こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「人生のプログラム=脚本。引き寄せられる、「ああ、やっぱりね。」」
今回は、「人生のプログラム=脚本。引き寄せられる、「ああ、やっぱりね。」」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。
その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「人生のプログラム=脚本。引き寄せられる、「ああ、やっぱりね。」」について。
子どもの頃に書き、大人になっても従っていると言われている、人生のプログラム=脚本。
そのポイントを知ることで、どんな意味があるのか、何が起きているのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」
第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」
第3回目「子どもの自分が書き、今も従っている人生脚本」とも、リンクするお話です。
「ああ、やっぱりね。」皆さまは、どんな時にこの言葉が出てきますか?
そして、その「やっぱり」には、どんな意味がありますか?
例えば、私の場合はこんな体験。
10年以上前、なぜか急に腰が痛くなってしまった日のこと。
今にして思えば、その頃はかなり姿勢が偏っていた時期。
椅子に座るのも、片足を組んで傾いて座っていたり。家でパソコンに向かう時も、片足は折り曲げ、片足は伸ばして、ぐねっとしながら操作するのが好きだったり。立っている時も、片足体重だったり。あらゆる場面で、偏っていました。
「い、痛いっ。」
ぎっくり腰とは違う、おそらく姿勢の歪みから来る痛み。日常生活に支障が出るレベル。
「これは手術?いや、でもその前に何かできることがあるかも。」
「う〜ん。できる限り頑張ろう。」
調べに調べ、行き着いたのが、一冊の本。
腰痛とは全く関係のない、ストレッチの本。
しかもタイトルは、ちょっとウキウキ、乙女寄りなネーミング。
なぜその本に行き当たったのか、見当違いに思えて、不思議なくらい。
ただ、内容はその道の専門家が書いていて、まともそう。
当時の症状や、思い当たる原因にも合っている。
だから、試してみる価値はあるかも、と思えたんです。
何と言っても、当時、レビュー数が180。
それなりに賛否両論があったものの、全体的には高評価。
ダントツのレビュー数で、それが妙に気にもなりました。
値段も、1,000円台で手頃。
「ダメ元で、試してみよう」そう思い、すぐ購入しました。
紹介されていたストレッチは、比較的シンプルで簡単。
基本は、毎日10分程度。
違う種類のストレッチを、確か、2週間続ける。
それを2、3回巡った頃、
「あれっ、痛くない。
全然痛くない。
きゃあぁ。」もう、嬉しくて嬉しくて。
基本は、骨盤のずれを調整する、ということらしいのですが、
どの体操がどう効いたのか、効かなかったのか。よくわかっていません。
よっぽど、私の症状との相性が良かったのかもしれません。
でも、痛みがなくなりさえすれば、それで良し。
そして、その後は、姿勢の偏りがちな癖も見直して、改善。
おかげさまで、長らく腰の痛みとは無縁に過ごすことができました。
ちなみに、気のせいかもしれませんが、身長も2センチほど伸び、足もまっすぐになったような。
まあ、痛みがなくなったことに比べれば、取るに足りないことですが。
この体験、私の中では、「ああ、やっぱりね。」「私って、不幸中の幸い運が抜群。」
そんな体験でした。
例えば、体調が悪くなっても、良い先生に出会って回復したり。
理不尽なことがあっても、どこからか助け船が来たり。
良くないことは不幸だけど、その後、何とかなる何かに巡り合える。
「不幸中の幸い運が良いなあ。」
「ああ、やっぱりね。」
このお話、人生のプログラム=脚本から考えてみます。
改めて、人生のプログラム=脚本とは。
承認要求を満たす刺激=ストロークを得るため、私たちが、小さな子どもの頃、
自分で書き、大人になったらその存在すら覚えていないのに、そのまま今も従っている。
始まりがあって、終わりがある。無意識に書かれた物語、人生のプログラム、ともいえるもの。
自分はこんな人、周りはこんな人、登場人物の役割設定もあったりする。
その上で起きているあれこれを、この脚本に当てはめて、再定義。
これが現実、そう思い込み、脚本通り自動的に進んだり、考えたり、感じたり。
合理的ではない「行動・思考・感情」をしている時、この脚本が関係している可能性が高い。
それほど、私たちの土台になっているものです。
今回の例、腰痛から解放してくれた本との出会い。
ストレッチをして、痛くなくなった。
「ああ、やっぱりね。」「私って、不幸中の幸い運が抜群。」
この流れ。「不幸中の幸い運が良い。」これは、私が書いた脚本の可能性が高い。
そして、「ああ、やっぱりね。」は、脚本を強化する言葉。目印、とも言えます。
正直、良くないことが、そのままなこともある。
良いことの後に、何かが起きてがっくり、なこともある。
でも、ずっとそのまま、そんなふうに信じたくない。
思いたくない私は、「不幸中の幸い運が良い。」
どうやら、そんな脚本を書いたのでは?
「ああ、やっぱりね。」、その言葉とともに、
「不幸中の幸い運が良い」というデータが意識され、着実に集まって来る。
これは、脚本を強化するストローク。
ストロークは、それを受けた行動が強化される。そんな特徴があります。
ストロークを受け続けるうちに、自分の書いた脚本が本当になる。
うまくいっているなら、そのままでOK。
ただ、うまくいっていないなら、見直してみるのもあり。
脚本は、誰もが心の中に持つ、「親・成人・子ども」のうち、「子ども」が書き、「親」が強化している世界。
「ああ、やっぱりね。」その言葉と違う事実に気づくことが、第一歩。
気づくことは、<今、ここ>の現実にいる「成人」が働くこと。
「成人」に舵取りをしてもらうことで、事実と脚本が切り分けられる。
脚本を見直し、現実的に書き直すことも可能です。
ちなみに、私自身は「不幸中の幸い運が良い。」この脚本は、お気に入り。
良くないことが起きた時、諦めない。どうにかなると信じられることで、今のところは、生きるチカラにつながるからです。
ずっと運が良いとは、信じきれない。そんな気持ちの、ささやかな対抗策なのかもしれません。
では、今回、覚えていただきたいポイントは、
「人生のプログラム=脚本。引き寄せられる、「ああ、やっぱりね。」」
あなたの「やっぱり」は、どんな時に現れますか?
まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
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