ショート動画の影響
おはようございます、心理学者のじんぺーです。 月曜日ですね、今日も論文を紹介していきたいと思います。
今日の論文は心理学とはちょっと離れるんですけど、
先週の研究トークの時にちょっとだけショート動画の話をさせてもらったんですよね。 自分はすごくそのショート動画については
研究したいなとずっと思っていて、女性菌をそれで取ろうともしたんですけど、落ちましたって話とかしてたんですけど、
やっぱり中毒性が高いプラットフォームだなと思っていて、それが人のメンタルヘルスに悪影響を与えているというのもたくさんあるんですけど、
どうすれば健全に使っていけるか、別に全てが悪というふうにも思わないし、自分自身もショート動画で発信しているぐらいなので、
悪とは思わないんですけど、エンターテインメントを健全に楽しんだりとか、ちょっと勉強したりとかするためにどうしていくのがいいだろうというのを研究していきたいと思っていて、
今回の論文は、それをシミュレーションしたような研究になっています。
ちょっとね、計算とかはよくわからない部分も自慢あるんですけど、結果の部分とか、こんなふうに考え、シミュレーションの結果になりましたよってことをちょっとかいつまんで紹介していきたいなというふうに思っています。
新しい論文で、2020年、最近出たばっかりの論文です。
どういうことに問題意識を持っているかというと、自分がさっきお話ししたとおり、人のメンタルヘルスに影響があるんじゃないかというか、そういう結果はたくさん研究で出ているんですけど、それ以外にも環境に対する負荷も大きいと。
それは膨大なデータを使ったりとか、電気を使うとかね、それにたくさんのCO2コストがかかっているよということ、それは別にショート動画だけじゃなくて、いろんな電子機器とか使っている分野、そこは避けられないと思うんですけど、今回はそれも一応問題意識として掲げています。
どうすればそれを減らすことができるかというので、数学ですね、計算式を使って、例えばメンタルヘルスが改善するようなパラメーターといったりするんですけど、数値の設定があるかということを調べたりしているような論文になっています。
あまり特に新しくデータを取っているということでもないので、結果を紹介していきたいと思います。
まず2030年までにユーザー数、これ多分TikTokっていう風にイメージしていたと思うんですけど、TikTokのユーザー数が20億人を超えるであろうということです。
もうすでにそれくらいいってそうな感じもしなくはないんですけど、そうなるであろうと。
いろんな方法でヘビーユーザーが中毒にならないようにということが結果として出てきました。
とても重要なこととしては、何か一つのことを大きく変えて、大きく変えることで大きな成果が得られるということはあまりなくて、
いろんな方向でちょっとずつ数値をいじることによって中毒性が減ったりとかメンタルヘルスが改善されたりとかCO2の排出量が減ったりするみたいなモデルになったみたいです。
それらを紹介していくんですけど、例えば方向性として3つあります。
1つが政治的な、制度的なパラメーター。
2つ目がデザインの話、パラトームのデザインの話。
3つ目がコンテンツというかキャンペーンの話。
1つずつ紹介していくんですけど、1つ目の政治的、制度的な話でいうと、これは税制の話が中心です。
健全に楽しむための方法
税をかける、おそらくプラットフォーム側にかかると思うんですけど、かけることによって、あとは広告を出すときに広告税というのをかける。
あとはデータの使用量に対してデータ税というのをかけることによって、中毒になる人が減るというふうなことです。
ただ、これは持続可能性を考える、企業がこれからも成長していくために、成長をすべきかどうかということ、別なところで議論があると思う。
脱成長という言葉があるぐらいなので、これはまた別の議論ですけど、成長をしていくのがいいよねというふうな前提のもとで、
税制をかけすぎるのはよくないと、持続可能性がなくなる、企業の収益が減っていって、できる対策もできなくなっていくというようなことがあり得るので、
プラットフォームを維持しつつ、エンタメを楽しみつつ、健全にという方向で考えると、この税制はあまりかけすぎるとよくない。
だけどもうちょっとあげると、いいアウトカムになるよという結果になっているそうです。
続いて2つ目のデザインの話なんですけど、これ結構多岐に渡っていて面白いんですけど、例えば一定時間使用すると休憩を促すようなポップアップを出すと。
なんかこれ、僕がよくこういうことを考えるときに思い出すのが、カーナビ、車のカーナビとかって2時間ぐらい運転すると、分かんないですけど僕運転できないので、運転すると出てきますね、そろそろ休憩しましょうみたいな、ああいう感じです。
2時間もショート動画を見ていると本当に不健康だと思うので、15分見たらとかっていうことなのかなと思います。
あとはアルゴリズムの制限をかけるということです。
やっぱりパーソナライズされる、自分が犬とか猫の動画をよく見てたらそればっかり出てくるとかね、料理系の動画見てたらそればっかり出てくるってパーソナライズのこと。
僕は最近赤ちゃんの動画とかめっちゃ出てくるんですけど、そうするとやっぱり使用時間長くなるっていうのは当たり前ですけどそういうデータになっているので、そのパーソナライズの精度を落とす。
たまにランダムに動画を出すとそこで離脱するようにもなるんじゃないかということとかがありえます。
あとは使用の快適さを少しだけ低下させる。
無限にスクロールできますね、多くのメディア、パラトームというのは。
それは辞めるタイミング、辞め時を失わせるということでその設定を変えるとか、あとは画質を少し下げるというのもありますね。
これも面白いなと思います。
これがデザインの話、UIとかUXといったりしますけどその話。
最後3つ目の観点でコンテンツのキャンペーンを打ったりするというところで、
例えばインフルエンサーに協力してもらって使い過ぎ防止とか深夜の使用を控えようとかそういうメッセージを打つということとか、
あとは教育機関とかNPOとか信頼できる団体に動画の使用時間を減らすような啓蒙活動みたいな話を行ってもらうというのも効果がある。
また家庭でもそうですね、同じく家庭でもメディア・リテラシーを上げるような教育を行うことによって使用を抑制できるということのようです。
これらがいろいろ言ったんですけど、これらを先も言ったように1つをもうめちゃくちゃ税金をめっちゃかけるとかアルゴリズムを完全に排除するとかそういうことではなくて、
いろんな方法をちょっとずつ通知をいじることによって最も良い効果、ここでいう効果というのは繰り返すようにメンタルヘルスが改善したりとか、
メンタルヘルスの重要性
CO2の排出量が減ったりとか、だけども収益を減らしすぎることがない企業がというモデルになるということのようです。
どうですかね、いろいろとツッコミがあるかもしれません。僕自身もあります。
エソラごととまでは言わないですけど、やっぱり企業の生きていく資本主義の中で存続していくためには、
やっぱりこのユーザーを沼らせるというか、使用時間はできるだけ長い方がいいわけですよね。
お金を稼ぐという点だけで言えば、そっちの方が広告収入も広告を出す側に対して払えるだろうし、払えるというかもらえるだろうし、
ユーザーが満足度が上がれば上がるほど自分が見たい動画をいっぱい見ることによって満足度も上がると思うんですよね。
盲目的に、だからそういうお金のことを考えるとそうなっていくっていうことなんですけど、
だからアルゴリズムをちょっとたまにランダムな動画を入れてくださいとか言っても、それってやるのかなっていうのが正直なところですね。
こういうメンタルヘルスの問題意識とかが広がっていく、それによっておそらく企業側もそういう監視というかプレッシャーみたいなものに晒されるような状況は結構いいんじゃないかなと思っていて、
例えばちょっと早くそういう状況になっているのって食品とか植物性の材料を使っている企業が選ばれるようになっていったりとか、
ダイバーシティとかインクルージョンとかそういうことを掲げている企業により応援が集まったりとかするみたいなので、
最近はその流れが失速しているような気もするんですけど、そうじゃないと応援されないよねっていう雰囲気ってあったと思うんですよね。
ショート動画とかでもそういう議論が当たり前になっていくのが一番いいんじゃないのかなと。
ユーザーのメンタルヘルスを全然考えないで設計しているプラットフォームはダメなんだと。
ダメなんだちょっと強いか。使いませんよと。
子供にも使わせたくありませんよみたいなね、そういう話になっていくと、じゃあちょっと考えますわっていう風になるのかなと思うので、
これを考えることは意味がないことではないと思うし、もしかしたら自分もインフルエンスだったことではないですけど、
研究と曖昧さの価値
そういうさっきの話の啓蒙的な活動の一端を担えればいいなというのを少し思っているというところです。
あとは研究者なので研究成果としてやっぱり少し使用時間を減らした方が、
自分でいうとメンタルヘルスとかウェルビングとかそういった話になっていくと思うんですけど、
それを実証していくというのは重要なことなのかなと思っています。
やりたいね、これはやりたくなってきましたね、どんどん。
ネガティブ・ケイパビリティみたいな話かな、ショート動画を見ると曖昧さに耐えられなくなっていくと思うんですよね。
あの速さと量と、あとは結論を先に言うような発信スタイル。
30秒の中で結論が出てきますからね、しかも最初の方に出てくることも多いですし、
その結論もすごく極端なものが多いなと思う。
僕はちょっとあれだね、あんまり僕自身が極端にならないようにしないととは思うけど、
そうね、曖昧なものが楽しいってならなくなるんじゃないかな。
そうするとね、なかなか生きにくいですよ。
ショート動画の中では正解言ってもらえても、現実世界で正解があることはほとんどないですからね。
自分で選び取っていくしかないという中で、
やっぱり曖昧さを重要視して生きていくっていうふうなことが求められると思うので、
そういう方向で研究していきたいかなと思っています。
ちょっと研究費取れるように今考え中です。
これもしかしたらフィットするんじゃないかっていう助成金を見つけたので、
また6月末までの短い締め切りですけど、出したいなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
順平でした。心を込めて。