2025-04-08 11:18

#57 負けず嫌いと承認欲求

今回は、『負けず嫌いと承認欲求』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「負けず嫌いと承認欲求」について。

負けず嫌いには、どんな意味があるのか、何が起きているのか。気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

今回のエピソードでは、負けず嫌いと承認欲求に関する心理的側面が探求されています。特に、日常生活における競争心や人間関係におけるストロークの重要性について解説されています。

負けず嫌いの定義
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
『負けず嫌いと承認欲求』。今回は、「負けず嫌いと承認欲求」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「負けず嫌いと承認欲求」について。負けず嫌いには、どんな意味があるのか、何が起きているのか。気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」とも、リンクするお話です。
負けず嫌い。皆様はこの言葉について、
どう思いますか?自分のことだとか、あの人のことだとか。良い印象を持っているとか、あまり良い印象は持っていないとか。
少なくとも、負けるとくれば、勝つ。勝つと負けるがセットになって、何かを競っているような、そんなイメージ。
例えば、身近なところでは、
人混みでのこんな場面。私は結構、駅の中や街中で、特にそこまで急ぐ必要がない場合も、
なぜか足早に進もうとしてしまいます。小学生の頃などは、早く家に帰って、お気に入りのテレビ番組を見たい。そして、おやつを食べたい。
その一心で、全力で早歩き。走るまでは行っていないものの、
前のめりになりながら、かなりの早歩き。おかげで、それを見かけた近所の方から、「あんなに急いで家に帰りたいなんて、よっぽど家が良いのね。」
というような、そんなコメントをいただくほど。
その頃から、磨きをかけ続けて、早歩き。
社会人になってから、初めての都会生活。それまでとは違う人混みでも、
最初の頃こそ、「うわぁ、あっちでもこっちでもぶつかっちゃいそう。えーっ。」
と戸惑っていたものの、この時もすぐに慣れ、通常ペースの早歩き。
そんな早歩き人生では、よくこんなことがありました。タッタッタッタッ、
早歩きをしている私を、ダッダッダッダッ、
それ以上のスピードで加速しつつ、追い越す人。そして、私の前へ。急いでいるのか、足が速いのか。
そこまでは良しとして、追い越して前に来られ、
なぜかほぼ同じスピード。ぴったり同じ距離感で、
ずっと前を歩いている。
そんな状況になることが。
視界が阻まれる分、あまり望ましくない環境。
ごめんなさい。う~ん、正直、邪魔。
そして、心の中の負けず嫌いな部分が、刺激されるような。
その時、どれくらい元気かによるものの、気合を入れて追い越し返し、
そこから加速。
同じスピードだと、同じことの繰り返しになりそうなので、そのまま微妙に引き離せる程度の速度。
若干小走りになったりもしつつ進み、目的地に到着。その頃には、ゼイゼイ荒い息になりながら、「ここまで急ぐ必要はないのに、何やってるんだろう?」
早歩きで急ぐ者同士の小競り合い、とでも言うんでしょうか、そんな競い合いがあったように感じます。
負けず嫌いが、目に見えて、わかりやすい競い合い。
承認欲求の探求
追い越すくらい速いスピードで歩く人なら、どんどん離されるはず。それなのに、離されない。同じスピード。同じスピードなら、先に歩いていた私は、追い越されることなんてないのでは?
ここで改めて、承認欲求を満たす刺激=ストロークについて。
それは、誰もが求めているもの。何もないよりは、マシ。ネガティブでも何でも良い。取りに行く。そんな特徴があります。
誰もが求めてやまないもの、ストローク。空気や食べ物と同じくらい、必要なもの。認め認められて、得られるもの。
言葉だったり、アイコンタクトや態度の非言語だったり、どれも貴重なストローク。
負けず嫌いの小競り合いは、目に見えて分かりやすい。どちらが追い越したとか、追い越されたとか。
そんな結果と合わせ、ゼイゼイ疲れる、身体的な刺激まである。承認欲求を満たす刺激=ストロークが、得られる。
ある種のパターン化した型とも言える。しかも、こういったパターン化した「型」のあるストローク交換では、分かりやすいシグナルまである。
同じ型を持った者同士が引き合う、シグナル。ストローク交換をする相手を、見つけやすい。
先ほどの例では、早歩きで追い越す。追い越したら、そこで満足。加速したスピードは落として、同じスピードで歩き始める。すると、早歩きで追い越し返す。
このあたり、負けず嫌いな、同じ型を持った者同士が、定番のストローク交換をしている。そう思えます。
ストロークは必須のものですから、確実に交換できる定番のストローク交換は、日常的な活力や良い刺激になるなら、貴重なストローク源。
ただ、ストロークは、それを受けた行動が強化される。そんな特徴があります。
負けず嫌いな行動が、どんどんどんどん、どんどんどんどん、強化されるうちにエスカレートしてしまう。居心地の良くない問題になるなら、そこは対処が必要。
ストローク交換自体を、しないで交わす。それも、一つの対処法となります。
例えば、混雑している駅での、こんな場面が参考になるかもしれません。
改札から出てエスカレーターや出入り口に向かう人、逆にエスカレーターや出入り口から改札に向かう人。待ち合わせだったり、ふと立ち止まったり、ごった返す駅の中。
早歩きで、私の進む方向から、早歩きで、こちらに向かってくる人。この時、大抵は流れに乗りつつ、お互いにうまくかわし合って進めるのですが、時として、目指す方向から向かってくる人が、あえてこちらにぶつかるように、まるで突進してくるように感じられる圧で、進んでくることがあります。
そのまま、ある意味、負けず嫌いで直進すると、ぶつかってしまう。そんな状況。
一時期、よくぶつかり合うことがあり、試しに、こんな簡単な対策をしてみました。
何をしたかと言えば、とてもシンプル。
目線を下げ気味にして、目が合わないように、ぼかす。私の場合は、これが有効。
目指す方向をまっすぐ、視線の矢印が見えるかのようにまっすぐ見ていたので、それが、負けず嫌いな相手を刺激。突進させていたのかも。
あるいは、目線を下げ気味にすることで、無意識に、自分のスピードや歩き方が変わったのかも。
少なくとも、私が引き合っていたぶつかりパターンでは、相手に見つけられなくなり、良い変化が起きたので、結果は良好。
ストロークは、何もないよりはマシ。ネガティブでも何でも良い。取りに行く。
もしかしたら自分か相手、あるいは、両方がストローク不足で、ネガティブなストロークを取りに行っている。
そんな条件が揃ったとき、確実に取れるストロークとして、相手を見つけやすい、負けず嫌いなぶつかりパターンをしているのかも。
少なくとも、このパターンで得られるストロークは、自分の心を、本当の意味で満たすポジティブなストロークではなさそう。
心の中にある、ストローク銀行。このストローク銀行に、ポジティブなストロークが、70~80%以上たまっていれば、私たちは活き活きと幸せ。そう言われています。
行動の変化
もっと別の、ポジティブなストロークを得たほうが良い。それならば、いつもと違う変化を、試してみること。
ストロークは、それを受けた行動が、強化されます。安心・安全な場所・相手で、少しずつ試してみる。
ささやかで良いので、そこから、ポジティブなストロークを得る。積み重ねる。それによって、その行動、良い変化が強化される。おすすめです。
では、今回、覚えていただきたいポイントは、
「負けず嫌いと承認欲求」。まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を、味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。最後に、番組からのお知らせです。気づくと変わる心理学を、また聞きたいと思った方は、お聞きのポッドキャストアプリで、番組フォローとレビューをお待ちしています。
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お相手は、遠藤美保でした。ありがとうございました。
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