今回のテーマ、はこちら。『正しい答えと、求める答えのすれ違い。』今回は、「正しい答えと、求める答えのすれ違い。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。今回は、「正しい答えと、求める答えのすれ違い。」について。
コミュニケーションの法則を押さえて答えていても、すれ違いの起きることがある。そのポイントを知ることで、どんな意味があるのか、何が起きているのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」、第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」、第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」とも、リンクするお話です。
好きこそ、ものの上手なれ。皆様、得意な分野で求められて教えたのに、なぜか反応が微妙・・・。そんな経験はあるでしょうか。私の場合、小さい頃から広告の裏紙やら何やらに、しょっちゅう絵を描くのが好きだったもので、それなりに上達し、得意になりました。
小学生の頃などは、学校の休み時間に、よく漫画の女の子の絵を描きながら、同級生に囲まれたりもして。
そんなある日のこと。いつものように女の子の絵を描いていたところ、「その唇、どうやって描くの?本当の唇みたい。」「これ?これはね、こう描くんだよ。」そう言いながら、サッサッサーッ、と描いて見せました。
基本は、曲線の組み合わせ。最初に、閉じた口の部分を、3つの曲線を合わせて描き、次に、上唇の上の部分を、山2つにした1つの曲線。最後に、下唇の下の部分を、1つの曲線で描いて完成。
うまく伝わるかどうか・・・。言葉で表現すると難しそうですが、描くと3秒くらいでしょうか。サッサッサーッ。
「えっ?それだけ?」
「えっ?うん。ほら、さっきと同じ絵でしょ。」
「あっ、あ、う~ん。」
何でしょう。がっかりしているのが、ひしひし、伝わってきます。
「何?何なの?」
頭の中は、ぐるぐる。気持ちは、モヤモヤ。
中学生か高校生の頃にも、似たようなことが。文化祭の準備か何かで、背景となる大きな紙に、吹雪の様子を表現する必要に迫られたタイミング。
「あっ、こうすればいいんじゃない?」と、ひらめきまして。
暗ーく塗って、乾いた状態になったところに、白い水彩絵の具。水を多めにたっぷりつけ、一定の間隔でそのまま筆を置き、ポンポンポン。
ランダムな白い円をたくさん並べてから、今度は乾いたティッシュで、まだ乾いていないその円の上をシャッシャッシャーッ。一定の方向で、勢いよくこする。
すると元の円は良い具合になくなり、視界を遮る吹雪っぽく乱れ、すっかり良い感じ。
同級生からは、
「えっ、すごい。吹雪だ。」反応もとても良く、「どうやって描いたの?」
そう聞かれました。
「あのね、こう描いたんだよ。」たっぷりの水を含んだ白い絵の具を、ポンポンポン。乾いたティッシュで、シュッシュッシューッ。
5秒くらいでしょうか。
「えっ?それだけ?」
「えっ?うん、ほら、同じでしょ。」
「あっ、うーん。」本当に何でしょう。
がっかりしているのが、ひしひし伝わってきます。
「何?何なの?」
頭の中は、ぐるぐる。気持ちは、モヤモヤ。
さて、今回のお話。コミュニケーションの法則から、考えてみます。
改めて、コミュニケーションの法則について。
誰もが心の中に持つ、「親・成人・子ども」の部分。
コミュニケーションは、その「親・成人・子ども」
によって行われるやり取り。そして、そこには3つの法則がある、というものです。誰もが心の中に持つ、
「親・成人・子ども」の内、狙い、狙われたところから反応。
やり取りをするのが、第1法則。違うところから反応。やり取りが一時停止するのが、第2法則。
表面上の社交的なやり取りと、心理的なやり取りが、
別に繰り広げられるのが、第3法則。
今回のお話。同級生同士、
心の中の「子ども」同士が、
「すごい。教えて。」「あのね、こうするんだよ。」そんな、狙い、狙われたところから、反応しています。
それなら、これは本来、第1法則。
いつまでも続く可能性のある交流、「相補交流」とも呼ばれるやり取り。
相互に補うと書いて、「相補交流」とも呼ばれるやり取り。のはず。それなのに、がっかりされて、どうもうまく続いているとは思えない。
唇の絵や吹雪の絵、「どう書くの?」と聞いていた、同級生の心の中の「子ども」には、「何かすごい秘訣があるに違いない。」
そんな期待やら、わくわく感やらがあったのでは?
それに対して、私はあっさり、サッサッサーッ、ポンポンポン、シュッシュッシューッ。3秒、5秒。
「えっ?それだけ?」
実際のところ、それだけ。
聞かれたことへの答えとしては、まさに、答えそのもの。
何も間違えてはいないのですが、あれからずいぶん時が経ち、私自身が逆の立場。
「えっ?それだけ?とか、「えっ?何それ?」という経験も積んだ身としては、
丁寧な伝え方や、プロセス。何なら、あっさり伝えないことも大切だと、実感しています。
例えば、絵の描き方。
質問してきた相手の描き方を見せてもらい、そこにヒントを出すとか。曲線の組み合わせや、筆使いの意味を伝えた上で、答えるとか。
聞かれたからといって、必ずしも、答えなくても良い。
ただ、描いて見せるとか、見せないとか。
狙い、狙われたところから反応する、コミュニケーション。
それは、相手の心の中の「親・成人・子ども」。
狙い、狙われたところへの、言葉だけではない。
期待している価値を実感できる、やり取りの回数や段階なども、関係しているのではないでしょうか。
では、今回、覚えていただきたいポイントは、
「正しい答えと、求める答えのすれ違い。」
まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を、味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
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