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2025-06-24 15:25

#688 生成AIも育った国の影響を受けています (Lu et al., 2025)

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【本日の論文】
Lu, J. G., Song, L. L., & Zhang, L. D. (2025). Cultural tendencies in generative AI. Nature Human Behaviour. https://doi.org/10.1038/s41562-025-02242-1

【研究トークアーカイブ】
https://youtu.be/FwnsMTzDE0s

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サマリー

生成AIの文化的傾向は、アメリカと中国のAIを比較することで明らかになります。特に、回答のスタイルや認知的傾向の違いは、両国の文化に基づいていることが示されます。生成AIはそれぞれの国の文化的背景や社会構造の影響を強く受けており、中国とアメリカのAIの選好の違いが明らかにされています。また、日本のAI技術の発展についても考察され、今後の可能性が探られます。

生成AIの文化的傾向の比較
おはようございます、心理学者のじんぺーです。本日も論文の紹介をしていきます。
AIの話を今日もしたいと思っていて、Nature Human Behaviorに載った
SSAIにおける文化的傾向という論文、本当に先週とかに出たばっかりの論文です。
タイトルがすごくシンプルで、そういう論文って結構メッセージ性が一貫していて分かりやすいなと思うんですけど、
その名の通りで、生成AIっていうのが、我々が使っているのはおそらくアメリカ発のものが多いのかな、
GPTもそうだし、クロードとかグロックとか、メタが作っているやつも大体がそうなのかなと思うんですけど、
Googleもそうか、中国もAIがすごく盛んで、中国発の生成AIもあるわけです。
多分これ実験したときにはなかったような気も分からないですけど、
DeepSeekっていうのが今年に出て話題になりましたけど、
そんな中国発のAIとアメリカのAIを比べたときに、
結構返してくる返答っていうのが文化的な影響を受けているんじゃないかということを仮説に持った研究ですね。
すごく面白いなと思います。
AIっていうのは言語データをたくさん学習して出力をするはずなんですけど、
その学習データというのが中国のWikipedia的なものとか、ネットの記事とかいろんなところから学習していると思うんですけど、
中国文化の影響を受ける中国文化とか、中国に住む人、中国人の性格とか、それをより多く学習している可能性があって、
アメリカのAIというのはアメリカ人の考え方とか、もっと大きい括り方をすると、
ちょっと西洋的な考え方を反映しているんじゃないかということが考えられると。
そういう仮説になっているという感じです。
なんかすごく、これ結構簡単にできる研究だなと思っていて、
これちょっと先やられたなという感覚が持ってしまったんですけど、
これ思いついていたら割と誰でもできたんじゃないかと思ってしまうので、ちょっと悔しいんですけど、やり方を紹介していきますね。
方法でいうと、アメリカのAIがGPT4、チャットGPT。
なんかAPIを使っているって話だったんですけど、GPT4って持ってもらって大丈夫ですと。
中国の方が、L2でいいのかな、ERNIEっていうAIがあるみたいです。
ちょっと僕は聞いたことがなかったし、使ったこともないんですけど、だそうです。
この2つの国から生まれたAIに同じような質問をして、その傾向を比べるというので、いろんな方法をとっているんですけど、
まず一番分かりやすいところでいうと、心理学でよく使われる質問紙をそのAIに答えてもらうと。
AIって毎回同じような回答になるわけじゃなくて、ランダム性があるので、100回ぐらい同じような質問をしまくって、
それで点数化してその平均を比べるということです。
だから100人ずつデータを取ってきたということと同じようなシチュエーションになっているということかなと思います。
何を聞いたかというと、文化差がよく知られている心理学の概念で2つぐらいあって、
いろいろあると思うんですけど、今回2つメインで使っていて、
1つが社会的な影響みたいなので、相互独立的事故感とか相互依存的事故感とかといったりします。
独立しているか依存的かというところで、個人主義と集団主義みたいなのとニアリー・イコールというと、
もしかしたら社会心理学の先生に怒られるかもしれないんですけど、みたいなところで、
アメリカというのはより個人的な、割と独立していて物事を考えると、
中国とか日本もどちらかというとそっち寄りだと思うんですけど、依存的であるとか、
例えば家族を重視するとか、社会の調和を保つように動くようになっているとか、
いうのがそういう依存的であるということです。
これは別にどっちがいいとか悪いとかということではないです。
もう一つが認知傾向の話で、これは自分もよく研究で使うんですけど、
全体論的思考か分析的思考かという二つがあります。
全体論的思考というのが中国のほうですね。
文脈を重視するとか背景情報を重視するとか、全体的に物事を捉えると。
分析的というのはその逆で、対象物とかを分析的に一つのものを細かく見ていくというのを、
よりアメリカの人とか西洋の人とエナウンスしやすいというふうに言われているんですけど、
それらを聞くということをしています。
これ質問紙があるので、1点から7点で答えてくださいみたいなので聞いていったそうです。
まずこれの結果からいきましょうか。仮説通りですね、基本的な仮説通りで、
やっぱりアメリカのGPT-4に聞いたときのほうがより相互独立的になり、
分析的な認知スタイルになっていくということ。
中国のAIに聞くとその逆で、集団主義的というか相互依存的で、
かつ全体論的な認知、文脈とかを重視するような認知になっていたということのそうです。
キャッチコピーの研究
もう既に面白いなと思うんですけど、これが一つ。他にもいろいろと言っていて、
例えば答え方にも違いがあったみたいで、
中国のAIに聞いたときに、例えばどこだったかな、それは文脈というか、
それは状況によって変わりますみたいな答えをする可能性が結構あった。
あとは一つの数値だけでなくて、2から4の間みたいな答え方をしたそうです、中国のAIが。
絶対ではなくてその文脈依存的な回答というふうにこの研究者たち言ってるんですけど、
例えば中国のAIだったら3割ぐらいがそれを言ってるときに、GPT、アメリカのAIは4パーセントしかそういう回答がないという、
全然この答え方の傾向性にもばらつきがあるというか、文化差がありそうだねということとかもすごく面白いなと思いました。
最後がちょっと実用的なやり方でこの仮説を検証しているんですけど、キャッチコピー。
マーケティングとか広告業界で使われるキャッチコピー、スローガンとかと言ったりもしますけど、
これを相互独立的なスローガンなのか依存的なスローガンなのかという2つを作って、
どっちがいいですかということを聞いてみるという研究もしてみたそうです。
相互独立的なスローガンってどういうものかというと、Your Future, Your Peace of Mind, Our Insurance、
インシュアランスは保険のスローガンなのかな、あなたの未来、あなたの心の平和みたいな、そういうスローガン。
相互と依存的なスローガンはどういうものかというと、Your Family's Futureなので、
あなたの家族の未来とここで明らかに家族というワードが入ってきたりとか、あなたの約束、
私たちのインシュアランスと私たちの保険であるという、私たちという言葉を使っているというのもこの違いかなというところで、
多分操作の仕方はいろいろあるんですけど、あなた自身なのかあなたのファミリーも包含しているかということで、
生成AIの国別影響
この例では違いを作っています。これをどっちが優れた広告、スローガンだと思いますかって聞いたときに、
中国のAIというのは公社の方ですね、相互依存的な、あなたの家族という言葉が入っている方とかを選ぶ確率が高くて、
アメリカのAI、GPT-4というのは、より相互独立的なスローガンをいいよという確率が高かったというので、明確にここでも差が出ていたそうです。
だから、すごくこれは実践的だなと思うんですけど、自分たちが、僕も結構よくやるんですけど、スローガンは決めさせないですけど、
タイトルをね、このポッドキャストのタイトル決めてくださいもたまに使うし、この研究論文のちょっと魅力的なタイトル案を30個考えてくださいとかね、
そういうことをやるときに、アメリカのAIを僕は使っていることが多いので、より相互独立的な、個人個人に焦点を当たったようなスローガンが出てきやすい傾向が
もしかしたらあるんじゃないかとかいうことが考えられますね。だから大いにマーケティングとか広告とか、そうじゃなくても、
AIを実践利用している多くの領域にとても影響力のあるような研究結果かなというふうに思います。
だからといって、別に中国のAIを意識して使おうということでもないんですけど、日本ってこういうAIって結局どうなったんでしたっけ、
当初は頑張って日本版も開発しようという動きがたくさんはないか、あったと記憶しているんですけど、その後あまりキャッチアップできておらずどうなのかなと思うんですけど、
もし日本語データでたくさん学習しているということになると、おそらくより先ほどの中国のAIの結果みたいな方向性になるのかなというのは想像できるかなと思います。
最初にも言ったんですけどね、これ割とやってることシンプルじゃないですか。できたなと。
実際に何万人とかでデータを取っているわけではないので、予算的にもそんなにかからないし、アイデアだけで素晴らしい研究になっているし、素晴らしい学術ジャーナルに載っているなというふうに思って、
今日は紹介させてもらいました。最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
陣平でした。心を込めて。
最後、雑談をします。またベイビー緊急報告なんですが、
最近はちょっとだけ?ちょっと?結構?息子が夜に寝てくれるようになって、少しだけ我々も寝れているなというふうに思います。
寝トレっていうのがありまして、自分で子供が寝れるようにトレーニングするっていう、そういう言葉なんですけど、
セルフねんねって言ったりもしますけど、それを2ヶ月とかのうちはそんなにやらなくていいのかなというふうに思いながらも、
結構妻がチャレンジしてくれていて、その成果がこの2日3日くらいで出ているなというふうに思ってとてもありがたく思っています。
どういうことをしているかというと、泣いてもすぐには抱きかかえないとか、それを特に夜の寝落ちる前に挑戦してみる。
これまでは最終抱っこ紐で抱っこして、家の中をぐるぐる歩いて、ちょっと振動で寝てもらうということしかできなかったんですけど、
それはベッドに置いたまま寝てもらうまで待つと。
ぐずってきたら、まずはこう抱きかかえないで、胸とかお腹のあたりをさすったりトントンしたりとか、
ちょっと安心感を与えるような動きをしてということをすることを繰り返していくうちにちょっとずつ寝れるようになっていくのかなと。
そんなに簡単ではないし、なかなか泣き叫んでいたので大変だったなとは思うんですけど、成果がちょっとずつ出ていて嬉しいなと思います。
今日も今夜に撮っているんですけど、さっきすぐに寝てくれて、最速かな8時前とか20時前とかに寝てくれることはあまりなかったので、すごいなと思っています。
しかも昨日もそうだけど、4時間くらい寝てくれたかな1回の睡眠で。
それが全部4時間4時間ってわけではないんですけど、でも結構1回だけでも長く寝てくれたらとてもありがたいなと思っています。
これがね、長く続かないのが子育ての大変なところだなと最近実感してます、強く。
こういうちょっとね、成果出たねとか寝られるようになったねとか思って、重いすぎるとなんかまた全然あれ昨日と違うぞってなるので、子供の成長が早いということなんですけど、そこはちょっと心してかかりたいなと思うんですけど、
今日はね、いただいた時間をこの後すぐ寝て体を休みたいなと思います。
15:25

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