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スピーカー 2
おだしょー さらに言えば2004年の末のタイミングでは、まあ確かにThe Facebook 100万人ってすげえななんですけど、実はライバルのマイスペースって500万人いたわけですよ。
おだしょー このネットライバルをどうやって追い越して勝ち続ける構造を作ったのかっていうライバルとの勝ち抜き方っていう話と、あともう一つ大事なことが、この1億人を支えるインフラになるというふうに急成長をどうやって経営として支えていったんだと。
おだしょー この2つを深掘っていきたいというふうに思うんですよね。
おだしょー ちなみにケンスってライバルのマイスペースとかオーカットとか、あとフレンドスターとかって触った経験はあったっけ?
スピーカー 1
あります。オーカットもマイスペースも触ってたんですけれども、結構やっぱりどっちも複雑性が高い上に、日本のユーザーがあんまりいなかったとかがあったので、どちらかというと同時期だとグリーとかミクシーみたいな日本発の方が使ってましたね。
スピーカー 2
おだしょー そうですね。それは本当に正解な話で、一個大事なことは、やっぱり本当にスケール、特にブリッジスケールっていう言い方を後にされますけれども、たった3年間で1億人に使われるみたいな速度で動く場合って、やっぱりシンプル性って大事なんですよね。
その時にシンプルに何に集中するかっていうところが争点になってきていて。実はマイスペースという当時500万人いたものと、Facebookって2つの点で実は本質的な違いがあったんですよ。
マイスペースってマイスペースじゃないですか。Facebookっていうのはやっぱり名簿みたいな感じですよね。つまりFacebookっていうのは誰とつながるのかっていうところに重きを置いたサービスなので、徹底的な実名主義なんです。
それに対してマイスペースっていうのは自分のスペースだから、どっちかっていうと発信者と受信者の関係に近いんですよね。
スピーカー 1
大平 なるほど。メディアに近いんですね。
スピーカー 2
寺田 おっしゃる通り。だから最初からソーシャルネットワークサービスとソーシャルメディアの対決だったんですよ。
この時に一番大事なことは、マイスペースってどうしても自分のスペースを見に来てよっていうことで行くから、当時流行るというので言うと音楽をやっているアーティストの方だったりとか、後期になってくると写真を共有したいよっていう方だったりとか、発信と受信の関係になるんですよね。
それに対してフェイスブックっていうのは友達とつながっていきたいっていうものだから、これ実は似てるようでネットワークエフェクト全く違うんですよ。
寺田 そうですね、確かにね。
寺田 普段学校の授業の話みたいな形で、こっちは仲間外れになりたくないっていうネットワーク外部性なんですね。だけどマイスペースっていうのはどっちかっていうと、あの件数の最近の状況を知りたいとか、特にあの音楽家の新しいファンにだけ聞ける音源を聞きたいみたいな形になってくるので、実はこれってどっちかっていうと買い手が売り手を呼んで売り手が買い手を呼ぶっていう相互ネットワークエフェクトなわけですよ。
スピーカー 1
寺田 なるほどね、マーケットプレイス的なものに近いですね。
スピーカー 2
寺田 そうなんでしょう。なので、どっちのほうがやっぱり動き出した時の破壊力があるかっていうと、圧倒的に仲間外れになりたくないっていうネットワーク外部性のほうなんですよね。
スピーカー 1
寺田 これでも今簡単に言ってますけれども、当時で言うとそのFacebook的なつながりで広がっていくのって多分なかったんですよね。
寺田 そうなんです、おっしゃる通り。
寺田 なぜならインターネットやってる人もまばらだったので、基本的にインターネットのコミュニティってメディア型でないともちろん流行らないっていうのがあって、2チャンネルとか日本でもそういうものって発信者とか1%で受け手が99%みたいな構造のものしかなかったので、そのマイスペースのようなものをやるのが多分自然だったんですよね。
スピーカー 2
寺田 そうなんですよね。だからそこが逆に言えば自然だから最初は流行ったんだけれども、ただマイスペースの欠点って何だったかっていうと、情報発信受信の関係だと情報を受信したいになるからトラフィック重くなるんですよね。
寺田 音楽聴き手とかだし。あなたのスペースだからさっきおっしゃったようにマイスペースはガチャガチャしたいんじゃなくて、発信者を助けるためにいろんなモジュール入れたくなるわけですよ。そうするとマイスペースはユーザーが増えれば増えるほどサイトが重くなって。
スピーカー 1
寺田 あった。重かった。すげー重かったっすね。
スピーカー 2
寺田 そうなんですよ。当時で言うとまだ電話回線が収録ですから。そうするとマイスペースは表示するだけで25秒くらいかかるのに対して、フェイスブックっていうのは逆に友達の状況を見に行くだけですから、テキスト中心でいいわけですよね。
寺田 シンプルなデザインでいいわけですよね。そうするとアクセスも早いということで2秒くらいで表示されると。今だと2秒ちょっと遅いって感じなんですけど、当時で2秒ってすごいありがたい存在で。
スピーカー 1
寺田 ありがたいし、今だとみんな早いのでピンとこないかもしれないですけど、当時のサイトってやっぱり表示にすごい時間かかるものが多くて、早い、軽いだけですごい価値があったんですよね。
スピーカー 2
その辺がやっぱりこれはたまたまなのか、どこまでいいとしたのかっていうのは議論はあるものの、やっぱりネットワークのエフェクトとしてより執着性が高い。
特にFacebookのネットワーク外部性の方が、友人が入れば入るほど価値が高まるので。どっちかっていうと、マイスペースっていうのは希少資源である発信者の方がいかに乗っていただくかっていうところなので、やっぱり価値の上昇カーブっていうものが圧倒的にFacebookの方が強いっていうところで、やっぱり選ばれていってるんですよね。
スピーカー 1
なるほどな。
スピーカー 2
この辺が、これは後じえじゃんというものはあるんですけど、逆に今ぐらいの簡易度で僕たちは学べるわけだから。
そこら辺を自分たちのサービスっていうものをSNSっていう言葉に閉じずに、それはソーシャルメディアなのか、それとも友達とつながるネットワークなのかっていうところとかを、今だからこそちゃんと識別していっていくっていう必然性があったりするわけですね。
スピーカー 1
これ僕も思い出話なんですけど、2004年か5年に学生向けのSNS作ろうとして作りかけたことがあるんですよ。
スピーカー 2
掲示板作ってた頃だよね。
スピーカー 1
掲示板作ってた頃にU18.jpっていうのを取ってされてたんですけど、どう考えてもやっぱり普通の人が発信者も受けても平等につながるっていうのが想像できなくて、ありえないだろうって気持ちが邪魔してやっぱりやらなかったんですよね。
ぐらいやっぱり当時みんなが平等につながるソーシャルネットワーキングみたいなものって、かなり新しすぎたイメージはありますね。
スピーカー 2
そうですね。その辺今、歴史的に振り返るとすごい良い本がグランズウェルっていう本で、この時に結局人がネットで発信するっていうのは結構ハードルが高いことだから、どういう風な梯子を段階として登っていかないかっていうソーシャルラダーっていうものをグランズウェルでは定義してるんですけど、そういったことの緻密な設計が大事なんだよみたいな話をしてるんですよね。
この辺とかは、例えばミクシーとかはすごく素敵に設計されていて、やっぱり人がネットで発信するのってしんどいから、まずはプロフィールページを充実しましょうっていうことだったりとか、でもプロフィールページに自分の彩りをつけにくいからコミュニティっていうものを作って、誰と友達などの下にどのコミュニティに所属してるかっていうことを見せることで、その人の彩りをわかりやすくしたり。
あと次に足跡ですよね。結局何も発信しなくても、誰かが関心を持ってくれたんだっていうふうに思えることだけでも、人の気配を感じれるという友達ならではの交流価値ですよね。こういうものを丁寧に設計していくっていうことが大事で。
Facebookもやっぱり2004年の2月に創業した段階では、各人のプロフィールが中心だったものに、各人の上にウォールと呼ばれる掲示板をくっつけて、自分が発信してみんなにコメントをつけてもらいたいものみたいなことをやっていくことで、
友達と友達同士、だから今日の学校行ったら休校だったからみんな気をつけてねみたいな話だったりとかをやるっていうふうに、その時の通信状況だったり、その時のユーザーが何に慣れてくれるかっていうところから段階的に設計したみたいなことはすごい大事なことだったりするんですよね。
スピーカー 1
すごい大事ですね。これMixy2というのが現在ちょっと盛り上がってますけれども、そこで僕コミュニティいくつか作ったんです。正直他のコミュニティに比べてうまくいったという自覚があって、それってやっぱりいわゆるソーシャルラダーじゃないですけど、投稿のハードル下げてるんですよ。
スピーカー 1
例えば一つが犬の写真がひたすら流れてくるみたいなコミュニティ作って、そうするとペットの写真持ってる人はすごい上げやすいんですね。これ流れてくる場所だから流しても大丈夫だろうと思うっていうのが一つと、あと自慢したちっていうのを作って。
スピーカー 2
自名詞じゃなくて自慢する人だからね、わざとね。
スピーカー 1
チョコプラさんがやってたネタのパクリなんですけど、そうするとみんな自慢したいことがあるけどタイムラインでは自慢できないと。ただここでは自慢できるってなって投稿しやすくなってるとか、いろいろなものができていて、やっぱりメディア的に作るとみんな見て嬉しいものを投稿してもらいたいと思うんですね。
なので企業に役立つ情報が集まるコミュニティとか作っちゃうんですけど、役立つ情報を投稿してねって言われるとすごいうってなるんですよ。怖くて自分の情報役立たないんじゃないかなとかになっちゃうので。なのでやっぱりそういう情報の投稿しやすさってすごい大事だなと思って今聞いてました。
スピーカー 2
これ後で話そうと思った話なんですけど、めちゃめちゃ重要な話なので前倒しして話したいんですけど、みんな今ケンスが言ったことに、ソーシャルメディアでソーシャルネットワークであれの真実が隠されていて、僕がなぜインスタグラムがTikTokを超えれないかショート動画のベースは機能じゃなくてファンダメンタルカルチャー。
規定文化の設計とセットじゃなきゃいけないんですよ。つまりミクシーとかがさっき言ったようにそのコミュニティをバッジとして表示するというインターフェースを作ったことで、ちょっとおふざけでもいいから自分はこんなコミュニティに所属してるんだよっていう文化誘導をしてるんですね。
しかもその初期にシーディングとして入った人たちが、やっぱりネットカルチャーがわかってる人たちだから、こうやってケンスみたいにこの場所でちゃんと言い訳を作ってあげて、しかも後で説明するんですけど、基本的には実名でつながった招待生の人だからベースの信頼がありつつ、ここはこのレベルでおふざけしていいところなのねっていうベースとなる価値観ですよね。
これを初期のユーザーが作るっていうところで歯車が回るんですよね。
だから例えばインスタグラムとかってどっちかっていうと、おしゃれにインターレストを語る場所じゃないですか、既定文化が。
そこにショート動画を入れると、やっぱり自分のものをおしゃれに見せるっていうことが中心になっちゃうわけですよね。
でもTikTokってもともと口パクの踊ってみただったりとか歌ってみただったりとかっていう、みんなでワイワイ一つのネタで騒ぎましょうっていうところのファンクションから一時のノリにみんなで乗っかろうよっていう文化で形成されてるわけですよね。
そうするとやっぱり同じショート動画の機能を入れても、流行るものっていうものが変わってくるわけですよね。
逆にその辺に同じように機能を乗せちゃうとTikTokの方が先に進んでるから、有名な投稿者がTikTokの投稿をインスタグラムに並行して流し始めちゃうと、もともとインスタグラムが持ってた文化がむしろ壊れちゃう。
みたいな話があって、こういったソーシャルメディアっていうのは実は機能も大事なんだけど、初期の文化をどうやって誘っていくかっていうのがめちゃくちゃ大事で。
スピーカー 1
大事ですね。さっきの実名の話とかもそうですもんね。
スピーカー 2
そうなんです。おっしゃる通り。だからやっぱり文化と機能の相互作用ってむちゃくちゃ大事で、結局マイスペースは有名人のものを聞きたいっていうふうに入ってくるから、どうしても匿名が増えちゃうんでしょ。
スピーカー 1
そうですね。確かに。
スピーカー 2
それに対してFacebookっていうのは、むしろ実名があって信頼を構築していく。透明性こそが人間関係の構築の土台だっていうところの通手概念があるので、最初から実名登録制を採用してるし、
それの象徴がユーザーに大学のメールアドレスじゃなきゃ入れないっていうことをやることによって、ベースの信頼関係を作っていったっていう話になるんでしょうね。
スピーカー 1
ちなみに日本にFacebookが来た時に、僕よく使ってるアイコンがイラストだったんですけど、社長から連絡があって、写真にしてくださいって言われましたね。
スピーカー 2
そうですね。懐かしい話ですね。
スピーカー 1
そのぐらいまでちゃんと徹底してやってましたね。
スピーカー 2
そうなんでしょうね。だからやっぱり、ここは実名でお互いがつながっている空間だからこそ、ここまでの共有をしていいよっていうことに対してものすごくこだわっていたのに対して、マイスペースっていうのはどちらかというと、やっぱり匿名掲示板的なところにどんどん寄っていくので荒れていくから。
そうするとなんかここにはちょっとアップしにくいなっていうふうになって。アップしにくい文化の中でも見たい、見られたい、聞かれたいみたいな人たちの場所になっていくから、どんどん受信者発信者の関係の方に寄っていって。