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スピーカー 2
川上さんって、電通でジェンダー関係のことも結構やってたっておっしゃってましたよね。
社内のジェンダー平等とか、ダイバーシティとかをテーマにしたような社内プロジェクトをやってたってことですか。
スピーカー 1
そうですね。電通もいろんなタイプの人がいるんで、女性だったりLGBTの方だったり、障害を持たれた方っていうのがもっと活躍できないかっていう
そういうプロジェクトチームが社内の裏で立ち上がったんですよ。もう10年前ぐらいだと思いますね。
そこに呼んでいただいて。
スピーカー 2
何で呼ばれたんですか?
スピーカー 1
呼ばれたのはですね、僕があんまりそういうのに興味がないって周りが思ってたからかもしれないですね。
スピーカー 2
逆に。
スピーカー 1
どっちかっていうとゴリゴリに全力で仕事をしてたタイプなので
ある一定程度、周りへの影響力もあって選ばれた。
あとあれですよ。これは直接的ではないんですけど。
自分が3年目の頃に1年目の後輩が3人入ってきて、そのうちの1人がLGBTの方でカミングアウトしてなかった。
3人とも男性で、当時の広告業界で男性3人入ってきたら飲み会で合コミをやろうというのが先輩がちょっといいかという。
男性後輩にもそういうのも関心を合わせてあげたいからっていう。
でもその3人中1人が当事者だっていうのを当時知らなくて。
3人中だから3人とも誘わないと。なんで?
合コミをたくさんやっていたっていう若い時代があって。
その3人中1人の当事者は自分でカミングアウトして、今そういう活動もされています。
そのことを話すと、当時川上さんの合コミの誘いを傷つけずに、断るかが大変でしたよって優しく言ってくれる。
本当に本当に悪いことをしたなって。
スピーカー 2
当時LGBTQの概念もあって、メディアとかモラルもあって。
スピーカー 1
差別っぽい言葉でバラエティのキャラクターにしてたみたいな。
スピーカー 2
いじったりするように。
スピーカー 1
そんな背景のある川上さんに、このプロジェクトに。
スピーカー 2
そういうのもあったかもしれないですね。
スピーカー 1
そういうプロジェクトに入ってみて、今まで考えたことのないものを初めて知ることが多かった。
すごい黙々と勉強だったんですけど、当時の前からあったアンコンシャスバイアスみたいな話。
今はもうみんな一般用語ですけど。
無意識の偏見っていうのは、僕はその10年前に初めて触れて。
女性らしさ、男性らしさっていうのが子供時代に植え付けられている。
確かに自分の男の癖になくないお前って言われて育っている。
そういうちょっとした親とか周りの環境にいて、自我が育っていくっていうのを初めて教えてもらって。
このらしさの呪縛って、女性社員なのにとか、女性社員だからとか。
女性だから化粧品クライアントだっていうのも一つの思い込み。
スピーカー 1
女性だって別にね、いろんなクライアントやりたいじゃん。
別に化粧品以外もやりたいよね。あるじゃないですか。
そういうのがあちこちで実はあるなっていうのを気づいた。
結構大学にも潜りながら仮弁させてもらって。
大学で教えてもらったのは、音楽のブラインドテストで有名な教学団のオーケストラ。
大体オーケストラの世界ってほぼフルメン男性なんですよ。
ほぼ女性がいないっていう時期があって。
でもブラインドテストをやってたんです。
審査員は演奏者の性別が見えない。
本当にシンプルにサウンドだけ聞ける状態にしちゃったら、
女子の楽団のメンバーがめちゃめちゃ増えたっていう超ティピカルな例があって。
音っていうのは本当にわかんないじゃないですか。性別が。
バイオリンとかチェロとかも。
やっぱりそういうことってあるんだなと。
確かに広告業界っていうのは、他の産業もそうで、それに満ちていて。
そこの蓋を開けたり、そこを溶かすことはすごく未来につながるなと思って。
そこは一生懸命取り組んだ。
結構難しくてですね、それが。
女性らしさ、男性らしさ、一回そこから自然体になった後、
自分らしい仕事の在り方っていうのを見つけるっていう2ステップ必要で。
そこを辛抱強く並走しながら、その平穏を10年くらいやってきました。
結構長い。
僕、前職の最後の仕事が広告博物館で、アドミュージアムっていうのが仕事になって、
そこでジェンダーギャップをテーマにして展示させていただいたんですけど、
私たちは分かり合えないからこそ展っていう。
男女は分かり合おうって当然誰も異論ないと思うんですけど、
こんなギャップで分かり合えないからこそ、
私たちは分かり合えないからこそ、一回分かり合えないっていうのを認めた上で、
分かり合えないから何ができるんだっていうテーゼを出す展示をやろうとしています。
今年の夏、うちの前職のクリエイターと一緒にやったんですけど、
それはすっごい反響があって。
スピーカー 2
いいですね。
その分かり合えないというのを認めてしまうっていうか、
からこそ気づくものっていうのがすごくある気がします。
私は大学の修論がジェンダー系のテーマだったんですけど、
大学に勤めている女性の部長とか女性課長とかによるインタビューをしたんですけど、
同じ20数年一緒に勤めてるんだけれども、
その彼女が言ったのは、私はずっとマイノリティだったからって言ったんですね。
じゃあ同じ20数年勤めてる男性が自分はずっとマイノリティだったかって思うかって言ったら、
多分思わないですし、
同じ同期の女性がそんな風に感じているということも気づかないと思うわけですよ。
だって一緒に入社して、一緒にやっててお前普通に仕事してるんじゃないかっていう。
だけどそこには壁というか、違うんだっていうところをまず認識する。
同じように来たけどやっぱり違う。
それぐらい性別っていうのは結構大きなものなんだっていうところから、
気づけるものっていうのは絶対ある気がします。
スピーカー 1
そうなんですよね。一回そこを男女は分かり合えないって認めてあげると、
ちょっと新しい景色が生まれるなっていうのもチャレンジで。
報告の仕事でそういうのが多いというか、
当たり前の情報を当たり前のターゲットに出すんじゃなくて、
ちょっとそこに仮説を置いて、分かり合おうねってんじゃなくて、
分かり合えないからこそ、こにゃららを考えようっていう。
前職で別のクラブと一緒にやった生徒がたまたまそこの感情もやられてて。
それも良かったです。
あんなに合コンをやってた川上がこんなに素敵なことをやってたね。
お前も育ったなみたいな。
スピーカー 2
社内でね、ジェンダーとか裸足について考えるプロジェクトって、
肩を振ってるのはどっかの部署の人事とかなんですか?
スピーカー 1
任意のプロジェクトなんですか?
プロジェクト自体は途中で別の形でやって、
僕も別にずっとそれはやってないんですけど、
自分のチーム編成とか、会社を経営するときに、
男女とか年齢とか、性差とか、
生え抜きなのか中等なのかっていうのをどうやって、
概念として自然に溶かしていくかっていうのは結構個人的には練り込んできましたよね。
スピーカー 2
最初は会社が肩を振ってやったプロジェクトだったかもしれないけれども、
そこで川上さんや参加したメンバーには気づきがあって、
それぞれの役割ポジションに戻ったときに、
その学びを自分の仕事の中に活かしていくというか、
そういう形でプロジェクトのアウトプットで言いますか、
スピーカー 1
成果っていうのはそういうものだったっていうことなんですかね。
会社がどうプロジェクトの成果を評価するっていうのは全然別として、
スピーカー 1
多分僕がレーンズデジタルの代表をやる前、
営業時代に自分がスタートアップをしてたら、
スピーカー 2
今日作ってるスタートアップには絶対ならない。
スピーカー 1
そうだと思います。
もっとプロモーションっぽいスタートアップになってたと思います。
スピーカー 2
そうですよね。
自分でデジマン会社作ってたかもしれない。
そっちの方向にきついってますよね。
スピーカー 1
多分そうだと思います。
デジマン会社といって、自社だけで上場とかスタート作ってた。
そっち側に思考が触れてた。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
40代とか30代とか。
スピーカー 2
だから戦い方がちょっと違うっていうか、
キャリア27年やってきた大人の戦い方。
そうですよね。
スピーカー 1
利用って感じがします。
そうなんですよ。
もし僕が健康で頭が老化しなかったら、
あと27年間頑張ればできるんじゃないかという仮説。
スピーカー 2
仮説。
スピーカー 1
分かりますね。
僕今ピーカーブーっていう美容院に通ってるんですけど、
僕お会いしたことがあるんですよ。
ピーカーブーのオーナーさんが77歳らしいんですよ。
まだ現場でちょきちょき髪切ってる。
かっこいいの初めて。
スピーカー 2
27年後じゃないか。
スピーカー 1
そうそう。
だから俺も77歳になって現場で髪ちょきちょき切ってる
オーナーになりたいなって思って。
そういうイメージを持った時に、
27年に頑張っていったら、
一つのインフラとか産業プラットフォームみたいなのも
マジで本当に全力でやっててきんじゃないかと。
美容院のオーナーはいろんな日本全国の美容師さんを
すごく育てられてきてるんです。
チェーンを出して。
スピーカー 2
カリスマ美容師とかも先駆け的に出したりしてましたよね。
スピーカー 1
そうなんですね。
その昔。
スピーカー 2
急いで一斉カット風にしたっていうか、
美容師の、美容師というか美容師美容院のポジションみたいなのを
何段か挙げられた感じのイメージがあります。
スピーカー 1
すごい。
かっこいいですよね。
かっこいいですよね。
自分を養成あと27年やるんだったら、
自社のためっていうかみんなのためっていうか
産業のためになること。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
そういう意味ではどこかの会社勤めをしていると、
その一社のためになるじゃないですか。
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
それはもう大事なことなんですけど、
その個社一社のためじゃなくて、
世の中15,000社のために。
そこから27年以降、当然新しい会社も積まれていくじゃないですか。
のんもんも生まれていく。
そういうみんなのためになるような産業構造みたいなのを
本気でやったら作れるんじゃないかなと思って。
なるほど。
それを持ってやめようって思ってました。
どうせやるならば。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 1
うまくいくかわかんないですよね、本当に。
スピーカー 2
ボールをコロコロ1ヶ月半転がし始めてるだけ。
でもすごいこのアウトプットインプットの速さと、
スピーカー 1
あと愛が、深くて広い愛があるから、
スピーカー 2
なんか育っていきそうな。
スピーカー 1
確かに。
育つといいですよね。
楽しみですね。
楽しみですね。
スピーカー 2
そうなんですよね。
たぶん聞いてる方がね、大企業とかの務めで、
それなりに経験してきた、
でもこの先、この会社の中で何ができるんだろうと思ってる方に、
そういう人たちも、野生を呼び起こす。
野生がテレフォの子たちを見て、
スピーカー 1
何か川上さん感じたように、
スピーカー 2
もしかしたらそういうことだったらやってみたいと思う人も多いんじゃないかなって。
そうな気がする。
若い子がやるような企業っていうのは、
あんまりできる気もしないかもしれないし、
自分が今までやってきたスケール感、
それなりの予算とか、それなりのものを動かしてきた人が、
いきなり8億の売上げ作るのに必死になるみたいなことに、
あんまりワクワクもしない人も多いかなって思うんです。
50代とかになると。
そこが、産業全体にリーチするんだから、
これは産業のプラットフォームみたいなものになって、
この先も何十年それが残っていくようなものを作るんだって言ったら、
スケール感としては相手に不足なしにたいな気持ちになる方も、
腕に覚えのある大人のサラリーマンの方も、
そこにちょっとワクワクしちゃうなみたいな方もいるんじゃないかなって思ったりしました。
スピーカー 1
ちょっと私ワクワクしました。
うち来ます?
まだです。
3人しかいない。
スピーカー 2
3ですよ、3。
スピーカー 1
それも。
この前初めてお部屋にボールペン買いました。
ボールペンをポストイットを100均で買いに行くっていう。
そこからです。
スピーカー 2
それも素敵ですね。
スピーカー 1
そこからですから。
スピーカー 2
なわけで、いろいろお話をお伺いして。
多分ね、1年後、きっとまた違う景色を見ながら、
お話されている感じがするから、ぜひまたちょっと来てください。
スピーカー 1
スケジュールに1年後のグーグルカレンダー入れとけば。
スピーカー 2
ピヨピヨからどれぐらい走ってるか。
スピーカー 1
全然違いますよ。
スタートアップありえますよ、全然違う系あるんで。
スピーカー 2
今日は長い時間どうもありがとうございました。
スピーカー 1
どうもありがとうございました。
皆さん長いお話にお付き合いいただきました。
ありがとうございました。