ジンクスの意味と影響
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
『ジンクスと心の中身』。
今回は、「ジンクスと心の中身」のお話しです。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。
その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「ジンクスと心の中身」について。
ジンクスにはどんな意味があるのか、何が起きているのか、気づくヒントが得られます。
第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども」。
第6回目「できる、できない。現実を決める、心の仕組み。」とも、リンクするお話です。
ジンクス。皆様は、この言葉を聞いたとき、何か思い浮かぶことはありますか?
もともとは、縁起が良くないことについての、言い伝えや迷信のようなものを表すらしい。そんな言葉。
例えば、黒い猫が目の前を横切ったら、何か良くないことが起こる。
これなどは、ジンクス、ということになるでしょうか。
「そんな馬鹿な・・・。ない、ない。」とか、「何か縁起の良くないことが起こりそう」とか。色々なお考えが、あるかと思います。
かく言う私は、「そんな馬鹿な・・・。ない、ない。黒猫が通ったからって、何が起こるって言うの?」と思いつつ、あまり良い気分はしない。
それどころか、何だかんだ言って、とっさに、「あっ、黒猫が、今、私の目の前を・・・。うううぅ。」と、頭をよぎったりします。
ただ、実は私には、切り札が一つ。
それは、見かけたらすぐ、3歩後ろ歩きをする。
その後は、そのまま歩けば、OK。良くないことは、解除される。
これは、子どもの頃、黒猫の話がひとしきり話題になっていた時、友達の誰かから教えてもらったか、何かで読んだか。今となっては忘れてしまいましたが、こうすれば、良くないことは起きない。
そんな意味付けと一緒に、
心の仕組みの解説
知った方法。
この方法自体、「そんな馬鹿な・・・」。
そう、わかっています。
わかっていますが、念のため。きっと、今、この瞬間も、黒猫が目の前を通ったら、「あっ」と、見つけると同時に、念のため。1、2、3歩、後ろ歩き。
そして、「よしっ」。歩き始めます。
「そんな馬鹿な・・・」。
そう、わかっています。
わかっていますが、念のため。です。
ある時は、こんなことがありました。
それなりに気心の知れている人たちとの、飲み会。同級生同士のような、ちょっとふざけた、ノリ突っ込みのような流れの中で、何かを一緒にしようとか、
してくれるとか。そんな話が出た、タイミング。「本当に?」と、笑い合いながら、「えっ、それじゃあ、
指切りげんまんしましょ。」と、私が言い出しました。すみません。指切りげんまんは、由来を知ると、なかなか怖い意味合いらしいですが、ここでは、子どもの頃からの他愛もない
風習としての意味合い、ということで、ご容赦ください。
指切りげんまん自体は、お互いの小指を結び、
「指切りげんまん、嘘ついたら、針千本飲~ます」。
この辺りが、一般的でしょうか。
ちなみに、私の知っているバージョンでは、ここでさらに追加して、
「それが嫌なら、富士山担いで、海わ~たる。」
までが、セット。そんな馬鹿な、
な規模感。個人的には、それはとても出来っこないので、約束は厳守するもの、
と理解していたりします。そんな、指切りげんまん。「約束ね」。
それくらいの軽い気持ちとノリだったのですが、相手は、「えっ。いやいや、いやいや。」と言いつつ、
必死で手を後ろに回して隠し、笑いながらも、顔の表情は明らかに狼狽えて、体は後ずさり。
それまで、大人としてしっかり交流をしていた相手が、一気に小学生のように見えるほどの、動揺っぷり。
その人にとっては、よほど深く、意味のある、指切りげんまんらしい。
その時は、とっさに、「えっ、そんなに?指切りげんまんに、そこまでの意味が?」と、思わず笑ってしまった覚えがあります。
これなどはある意味、ジンクスの範囲に入りそう。
すっかり大人になった身では、黒猫が目の前をよぎろうが、指切りげんまんをして、
仮に何かがあって約束を破ることになろうが、現実的に良くない何かが起こるわけではない。
そう判断できそうなものなのに、どうもそうではない。
それは、心の中身と関係しています。
私たちは誰でも心の中に、「親・成人・子ども」の状態がある。
「親」は、親や親的な役割の人から取り入れた、「行動・思考・感情」が入っている部分。
「成人」は、<今、ここ>にふさわしい、「行動・思考・感情」が入っている部分。
「子ども」は、子どもの頃の経験や決断といった、
「行動・思考・感情」が入っている部分。
「親」と「子ども」の中身は、過去のデータ。その部分が、記録された動画のように
自動再生される部分と言われています。そこに「成人」が加わって、
通常は特に意識することもなく、瞬間的な出来事の中で、
自然とやりとりがつながっています。そして、
「行動・思考・感情」は、その心の状態の中で、つながっている。
「親」状態での「行動」をしているとき、つながっている「思考」と「感情」も、「親」の状態。
ジンクスと心の状態の関連
「子ども」状態での「行動」をしているとき、つながっている「思考」と「感情」も、「子ども」の状態。
外から見える、他人からも分かる、表に出ている「行動」。
そこが、心の中身を捉える、大きなヒントになります。
すっかり大人になった身では、黒猫が目の前をよぎろうが、
指切りげんまんをして、仮に何かの理由で約束を破ろうが、
現実的に、良くない何かが起こるわけではない。
心の中の「成人」なら、そう判断しそうなものなのに、
黒猫が目の前をよぎると、3歩、後ろ歩きをしたり、
指切りげんまんの申し出に狼狽えて、指を隠して、後ずさったり。
ある意味、不可解な、外からでも目で見て分かる、この「行動」。
とても<今、ここ>にふさわしい「成人」とは、思えない。
子どもの頃の経験や決断の入っている、「子ども」の
「行動・思考・感情」を、自動再生している可能性が高い。そう思えます。
心の中の「子ども」が信じている、
思い込んでいる。もしかしたら、心の中の「親」も、それを信じて、
後押ししているかもしれない。
日常的な暮らしの中では、すべてを一つ一つ、
一から吟味することは難しい。
過去の積み重ね、過去のデータを活用。心の中の「子ども」と「親」の自動再生が、
現実を過ごすために役立つなら、あるいは暮らしの彩りとして、
遊び心として楽しめるものなら、
そのままで良さそう。黒猫を見て、
不吉な予感。3歩、後ろ歩きをしたり、解除して対処。
誰に迷惑をかけるでもない。ひとまず背後、
足元の安全を確保すれば、特に問題なし。
指切りげんまんを申している相手にうろたえる。
指を隠して後ずさって逃げて対処。これも、そもそもいい大人のくせに、
指切りげんまんで約束しようとしている相手。この場合、私のことですけれども、
そんな相手ですから、これも特に問題なし。
ただ、何か不都合があるなら、そして現実的に問題があるなら、
それは自分を縛る呪いになっているのかもしれません。
黒猫を見かけて、
不安で仕方がない。するべきことをやめたり、
良くないことを次々見つけて、引き寄せたり。
指切りげんまんをして、必要以上にそのことを気にしたり、
そのせいでうまく対応できなかったり。
そんなときは、必要に応じて立ち止まる。<今、ここ>にふさわしい「成人」の比率を
上げてみることをおすすめします。例えば、他の国や
文化圏のジンクスについて知る。これなども、対処の一つ。
と言うのも、自分にとって馴染みのない
種類の違うジンクスには、心の中に蓄積された、自動再生される
「子ども」と「親」の「行動・思考・感情」といった、
過去のデータはなし。その分、心の中の
「成人」が活動しやすい。
「そんなバカな・・・」を、事実として捉えやすい。
「成人」比率を上げてから、自分にとって意味のある、問題に
つながっているジンクスに向き合えば、もっと違う方法、
良い落とし所を見つけやすくなります。
では、今回、覚えていただきたいポイントは、
「ジンクスと心の中身」。まずは、気づくこと。
そして、いつもと違う変化を味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
最後に、番組からのお知らせです。
気づくと変わる心理学を、また聞きたいと思った方は、
お聞きのポッドキャストアプリで、番組フォローとレビューを
お待ちしています。フォローしていただけると、
最新話が更新された際、通知が来ます。
また、レビューしていただくことで、番組の改善に
つながりますので、できれば★5評価をお待ちしています。
そして、お聞きのあなたからの疑問・質問・感想も、
さまざまな媒体でお待ちしています。
Spotifyでお聞きの方は、エピソードごとのQ&A画面、
「番組へのメッセージは、こちら」から。
Apple Podcast(アップル・ポッドキャスト)でお聞きの方は、
「レビューを書く」から、コメント付きでレビューできます。
来週も、火曜日の朝6時に更新されます。
お相手は、遠藤美保でした。ありがとうございました。