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#993【気質と適応の文化視点 part2】オランダと中国の赤ちゃん、感情表出の文化差
2026-07-07 12:59

#993【気質と適応の文化視点 part2】オランダと中国の赤ちゃん、感情表出の文化差

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【本日の論文】
Li, W., Woudstra, M. J., Branger, M. C. E., Wang, L., Alink, L. R. A., Mesman, J., & Emmen, R. A. G. (2019). The effect of the still-face paradigm on infant behavior: A cross-cultural comparison between mothers and fathers. Infancy, 24(6), 893–910. https://doi.org/10.1111/infa.12313

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サマリー

本エピソードでは、生後4ヶ月の乳児を対象とした「スティルフェイス課題」を用い、オランダと中国の文化差を比較した研究を紹介する。親が突然無表情になる実験で、オランダの赤ちゃんはネガティブ感情が増加したが、中国の赤ちゃんは感情抑制の傾向が見られた。この結果は、文化的な社会化が乳児の感情表出に影響を与える可能性を示唆している。

はじめに:お便りとスティルフェイス課題の紹介
おはようございます。心理学者のじんぺーです。 この番組では心理学の研究の紹介や、心理学者の研究生活のお話をしています。
今日も昨日に引き続いて、いただいたお便りに応答するような論文の紹介をしていきたいと思っています。
シリーズ名は何にしたっけかな。3つ紹介したいと思っているんですよね。3日に分けて応答をしていきたいと、なかなか一つの角度から答えるだけでは物足りないというよりも、自分がいろんな角度から物事を捉えたいよねと言っているので、そっちの方がしっくりくるというところで紹介していきたいと思っています。
気質と適応の文化視点というのは難しいな。
いただいたお題がとても難しかったので少しややこしくなっているんですが、今日はステリーフェイス課題の話をするので、少しイメージがより湧きやすい機能よりは話かなと思っています。
お便りを簡単に振り返ってみたいと思います。
繰り返しになるんですけど、お便りは概要欄に貼ってあるURLから送ってもらうことができます。
心と暮らしの処方箋という企画になっています。論文とか研究知見を処方するみたいなイメージでお話をしていきたいなと思っているからです。
ステリーフェイス実験の紹介の動画を見ましたというところから始まっているので、どこかで私の動画を見てくださったと。
お便りくださった方は、ステリーフェイス実験を実際に行っていたという実験者の方ですね。
研究者ではないと書いているので、実験を遂行する役割だったことがある方ですね。
自分も動画でしゃべっていたみたいなんですけど、実験が結構難しいんじゃないかと。
ステリーフェイス実験とか課題というのは何かというと、親が小さい子供、乳児や幼児に対して急に真顔になったりとか、
自分が以前紹介した動画だとスマホを見始めるみたいな意味でステリーフェイス実験の変化版みたいな感じなんですけど、
突然親がそういうふうに反応を変えるということをしたときに、子供がどういった反応をするかというのを見る実験になっています。
この方、お便りくださった方も実験を実際に行っていて、参加者さんを実際に目の前で見ていたときに、やっぱり難しそうだったということがここに書かれています。
かつ文化差もあるんじゃないかと、中国の研究者の方がいて、中国の人には結構難しいんじゃないかなみたいなことも話していたそうなので、
こういった文化の違いみたいなところもステリーフェイス課題、実験をより深く知るためにはいいかなと思って今日は紹介してみます。
研究デザイン:オランダと中国の乳児とその保護者
まさに中国の方と、どこだったかな、ヨーロッパ、オランダだったかな、メモに戻りたいと思うんですけど、
オランダの子供ですね、子供とお母さん、お父さんが参加しています。
子供は生後4ヶ月ということなので、ちっちゃいですね。
もう少し具体的に言うと、オランダの123家族と中国の63家族が参加したそうです。
一つ面白いのが、オランダは母子ペアが117ペア、父と子供の父子ペアが116ペア、中国も母子ペア62、父子ペア57みたいな感じで、
結構多くの家族でお父さんお母さんどっちも参加していたというのも興味深いポイントかなと思います。
それでやったこととしてはさっき言った通りですね、もう少しだけ具体的に言いますと、フェーズが3つに分かれているんですよね。
まずはベースラインということで普通に子供と遊んでいるという2分間、ここで2分間。
その後に親が突然無表情になって一切反応しなくなる。これがスティルフェイス場面ですね。
スティルフェイスって静止顔というふうに訳していいと思うんですけど、スティルフェイスになる。
これが1分なので、想像してもらったらわからないですけど、結構急に真顔になって1分間真顔になり続ける。
子供が反応、何か近寄ってきたりとかわからないですけど、アプローチしてきても真顔、静止顔で続けるというのは結構難しい。
これはいいや、1分やる。
その後に普通のやり取りに戻る回復というか再開の場面が1分間あるというので、これで1つの課題場面になっています。
実験結果:ポジティブ感情と視線の普遍性とネガティブ感情の文化差
その動画とかを研究者が今ポジティブな反応を示したと、ポジティブな感情を示したと。
例えば笑ったりとかするとポジティブなんですけど、どれくらいしたかということとか、
あとはネガティブ、これは主には泣いたりとかすることですね。
どれくらいしたかというのをチェックしたりとか。
視線もチェックしていましたね。
どれくらいアイコンタクトがあったかとか、長く見たかみたいなこともチェックしていたそうです。
これでどういう反応があったかということをお話ししていきたいと。
あとはその文化差ですね、話していきたいなと思っています。
まずはポジティブ感情と視線について。
これはこれまでのスティルフェイス課題、実験とか研究でよく出ていた結果がそのまま出たそうです。
なので結果が再現されたということですね。
どういうことかというと、笑顔と視線というのは、視線というのはアイコンタクトとかですね。
それはスティルフェイスになったときに減ると、笑顔が減る、視線も減る、目を合わせる行動が減るみたいなことが起こる。
で、再開の場面、最後の1分でそれが回復する。
回復するけども、ベースライン、もともとの最初は一緒に遊んでいたラインまでは回復しきらないというのが、この持ち越し効果みたいなのが起こるということです。
しかもこれに関しては中国であれ、オランダであれ、ほとんど同じような結果になったそうです。
とても面白い。
一方でネガティブ感情の方、泣きじゃくったりとかグズったりするみたいな反応には分化さがあったそうです。
具体的にはオランダの赤ちゃんというのはステルフェイス顔になったときに、お母さんお父さんがなったときにグズりが優位に増えた。
のに対して中国の赤ちゃんはベースラインから静止顔にかけては変化がなかったそうです。
なので全体的にフラットなパターン、特にステルフェイスになって泣くみたいなことはなかったというのは結構面白いなと思います。
しかもこの考察も結構面白くて、儒教的道教的な社会化が起こっていて、子どもだっても感情抑制を良しとする。
だから泣くっていう表装をするんじゃなくて抑えるっていうことをこういった赤ちゃんでももしかしたらしてるんじゃないかみたいなことが議論されていて結構面白いなと思いました。
保護者間の比較:母親と父親の役割
最後は親の中でもお母さんとお父さんどっちも参加しているっていうのがこの研究の面白いところだって言ったんですけど、
お母さんの方ではポジティブ感情の変化が5級だったと。つまりは再開場面ではっきり回復したそうです。
もしかしたら落ちるのも大きいのかどうなんだろう。再開場面ではっきり回復した。
一方で父親との実験ではニガティブ感情が静止画法から再開にかけてはむしろ増え続けたというのは結構悲しいな。悲しいんですけど、そういう結果だったそうです。
母親の方が慰めて回復していくのがうまかった。一方で父親と一緒にいるとその苦痛が収まりにくいというような解釈ができるということです。
ただこの親の精査みたいなのはそんなに大きな差でもなかったというふうにも書かれています。
研究のまとめと今後の展望
ということなのでまとめるとどうでしょう。結構普遍的な現象だというのが直感的というかざっくりと捉えるとそうかなと思います。
ネガティブの凶素をするかどうかというのはあるんですけど、やっぱり笑顔が減って視線を合わせにくくなるというステレオフェイスの強い効果が見られたというのは面白いなと思います。
正直今回のお便りでいただいている中国の方は難しいんじゃないかみたいな話とかまでは答えられない実験の中でどうだったかというのは分からないんですけど、どうなんでしょうね。
意外とできていたのかなとも思ったりしますね。除外された人が少なかったですね。
100何人とか中国の人も60何人参加している中で2人とか除外されたみたいなんですけど、これぐらいは適切に行われなかったみたいなふうに書かれていますけど、どういう感じかは分かりません。
でも多くの方は適切にステレオフェイスの課題に取り組めたのかなというふうにも想像していますし、しっかり効果も出ているというので重要な研究結果かなというふうに思います。
4ヶ月の赤ちゃんとかでも文化差みたいなのがもしあるのだとすれば、この研究だけでそれを言い切ることってすごく難しいんですけど、あればなかなか面白いなと思うし、
昨日に引き続いて遺伝子の話とかも考察で出てきていたので、こういうテーマ、適応とか養育行動とか遺伝子の話とも切り離せないのかなと思いますね。
そこまでいくとちょっとややこしくなるし、昨日の話はややこしかったなと反省しているんですが、こういったステレオフェイス課題というのは久しぶりに話したんですけど、面白い実験だなというのを改めて思いますし、
いろんな人に知っていただきたいですね、と思います。
普段からやろうと思ったらできるじゃないですか、子供と接してて真顔になるみたいなね。
そういう反応を、もちろん愛着関係とかしっかりした上でというところだと思うんですけど、見深いなと思っておりました。
いかがだったでしょうか。
今日はお便りにお答えする形でステレオフェイス課題の文化差の話をしてみました。
明日もお便りのもうちょっと先の部分で、確かね、ストレス耐性の話とかがあったんだよな、ストレス耐性の文化差。
欧米や中国人と比べて日本人のストレス耐性の低さなども、生きづらさや不登校の原因を生む要因になると思いますと書かれてますね。
なのでやっぱり生きづらさとか不登校みたいなところが、このお便りを送ってくださった方の興味のあるところ、興味の部分かなと思うので、
そこに着眼してもう一本何かご紹介できればと思っております。
明日もぜひ聞いてください。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
新平でした。心を込めて。
12:59

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