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2024-11-27 36:31

[番外編 #07] 頑張れ!スタートアップ!LINEヤフー株式会社 川邊健太郎会長に訊く大企業の倒し方

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おかげさまで放送1周年!初の外部ゲストとしてLINEヤフー株式会社の川邊健太郎会長が登場!学生起業からヤフーに加わり、業界の成長を支えてきた川辺さんが、大企業ならではの「粘り強さ」や「社会的責任」をテーマに、インターネット業界の変遷と、スタートアップが大企業に挑むための秘策を語ります ▼参考リンク ・「もしも銀座に、津波が来たら?」 ヤフーが屋外広告に込めた想い https://www.advertimes.com/20181005/article278297/ ・ヤフー川邊氏があえて教える「大企業の倒し方」 ベンチャー企業が取るべき3つの戦略を説く | ログミーBusiness https://logmi.jp/main/startup/254868

▼川邊健太郎 Xアカウント:

https://x.com/dennotai

▼「s07 Netflix編」再生リスト: Spotify https://spoti.fi/3Xxnm46 Youtube Podcast https://bit.ly/3AX3tdQ ▼全シリーズ再生リスト: https://spoti.fi/3zxsWd3 ▼MC: 尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara 京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞 ▼サブMC: けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。 ▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。 https://forms.gle/bHQjcgjCCQkFEFDg9 ▼音声編集:株式会社BOOK ▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

サマリー

このポッドキャストでは、LINEヤフー株式会社の川邊健太郎会長がスタートアップの重要性や日本のインターネット業界の発展について語ります。彼は自らの起業経験やYahooとの関わりを通じて、ユーザーの反応と社会的責任についての考えを示します。本エピソードでは、LINEとYahooの背景、特に災害時における企業の役割やスタートアップの戦略について議論されます。また、スタートアップが大企業に打ち勝つためのリソース集中や情報管理といった戦略も紹介されます。川邊会長は、スタートアップの成功や大企業を倒すための戦略について、隠すべき情報や採用の重要性、創業したてのオーラの力に焦点を当てています。特に、ニッチ市場での強みを活かしながら、長期的なテーマ選びが不可欠とされます。川邊会長はスタートアップの挑戦やマーケットのトレンド変化について語り、特にAIや人手不足の問題に焦点を当てています。

川辺健太郎の紹介
尾原
ハイパー起業ラジオ!
けんすう
ハイパー起業ラジオ!
というわけで、今日は番外編になります。実はこの放送で1周年なんですよね。
尾原
そうですね。ちょうど1年前の11月22日に開始をさせていただいて、なんと1周年になりました。
けんすう
1周年になりました。ありがとうございます。
ありがとうございます。
そしてそれを記念して、初めて外部の方をゲストにお呼びしてお話し聞こうかなと思っています。
前回はプロデューサーの樋口さんに出ていただいたんですけれども、本当に外部ゲストというのは今日で初めてです。
尾原
初めてなんですよね。ドキドキですよね。
けんすう
というわけで早速ご紹介したいと思うんですが、本日のゲストはLINEヤフー株式会社代表取締役会長の川辺健太郎さんです。よろしくお願いします。
川邊健太郎
川辺です。どうもよろしくお願いします。LINEヤフーです。
けんすう
知らない方はいないと思うんですけれども、自己紹介もほぼそこそこでググってくださいで、情報出ちゃうかなと思うので。
川邊健太郎
そこはYahooで検索してくださいと言ってほしかったですね。
尾原
確かに。
けんすう
失礼しました。
というわけで早速お話聞いていきたいと思うんですけれども、まさに検索していただくとわかると思うんですが、川辺さんはもともと大学生の時に起業されて、
その起業が当時のYahooに買収されて、そこからYahooの中でプロデューサーなどを経て今のポジションに行かれていると思うんですけれども、
ご自身的にはやっぱりスタートアップ業界の人っていう感じが強いんじゃないかなと思ってるんですが、その認識であってますか。
川邊健太郎
もちろんです。出自は自分が学生起業家でしたし、その後の入ったYahooないし、ソフトバンクグループもずっとスタートアップのつもりでやっている集団ですから、
やっぱり日本をあるいは世界を活性化させて元気にする存在っていうのはスタートアップであり、そこに自分も身を置いていたいという気持ちがずっと強いですね。
けんすう
なるほど。でも例えば他の人って大企業の中にいてもう一回自分で起業しようみたいな道を選んでいる人もいると思うんですけれども、川辺さんってもうずーっとその中にいてスタートアップ的なことをやってるっていう感じですよね。
川邊健太郎
そうですね。
けんすう
それって理由はあるんですか?
川邊健太郎
たまたま僕が起業したのは1995年でして、いわゆる商用インターネットの世界っていうのが出てきたのがその年だと思うんですよね。Windows 95が出たのがその年ですから。
そうするとその1個の会社が大きくなるとかいうのもそうでしたけれども、産業そのものが生まれてインターネットサービス産業ですよね。これが生まれて大きくなっていったのとほぼほぼ自分が働いていた期間同じなんですね。
来年で私起業して30年経ちますけれども、この30年間にインターネット業界っていうのは生まれて大きくなっていったので、産業そのものを見てきた感じが強いんですよ。
そうすると当然この産業って誰が作ったかというとスタートアップたちが作ったことは紛れもないですけれども、一方でその中で大きくなっていった企業がこの業界を中心にいたっていうのも紛れもない事実だと思うんですね。
その代表格がおそらくはそのテックジャイアントと言われるGAFAMの企業なんですけども、その中にあって日本においては楽天ですとかリグルートですとかあるいはソフトバンクヤフーなんかがそういういわゆるテックジャイアントに一致する会社だったと思うんですよね。
そうするとそっちに身を置いている方が業界そのものを牽引しているとか作っているという感覚がすごく強かったんで、正直そっちの方が面白くて夢中になってやってたらあっという間に30年経ってしまったと。連続企業をしている暇がなかったと。そんな感じですかね。
ユーザーの反応と社会的責任
けんすう
なるほど。そうですね。95年から今ちょうどインターネットが発展した30年ですもんね。
川邊健太郎
そうですね。たぶんこの番組なりこの2人で1年間話し続けてたでしょ。それだけでこの2人が話し続けてるってちょっとキモいですけども。
同じようにね。たぶんここで1年間話してきたような情熱とか夢とか熱意とかそういうのを持って当時未来予測をしてたわけですよね我々。実際本当にそこで予測をしてた通りになったしむしろ予測を超える何十倍も超えるほどにこの情報革命みたいなものが進んだので。
けんすう
それにずっと第一線で見置き。やっぱりお二人もそうでしょうけども。私はユーザーの反応中なんですよね。反応中ってのはオタク用語ですよね。反応中毒ですね。
川邊健太郎
やっぱりユーザーの反応中なんで何千万人の人にこのサービスを届けて反応を得られるっていうのはやっぱり大きなヤフーみたいな会社にいたからこそずっと得られてた反応中毒だったんじゃないかなと思いますね。
けんすう
でもヤフークラスになると反応がもう本当に大規模すぎて社会的責任とかも大きいじゃないですか。そういったところで何かやりづらいなぁみたいなことってないんですか。
川邊健太郎
社会が求めることであれば人々が求めることであればそういったリスク管理みたいなものとか個人情報の管理みたいなものはもちろんちゃんとやるべきかなと思っています。
これもインターネット産業の発展と連動した話だったかなというふうに思っていて、私が最初に電脳大というスタートアップをやったときに作ったサービスじゃないですけど試みでおばサーチエンジンっていうのがあったんですよね。
カラオケのシダックスのロビーにていろんなおばさんの顔を撮りまくっていろんなおばさんの顔を検索できるっていう画像検索の走りみたいなサービスをやってたんですけども、こんなの今絶対ダメですよね。
おばサーチエンジンなんて無許可でおばさんたちの顔をいっぱい上げまくってましたからね。
フェイスブックも実はあれですよね。ハーバード大学のミスコンというか、どっちの顔が好きっていうのを生徒の名簿の写真を使ってどっちのが好きっていうのを単にひたすら見ていくみたいなサービスが始まっていて、あれも個人情報のハックそのものでしたよね。
そういうのことが許されていた時代からだんだん影響力が大きくなっていって、そんなのやっちゃダメよともっと安全に管理しなさいとか、そのデータは個人のものですっていうデータナショナリズムみたいなところまで含めていろんなことが起きてきた30年だったし、それは発展していく上では避けて通れないことだったんじゃないかなと。
だから逃げるんじゃなくて真正面から受け止めてきちんと社会的に包摂していくっていうのはYahoo!がやってきたことかなと思います。
けんすう
確かになんかYahoo!ニュースとかにコメント欄ついた時、僕とか結構衝撃的でこれYahoo!できるんだと思った記憶がありますね。
川邊健太郎
Yahoo!に25年いるわけですけれども、これは自分じゃなかったらできなかったって仕事は2つぐらいあって、そのうちの1つがヤフコメですね。
あれは私がニュースってそれまで記者クラブとかいろんな構造があって、ニュースは提供される側と提供する側しかなかったわけですよね。
そこの双方向性がなかったわけですけれども、ニュースに基地つけんなみたいな文化が既存メディアの中ではあったわけですけれども、それに双方向性を与えるのがインターネットカンパニーとしての使命であると勝手に捉えて、
まさに真正面から情報提供元をくどいて、あの手この手でコメントを入れていった。しかも最初に対応してくれたのはG通信社だけでしたけれども、その後粘り強く各社をくどいていって、今やカナエのニュースにそれがつくようになったというのは、
自分の仕事のスタイルが粘り強さとか、そういう使命感とか、そういうのでやっている側面が強いので、あれだけは自分じゃなかったらできなかった仕事かなと自負しています。
けんすう
なるほど、今コメントがないヤフーニュースなんて考えられないですもんね。
川邊健太郎
いわゆるステキニスといわれる粘り強さがあれがあることによって生まれてます。
けんすう
そうですよね。同じニュースをもう1回見に行こうとなりますもんね。
川邊健太郎
そうですね。世間相場を知れるっていうのが大事なことかなと。
けんすう
ちなみにもう1個の仕事って何ですか?その2つのうちの。
川邊健太郎
2005年だったかな。もともと私が起業したきっかけの大きな1つは阪神大震災というのがありましたけれども、その後2004年か5年に新潟中越地震というのが起きて、同じ年にバンダーチェの大津波が起きて、また災害がクローズアップされたのが2004年か5年なんですよね。
その時にパッと思って、もうその頃スマホじゃなくて携帯インターネットも十分小原さんたちのご尽力により流行ってましたから、テレビとか見てなくてインターネットばっかり見てる人たちって津波のことを知らないでいきなり津波に遭ってしまったりするんじゃないかなと思って。
緊急地震速報、緊急地震速報じゃないですね。いわゆる今ヤフーとかの全画面に震度3以上の地震があると、地震がありましたみたいのが出たりですとか、あと津波警報が出ると出っ放しになりますよね。ヤフーとかLINEの画面に全部。あれを私が2005年にやったんですよね。
その時のパッションはやっぱりずっと今話してきてるようにインターネット産業がどんどん浸透してきて、既存メディア見ないでインターネットばっかり見てる人たちが出現したときに、この人たちにこれから津波があるよっていうのを教えなきゃいけないみたいな使命感があって。
だけど全画面に、全ページにそういう震度速報とか津波警報出すのってすごい大変なんですよね。社内調整が。どうやってやろうかって考えたときに、そんなタグが入ってないわけですよね。全ページに。
だけど唯一入ってたのがあったんですよね。それは我々ヤフーが広告ビジネスで生計を立ててたんで、広告のタグだけは全部のページに入ってたんで、その広告のタグを一定時間。震度速報だったら1分間とか。
その間は広告をカットして、こういう地震がありましたっていうバナーを出すっていうのをやったんですよね。津波警報に至ったら1時間とか2時間とか平気で出てて、その間広告出なくなっちゃうわけですよね。
技術的にはそういうことはできるけど、広告部門あるいは経営サイトとしても売上が減るようなことをできるかみたいな感じで大反対になるわけですよ。
これを先ほどから申し上げているような使命感と粘り強さで何とか出すようにしたっていう。
尾原
なるほどね。
LINEとYahooの起源
川邊健太郎
これすごいカロリーのかかる社内調整なんで。
これも手前ミスで恐縮ですけども、自分じゃなかったらできなかったかなと。今でもこれは残ってる機能ですから。
尾原
それの着想ってのが、神戸の地震の後のインドネシアのバンダーチェですよね。津波に乗陣だ。
今でもヤフーさんの素晴らしいのが問題解決エンジンっていうふうに設定されたときに、
確か東日本大震災の何年後かに銀座で津波の高さってこのぐらいだったよねみたいな広告出されたじゃないですか。
はい、出しました。
あれものすごいかっけえなって思って。その辺のルーツって結構今のエピソードの中からつながってくる話なんですよね。
川邊健太郎
そうですね。そもそもインターネットの普及のひとつのきっかけは阪神大震災で、
あのときVネットっていうボランティアネットワークっていうのが。
KOのやつが。
黒坂達也さんとかが学生時代中心になってて、僕もそれのオフ会みたいなのに当時95年行ったんですけど、
黒坂さんは非常に学生なのにその目でかっこいいなーって思って見てたんですけども、
あのボランタリーなね、特に日本の場合は災害対国ですから、そのボランタリーな何かが何に効くかって言ったら災害時の支援に効くわけで、
その辺が誰しもルーツになってるんですよね。
ですから災害っていうことに関して非常にそのYahooの場合はそのライフエンジン中コンセプトも含めてセンシティビティが高い。
それがLINEと系統することによってLINEもまた東日本大震災をきっかけに生まれたサービスですから、
この辺りをやるという情熱は非常に強い会社ですね、うちは。
スタートアップの勝つ方法
けんすう
一方でそのスタートアップから見ると、LINEやYahooさんってすごい大きな企業なのに、
新しいサービスとかもどんどん開発されて、しかも当ててくるみたいな風に見えていて、
正直ちょっとLINEやYahooに優秀な人が多すぎて勝てないみたいな声も聞いたりするんですよ。
これちょっとスタートアップ側に川上さんがいたとして、
LINEやYahooみたいな会社があった時にどう戦うべきかみたいなお知恵ってお借りできないですか?
川邊健太郎
そうですね、今のこのケンスさんの問題設定に関して一旦ちょっと結論を2つ言うとね、
一つはそんなことないですよ、勝つ方法ありますよっていう話が一つと、
もう一つはいや我々だって今度もっとでかい、我々の自家総額で言うと100倍差のあるテックジャイアントと戦わなきゃいけないんで、
優秀な人を集めて経営統合までして戦ってるんですよっていう、その2つの側面があるわけですね。
2つ目の話はちょっと置いておくとして、1点目の話をするとそんなことない、勝てますよということですけども、
以前ですね、私はいつだってスタートアップの味方だと思ってますんで、
本来その手の内を明かすみたいなのは良くないんですけども、
2018年のIBSの道場っていうところで、スタートアップによる大企業の倒し方っていうプレゼンをして、
それが今でもかなりYouTube上で見られてますんで、詳しくはぜひそちらをご覧いただければと思いますけれども、
3つあると思うんですよね、スタートアップによる大企業の倒し方っていうのは。
1つ目はリソースの集中ですよね。
これはそもそもスタートアップとは何ぞやっていうことですけども、
何かしらのニッチなマーケットを作り上げていって、そこでの圧倒的なドミナント化していって、
企業として横展開して大企業になっていくっていうのがスタートアップの定義だと思うんですよね。
ニッチから始まり横展開によって大企業になっていくと。
ニッチのままで終わったらおそらくそれは中小企業っていうことなんだと思うんですけども、
そのニッチがいっぱいあるわけですよね、インターネットの場合は新大陸が1個生まれちゃったみたいなもんですから。
どれが大きくなるかわかんないわけですよ。
まさかSNSがここまで大きくなるなって誰も思ってなかったですよね。
だって人の雑談ですよ。
人の雑談がこんな大きくなるなって思ってなかったわけで、
それはそこが大きくなると信じてそこにのみリソースを投入しているミクシーとかフェイスブックとか、
そういう会社が勝ったわけですよね。
一方で大企業っていうのは当時SNSが出てきた頃でいうと、
例えばeコマースとかものすごいやらなきゃいけないとか、
検索がもっと大きくなるから検索にもリソースを割こうとか、
川邊健太郎
あるいはメディアのサービスでいうと動画化しようみたいなこととか、
いろいろなニッチがいっぱい発生してて、
どれが勝つかわかんないけどもリソースは大企業があるわけなんで、
どれにも参入したんですよね。
けんすう
なるほど。
川邊健太郎
そうするとリソースが分散されるので、
例えばの例で言うとスマートニュースが、
再びアプリというユーザー体験の中でニュースを再編してた時に、
おそらく多分200人とか人雇ってやってたと思うんですよね。
40億円とかすごい資金調達をして、
ニュースだけに200人とか投入するわけですよ。
一方でヤフーニュースは当時も非常にジャイアントでしたけども、
ヤフーの場合は数千人の社員の中で120ぐらいのサービスやってるわけですから、
割る120しちゃうだけでスマートニュースのニュースにかけるリソースに対して、
ヤフーニュースにかけてるリソースっていうのは多分半分ぐらいしかいなかったはずですよね。
けんすう
確かに。
川邊健太郎
そうすると局地戦においてリソースを集中してるスタートアップと、
常に局地戦においてリソースが分散的である大企業だと、
実はその一対一で見た時にはスタートアップの方がリソースが多いってことがある。
はいはい。
おまけに昔は資金調達ができなかったんですけど、
今はもうVCが発達してきていくらでもその軍資金も投入できるので、
これが一つは勝ち方としてスタートアップの人たちが勝てる方法としてあるかなと思ってます。
情報の重要性
けんすう
確かにリソースで大企業に勝てないと思いがちだけど、
集中すると普通に勝ってるってことですね、お金も人も。
川邊健太郎
これは戦い方でももう有名ですよね。
それはコテンラジオ見てもらえればと思いますけども、
ハンニバルの時か、スピキュアアフリカヌスがハンニバルと戦った時に、
ハンニバルは軍隊3つぐらいに分けてたんだけど、
スピキュアアフリカヌスは全部一軍にまとめてその3つを個別に叩いてたわけですよね。
そうすると全軍としてはハンニバル軍の方が多いけれども、
一対一の局地戦でいうとスピキュアアフリカヌスの方が人数が多かったみたいな、
そういうことが起きるわけで、
これはリソースが分散しがちな大企業に対してスタートアップができる、
まず必ずやるべき戦い方ですよね。
2つ目が情報を隠してしまうということで、
上場前までは開示しなくていいですよね。
官報で開示があるだけで、情報を開示しなくていいわけですよね。
逆に言うと上場している大企業っていうのは、
IR活動を通じて3ヶ月ごとに細かなKPIまで含めて、
自分たちの戦い方と進捗状況を公開しちゃってるんで、
今こういう状況なのねとか、こういうふうに戦おうとしてるんだっていうのが、
手に取るように分かってしまうわけですよね。
一方で大企業から見たニッチな、ある局地戦においてリソースを集中させているスタートアップは、
何をそこで行ってるか全然分かんないんですよ。
我々が苦戦したのはやっぱりメルカリで、
メルカリがその当時、ヤフオクがセリのコレクションアイテムの中古のC2Cをやってたのに対して、
メルカリは固定価格の処分品ニーズのC2Cの中古品販売をやっていて、
全然違うマーケットになりつつあったんですけども、
そういうことは今後知恵で振り返って言ってるだけであって、
当時は何が起こっているのかさっぱり分からなかったんですよね、数字がないので。
こっちが奪われているのか、新しいマーケットが誕生しているのか、
よく分からない中でメルカリがどんどん大きくなってしまって、
後知恵で考えると、我々と違うことをやってたんだと。
処分品の固定価格の中古マーケットという違うことをやってたんだとしたら、
こっちはイノベーションのジレンマみたいなことは起きないので、
思いっきりそっちにも参入すればよかったのに、
ヤフオクみたいなことをやってるんじゃないの?
みたいな感じでイノベーションのジレンマが起きて、
こっちは上手くメルカリ対策ができなかったみたいなことが起きていて、
これも何もかも情報がないことによって起きてたんですよね。
けんすう
なるほど、情報がなかったからヤフオクとカニバるんじゃないかと思って、
参入があんまりできなかった。
川邊健太郎
これは話でいい話なのか分からないけれども、
このポッドキャストほとんど誰も聞いてないって話を聞いてますから。
そんなことないですよ。
話しておくと、この間タイミーの小川君と結構議論したんですよね。
小川君は上場1年かな、遅らせたんですよね、確かね。
ついこの間上場したんですけども、
この1年の遅れっていうのは組織的には上場を目指してたから、
1年遅れっていうのは結構ストップオプションをもらってる人たちの
失望感も含めていろいろあったけど、事業的に見ると
あの分野のショットワークの分野のいろんなことが
けんすう
今参入してる競合ですよね、メール借りだとかリクルートだとか
そういうところにバレなかったということによって
川邊健太郎
決定的に重要な1年だったっていう総括をこの間知ってたんですよね、彼が。
なるほど。
僕はそこで自分がやっぱりIVSで行ってたこと間違ってなかったなと
すごい確信したんですけども。
情報を隠せるっていうのはものすごい強みなんで、
競合に勝つための情報管理
川邊健太郎
今結構、今も私B出しキャンプに参加するために
福岡に来てこの収録してるんですけども、
結構その今年は特に何て言うんでしょう、
ちょっと言葉は悪いですけど骨粒な状況が多かったと思うんですけども、
本当はその隠せる期間を大いに活用して
けんすう
かなりデカいっていうか競合が追いつけないぐらいのところまで
隠れて成長しちゃってからIPOする方が
僕はいいんじゃないかなと思ってますよね、大企業の倒し方として。
川邊健太郎
っていうのが2つ目ですね。
でもタイミング見てまさにと思ったのがやっぱりうまくいってるなってなってから
ウェルカリもリクルートも参入してきたんですけど
やっぱバレるとそういうことになるんだなっていうのはすごい思いますね。
バレるのが早いと、これすごいブルーオーシャンなんだとタムもデカいと
尾原
戦い方こうなのねってバレちゃうとあっという間に大企業が参入してきますから
バレないで過ごして強みを作り抜いちゃうっていうのがすごい大事。
これ上場するとバレるっていうのは1つあると思うんですけど
他に何か情報を隠すべき、隠すために何やったらいいかとかってありますか?
あとはもう不眠症っていうか転職によってバレちゃうことが
当然その辞めた人は一応手費義務結んで辞めるでしょうけど
ニュアンスの中でわかっちゃうわけですよね、人が移れば。
川邊健太郎
やっぱりその期間はなるべく人が辞めないようにするっていうのは大事なんじゃないでしょうかね
ストックオプションとか使って
だから小川くんのさっきの話はすごい迫力ある話なわけですよね
人が去られちゃって情報がバレるリスクと
一方でIPを延長することによって情報がバレないリスクと
両方をハラハラドキドキしながらやって
結果を追いつけないところまで行ってから上場してるっていうことを
なるほど確かに
ストックオプションがあるからその1年で辞めちゃって情報が漏れる可能性もあったけれども
ストックオプションをもう辞めてどっか行っちゃうっていう可能性も延長するとあったわけだけども
逆にもっと大きくなった時にIPをしたらもっと資産ができるかもよっていう
ストックオプションの魅力で引っ張るって
どっちにしても人がいなくならないようにする
別にストックオプションだけじゃないですよ
たぶん事業の魅力とかの方がはるかに人を引き止めていく上では重要ですけども
とにかく人の移動によってそれはバレてしまいますから
実際今オープンAIがライバルのAIめっちゃ育ってきてるって
創業者のオーラと人材採用
川邊健太郎
まさに今言われたヒュービンと辞めた人間が媒介になって情報が拡散するみたいな話で
そうです
そこら辺で意外と重要ですよね
けんすう
だって損死の兵法も全部のうち実は3分の1ぐらいが
川邊健太郎
消防船とか情報を漏らさないこと
逆に情報を相手から取ることみたいなことが大きくて
そこら辺をきちんと捉えてる確かにスタートアップって
意外と少ないかもしれないですよね
そうですね
めっちゃ重要や
載せる証券会社とかもあるわけですけど早期IPOとかを
だけど本当にでかくする場合はやっぱり
ペイペイなんかはそのモードだと思いますけども
けんすう
我々もそういう戦い方に慣れてるんで
だからもう十分に大きくなってからやるんでしょうけど
川邊健太郎
3つ目が逆ですね人が出てくることの逆
採用を強化するっていうことで
それはそのIBSの道場でどういう言い方をしたかというと
実は創業者の皆さんには
創業者の皆さんにしかないオーラというか
光輝いているものがあるんですと
やっぱり何かを目指してチャレンジして
けんすう
創業した人たちってキラキラしてるんですよね
その人たちしかくどけない人材っていうのがいるので
そういう尖った人材を採用して
川邊健太郎
大企業では戦えないような戦い方
いけいけのエンジニアリングというか
とんでもない営業だったりとか
そういうことをそういう尖った人材を採用して
やってくださいというのをお勧めしてますね
これもまた上場しちゃうと
結構そういう尖った人たちはやめちゃうんですよね
次の何か戦いの場を求めて
だからやっぱり上場前の創業したての
けんすう
みんなもう創業者のオーラが光れまくってるときに
そういう人を採用してそういう人たちと一緒に
競争優位を築き上げてしまうと
そういう人たちが残念ながら大企業はなかなかそういう人たちいませんから
そういう非対称な戦いをどんどん
人材の力でやっていくことが大企業を倒す
長期的なテーマ選び
けんすう
三つ目の方策ですよ
川邊健太郎
確かにメルカリとかスター選手みたいな人たちをどんどん採用してて
そこでやっぱり伸びたイメージはありますね
そうですね
みんなやっぱり去っていきますよね
ヤフーもいたんですよ
僕がちょうど入社した2000年ぐらいって
上場して1年2年ぐらいか経ったときでしたけども
まだそういうめちゃくちゃ尖ってる人たちがいたんですけど
やっぱりやめてっちゃいますね
次の戦場も
大組織にいられない人たちなんで
でもLINEヤフーさんって比較的そういう人たちが残ってる
組織のようなイメージもあるんですけど
なんでそれは残せてるんですか
当時は井上さんっていう社長がエンジニア出身だったから
エンジニアの気持ちをわかってるんで
エンジニアってエンジニアの気持ちをわかってる
ボスがいることは働く上で多分重要なんで
それが最初の頃はありましたよね
僕が社長をやってた頃は
僕がエンジニアの気持ちはどこまでわかってたかわからないですけど
スタートアップの気持ちはわかってたんで
確かに
そういう起業家を引っ張ってこれたっていうのがありますけども
でもやっぱりおおむねやめてっちゃいましたよね
オーザーも含めて
なるほど
めっちゃ面白いですね
例えば今この瞬間のスタートアップゼロから立ち上げるとしたら
川部さんそういう人たちに対してどんなアドバイスしますか
ゼロから立ち上げる人たちに
AIを通じてこういうとこ集中した方がいいとか
なんかやっぱりテーマが何かですよね
一つは
僕は少なくともこの30年ずっと通停してたテーマは
個人のエンパワーメントなんですよね
あるいはその個人がエンパワーメントされて
何するのって時に夢の実現を強力に進められるテクノロジーが
インターネットですっていうようなことで
個人をエンパワーメントして
人々の夢を実現するサービスっていうのを
ヤフーとかLINEヤフーを通じてずっとやってたつもりなんですよね
だからテーマがやっぱりはっきりしてましたよね
今の時代だと
一つは例えばフィンテックみたいな
金融の民主化みたいなものは
ブロックチェーンが典型ですけども
すごい進むと思うんですよね
だから自分はやっぱり金融の民主化やりたいだとか
あるいは
フェイスブックってメタか
けんすう
恐ろしい会社で
誰もその市場ないんじゃないかなって
ちょっと内心思ってるようなメタバースを
毎年超の単位で投資していって
それに今生成AIが出てきたことによって
川邊健太郎
やっぱり出来上がっちゃうと思うんですよね
けんすう
メタバースの世界って
そうするともうそっちの方が
拡張性が高いので現実社会より
とんでもないエンターテイメントとかできてくると思うんですよ
川邊健太郎
今までにはなかったような
そうするとそのエンターテイメントの可能性を信じて
今までに見たこともないようなエンターテイメントをやる
みたいなテーマだとか
何かやっぱ
30年間ぐらい発展し続けるようなテーマを
まず選ぶことがものすごい重要かなと
それを経営的には事業立地って言いますけど
立地って立てる地ですよね
結局駅前にお店があるのと
住宅街の完成のところにお店があるので
もう集客がそこで根本的に違っちゃうわけじゃないですか
だからその事業立地を
かなり長期間にあたって拡大していくようなところを
まず自分の信念も含めて選び
でもスタートアップですから
今何十分間にわたって説明した通り
まずニッチからやって強くなる以外に
成り上がる方法はないですから
その大きな成長市場
事業立地の中で
じゃあ自分たちはこの世界が発展していく中で
何をやるの何に強みを持つの
ニッチを考えるということですよね
これ難しくないですか
けんすう
ベンチャーだとさっき言ったような
川邊健太郎
ニッチに集中して勝とうって思った結果
本当にニッチで何にもならなかったってケース
たくさんあるじゃないですか
これの判別がいつも難しいなと思ってるんですけど
この立地はあるよねとか
どうやって判別すればいいんですかね
2つあると思っていて
1つは半分は情熱的に半分は冷静に
その事業立地を見定めて
でも情熱だけでやっちゃうと何も見えなくなっちゃって
気が付いたらこれ実はそんなに大きくなったな
けんすう
多分小さかったなみたいなことになるわけじゃないですか
だから半分は情熱的にここの分野で
俺はやるんだ私はやるんだって思いつつも
心の半分では本当にそこまででかいのかなとか
冷静に考える頭を持つあるいは対話の相手を持つ
川邊健太郎
っていうことだと思うんですよね
これがどっちかというと
古典ラジオ的に言うと
けんすう
メタ認知能力が高い人なんであれば
川邊健太郎
そういう風にやったらいいと思うし
スタートアップの挑戦
川邊健太郎
もう1個は気の下じゃないですけども
全部とにかく突っ込んでいって
ダメだったらピボットダメだったらピボット
ダメだったらピボットダメだったらピボットっていうのを
繰り返していっても起業せよですよねとにかく
とにかくそれでファッション感じたら起業せよってやってみて
科学実験と一緒ですよね
なったらでかくなったらなったっていう結果だったし
ならなかったら1,2年で見切りをつけてピボットだ
だからそれは個々の企業だと
それってなかなかつらいことなんですけど
私なんかスタートアップを業界として見ているので
業界でいうとそっちのほうが合理的ですよね
そうですね
多産多死のほうが
だし今はお金が続くようになってきてますから
外部調達で
クールな脳みそ半分捨てて
ホットな脳みそだけでファッションだけでやって
ダメだったらまた資金調達して次っていうのも
方法の一つですよね
なるほど確かにクールだけだと
結局その突き進められないというか
VTuberとかまさにこんだけ大きくなるとはみんな
けんすう
冷静な心で言うと思ってなかったみたいなことが
川邊健太郎
起こりますもんね
けんすう
後知恵で考えればこういうマーケットがあったから
川邊健太郎
そこがにじみ出るとこうなるのねとか言って後知恵ではいくらでも言えるんですけど
けんすう
分かんないわけですよねその時には
分かんないですよね当時だと
けんすう
ダメだったら次って
川邊健太郎
やっぱスタートアップが面白いなと思うのは
けんすう
年に3回ぐらいスタートアップの人たちとまとめて会う機会があるんですよね
会った時に必ず
今何してんのって聞くようにしてるわけですよ
面白いぐらいにトレンド変わるわけですよね
コロナの間はブロックチェーンNFTだったし
川邊健太郎
コロナ後は正々堂がちょうど出てきたから
AIだったし
ついこの間
30社ぐらいのスタートアップの経営者と会って
話聞きましたけど
人手不足解消サースみたいな
人手不足問題かけるAIみたいな
のがすごい出てきて
やっぱり2,3年の間でもトレンドが
3回ぐらい変わってるっていうのが
すごい活力だなと思うんですよね
3年でやっと1個の事業立ち上げるぞぐらいの感じですから
その間に3回変わっちゃってましたみたいなことは
絶対ありえないわけで
業界全体で見るとそっちかなと思いますけど
個々はみんな命懸けてやるわけですから
多少クールな頭脳も持ちつつ
事業立場を選んでいったらいいんじゃないでしょうかね
マーケットのトレンド変化
なるほどありがとうございます
前半はこんな感じですかね
大丈夫ですか面白いですか
めっちゃ面白いですね
リアルな
リアリティがありますね
そんなこと30年ずっとやり続けてるわけですから
リアリティの塊です
スタートアップの人と
会ってる量もすさまじいですからね
ありがとうございます
それでは別の話を聞きたいなと思います
ありがとうございます
36:31

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