人生のプログラムと相談
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「人生のプログラム=脚本。相談じゃない、相談。」 今回は、「人生のプログラム=脚本。相談じゃない、相談。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。
その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「人生のプログラム=脚本。相談じゃない、相談。」について。
何かに迷ったとき、したりされたりする、相談。そこには、どんな意味があるのか、何が起きているのか。気づくヒントが、得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」、第3回目「子どもの自分が書き、今も従っている人生脚本」とも、リンクするお話です。
皆様は、相談する方ですか?される方ですか?そもそも相談なんてしない、そんな方もいらっしゃるでしょうか。
大学生になった頃、私は、あるサークルに所属していました。確か、いくつかの分科会に分かれ、それなりに交流も盛ん。
夏の合宿などもあり、先輩、同級生もいて、なかなか楽しい活動。
もともとは、大学生になってすぐ、学内を歩いていて勧誘され、何気なく入ったサークル。
部活とは違う、サークル活動というものへの憧れもありましたし、部屋で集まり、仲良くわいわい活動するのは、その憧れ、大学生らしいイメージとも合っていて、充実した体験でした。
そのまま何事もなく2年3年と過ごしてもよかったわけですが、1年が過ぎた頃、よくあることだとは思いますが、他に試してみたいことや、あれこれ思うところもあり、「やめようかな。どうしようかな。」と、考え始めたタイミング。
やめようか、どうしようかということを、何人かに相談。
詳細は覚えていないのですが、ざっくりしたところで言えば、同じサークル内の先輩や同級生からは、基本的にはやめない方が良いという流れの中で、「やめてどうするの」とか、「大学がつまらなくなるよ」とか。
サークルと関係のない人からは、基本的には自分が決めれば良いという流れの中で、「それも良いんじゃない」とか、「大学の時だからこそできることもあるよ」とか、「こんなこともあるよ」とか。
同じサークル内の先輩からは、ありがたいことに、強めに引き止めていただいたのですが、その時、素朴に思ったことがあります。
「先輩はサークルにいることを選んで、居続けているわけだし、やめたことがないから、やめた後のことは分からなくて当たり前だな。
うん、そりゃそうだよね。
本当に相談するなら、やめたことがある人とか、サークル以外の人かな。」
本当に相談したいのか、実は話を聞いてほしい、やりとりを重ねたい。相談じゃない、相談をしたいのか。
そこには、自分自身の、あるいは周囲の持っている、人生のプログラム=脚本が、見え隠れしているかもしれません。
ここで改めて、脚本とは。承認欲求を満たす刺激=ストロークを得るため、私たちが小さな子どもの頃、自分で書き、大人になったら、その存在すら覚えていないのに、そのまま今も従っている。始まりがあって、終わりがある物語。人生のプログラム、とも言えるもの。
合理的ではない、行動・思考・感情をしている時、この脚本が関係している可能性が高い。それほど、私たちの土台になっているものです。
やめようか、どうしようか。相談するのは、誰でもよくあること。ただ、無意識なのか意識的なのか、いずれにしろ相談相手を選ぶのは、自分。違う相手を、選んでもいい。自分にも相手にも、脚本があります。
それぞれの脚本は、外から見える、その人の選択、行動で、ある程度は読み取ることができるもの。その上で、誰に相談するのか、しないのか。実のところ、自分が求める答えを言ってくれそうな人ばかり選んで相談している。
選ぶ人が偏っているなら、それは相談じゃない、相談。答えは、自分の中にある。自分自身の脚本を進めているだけかもしれません。人生のプログラム=脚本は、絶対的で普遍のものではなく、相対的で、変化させられるもの。
脚本の見直しと選択肢
自分で修正することも、書き換えることもできる。そのまま、脚本を進めてもいい。ただ、何か問題があるなら、違う解決策を見つけたいなら、相談相手や場所、内容について、見直してみるのもアリ。
いつもの自分の脚本とは、無関係な場所、相手、環境などなど。相談先の選択肢を増やしてみるのも、脚本に気づき、見直す、良いきっかけの一つ。活用できるものは、すべて活かす。そして、<今、ここ>に合う、居心地の良い脚本にしてみてはいかがでしょうか。
では、今回、覚えていただきたいポイントは、「人生のプログラム=脚本。相談じゃない、相談。」 まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を、味わってみませんか?
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