承認欲求の基本
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
ちなみに、ポッドキャスト歴1年、2年目に突入です。今回のテーマは、こちら。『承認欲求は誰もが持っている原点。まずは、自分を認めること。』今回は、「承認欲求は誰もが持っている原点。まずは、自分を認めること。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。今回は、「承認欲求は誰もが持っている原点。まずは、自分を認めること。」について。
承認欲求を満たす刺激=ストローク、どんな意味があるのか、何が起きているのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」、第29回目「承認欲求が満たされない、満たされにくい理由」とも、リンクするお話です。
突然ですが、皆様、この1週間で、褒められたことはありますか?それは、どんな褒め言葉でしたか?思い出せますか?思い出せませんか?
ある時、ある場所。グループワークの簡単なウォーミングアップとして、こんな質問を投げかけました。
この1週間で、「嬉しかった褒め言葉、3つあげてください。」
まずは書き出してもらい、その後、グループ内でシェアし合ってもらう。そんなシンプルなワーク。
一瞬、妙な間がありまして、
「あれ?伝わらなかったのかな。」もう一度、ゆっくりはっきり、お伝えしているうちに、ゆるゆるっと、間が動く気配。
はぁ〜っと、息を吐く音とともに、聞こえる声。「褒められて、…ないなあ。」
顔を見合わせつつ、共感し合う笑顔。どうやら質問は伝わった上で、
真剣に考えてくださっていたようです。その後はひとしきり、
いかに褒められていないかという話題で、大盛り上がり。
ひとまず、ウォーミングアップはできたので、そこは良かった点ではあります。
とは言え、この褒め言葉問題、皆様どう思われますか?
「まったく同じ。褒められてない。」とか、「褒められた気もするけど、あまり印象に残ってない。」とか、
「褒められたけど、あれはお世辞だから、褒め言葉に入らない。」とか。
考えられる可能性は、3つ。
1.本当に、褒められていない。
2.褒められているけれども、気づいていない。
3.褒められていて、気づいてもいるけれど、それほどのものではないと、価値を低めに見積もったり、そもそもの数に入れていない。あたりでしょうか。
改めて、承認欲求を満たす刺激=ストロークについて。
それは、誰もが求めているもの。何もないよりは、まし。ネガティブでも何でもいい、取りに行く。そんな特徴があります。
誰もが求めてやまないもの、ストローク。空気や食べ物と同じくらい、必要なもの。認め、認められて、得られるもの。言葉、言語だったり、
アイコンタクトや態度の、非言語だったり。どれも、貴重なストローク。
では、このストローク。空気や食べ物と同じか?といえば、決定的に違う点が、一つあります。
それは、本来は無限で、限りなくあるということ。
自分たちでやりとりしさえすれば、いくらでも生み出せる、。それも、ポジティブなストロークを、いくらでも。
そして、心の中にあると言われている、ストローク銀行。
このストローク銀行に、ポジティブなストロークが7、80%以上貯まっていれば、私たちは、どうやら活き活きと幸せ、そう言われています。
無限に生み出せるのなら、お互いがポジティブなストロークをやりとりして、みんな幸せいっぱいになれる。そのはずなのに。
私たちにはどうやら、ストロークフィルターというものがあって、自分のお好みでふるいにかけ、ストロークを選別しているらしい。
フィルターにかけさえしなければ、心にたっぷり、ポジティブなストロークを貯められるのに。
実際は、ストロークを出し惜しみしたり、もらうのを我慢したり。ネガティブなストロークのやりとりに慣れてしまって、ポジティブなストロークを出さなかったり、受け取らなかったり。そもそも、目の前にあるポジティブなストロークに気づかなかったり。
ポジティブな循環の重要性
これでは、飢えてしまう。ストローク飢餓、と言われる状態。もったいない。
褒め言葉問題で、先ほどあげた、考えられる可能性3つ。
1.本当に、褒められていない。
2.褒められているけれども、気づいていない。
3.褒められていて、気づいてもいるけれど、それほどのものではないと、価値を低めに見積もったり、そもそもの数に入れていない。
この2と3、実際は褒められている、認められています。
つまり、ポジティブなストロークが、そこにある。
あとは、気づいて取りに行くだけ。
そのためには、褒め言葉や認められることへの感度を、上げる必要があるのではないでしょうか。
認めてほしい。
欲しくてたまらないストローク。
それなのに、自分で自分を認めていない、認めない。
自分に厳しくあれ。
そんなストロークフィルターがかかっていて、あえて、感度を鈍くさせているような。
それでは、せっかくのポジティブなストロークに気づいて、貯めるのは至難の技。
もったいない。
まずは、
自分を認めること。
ストロークは、それを受けた行動が強化される。そんな特徴があります。
例えば、1日1つ、良かったことを見つけたり、あるいは、他の人から言われて嬉しかったことをメモしてみたり。そんな、ささやかな一歩。
自分を認めることで感度が上がる。
自分に厳しいストロークフィルターのふるいにかけていた、取りこぼしていた、ポジティブなストロークに気づきやすくなる。
確実に、キャッチ。
すると、貯まりやすくなる。
それをエネルギー源として、周りとの、ポジティブなストローク交換も増える。
さらに、貯まる。
良い循環に、つながります。
ちなみに、褒め言葉問題で、考えられる可能性3つの内の1。
本当に、褒められていない。
これも、もしかしたら、自分に厳しいストロークフィルターで選別をしたことが、招いた結果かも。
褒めたり認めたり、せっかくポジティブなストロークを出しているのに、受け止めてもらえない。
何なら、疑いの目を向けられたり、無視されたり。
これでは、ポジティブなストローク交換にはならない。
「ありがとう」。そんな一言や、嬉しそうな笑顔。
認めてくれたことへの反応を返すだけでも、ポジティブなストローク交換になります。
もちろん、気づいたときに、自分からポジティブなストロークを発信することも、していきたい。
ストロークは、それを受けた行動が強化される。
あれもこれも、つながっています。
では、今回覚えていただきたいポイントは、
「承認欲求は誰もが持っている原点。
まずは、自分を認めること。」
自分に厳しいストロークフィルターを緩めれば、
ポジティブなストロークが、貯まりやすくなる。
まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
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