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2025-04-30 11:32

#646 サウナとロウリュの解像度を上げる (Moesgen et al., 2024)

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【本日の論文】
Moesgen, T., Gowrishankar, R., & Xiao, Y. (2024). Designing beyond hot and cold – Exploring full-body heat experiences in sauna. In Proceedings of the Eighteenth International Conference on Tangible, Embedded, and Embodied Interaction (TEI '24) (pp. 1–14). Association for Computing Machinery. https://doi.org/10.1145/3623509.3633364

【今後の対談日程】
5月1日(木) 【坂田聖一郎さん】ドイツ講演会公開打ち合わせ
5月5日(月) 【田中慶子さん】慶子ちゃん初エッセイについて超深掘り

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【6月1日「教え方」と「コーチング」を学ぶ会】
https://edu-hamburg.peatix.com/

サマリー

このエピソードでは、サウナ体験に関する研究について詳しく話し、特にロウリュの体験をさまざまな観点から探ります。また、フィンランドで行われた実験から得られた洞察が、サウナのリラックス効果や心理的影響を理解するのに役立ちます。

サウナ体験の探求
おはようございます、心理学者のじんぺーです。
本日も心理学の論文を紹介していきたいと思います。
今日はサウナの話をしていきます。
自分の研究のサブ的なテーマで、最近論文もアクセプトされた、
ちょっとまだ出版はされていないんですけど、論文を書いたテーマであるサウナ。
そんなに研究数は多くないんですけど、
重要な発見もいくつか出てきているのかなと思いますので、
一緒に考えていけたら嬉しいです。
今夜対談する岡沢さん、サウナを自宅って言ってたかな、作ってたりとか、
ネッパシーをやってたりとか、
あとはマインドフルネスとか禅に関する探究とか活動されていたり、
マインドフルネス、あとは生理を管理するアプリを作っていらっしゃったりとか、
本当に多様な活動をされてきた方で、
自分もお話したことないんですけども、
最近研究のサポーターにもなっていただいて、
いい機会というかご応援をいただけたかなと思いますので、
お話をぜひさせてくださいと言って対談が実現しました。
今夜ぜひ20時に来ていただきたいんですけども、
別にその予習というわけではないんですけど、
ロウリュの体験と実験
サウナの論文、久しぶりに読みたいなと思って探してみましたので、
お聞きいただけると嬉しいなと思います。
心理学というよりも雑誌自体は、
ヒューマンコンピューターインターフェースといって、
すごく大きな一領域があるんですけど、
コンピューターと人間のインタラクションというか、
そういうことを研究すると言っても本当に楽しいです。
本当に多様な研究の仕方もあるし対象もあるんですけど、
この研究ではサウナとか熱というものを考えるときに、
例えばいろんな変数があるわけですよね。
熱、例えばもちろん一番わかりやすいのは温度とか、
あとは湿度もそうなのかな、サウナで言うと。
そういういろんな変数があると思うんですけど、
サウナの体験とか、特に今回は老流と言って、
老流、わかります?熱い石とかに水とかお湯をかけて、
蒸気を味わうというか、部屋の温度がすごく高くなって、
湿度ももちろん上がるし、
例えばそこにアロマとかを混ぜていい匂いを充満させたりとか、
いろんなやり方があると思うんですけど、
この老流の体験をもう少しいろんな角度から記述してみようというような試みです。
やり方がすごく面白くて、そこを読んでいけたら嬉しいなと思います。
まずやり方としては10人の人を対象にして、
実際にサウナに入ってもらうと、これ多分フィンランドでの実験かな、
サウナといえばフィンランドだし、フィンランドといえばサウナだしみたいな感じなんですけど、
フィンランドでやっていたと。
フィンランドの人はね、毎日入る人がたくさんいるし、
そうじゃなくても少なくとも週4日みたいな、
そのレベルです。だからちょっと日本人が考えるとか、
ドイツもサウナ、まあまあ広まっている方だと思うんですけど、
それでもやっぱりフィンランドの根付き方は圧倒的かなというふうに思います。
この10名の人にサウナに入ってもらって、インタビューをする。
これね、やり方3つあって、まず普通にインタビューをする。
これ言語的な情報で、サウナ体験というか浪流の体験を語ってもらうというのがまず1つ。
これすごく一番わかりやすい、シンプルなやり方かなと思います。
それだけじゃなくて、ボディマッピングといって、
ボディマッピングといって、紙に座った人の肩みたいなのがあって、
そこにいろんなペンとか色を使って自分の体験を書いてもらう。
例えば頭のあたりにエネルギーがたまったというか、
赤い力がたまったように書く人もいれば、
ギザギザをお腹のあたりに書く人もいたりして、
いろいろだと思うんですけど、そういうふうに視覚的に表現をしてもらうということが
この2つ目の記述の仕方。
3つ目もすごく面白くて、これは粘土を使う。
粘土のオブジェを使って、8つの粘土のオブジェがあったみたいなんですけど、
体験の多様性と表現
ここの中でどれが一番その体験に即しているか。
さらにどうしてそう思ったかみたいなことを、
これ最後は言語になっちゃうんですけど、語ってもらうみたいなやり方。
いろんな角度からサウナ体験ってどんなものかなということを調べるということをしています。
とてもやり方が面白いなと思いました。
結果なんですけど、これはまとめ方が一様になるわけではないので、
面白いなと思ったところをいくつかピックアップしてお伝えしようかなと思うんですけど、
例えば言語の話で言うと、いろんなメタファーが出てくるわけですよね。
毛風とか波、雲、スパークみたいな表現が出てきて、
これっていうのは単なる温度の高まり以上のものを表しているわけです。
波とかっていうのは、波って波ではない。
ただ温度が高い低いってことだけじゃないものがそこに包含されているんじゃないかなっていうことが分かったりするわけです。
視覚的な表現、ボディマッピングのところで言うと、
例えば赤を使う人が多かったりとか、逆に内部感覚に青を使っている人がいるみたいなことも書かれていて、
これおそらく中は落ち着いているというか、そういう対比が面白いなって思いますし、
汗の粒を書いたり水滴を表現している人、あとは熱の流れとか方向性、
例えば頭から下に矢印が向けられているみたいなことを書いている人がいたりとか、
もともとの図にはないんですけど、肺とか目とか鼻とかを細くして追加して書いて、
それがどういうふうに作用しているかみたいなことを説明する偉大な人もいたようです。
これもなかなか多様で、いろんなアウトプットをやっていて面白いなと思います。
最後の粘土を使ったあれですね、これも面白くて、丸く柔らかい形を使った人がいるんですけど、
これは快適とかリラックスを表現しているというふうに答えたりとか、逆に尖った形を選ぶ人もいて、
これは痛みとか不快感を表現している。
さらに言うとこれを複数選ぶ、快でもあり不快でもあるということを粘土から選ぶ人がいて、
これは時間変化の表現につながっているんじゃないかなということで、
例えば暑いときは尖ったような形なんだけども、どんどん丸く柔らかい、解放というかリラックスする、
整うと日本語では言いますけど、そういう表現になっていったのかなと思うとなかなか面白いなと思います。
ここにも変数が詰まっているなと、最後ちょっとまとめますが、そういう結果になっています。
方法のときに言わなかったんですが、その表現をする難易度の評定もしてもらっていて、
実は言語で表現することが一番難しいという結果になったみたいですね。
10人の結果なので、どれくらい統計的に意味があるかというとそんなにないと思うんですけど、
この点数ベースで平均ベースで言うと言語で老流体験を語るというのが一番難しくて、
何が簡単だったかというとボディマッピングですね。
書いてみて視覚的に表現するというのが一番自分の体験を記述するのには向いていたということ、
向いていたというか簡単だったという結果だったようです。
すごく面白いなと思います。
これらからどういうことが言いたいかというところなんですけど、
最初に言ったようにサウナ体験、熱の高さと低さみたいなそういう単純な変数ではなくて、
いろんな変数パラメーターがあるであろうと、例えば動き、熱がどう移動しているか、
矢印の話があったんですけど、あれから熱の移動というのが重要であるだろうということとか、
あとは柔らかさとか鋭いみたいな熱の質の部分ももしかしたらデザインのパラメーターとしては考えられるんじゃないかということとか、
あとは分布、熱がどこに広まっていて、どこに集中していてとか、
どこが疎であるか、まばらであるかみたいなことも考えた方がいいんじゃないかみたいなことがまとめとしてはできるわけです。
こういうデザインのパラメーターがいろいろと考えられるとどういう時にいいかというと、
例えばVRでサウナを表現したい、サウナじゃなくても何かリラックスする場面をVRで表現したいという時に、
温度だけじゃなくて熱の移動の具合とか柔らかさみたいな質の話とかを考える。
もちろんこの研究だけでそこまでいけないんですけど、最初の基盤みたいなものは作れたんじゃないかというところでとても面白いなというふうに思っています。
なかなかマニアックなんですけど、サウナという題材の時点でマニアックなんですけども、
ちょっとでもサウナってそういうものなんだということを思ってもらえると嬉しいなと思います。
ローリーはね、銭湯とかについているサウナとかだとあまりないと思うので、
もしサウナが本当に世界を平和にするんじゃないかなと僕は思っているので、いろんな人に楽しんでいただきたいんですけど、
銭湯にはないので、スーパー銭湯にあるところはあるかな?
そうじゃなくても、もしサウナ施設みたいなちょっと高いけどね、サウナがっちなところで行こうとすると。
一回に行ってみてそうはないのかなと思いますので、
確かに論文で言っていたことはわかるわというふうに思ってもらえるんじゃないかなと思っていたりします。
もうすぐ僕たちの書いた論文も出版されて、
そうなった時には改めて、前も紹介したような気もしますけど、
どんな研究をしたかというのを紹介したいなというふうに思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
神平でした。心を込めて。
11:32

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