1. ”心理学に触れる” 一日一語
  2. #778【ミラーモデル】芸術の鑑..
2025-09-28 16:13

#778【ミラーモデル】芸術の鑑賞と創作は表裏一体 (Tinio, 2013)

spotify apple_podcasts

【本日の一語】
ミラーモデル (mirror model):芸術鑑賞は芸術創作のプロセスを“逆順に鏡写しでたどる”という理論モデル

【本日の論文】
Tinio, P. P. L. (2013). From artistic creation to aesthetic reception: The mirror model of art. Psychology of Aesthetics, Creativity, and the Arts, 7(3), 265–275. https://doi.org/10.1037/a0030872

【研究サポーター募集中!】
https://academist-cf.com/fanclubs/358

サマリー

今回のエピソードでは、ミラーモデルを通じて芸術の創作と鑑賞の関連性が探求されます。このモデルでは、創作と鑑賞のプロセスが逆転し、どちらも深い心理的要素を含んでいることが示されています。芸術における創作と鑑賞は密接に関連しており、特に詩のプロセスにおいてそのつながりが強調されています。また、今後の研究がこの関係をさらに明らかにすることが期待されています。

00:01
おはようございます、心理学者のじんぺーです。
心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学の専門用語を毎日一つ取り上げて、
それに関連する論文の紹介も行っています。
ミラーモデルの紹介
今日の一語は、ミラーモデルです。
芸術のミラーモデルと言ってもいいかもしれません。
ミラーモデルというモデルは、
芸術鑑賞と芸術創作のプロセスを逆順、
鏡写しのようにたどるということを想定した理論モデルになっています。
これだけ聞いてもよくわからないと思いますので、説明したいと思います。
芸術の創作と鑑賞ということが、
いろいろなところで研究されてきて、
心理学だけじゃなくて、美学はもちろんそうですし、
芸術分野の芸術学とか、芸術士の人たち、美術士の人たち、
いろんな人たちが研究してきたわけなんですけど、
割とバラバラに研究されるんですよね。
自分は鑑賞側の研究者だと思っていて、
創作側の研究者の方はまた別で、
創造性という言葉を使う人たちがそっち側の人が多いんですけど、
やや分断があるというか離れている。
それをとはいえ別にそんな離れたことはしていないはずなので、
つなげていったらいいんじゃないのっていう風に言う方々がいて、
自分はそういう風に完全に同意しているんですけど、
それをつなぐためのひとつのきっかけ、手がかりとして、
そのミラーモデルみたいなモデルが提唱されました。
いろんな芸術分野があるんですけど、
ここでは一旦絵画とか視覚芸術の話で例として説明させてください。
最後に自分のやっている俳句とか詩の話もできたらと思うんですけど、
まずは絵画の例でいきたいなと思います。
創作プロセスの詳細
創作と鑑賞がそれぞれどういうプロセスで進んでいくかということを
ちょっと考えてみていただきたいんですよね。
どっちからいきましょうかね。創作の方からいきましょうか。
創作をする、絵画を描くっていった時に皆さんどういう順番で描くかということを
改めて言語化する、体系化する時に何からスタートしていると思いますか。
3つに分けています、このミラーモデルでは。
創作も3つだとしたら鑑賞も3つに分けているのでざっくり分けているので
だいぶ分かりやすいと思うんですけど、3つに分けますと。
その時に創作が何から始まるかというとイニシャライゼーション、
初期化っていうところ、初期なんでそういう名前がついているだけなんですけど、
この初期には何がされているかというとアイディアを発想する、
モチーフを選ぶとか構図の枠組みを決めるみたいなことがありますよね。
例えばゲルニカとか割と例で出てきたりするんですけど、
ピカソのゲルニカとかってすごいモチーフとかアイディアとかが深いところにありますよね。
おそらく思いつきでパッと、それもアートといえばアートかもしれないけども、
試作とか熟考を重ねて出来上がってくる。
それはその人のこれまでの経験とか人生みたいなものも含めてとかね、
何に価値付けを置いているか意味付けを置いているかとか、
全てを含めて作品のスタートが起こるというところがあるというのが1個目です。
これでもこんだけ長く説明すると鏡写しが分かりにくくなるのでどんどんいきましょうかね。
2つ目が創作の2つ目のプロセスが拡張とか適用という名前がついてるんですけど、
これは要素の追加をしたり、例えば構図の中に1人人物を増やそうとかね、
あとは減らそうとか構造を調整したりとか、
あとは素材とか技術の面でできないこと、できることみたいな選択が行われたりとかするというのがこの段階にあります。
例えばこれもまたピカソの例、アビニョンの娘たちでとても有名な作品があると思うんですけど、
人物の顔がアフリカ彫刻的な形態が大きく変化したみたいな、
そういう構図の変化みたいなことがここでは例として挙げられていたりします。
最後3つ目が最終化、ファイナリゼーションという段階で色彩の仕上げを行ったりとか、
ハイライト、影の調整をしたりとか、あとはニスを塗ったりとか、
視覚的なインパクトを最後に上げて調整するという段階がこの最後の段階であると絵画を描くときにあるわけです。
大体わかりますよね、最初の初期化でアイディアが生まれて、
拡張的なところで要素を追加したりとか、構図を調整したりとかする。
最後は色彩の調整とか、ハイライトとか影調整したりとか、
という段階でどんどん絵画の創作が進んでいくというのが、
まずは創作側の大体3段階のプロセスになっています。
これをひっくり返した鏡写しにしたように、
人は干渉しているんじゃないかというのがこのミラーモデルで言いたいことです。
どういうことかいきましょうか。
鑑賞プロセスの理解
干渉の3段階の1段階目は、定時自動処理という段階になります。
これは絵画を見たときに、干渉するときに、
まず最初にどういう処理が頭の中で進むかというときに、
コントラストとか色とか線、テクスチャとか、
そういった視覚的特徴を素早く処理することが行われています。
例えば光沢のある水面、強い赤い色みたいなのがまず目に飛び込むみたいなことって、
これはもしかしたら意識に昇ってこないレベルの段階かもしれませんが、
そういうふうなことが行われるというのが1つ目。
2つ目が記憶に依存した処理というふうにここでは挙げられていて、
明示的な分類みたいなふうにも書かれていたりします。
これは対象物を導体したりとか、構造を把握したりとか、
あとは自分のこれまでの芸術の知識であるとか経験とかと、
経験はむしろ次の段階かな。
既存の芸術知識とか作者の知識とかそういうものを
称号していくようなことがこの2つ目の段階として行われています。
ここでもゲルニカの例があって、
ゲルニカの馬があったりとか叫ぶ女性というモチーフを認識するみたいなこととか、
風景画を見てこれセザンヌっぽいなとか、
ちょっと印象派っぽいなみたいな、
そういう記憶との称号を行いながら見ていく段階がこの段階です。
2つ目。
最後3つ目が工事解釈とか意味付けという段階で作品の意味を解釈したりとか、
あとは感動とか、
昨日のイチゴのあるイケイの念とかもここであるんですけど、
そういった反応をしているなということがここで認識されたりとか、
あとはいよいよその美的な評価に進んでいくというところで、
その作品何が描かれているかだけじゃなくて、
そこに自分がどう思うかとか、
自分のこれまでの経験とか価値観とかとどういうふうに反応するかみたいなことを、
絵画とか見ると、
鑑賞が進んでいくとそういうプロセスってなりますよね。
そういう深まりというか進み具合というのがここでの3段階目になっています。
なのでここまで聞いていただいたら、
確かに革蜜詩になっているのと、
創作の時の最初は自分の奥深くのアイディアとか情熱とか、
そういったものからこういうふうなものを描こうとか描きたいと思う。
それが鑑賞の第3段階目のプロセスである工事解釈とか意味付けというものと対応していて、
2段階目のところがモチーフの選択とか、
創作の方では要素の追加とか削除とか構図の調整とかいったんですけど、
まさに何が書かれているかみたいなことを鑑賞ではこの2段階目で挙げているし、
鑑賞の1段階目は定時処理でした。
コントラストとか色がまず最初に無意識的に処理される。
無意識的な部分も含めて処理される。
それは創作の3段階目の最終化というのを対応していて、
色彩の仕上げとかテクスチャーの過失とか、
ハイライト影の調整みたいなことを言ったんですけど、
それと対応しているということでございまして、
確かに鑑別になっているなと思っていただけたら嬉しいなと。
結構理解、納得できるとか、
詩のプロセスとミラーモデル
そうだよねって思っていただけるんじゃないかなと思っています。
これはティニオさんという方たちの論文なんですけど、
ティニオ先生は別に海外じゃなくて、
他の芸術にもこのミラーモデルは当てはまるよねっていうことを
言っていきたいということが色のされていて、
詩でいうと、詩を作るという時に初期化の段階、
アイディアを作るときに、
愛とか死とか自然とかそういったテーマをまず決める。
概念のところがあって、拡張的な段階では語句を選ぶ。
どういう言葉を使おうとか、どういうリズムとか、
どういう構成にしようかというのを決める。
最後の仕上げの段階で、
例えば語尾を調整したりとか、
日本語の俳句とかで言うと、
助詞を選んで、
例えば語尾を調整したりとか、日本語の俳句とかで言うと、助詞を選んだりとかね、すごく重要なんですけど、それも
そういった響きとか印象っていうのを最後に完成させるっていうのが詩の作り方。
詩の鑑賞側で言うと、まず詩に触れた時にリズムとか、文字の並びとかね、あとは音の心良さみたいなね、快楽度アイテムか、
そういうことをまずは人は認知する、処理する。
次に構造とか単語レベルで理解していく。あとは真意をイメージしたりとかもこの段階かもしれません。
最後の講師解釈の時に、この詩人はどういう時にこういう詩を書いたんだろうとか、場所が20年来の友と再会する時などとかね、
歴史的な文脈、俳句っていうのはそもそもどういう歴史を持って読まれるようになったんだろうとかね、そこまで行くとだいぶ深いですけど、
とか、そのシンボルになっているものは何なのかみたいなこととかまで読み取ろうとすると、この最後の講師解釈の段階になるというので、
まさにそのミラーになっていることをここでも理解していただけるんじゃないかなと思うんですけど、そういうふうに
確かに創作と鑑賞というのがつながっていそうだということがわかっていただけるんじゃないかなと思っています。
未来の研究と期待
これはレビューの論文でパブロティニョという人が提唱してるんですけど、いろんな研究でこれが本当にそうなのかなということとかが今まさに検証されている途上かなと。
例えばね、最近出た論文とかだと確かに創作と鑑賞で重なる部分があったりとか、重なる部分だけじゃなくて時系列でどういうふうに鑑賞プロセスをたどるかとかね、創作プロセス。
この創作プロセスとかすごい芸術に関しては難しいと思うんですけど、
でも脳のその反応とか活性化の時系列とかを調べたりすることができれば、
未来になっている部分も確かにある程度贈呈できるのかなというふうに思っていたりはするので、これから楽しみだなと思います。
創作と鑑賞はそんなに離れていないんじゃないかということを覚えておいてもらえるといいなと思っています。
はい、その感じです。最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい1日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
はい、今日は日曜日ですね。
実は今日からまた学会がありまして、今日の夜からか、明日からかな、学会があります。
スイスに向かいます。まだ撮ってる段階ではドイツなんですけど、明日以降はスイスからお届けしたいなと。
ちょっと時間があるかわかんないんですけど、可能だったら生配信とかもしたいですね。
せっかくその土地に行くのであれば、リアルタイムでね、スイスのこととかをお伝えできればと思います。
去年の何月だったかな、11月とか12月だったかな、スイスに行って、その時もね実はVC撮ってましたね。
あれはバーゼルに行ったんですよね、友達に会いに行くためにバーゼルに行って。
バーゼルすごいね、いい街だなと思ったんですけど、今回行くのはアスコナっていうところで、
有名な人がいっぱいいる都市というよりは、ちょっとリゾートって言うほどリゾートっぽくはないかもしれないけども、
軽井沢的なイメージがわかんないですけど。
スイスってドイツ語圏もあればフランス語圏もあって、あとイタリア語圏、多分イタリア語を話す地域なのかなという、結構イタリア寄りの場所になっていて、
バーゼルはドイツ語圏だったので、おそらく言語も違えばそのカルチャーとかもだいぶ違うだろうと思うので楽しみだなと思います。
空港はチューリヒに飛ぶから、チューリヒはまたドイツ語圏かな。
チューリヒから電車で縦断する感じで降りていくような、明日は疲れそうだなと思うんですけど、
アスコナというところに着いたらまたどんな景色だったかとか、どんな人がいたかとか喋りたいなと思ってます。
16:13

コメント

スクロール