天文学者の中ではやってる方なのではないかなと思います
このご著書のリンクをスペースの上の方に貼ってるので 皆さんよかったら 予約も始まってますかね
予約始まってます
電子書籍も出版されます
じゃあそれはドイツでも読めるって感じですよね あれですか 自分みたいなぐらいの知識度合いでも読める本ですか
一冊目はおそらく中学生からわかるって書いてるぐらいなので 多分皆さん読んでいただけると思うんですけど
二冊目ちょっと難しそうなタイトルですけど どうなんですかね
ブルーバックスっていうのはですね いわゆる新書の部類なんですけど
特にですね サイエンスに興味のある人が手に取る新書なんですね
私自身その中学生高校生の頃から サイエンスに興味があったので
ブルーバックスを読んで育ってきたっていうのはあります
一般のサイエンスに興味のある人が対象となってる本なので
サイエンスに1ミリも興味がないよ 宇宙に全く興味がないよっていう人にすれば
難しいかなと思うんですけど 宇宙の話 知りたいな 興味があるな
勉強してみたいなと思う一般の方だったら 面白く読んでいただける内容になってると思ってます
すみません また内容の話がやや戻るんですけど
宇宙138億年の年史っていうところは よく聞かせていただいたのでわかります
21センチ線電波のことだけ せっかくなので教えてもらっていいですか
ありがとうございます ありがとうございます
先ほど申し上げた通り 宇宙の暗黒時代 星がないんですよ 星や銀がないんですよ
真っ暗なんですよ 真っ暗な宇宙をどうやって観測するのかって話なんですけど
我々普通 星を見るって賢い いわゆるキラキラ光ってるものを見るっていうイメージなんですけど
真っ暗な宇宙にそういうキラキラ光ったものはないんですね
でもヒントになるものがあって それは何かっていうと 水素やヘリウムはありますよ
水素ガスとかありますよっていう話をしたんですけど
水素ガスが波長21センチの電波を投射してるんです
我々電波を見て眩しいと思うことってないじゃないですか
例えば 人々スマホを使ってますけど みんなスマホを使ってるので電波で眩しいとはならないじゃないですか
なんですが ちゃんと電波っていうのは飛んでるわけですね スマホとかから
宇宙でも同じです 宇宙暗黒時代っていうのは真っ暗で 光があるわけではないけど
水素からスマホとかで使ってるような電波が出てるわけです
その水素から出る電波を21センチ線と呼んでいて
それを使うと星や銀河の存在しない真っ暗な宇宙も見ることができる
観測することができるということで 非常に強力な有望な電波
それが21センチ線電波です
なるほどね 本当にだから見えない世界の話だけど
それを捉える方法が そっか水素が出してるのか
我々は可視光を見ることはできますけど でも我々ってエッド線を見てください
ガンマ線を見てください 電波を見てくださいってやったら見えないですよね
でも観測してるじゃないですか なので我々は目では見ることができないけど
望遠鏡を使うと目で見えない電磁波を見ることができる
21センチ線っていうのも そういった望遠鏡を使うことによって
見ることのできる電磁波の一種 電波となってます
なるほど 島袋先生の発見とかっていうのは
この辺りに21センチ線電波を使ってるっていうのが 結構発見の主要なところなんですかね
そうですね 21センチ線電波を使って宇宙暗黒時代とか
宇宙最初の星ができた時代を調べようっていうのは
それは結構歴史があるというか みんなやってたところなんですけど
ただ私の論文で とりわけよく引用されてる論文というのは
この21センチ線の電波が観測されたとしましょう 観測したとしましょう
そうすると そこからどういう情報を取り出すことができますか
この電波を観測することによって 天体の情報であったりとか
宇宙論的な宇宙の情報 どういう情報を抜き出すことができますか
というのを調べるときに機械学習 いわゆるAIですね
それを使ったら こういう情報を得ることができるんじゃないですか
みたいな話を論文に書いて それが特に私の論文の中では
一番引用された内容となってます
面白い
21センチ線電波に対して機械学習 AIを使ったらこういうことができますよ
という初めて機械学習を導入した論文だったので 結構引用されてますね
面白いですね それ いつ頃書かれたんですか
それを書いたのが パリにいた頃で2017年だったんですけど
なので アルファ号とか いわゆるAIがですね
アルファ号の以後のAIがですね 世界各国で有名になったのが
2016年とかだったと思うんですけど