1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
  2. #64 同じで違う。気づかぬ変化..
2025-05-27 13:45

#64 同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。

今回は、『同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。」について。

色々な変化の中でも、自分自身については気づきにくい。そんな変化。そこには、どんな意味があるのか、何が起きているのか。気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」

第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」

第32回目「コミュニケーションを一時停止する方法とメリット」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?


<参考図書>

TA TODAY:最新・交流分析入門 第2版

ヴァン・ジョインズ&イアン・スチュワート(著)実務教育出版 2022年9月

※TA・交流分析の教科書とも言える本です。

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いい人間関係が面白いほどできる本

繁田千恵(著) 中経出版 2004年3月

※基本理論がシンプルでわかりやすく表現されています。

 絶版らしく、古書での入手になるかと。

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サマリー

このエピソードでは、自分自身の中で気づきにくい変化やコミュニケーションの手がかりを探っています。特に、心の中の「親・成人・子ども」という、異なる部分がどのように交流し、変化をどのように認識するかに焦点を当てています。

気づかぬ変化の理解
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。」 今回は、「同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。」について。
いろいろな変化の中でも、自分自身については気づきにくい、そんな変化。そこには、どんな意味があるのか。何が起きているのか。気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」、第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」、第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」、第32回目「コミュニケーションを一時停止する方法とメリット」とも、リンクするお話です。
子ども時代を振り返ってみると、こんなことが。
身近な大人は、整理整頓、片付け上手。気づけば、捨てられてしまう。そう。きれい好きで部屋も片付くわけですから、良いこと尽くしのように思えますが、実はそうでもない。
先ほどの、捨てられてしまうという言い方から、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、当時の私は、捨てられないたち。
当時と言ってみたものの、実は今でも、その傾向はあり。
そんなわけで、自分がいない間に、私には大切なものを捨てられてしまうかもしれない。気が気じゃない。
そんな頃、こんな会話に気づきました。私の服を手に持ちながら、「あの子の服、小さくなったね。」「小さくなった。」「〇〇さんちにあげようか。」びっくり。
「え?あげる?だめだめ。」すぐに、ダッシュ。「あげないで。とっておいて。」
「どうして?もうきつくなってるし、着られないでしょう。」不思議そうに聞かれ、こう答えました。
「だって、お人形さんに着せるんだもん。」「え?どういうこと?」
「服、小さくなるんでしょ?どんどん小さくなったら、そのうちお人形さんのサイズになるもん。そしたら、お人形さんに着せるんだから、とっておいて。」
「ん?服が小さくなるって、そういうことじゃないよ。」「え?どういうこと?」
「服のサイズは同じでも、あなたが大きくなってるから、服が合わない。小さくなる、ってことだよ。」
ピタッと止まる会話。頭の中は、しばし、ぐるぐる。
「え?私が大きくなる…。服が小さくなる…。服は小さくなってない…。私が大きくなってる?」
気を取り直して、聞きました。
「え〜、じゃあ、お人形さんのサイズにはならないの?」「ならないね。」「そうなんだぁ…。」がっかり。
社会人になってからすぐの頃には、こんなことが。
上司の内の一人、気さくな方でもあり、よく会話もしていた方。その方がある朝、
「今日、朝さぁ、寝ぼけながら鏡を見て、びっくりしちゃったよ。」「何かあったんですか?」
「いやぁ、今、自分はこうなんだ。老けたなぁ、って驚いちゃってさ。びっくりだよ。」
「あ〜」ピタッと止まる会話。そんなにも驚いていることが、不思議。「毎日、鏡を見てるんじゃないの?」
「どれくらいのつもりだったの?」「そんなに気づかないもの?」
振り返ってみれば、目上の上司として、こちらは当然接していたものの、性格や会話の内容が軽妙で、若々しい。
失礼かもしれませんが、見方によっては、子どもっぽく感じられるやりとりが、多め。少し心配になることも、あったような。まだまだ、若手の気分だったのかも。
頭の中は、しばし、ぐるぐる、ただ、すぐ気を取り直し、
「そういうこと、ありますよね。」とは言ったものの、正直、まだその時は、実感も共感もなし。
親・成人・子どもの交流
今では、実感も共感もたっぷり。ですが。年齢を重ね、体も見た目も変化します。それは多かれ少なかれ、
誰でも平等に訪れる変化。自分は自分。同じでも違う。
気づかない内に、変わっている。違うこともある。自分では、それまでと同じ自分でも、相手からすれば違う。
そのままでは続かない、コミュニケーション。コミュニケーションの3つの法則のうち、
1つ目の法則と2つ目の法則から考えてみます。まず前提として、
私たちの心の中にある、「親・成人・子ども」の状態について。
「親」は、親や親的な役割の人から取り込んだ「行動・思考・感情」が入っている部分。
「成人」は、<今、ここ>にふさわしい「行動・思考・感情」が入っている部分。
「子ども」は、子どもの頃の経験や決断といった「行動・思考・感情」が入っている部分。
「親」と「子ども」は、過去のデータとも言える部分です。
そして改めて、コミュニケーションの1つ目の法則とは、
私たちの心の中にある「親・成人・子ども」。
その「親・成人・子ども」の、ねらいねらわれた部分で反応し合う、やり取りをすること。
これは、ストレートに続く、いつまでも続く可能性のある交流。相補交流、とも呼ばれるやり取り。
相互に補うと書いて、相補交流です。
最初の例。「服が小さくなった、あげようか」から、「だめだめ。取っておいて。」に続く会話。
このあたりは、体が大人で、心の中は「親」部分の人が、体が子どもで、心の中も「子ども」部分の子どもと、相補交流をしています。
「小さくなる」の表現を、不思議に思った間があっても、体は大人と子どもの会話。
基本的な心の中の、「親」と「子ども」の相補交流は、崩れていません。
それは、身体的にも役割的にも、無理がない。自然と続きやすい、相補交流だから。では?
それが、いつしか成長して、身体的には大人になっている。
年上か年下かの違いはあっても、体は同じ大人。
このあたりから、気づきにくさが大きく、状況も複雑になってくるような。
ここで、コミュニケーションの2つ目の法則。
2つ目の法則は、私たちが心の中に持つ、「親・成人・子ども」の中で、ねらいねらわれた部分ではないところから反応すること。
ストレートに続かない、止まってしまうやり取り。
交差交流、とも呼ばれるやり取り。
交差点の交差、という字を使います。
どちらか、あるいは両方が、反応する部分を変えない限り続かない交流、やり取りです。
社会人になってからの、鏡を見て驚く上司と、その驚く上司に驚く、まだ若手の私。
これは理由を聞くまで、最初の会話は、上司と部下。上司の心の中の「親」と、部下である私の心の中の「子ども」が、相補交流をしていました。
ところが、理由を聞いて、ピタッと止まる会話。
私の頭の中の、ぐるぐる。
「毎日、鏡を見てるんじゃないの?」
「どれくらいのつもりだったの?」
「そんなに気づかないもの?」
これは、私の心の中の「成人」が発動。
何なら、「成人」というよりも、「親」目線に切り替わった可能性すら、ある。
「何をバカなことを。当たり前でしょ。」
「え?心配になっちゃうことがあったけど、やっぱり心配した方がいいの?」という、「親」の反応。
いずれにしろ、ねらわれていた「子ども」からの反応ではない。
ねらわれていない、「成人」か「親」部分からの反応。
2つ目の法則で、会話が止まりました。
が、基本は上司と部下という関係性が、土台としてしっかり。
内容も軽い内容でしたから、そこはすぐ気を取り直し、相槌として「子ども」からの反応。
「そういうこと、ありますよねぇ。」と、つなげる流れに戻りました。
どちらか、あるいは両方が、反応する部分を変えない限り、続かない交流、やりとり。交差交流。
その意味では、私が反応する部分を変え、交流を再開。相補交流へと、つながったわけです。
今回の例。年齢による変化を、例として挙げてみました。
居心地の良い相補交流もあれば、居心地の良くない相補交流もある。
自分で気づく変化もあれば、気づかない変化もある。
気づかない変化で、いつの間にか、居心地の良くない相補交流が生まれ、そのうち交差交流が起きるようになったら、それはチャンスかも。
交差交流は、気づかない、気づきにくい変化について、気づくきっかけにもなる。
止まってしまう、相手の間、自分の間。そこには、ヒントがある。手がかりがある。
自分と相手の心の中、「親・成人・子ども」。どこのやりとりが、どう続いたのか、止まったのか。まず、当てはめてみてはいかがでしょうか。
実際のところ、その答えがあっているかどうか、よりも、その当てはめてみること自体に、意味があるかも。
当てはめてみながら、心の中の「成人」の状態が刺激されれば、<今、ここ>にふさわしい、現実的な選択肢が広がる。見つけられる可能性が、高まるからです。
では、今回、覚えていただきたいポイントは、「同じで違う。気づかぬ変化と、気づく手がかり。」
まずは、気づくこと、そして、いつもと違う変化を、味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
最後に、番組からのお知らせです。
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お相手は遠藤美保でした。
ありがとうございました。
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