社会的アイデンティティ理論の紹介
おはようございます、心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しています。
今日の一語は、社会的アイデンティティ理論という言葉です。
これは、自分がどの集団に属しているかを通して、形作られる自己認識のことを指します。
アイデンティティという言葉が自己認識というか、アイデンティティというだけで伝わる人も最近は多いと思うんですけど、
社会的アイデンティティ、どの集団にというところがちょっと違っているかなと。
だいたい同じようなものです。
今回は宗教とか、というか、まずはメリークリスマスということで、
クリスマスに関連する論文を探してきました。心理学の論文ですね。
そんなものがあるのかというふうに思われるかもしれませんが、探せば何でもあるんですというので、
今回なかなか興味深い研究だなと思いますし、載っている学術雑誌的にも、
Journal of Experimental Social Psychologyという実験社会心理学のジャーナルという、
そういう定評のある雑誌に載っているので、
面白おかしくやるみたいな、そういう感じでもないというのが重要なところ。
クリスマスツリーの実験
もちろん研究者は面白いなと思ってやっていると思うんですけど、
やり方としてはすごい固いようなやり方になっている研究になっています。
どういう研究か簡単に紹介したいと思います。
やっていることはすごくシンプルで、実験室にクリスマスツリーを置きます。
これがすごいですよね。
実験室、心理実験とかをよく使う大学とかにある実験室にクリスマスツリーを置きます。
置くって言ったんですけど、置いて実験する人たちと、
そういうのがない空間で実験する人たちとというのを分けます。
これはまず一つの分け方。
もう一つが、参加者を分けていまして、
クリスマスを祝う人もいれば、祝わない人もいるわけですよね。
そういう参加者のタイプに応じて分けているということです。
元気ですね。
クリスマスを祝う学生半分、祝わない学生半分と。
測定したものはその時の気分であったりとか、
自己を確信している感覚とか、罪悪感とか、
そういった感情についても聞いているそうです。
まず研究値ですね。
研究値の方では、宗教ではなくて、
クリスマスを祝うかどうかという分類で分けています。
こういったのは、研究には宗教で分けるということなんですけど、
クリスマスを祝うかどうか。
聞いていらっしゃる方の中にも、クリスマスを祝うという、
クリスマスプレゼントを子供にあげたりとか、ケーキ食べたりとか、
釣り家に飾ったりとかする人もいれば、
そんなことは全然しない人もいると思うので、
そういうので分けているということです。
どういう結果になったかというと、
クリスマスを普段祝っている人というのは、
クリスマスの装飾、ツリーがあるとポジティブな気分が上昇する。
自己確信感が上昇するという研究結果になっています。
クリスマスを祝わない人というのは、
クリスマス装飾があるとポジティブな気分が低下する。
自己の確信感も低下するという、
結構マイナスな影響になってしまうということが、
非キリスト教徒の反応
研究値で分かりました。
これだけだとなかなか、
何でそういうことが起こったかということが分かりにくいんですけど、
研究値では少し質問項目を追加することによって、
何でこういうことになったかということを、
もう少し詳細に検討しています。
研究値、やっていることは大体一緒なんですけど、
さっき言ったように実験室にツリーを置くか置かないか、
みたいなふうに条件を分ける。
その他に参加者の条件というのは、
キリスト教とクリスマスを祝うというふうな習慣がある人。
その他の人が、例えば仏教徒であるとか、
他の宗教を信仰している人というふうに分けて、
その実験室に呼んで、調査に答えてもらうということです。
1個忘れてた。
実験室でその質問に答えてもらうんですけど、
ツリーの有無には全然言及しないですね、そこではね。
だからその実験参加者というのは、
ツリーがあるかどうかで、
その実験操作が分けられているとかね、
実験の本当の目的みたいなのを知らされないまま、
真剣に参加していますということと、
あとは自分が勉強とか作業をするときの空間の好みについて、
質問をするような、
そういう本当の実験の目的を悟らせないための工夫をしている。
かつ、その空間のことを聞くことによって、
自分が今いる空間とかに注意を向けさせるということを、
30秒間させているそうです。
これ言うのを忘れてました。
結構重要ですよね。
結果ですね。
追加でいろいろ聞いたというのは、
事故、包摂感みたいなこととか、
あとは自尊心であるとか、
そういうことを聞いています。
どういう結果になったかと言いますと、
どこ行ったかな?
すみません、子供のせいじゃないですね。失礼しました。
キリスト教徒の方々は、
クリスマス装飾があるとポジティブな感情が上昇する、
自己確信感が上昇するという見解。
一方で包摂感というのは特に変化しないというような研究結果だそうです。
だから私はここの集団に含まれている、
ここでは大学生なんで、
大学コミュニティに含まれているということのようなんですけど、
そういう感覚が特に変わらないというのが、
キリスト教徒の結果です。
一方で非キリスト教徒、仏教徒とか、
宿教とか書いてますね、特に。
クリスマス装飾があると包摂感が低下する、
自己確信感も低下する、
外見的自尊心も低下するという、
概ねネガティブな結果になっていたそうです。
これは媒介分析ということをすると、
クリスマス装飾があると包摂感が低下する、
包摂感が低下すると自尊心が低下する、
みたいな関係性だったそうです。
なので今回のこの研究で言いたいメカニズムとしては、
クリスマス装飾、別にあってもネガティブにならなさそうじゃないですか、
だけども自分の所属していない社会的なコミュニティ、
ここでいうと仏教徒の人とか宿教徒の方が、
そういうクリスマスツリーを見るというか、
その空間にいることによって、
自分はここの今の空間のメインの人たちではないという、
そういう感覚、包摂感の低下というのはそういうことですね。
というふうに感覚を抱くそうです。
自分のアイデンティティはここにはないというか、
ここでは中心ではないんだということとか、
ここには自分は含まれていないふうに感じる。
その所属を脅かすようなシンボルになっていて、
それによって自尊心が低下する。
ネガティブな感情、ポジティブな感情が下がるか、
というふうになったりするというのが、
今回の想定しているメカニズムだそうです。
ありうるっちゃありうるかもしれませんよね、
こういう真理。
そういうクリスマスツリーを使った興味深い研究でございました。
最後もう1個だけ面白い結果があったので補足すると、
実は非キリスト教徒の方というのは、
クリスマス装飾は自分にポジティブな影響があると予測していたそうです。
だから気づいてないんですよね、その悪影響に。
自分たちはポジティブな影響があるだろうというふうに予測していたんだけども、
実際に前後でポジティブな感情とかを取ると低下していたということなので、
なかなか怖いというか、これも含めて面白いなというふうに思いました。
確かに物体自体は華やかだし、ポジティブな影響あるんだろうと思わせるね、
そこまで含めて、なかなか興味深い研究結果だなと思いました。
いかがだったでしょうか。
ぜひあまり考えなくてもいいですね。
日本だったらあまり考えなくてもいいかもしれないですね。
キリスト教が中心の国とかコミュニティとかだったら、
結構そういう疎外観みたいな、そこまで言ってないんですけど、
包摂されてないという感覚を抱くというのはなんとなく想像できるかもしれない。
日本ではあまり気にせずね、クリスマスを楽しんで、
祝う人というか楽しむ人は楽しんでいただければと思いますし、
そうじゃない人はぜひ正月に向けてね、年末大晦日に向けてね、
この年末ムードを高めていただければいいんじゃないかなと思います。
私はギリシャ滞在が折り返しとなってまして、
今日からテスタロニキという町に向かってゆっくりしたいと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。