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スピーカー 1
だからさらに言えば、世界最大のアクセラレータープログラムって、要はアイデアを持ち寄って、その3ヶ月でそれを実現して加速しようっていうYコンビネーターってやつがあるんですけど、リモートが発達した今はそうじゃなくなったんですけど、
初期の頃って、そのYコンビネーターに受かったら、2ブロックの範囲に引っ越してこいというぐらい、やっぱりその速度感として、内々だから共有できるものの力強さって強いんですよね。
スピーカー 2
本当そうですね。だから本当に同じオフィスとか同じビルとかであると立ち話しで10分話せるみたいな情報の流通とか知り合う度合いとかによって、最終結果が全く違ってしまうみたいな、そういうのがあるんですよね。
スピーカー 1
そこに何故引き寄せれたかっていうと、これもFacebookの映画で有名な話なんですけど、ション・パーカーっていうNapsterの創業者がいて、彼は当時Napsterっていう音楽をダウンロードできるネットワークを作って、結構有名人になってたわけなんですけど、
やっぱりNapsterみたいな権利関係を処理するみたいな話になってくると、やっぱり東海岸をベースでちょっと動かなきゃいけないという時があって、彼が発見したことによって、Facebookっていうものはシリコンバレーに行くべきだっていう話になったりとか。
さらに言えば、結局Facebookの最初の投資って、今やトランプの裏側でやっているペーパルマフィアと呼ばれるドンであるピーター・ティール。彼がさっき初期の投資として、西海岸に移ってきた2004年の8月に50万ドルの投資ですね。
だから今で言えば5千万円ぐらいをシード投資したっていうことが思っているわけですね。この時に大事なことは、実はショーンパーカー自体は、その時まだそこまで事業投資が強くなかったので、顧問的な動きをしていて、彼は最初にリンクドイン創業者のリード・ホーフマンを紹介するんでしょう。
前に話したように、リンクドインって日本だとマイナーなんだけれども、アメリカだと転職をしていくようなハイキャリアの人からすると、必ず入らなきゃいけないっていう人材系の巨大SNSなんですよね。実はリンクドインってFacebookの1年前に創業してるわけですよ。
やっぱりリード・ホーフマンが素晴らしいのは、話を詳しく聞いちゃうと、俺リンクドインむしろやってるから、凶暴になるかもしれないから辞退するんですよ。でも大事なことが、その代わりつってピーター・ティールを紹介してくれるんですね。
当時PayPalもある程度成功していたピーター・ティールは気に入って、初期の5000万円を投資するというわけになるんですけど、この辺面白いのが、結局企業化ネットワークっていうものは、さっき言った1つネットワーク外部性としての集約性を持つ一方で、
お互いを勝たせ合うっていうことが結構大事だったりするので、自分が投資しないときでも本当にいいって思った案件に関しては、やっぱり友人を伝えていくっていうこと。投資家側のソーシャルキャピタルですよね。それをすごく構築していくことが大事だし。
あともう一個は、弱い、weak tieっていう言い方を英語でするんですけど、人のネットワークがつながっていくときに大事なのは、同質性の高い人の関係性よりも、弱くつながっている人のほうが、意外と僕はダメだけど彼ならいけるかもねっていうことでつながっていくので。
投資家ネットワークって、なんかエンジェルにどう投資されればいいんですか?みたいな質問とかっていうのってすごくあるんですけど、やっぱり一個目は、この投資家のほうがネットワーク外部性が強いので、その中心地にどうやって入っていくかっていうことが大事っていう話が一個と。
二個目が一方で、その一回目に会った人っていうのが直接つながらなくても、やっぱり投資家同士っていうものは、お互いの信頼ネットワークをどうやって構築していくことが大事だから、むしろ一人目が当たらなくても、その人に気に入ってもらえば弱いネットワークの中で、むしろ遠くで適切な人につながることができるっていうところが、
実はこの辺の時代のマーク・ザ・カバーグ、メタのCEOはそこまで自覚的に動いてるというよりか、ショーンパーカーとか周りのネットワークに気に入られて、うまく投資家側のネットワークの中心地に入ることができたっていうのがすごく大きいんですよね。
スピーカー 2
なんか昔の本でやっぱ当時みんな、これFacebookこいつ勝たせようみたいなムードができてたみたいな記述があって、要はハーバードにいる超頭のいい若いやつがいいサービス作ってるから、これ勝たせようぜみたいなテンションだったみたいなのを見たことありますね。
スピーカー 1
やっぱり、どうせ勝たせるのであれば一番有望なものをみんなで後押ししていこうよっていう。むしろ経営としてのリソースをどこから得ていくかっていうところのほうが、やっぱり雪だるま式に回っていくところがあるっていうのも大事ですし。
一方でももっと大事なことは、そのタイミングでは要はもうハーバードの大学生がたった2ヶ月で半分入りましたとか、それがELとか他のエリート大学でも同じように広がっていきましたみたいな、やっぱりサービスとしての爆発力を持ってるっていう話と、
あともう一つが彼らがインタビューしたときに、さっきの前回の話で話した、マイスペースはどうなのみたいな話を言ったときには何言ってるんですか。本当にインターネットに大事なものは、実名制による透明感のあるネットワークのほうが本当の価値を持つんですみたいな。
やっぱりちゃんとFacebookの経営人がちゃんとビジョンを持っているっていうことを安心感持ってできたっていうところで組み合わせだったりするんですよね。
ちなみに、ただこの辺ややマニアックなずるい話になるんですけど、この2004年のタイミングでピーター・ティールって転換社債で投資してるんですよね、最初ね。
10.2%を取得するっていうものをやって、Facebookの初の社外取締役にも就任するわけなんですけれども、彼はうまいのは2004年末にユーザーが150万人に達成した場合は株式に転換するけど、そうならなかった場合は社債としての借金だからねっていう。
この辺からは逆に言うと、爆発的なサービスを持つものでも本当にうまくいけば株式になるし、うまくいかなかったら社債として、もちろん会社が破産してしまえば有限責任な形になりますけれども、
みたいな投資テクニックが生まれてきたことによって、こういうイチカバチカのものにガンとアクセル入れていこうっていうことができたことっていうのも、実は経営の観点の歴史で考えるとでかいタイミングだったりもするんですよ。
スピーカー 2
そうですね、これなんかベンチャーキャピタルの歴史とかどっかでやりたいですが、やっぱりえげつなく見えるかもしれないですが、要はリスクを下げることによって大胆な投資ができるようになっている。
たくさんの金額とか、成功するかわからないところにできるようになっているっていうのがこのぐらいから始まっているので、こういうFacebookみたいなまだ誰も見て、見たことがないようなサービスでも投資が集まっているっていうのがポイントということですよね。
スピーカー 1
だからもちろん大事なことが、途中でさらっと話したんですけど、一見するとうまくいかなかったら借金で、うまくいったら株を10%も抑えるのかよって、それって投資側だけが有利じゃないって思われるかもしれないですけど、
なんとなく日本だと、会社としての借金って経営者の方が無限責任があって、連帯保証人をつけなきゃいけないとか、さらに言うと昔で言えば、連帯保証人として社長の家族まで入れなきゃいけない。
だから会社が失敗したら、兄貴の結婚式費用も出せなくなって、家も売らなきゃいけなくなったんだみたいな話が25年くらい前は日本においては結構あったんですけど、当時のアメリカで言うと、会社に対しての貸し付けっていうのはあくまで会社に対してなので、経営者自体はどこまで行っても借金を返さなきゃいけないっていうわけではないので、
個人は個人で2回目の企業3回目の企業っていうのが、1回目が良い失敗で終わってれば、2回目も3回目もチャレンジできる環境ができてたっていうところでイーブンなんですよね。
スピーカー 2
そうですね。この辺でその借金の考え方とか仕組みが違うので一概にこれえげつないよねとも言えないし、これ日本の企業家でもいまだにありますが、でもこういう条件投資家に有利じゃないですかみたいに結構言う人がいるんですけど、それ取り外すとだいぶ地価総額低く金額もちっちゃくなっちゃうよみたいなケースって結構あったりして、
いわゆるダウンサイドリスクとバランスなので、そこはちょっと知ってほしいですよね。
スピーカー 1
だからさっき言ったように当時Facebookでいうとマイスペースとのライバル関係もある中、一方でインターネットの接続環境っていうのはどんどんどんどん良くなっていくし、やっぱりこの2007年ぐらいになってくるとiPhoneという今度はモバイルという新非常も見えてきてるわけで、
やっぱりタイミングをしっかり逃さないために、やっぱり投資側も経営者もバランスあるリスクの中で大型調達ができるようにどういうふうにバランスを取っていくかっていうことって非常に重要だったりするので、本当に言うようにこの辺のベンチャーキャピタルの歴史みたいなのはどっかでやってもいいかもね。
スピーカー 2
そうですね。なんでこの情報があるのかみたいなことも歴史を紐解くと結構納得感があったりとかするんですけど、意外とベンチャーキャピタル側も企業家側も投資契約書の中身を一行一行歴史から説明とかできないので、そこまでできるとだいぶ解像度上がるよなと思ってます。
そうなんですよね。
スピーカー 2
さも今自分ができるかのように言ってますが、僕は別にできないんですけど。
スピーカー 1
そうですね。僕自身もCVCとして投資させていただいたりしてるわけですけど、エピソードゼロで言ったように三木たりさんに未だ900億円の負債を背負った。個人としての負債じゃないんですけど、お前バイバイはうまくやらなかったのはお前未だに返してねえじゃねえかっていう。
貸しがずっとある状況が続いてる話なので、うまくいかなかったからこそいろんなことを学んでるっていう話ではあるんですけどね。
それはちょっと別の機会にという感じで。
じゃあそういった初期の費用を持てたことによって、もう一個のシリコンバレーにいるっていうメリットがエンジニアですよね。
特にFacebookっていうものは、もともとマーク・ザッカーバーグが発火機質だったっていうこともあって、非常にエンジニアを見抜く才能だったりこだわりみたいなところがあって、発火向けのイベントを開催しながら優秀なエンジニアを集めていくっていうことも、
当時、これもネットワーク外部製が働きやすい西海岸に行けば、そういう機会が集まってるよっていうことで、人も集まってくるっていうリソースの獲得ができていくわけですね。
スピーカー 2
かなりエンジニア文化の会社ってイメージが初期からありましたもんね。
スピーカー 1
そうなんです。
なので、彼らは発火精神として、今も残ってんのかな、昔からFacebookの壁にはまだ俺たちは道の1%も行ってないっていう、彼らの中の価値観みたいなのがあって、
常にまだまだ残り99%の開発によって世界を変えていくっていうところのポテンシャルがあるんだから、俺たちはどんどんグリーディーに開発していくぜというような精神みたいなところも、やっぱり西海岸の中心地にいることによって、エンジニアも得る。それでサービスが広がる。
そうすると、よりエンジニアが魅力に感じてくるっていうようなサイクルが回ってきたみたいなところもあるわけですね。
スピーカー 2
このあたりの要は、投資家とつながって資金を得るとか、エンジニアの採用するみたいなのが全部経営の問題であり、それの起点となったのが、やっぱりいち早くSilicon Valleyに来たっていうのが今までの話ですよね。
スピーカー 1
そうですね。
そうやって逆に言うと、初期のザッカーバーグ自体はやっぱり振り返りの中で、この辺までは経営のことは分かってなかったんだけれども、いいそういう投資家というメンターの存在っていうこともあって、急速に経営的な観点ということも学んでいって。
その中で、わずか創業2年目ですね。2004年の2月に創業して、2005年の5月には今でこそ大手となったアクセルパートナーズから、今度は13億円の調達ができて。
最初のラウンドから、この時で時価総額が100億円ぐらいになるっていう、たった1年でピーター・ティールが投資した時が5億円でしたから、100億円の20倍に上がっていく。
だけど大事なことが、この100億円の時価総額がついた時点で、全米800以上の大学に展開していて、ユーザーも300万人を抱えるまでになっているから、まさにティッピングポイントを超えてきたことによって、ちゃんと価値も得られるということになっていくわけですね。
スピーカー 2
これでもなんか僕、当時のニュースの記憶があるんですけど、結構これありえないんじゃないかみたいな、これビジネスどうすんのって結構叩かれてて、これもしかしてたくさん人が見るから広告で回すみたいな話じゃないよねみたいなのを、ニューヨークタイムスか何かが書いてて、僕もそうだなと思ったんですよね。
100億円かと思った記憶ちょっとありますね。
スピーカー 1
いやでもね、すごいねやっぱり検証員の記憶力って。それ逆にザッカーバーグが当時言ってるインタビューが出てるんですけど、むしろ真逆のこと言ってるんですよ。
ザッカーバーグがこのタイミングで調達したことをなぜかというと、フェイスブック大学生向けにサイトやってるから、一般的なバナー広告を掲載して収益上げてたんですけど、当時のバナーって結構えげつない、無理矢理アテンション持ってくようなピカピカ光ったりとか、
マウスのクリックがフューって出てて、なんか俺マウスクリックしてんのかなみたいな、そういう広告が中心だったんですよね。それに対してむしろ逆で、ここで変なユーザー体験を損なうような広告を入れるぐらいだったら、
そういうことよりも、ユーザーエクスペリエンスに注力したいから、むしろこのタイミングで100億円を調達する。
当時の13億円ぐらいで言えば、Facebookは先ほど言ったようにマイスペースよりも重たくないサイト構成とかインフラに投資をしてたから、こういうのをバーンレートとか言うんですけれども、もうその当時の赤字の金額がユーザーがこのペースで増えていっても、2、3年は生き残れるよねと。
むしろこの2、3年の時間を買って、その間にユーザー体験を損なわないような広告開発をするべきだっていう方針の中で調達するっていうぐらい経営者として成長していってるんですよね。
スピーカー 2
なるほど。でも今から考えると安いですね。
スピーカー 1
安いんですけどね。