1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
  2. #61 同じで違う。時間の過ごし..
2025-05-06 13:51

#61 同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。

今回は、『同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。」について。

誰もが求めている、承認欲求を満たす刺激=ストローク。そのストロークは、時間の過ごし方と大きく関係しています。そのポイントを知ることで、どんな意味があるのか、何が起きているのか。気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第25回目「タイムマネジメントと承認欲求の関係」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

今回のエピソードでは、同じ時間を過ごす中での心のエネルギーの変化について考えています。特に、承認欲求と時間の過ごし方の関連性を見つめ直し、実体験を通じて学んだ重要なポイントを紹介しています。

心のエネルギーと時間の過ごし方
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。」 今回は、「同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。」について。
誰もが求めている、承認欲求を満たす刺激=ストローク。そのストロークは、時間の過ごし方と大きく関係しています。
そのポイントを知ることで、どんな意味があるのか、何が起きているのか。気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」、第25回目「タイムマネジメントと承認欲求の関係」とも、リンクするお話です。
社会人として、若手だった頃のある夏。どんより、非常にブルーな気持ちになることがありました。
今となっては、理由は何だったのか、内容は全く覚えていませんが、仕事に関係していたはずなので、何かしてしまったのか、逆に、必要なことをしなかったのか。辺りでしょうか。
いつもは、元気で明るい方だったと思いますが、傍目にもわかるくらい、どんより。
ちょうど、夏休みシーズン。色々良いタイミングも重なり、確か10日の夏休みを取れることに。そこは、ラッキー。
「はぁ。じっとしてよう。あと数日の我慢。」 夏休み中は、とにかく、ず~っと閉じこもる。どっぷり浸る。そう決めていました。
そんなとき、身近な目上の方から、「飲みに行こう。」と、お誘い。
何分、どんより中だったので、多少腰は引けていたものの、相手はいつもニコニコ温厚な、人望のある方。
「あと少しで夏休みだし、きっとおいしいものをご馳走してもらえそう。」という、食いしん坊欲求もあって、ご一緒することに。
期待通り、おいしいものをご馳走になりつつ、その内、その方から、
「で、夏休み中はどうするの?」さりげなく、自然に聞かれました。
「いやぁ、今すごく落ち込んでて、何もしたくないもので、ずっと家にいて閉じこもります。」
「えっ?ずっと?」 「はい、ず~っと。今回は、どっぷり浸りたいんです。」
「10日も?」 「はいっ。」
明るく、多少冗談めかして答えたものの、至って本気。
すると、「あれだな。10日もあるし、お互いに本を10冊読んで、休み明けにその本を交換しようよ。感想も知りたいし。」
そんな提案をされました。
「えぇ?10冊ですか?」
「そう。10冊。」
「どんな本をですか?」
「何でもいいから。」
「何でもですか?私、本読むの遅いんですけど。」
「まあ、いいじゃないの。」
「うーん、はいぃ。」
なぜ、そんな流れになったのか。そして、どうして承諾することになったのか。今となっては、よくわかりません。
ただ、なんだかんだで本を10冊読んで、休み明けに交換会をする約束をして、その日はお開きに。
「あー、どっぷり浸って閉じこもりたいのに。本10冊?」
「よしっ。思う存分閉じこもるために、最初にさっさと済ませよう。」
「まずは、本10冊、用意しなきゃ。何でもいいんだから、薄い本とかにしちゃおうかな。」
「図書館で借りた本では、休み明けの交換会で、又貸しすることになってしまうので、買うしかないかな。」
いそいそと本屋へ行って、物色。
薄い本を目指していたはずなのに、どうせ読むならと、興味のある本。それなりに厚みのある、価格は手頃な文庫本など見つくろい、本10冊の準備完了。
夏休みになるや否や、
すぐダッシュで、読み始めました。1冊、2冊、3冊、
中には薄い本もある。4冊、5冊、6冊、
上下巻の本もある。7冊、8冊、
感動、泣いたり笑ったり。9冊、10冊。
「やったぁ!読み終わったぁ。」
気づけば、10日。夏休みは、終了。
どっぷり浸って、閉じこもる。ずっと家にいましたので、確かにその点では、これは最初の目標通り。
同じ?はずだけど、違う。
「ん?こういうのじゃなかったはず。」
ただ、すっきりすがすがしい気持ち。
「あれ?まあ、とにかく約束は果たそう。」
休み明け、読み終わった本10冊を持参。
その約束自体を提案してくださった、
目上の方目掛け、
6つの時間の過ごし方
「お約束通り、本10冊、読みました。交換しましょう。」
すると、その本を見ながら、
「読んだの?
ああ、そういう本を読んだのか。
よかったな。
交換はまあ、いいじゃない。
そしたら、またな。」
ニコニコと、遠くに。
「えっ、本は?
交換は?最初から
交換するつもりなんてなかったの?
やられた。」
そう思いつつも、「そうかぁ、
心配してくださったんだな。その上での提案かぁ。」
「あっ、交換しないなら、
図書館で良かったのに。」
「まあ、でも、読書に集中したおかげか、なんだか
明るく前向きな状態になっている。
うわあ、すごい人だなあ。」結果として、私の心のエネルギーは
たっぷり充電されていました。さて、
長々とご紹介してまいりました、この出来事。
「6つの時間の過ごし方」から、考えてみることにします。
改めて、「6つの時間の過ごし方」とは、
正式には
「時間の構造化」と言いますが、
引きこもり、withdrawal、
儀式、ritual、
暇つぶし、pastime、活動、activity、
心理的ゲーム、game、
親密さ、intimacy、
日本語英語ですみません。
それぞれを、ざっくり簡単にお伝えします。
「引きこもり」は、他の人と交流しない状態。
仮に周りにたくさんの人がいたとしても、
その人たちと関わらず、自分の中だけにこもっていれば、
これは引きこもりと言える。
「儀式」、ここからは
人と関わるわけですが、
承認欲求を満たす刺激=ストロークを、
おなじみの決まった形で交換する状態。
挨拶を交わす。名刺交換をする。
飲み会の始め、とりあえずの乾杯などは、
これに当たります。「暇つぶし」は、
その場で同じ時を過ごしますが、
特に何かの目的や目標を持って、
行動するわけではない状態。
世間話や、とりあえずの近況報告など、
英語の原文では、
Pastime という単語、これがしっくりくる過ごし方。
「活動」は、目的や目標、
ゴールを目指してする過ごし方。
仕事や何かを目指して過ごす時間。
例えば、子どもを無事に成長させることを目指している、
子育てなども、この
「活動」ではないでしょうか。
「心理的ゲーム」は、最後に
嫌~な気持ちを味わう、こじれる関係、
やりとりをしている状態。
承認要求を満たす刺激=ストロークは、何もないよりはマシ。
ネガティブでも何でも取りに行く、
という特質がありますが、そのネガティブな
ストロークを、確実に得られる過ごし方。
最後の「親密さ」。
これは、お互いの本物の感情や欲求を、
素でやりとりするもの。
最上級のやりとりです。
先ほどの例。
夏休みの10日間、基本的に、私はずっと家にいました。
最初に予定していたのは、
どっぷり浸って閉じこもる。
「6つの時間の過ごし方」で言えば、これは
「引きこもり」。ところが、ご提案を受け
予定が変化。夏休み中に、本10冊を読破。
休み明けに、交換会をする。
そこを目指した時間の
過ごし方。
これは「活動」です。
家に居る、という意味では、同じ。でも、違う。
「6つの時間の過ごし方」。
これらを承認欲求という点から見ると、
承認欲求を満たす刺激=
ストロークの指数、濃度というものが、
順に上がっていきます。
最初の「引きこもり」は、最小。
後半になるにつれ次第に上がり、最後の「親密さ」が、最大。
「引きこもり」よりも、
「活動」の方が、
ストロークの指数、濃度は上。
家にずっといて、どっぷり浸って閉じこもることと、
家にずっといて、本10冊を読んで、
交換する約束を果たすこと。
それは、同じで違う。
得られるストロークの質と量が、格段に上がる違い。
心にたっぷり、エネルギーが貯まります。
同じように見えても、
その過ごし方の意味するところは、
違うかも。
ぜひ一度、今、どこで、どれくらい、誰と、あるいは
どんなグループや組織と、
どんな時間を過ごしているか、見直してみてはいかがでしょうか。
心にとって、空気や
食べ物と同じくらい必要なもの。
なくてはならない、ストローク。
このストロークを、安定的に確保したい。
できれば、ストローク指数の高い
過ごし方をすること。
ストロークの源、ストローク源を、
いくつかの場所、相手、グループとの関わりなど、
複数確保すること。を、おススメします。
ちなみに、「6つの
時間の過ごし方」。この順番は、
私たちが心の中で感じるリスクとも
比例しています。その場合は、
「引きこもり」が、リスク最小。誰とも
関わらないので、基本的には、
拒絶されたりするリスクもなく、
安全に感じられる、ということ。
「親密さ」は、本物の感情や欲求を
伝え合い、拒絶されることもある。
その分、心の中で感じるリスクも、
最大。そのときの状況や状態に
よっては、「引きこもり」が、有効な
場合もあるかもしれません。
この辺り、ご興味のある方は、
第25回目「タイムマネジメントと
承認欲求の関係」を、聞いてみてください。
では、今回、
覚えていただきたいポイントは、
「同じで違う。時間の過ごし方と、心のエネルギー。」
まずは、気づくこと。
そして、いつもと違う変化を、
味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。
最後に、番組からのお知らせです。
気づくと変わる心理学を、また聞きたい
と思った方は、お聞きのポッドキャストアプリで、
番組フォローとレビューをお待ちしています。
フォローしていただけると、最新話が
更新された際、通知が来ます。
また、レビューしていただくことで、
番組の改善につながりますので、できれば
★5評価をお待ちしています。
そして、お聞きのあなたからの
疑問・質問・感想も様々な媒体で
お待ちしています。Spotifyでお聞きの方は、
エピソードごとのQ&A画面、「番組への
メッセージは、こちら」から。
Apple Podcastでお聞きの方は、
「レビューを書く」から、コメント付きでレビューできます。
来週も、火曜日の
朝6時に更新されます。
お相手は、遠藤美保でした。ありがとうございました。
13:51

コメント

スクロール