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2024-04-24 42:28

#3-6 Airレジでイノベーションのジレンマを突破!?イネーブラーとは?

リクルートのもう一つの凄さは自社を破壊しうる事業を自ら実施すること。SaaS時代に必須のイネーブラーモデルについて、航空会社やDMM勃興の戦略からAmazonのTake Rateが30%以上と爆伸びしている面まで解説するよ!


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▼MC: 尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara 京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞

▼サブMC: けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。

▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。 https://forms.gle/bHQjcgjCCQkFEFDg9

▼音声編集:株式会社BOOK

▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

00:05
スピーカー 2
はい、というわけで、前回は、なぜ100億の事業が立ち上がるのか、リクルートは、みたいな話をしましたが、今日はどんな話をしましょうか。
スピーカー 1
今日はですね、リクルートが一つ一つの事業が、なんで収益性高いものが生まれるのか、それが連続してできる裏側の組織の秘密という話をしたら、次は当然決まってますよね。
スピーカー 2
決まってるの?
スピーカー 1
リクルートを壊す話です。
スピーカー 2
壊す話?
スピーカー 1
はい。つまり、事業が本当に長く続く事業を作るためには、わざと事業の中に自分を壊す事業を作っていくことによって、成長をより次の周回、さらに次のイノベーションの周回というところになっても問題なくするという風に、
リクルートの恐ろしいところは、社内にあえて自分を殺すライバルを作るというところの話で、その中でもネットワーク効果を殺していく、今まで語らなかった敵、イネーブラーの話をしたいと思います。
スピーカー 2
イネーブラー。
スピーカー 1
イネーブラー。
スピーカー 2
よく聞きますけど、全然実はわかってない単語ですね。
スピーカー 1
マジか?
イネーブラーって、つづりで書くと、イネーブっていう動詞って覚えてる?
E-N-A-B-L-E。
スピーカー 2
はいはいはい、あれね。よくちっちゃい頃食べてましたね。
スピーカー 1
そうね、なんとかブラーみたいな感じなんだけど。
スピーカー 2
つなげるみたいな感じですか?
スピーカー 1
いや、本当に知らなかった。
スピーカー 2
本当に知らないですよ。
スピーカー 1
I enable you on the throwing upとか、あなたに〇〇をできるようにしてあげるよ。
I able to で言うじゃないですか。
スピーカー 2
できちゃんみたいな意味ですね。
スピーカー 1
Ableっていうのが、できるようにっていう意味の形容詞で、それを動詞化するとEがつくからEnable。
スピーカー 2
じゃあ日本語に直すと結構難しいですね。これができるような状態にしてあげるみたいな。
スピーカー 1
できるようにする人みたいな感じ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
っていうところから始まって、今までできなかった人をできるようにするための装置のことをEnable。
これがなんでネットワーク効果の敵になるかって話なんですけれども、
これ今までネットワーク効果のセッションの中ではわざと話してなかったのは、
03:04
スピーカー 1
結構このリクルートの中で話していくとわかりやすいからっていうこともあるし、
あとこのEnableがちゃんとわかってたらですね、
テイクレートの時にテイクレートの破壊をやったプレイヤー2つあるよねっていう話をしてたのって覚えてる?
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
Yahooを無料革命したのと、あともう1社が?
スピーカー 2
Amazon。Amazon違う。Amazon。
スピーカー 1
Amazonです。問題です。
Amazonのテイクレートは何パーセントでしょうか?
いわゆるECのテイクレートは10から15パーセント。
輸通総額の10パーから15パーセントくらいはAmazonは手数料として持っていくよという中で、
今のAmazonのテイクレートは何パーセントでしょうか?
スピーカー 2
なるほど。20パーセント。
スピーカー 1
34パーセント。
スピーカー 2
なんと、へー、すごい。
スピーカー 1
これって、コットンペッパービューティーの時は40パーセント取るよね?
え、大丈夫なんですか?っていう話をしてたわけですけども、
コットンペッパービューティーの時ってさ、新規のお客さんから1回目の時は40パー取るけど、
2回目からは別に40パー取らないから、後で得ができるからいいよねっていう話なんだけれども、
Amazonの場合は、当たり前だけど1回目も2回目も3回目もずっと34パーセント平均取り続けるわけです。
これがなぜ持続的になるのかっていうことも含めて、イネーブラーっていう話。
スピーカー 2
なるほど。じゃあAmazonのテイクレートとコットンペッパービューティーのテイクレート、
近いぐらい高いけれども全然その裏側は違うっていうことですね。
スピーカー 1
そうなんです。
じゃあ次に、とはいえとはいえさっき言ったように、リクルートは自社の中で自社を壊すかもしれないものを作るよねっていう話をすることでイノベーションのジレンマを乗り越えていきましょうと。
他に新しいイノベーションやられて、他に殺されるぐらいだったら、自社の中に自分を殺すかもしれないイノベーションを抱えていきましょうということで、
イネーブラーとしてできた事業の名前。この名前は多分知ってると思うんだけど、エアレジー。
スピーカー 2
エアレジー、はい、知ってますね。
スピーカー 1
これでどういう。
スピーカー 2
そうですね、クレジットカードとか電子決済ができる端末を入れて、それがお店のレジの裏側になってて、
いろんなデータを集めたりとか、お店が管理できる便利なツールを提供しているみたいなイメージです。
スピーカー 1
はい、そうなんです。つまりエアレジーっていうのは、当時レストランとか美容室に入れるレジって、やっぱり20万とか30万するのよ。
スピーカー 2
へー、高い。
スピーカー 1
結構高いの。なんだけれども、まだ当時のレジってネットに繋がる機能があんまり薄いから、お金の管理はできるんだけれども、
06:08
スピーカー 1
それを経営の家計簿システムに繋ぐところみたいなのが弱かったりとか、あと在庫管理システムだったりとか、特に予約管理だよね。
こういうのが弱くて、予約管理から何から何まで全部つけていくと、もう50万円ぐらいしちゃいますみたいなのが当たり前だったんですよ。
これをリクルートは、いやもうiPadでできます。しかも通信プランとセットにするとiPadをタダで配れるから。
通信費を払ってくれて、エアレジの費用を払ってくれれば、もう月2万円ぐらいでレジがあなた持てますよっていうことをやったことが、
いろんなちっちゃい店舗が、ちっちゃいお金でお店をやるときに一番大事なレジっていうソリューションが簡単にできるから、イネーブラー。
スピーカー 2
これってもともとはスクエアとかがやってたやつに近いんですか?
スピーカー 1
スクエアはイネーブラーの一種なんですけども、スクエアっていうのは、説明するとお店でクレジットカードを扱うって結構大変なんですよね、設備が。
それをiPhoneにちょっと四角のどんぐるってやつを挿すと、コインサイズぐらいの四角形なんだけど、カードを通せる絶妙な隙間が通っていて、
その隙間にカードをシュッと引っ張ると、コイン1個みたいなのをイヤホンジャックに挿すだけでクレジットカードが使えるようになりますっていうものなので、ソリューションとして似てるんですけど。
イネーブラーっていうのは、お客さんに対するビジネスポジションとして何をやっているかっていうところが、あることをできることにすることによって結果的に何を取りに行くのかっていう、やれることっていうよりは何を取りに行くのかっていうところが大事なんですよ。
スピーカー 2
なるほどなるほど。
本当すごい台本に書いてないようないいシナリオなんですけど、さっき言ったように、イネーブラーはネットワーク豪華殺しだっていう話してたじゃないですか。
これの典型例が何かっていうと、予約においてイネーブラーってむちゃくちゃホテルに入ってるんですけど、普通今のホテル予約って、大体ホテルの会社やってるとこってホテル予約サイトって一社だけしか使わないかな。
スピーカー 2
いや、ジャランとか楽天トラベルとかいろいろなところを登録しますね。
スピーカー 1
そうだよね。そしたら、元々ユーザーからすると、どこのサイトから行っても予約ができるっていうのは便利。
09:05
スピーカー 1
だけれども、一方でネットワーク豪華っていう観点で言うと、元々は売り手が買い手を呼んで買い手が売り手を呼んでみたいな話だけど、複数の予約サイトにいっぺんに予約掲載できるんだったら、そもそもこれ成り立たなくない?
スピーカー 2
そうですね。だから出す側としてはたくさん出した方が得だよねってなるので、ジャランが頑張っても楽天トラベルも同じように営業すれば取れちゃうので、ネットワーク効果の強みを全然作れないっていう状態ってことですね。
スピーカー 1
そう。だから買い手がいるから売り手が来る。これは集まる。なんだけど、売り手がいれば買い手が集まるっていうのが、別に複層車出てるしってなった時点で、買い手からすると楽天でしか予約できないから楽天で予約しようにならなくなるよね。
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
ジャランと楽天両方あるから、ジャランにしかないプランがあればジャランで予約するけど、楽天ポイント溜まってたら楽天で予約するけどっていうふうに。買い手の方が売り手がいるからって言って来るようにならないからネットワーク効果止まっちゃうんですよ。
スピーカー 2
そうですね。大差ないですからね、お客さんにとっても。
スピーカー 1
ここからイネーブルアに戻ってくるんですけども、じゃあなんでこういうことができちゃうかっていうと、ホテル側に複数のサイトからの予約が入ってきても、お部屋の在庫がきちんと管理できないと、これできないよね。
ってことは、ホテル側に複数のホテルサイトからの予約管理ツールってやつが入ってるわけですよ。
スピーカー 2
なるほど、ジャランとか楽天の全部統一して管理してくれる別のツールがあるってことですね。
スピーカー 1
これがイネーブラー。
スピーカー 2
なるほど、イネーブラー。
お店側からしたら、ネットで予約管理するのも大変なだけじゃなくて、複数のサイトの管理もしてくれるから今までできなかったことができる。
これをイネーブラーって呼ぶんですか?
スピーカー 1
そうです。これだけじゃなくて、そういうふうに今までできなかったことができるようになるのがイネーブラー。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
特にこのイネーブラーを使った戦略の中で、ネットワーク豪華殺しの戦略のことは、マルチホーミングって言うんですよ。
スピーカー 2
マルチホーミング?
スピーカー 1
いや、ホーミング。
スピーカー 2
ホーミング。
スピーカー 1
ホーミングミサイルのホーミング。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
要は追いかけるってことだよね。
スピーカー 2
追いかける。
スピーカー 1
だから今までの手作業とかでやってると、このホテルの部屋の在庫がAっていう予約サイトから来ました。
12:06
スピーカー 1
消しに行かなきゃ。今Bから電話かかってるからBの電話が終わるまでは一部屋は絶対開けとかなきゃ。
こういうようなことをやらなきゃいけないわけですよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
そうすると手間がかかるしリスクもあるから、昔はJTBのためには3割枠を用意しといて、それ絶対JTBしか取れませんと。
スピーカー 2
なるほどなるほど。
スピーカー 1
リクルート2は新興プレイヤーだから、ジャランさん最近頑張ってるからとりあえず1割渡しとくわって言って、リクルートの枠が1割埋まったら、このまま行くとJTBさんの3割埋まらないかもしれないから、来週はこの5枠こっちに回しとくかみたいなことをやってたりするわけでしょ。
スピーカー 2
なるほど。やりそうですね。面白い。
スピーカー 1
これってでも、要はこれだとネットワーク効果もあるわけですよ。
だって売り手が買い手を呼んで買い手が売り手を呼ぶから、売り手からしたら一番いい買い手のサイトのところに多めに枠を確保したくなっちゃうじゃん。
スピーカー 2
そうですね。究極ジャランで全部埋まるんだったら、ジャランに10割とかもあり得るわけですもんね、究極は。
スピーカー 1
なので、それを壊すとネットワーク効果が回りにくくなるので、さっき言ったようにマルチフォーミングっていって、複数の売り手に対して同時並行で扱えるようにしちゃえば、ネットワーク効果を殺すことができますよね。
スピーカー 2
そうですね。つまり、楽天トラベルの強みもジャランの強みも無くす方向なわけですもんね。
スピーカー 1
そうそう。1球も楽天トラベルもジャランも、いっぺんにマルチフォーミングミサイルで予約を全部にドーンって出せるから、オッケーってなっちゃうから、マルチフォーミングの状態に持っていくと、先発のネットワーク効果を殺せるわけですよ。
スピーカー 2
なるほど、めっちゃ理解しました。でも普通に考えたら、僕がジャランとかだったらネットワーク効果を強めるために、例えばもう宿泊の人には、ホテルとかには値段を安くします。お客さんにポイント2倍にしますとかで、どんどん強めて赤字掘ってでも楽天トラベルを倒してネットワーク効果を強固にして独占しようみたいに考えそうなもんなんですけど、
それを、そっちの方向だけじゃなくて、イネーブラーを作ることによって殺す方向にもプロダクトを作っているっていうのが、今回のリクルートの凄みってことであってますか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
そうそうそうそう。エアレジってホテルの予約が対象外で、エアレジで喋ってるのはレストランと美容室とかだから。
15:01
スピーカー 2
なるほど。旅行はちょっとわかりづらい例でしたね、ジャランの話をしたとき。
そうですね、ちょっと混乱しちゃってね。
スピーカー 1
じゃあここについては、そもそもイネーブラーモデルというのは、これはエアレジで始まった戦略ではなくて、もう1970年代にできた戦略なので、ちょっとそっちの話をしていかないといけないんだ。
これは何かっていうとですね、もともとイネーブラー戦略を最初にやったのは飛行機の予約なんですよ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
アメリカンエアラインって知ってる?
スピーカー 2
はいはいはい。飛行機、航空会社の。
スピーカー 1
そう、あそこ広発なんだよね。
あの広発が最初にやったことは何かっていうと、旅行代理店にわざわざ予約システムを提供していくっていうことをやることによって伸びたんです。
スピーカー 2
予約システムを提供する。
スピーカー 1
つまり何かっていうと、さっき言ったようにお客さんが別にユナイテッドエアなのかアメリカンエアなのかを選ぶってさ、どれだけ予定の時間にうまく合うかとか、何よりも安さだよね。
スピーカー 2
そうですね。
そういうもので選んでいくと安さ勝負になってきちゃうわけじゃないですか。
スピーカー 1
あともっとめんどくさいのは、結局今みたいにマルチホーミングみたいなもののイネーブリングを後ろに入れなくても、お客様が他社の提供している条件よりいい条件をうちが提供すればいいんじゃないですかっていう話って、前提条件として他社の条件をちゃんと理解してるっていうことが来るよね。
スピーカー 2
確かに。知らないとできないですね。
スピーカー 1
それってめっちゃホテルにずっとスパイを置いてるのか、インタビューでずっと聞きに行くのかみたいなことしないとできないじゃん。
スピーカー 2
確かに。簡単に言うけど、実際やろうと思ったら大変なんだ。
スピーカー 1
だからアメリカンエアラインは、後発で予約を増やすために何をやったかっていうと、当時、飛行機の予約って旅行代理店がやってたから、旅行代理店に、うちのシステム使うと複数の航空会社の予約管理がこれ一個で全部できるから便利ですよってやったわけでしょ。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
そうしたら喜ぶよね。喜んだ時点で、ここでまずアメリカンエアラインは一個買ってて、今までアメリカンエアラインって後発だから選択肢に入らなかったわけよ。
うちはずっとユナイテッドだからさ。
それがこのシステムを入れると、少なくともアメリカンエアラインも選択肢として画面に上がってくるわけですよ。
スピーカー 2
そうですね。だから70年代とかだったら本当に付き合いのある航空会社だけを紹介してたみたいなところにシステムの中にあるから、ここ空いてるからここであそこ行けますよみたいな話を提案できるっていう時点で選択肢に入れたと。
18:07
スピーカー 1
そうすると次に恐るべく戦略がもう一つ出てくるわけだよ。
アメリカンエアラインって航空会社って頭文字二文字とかで訳すじゃん。ユナイテッドエアだったらUAとか。アメリカンエアラインどうなる?
スピーカー 2
AA。
スピーカー 1
そうだよな。AAはUAの上に出る?下に出る?
スピーカー 2
上に出ますね。
スピーカー 1
そうなんだよ。つまり同じ条件になった時はAAが上に出るんだよ。
スピーカー 2
面白い。古き良き引っ越し会社のアートを引っ越しセンターの戦略みたいな感じですね。
スピーカー 1
だからどうせ同じだったらうちを使ってねっていうことをやるし、あともう一個大事なことは、結局予約システム自体はエコヒーキなしの、アルファベット順以外のエコヒーキはないんだけど、
アメリカンエアラインはこの予約システムを入れたことによって、うちが選ばれずにライバルが選ばれちゃった航空船はどこでどんなお客かみたいな情報を全部手に入るわけですよ。
スピーカー 2
なるほど。裏のデータ見れちゃうわけですね。
スピーカー 1
そう。それを使ってこの路線はもうちょっと時間を早めようとか、このシーズンに関しては意図的に値段を下げようとか。
スピーカー 2
めっちゃ賢い、なるほど。
昔持ってたネットワーク効果を他の会社のそれを殺しつつ、自分たちはデータを見てより最適なものを提供できて、予約システム自体はフェアなんだけど、自分たちは良いものを提供できちゃってるので、選ばれ続けるっていうのを起こしてるわけですね。
スピーカー 1
そうです。
スピーカー 2
すげえじゃないですか、これ。
スピーカー 1
すごいんですよ。
でね、実は日本でもこれを徹底的に伸びたeコマースの会社があるんですよ。
スピーカー 2
え?
スピーカー 1
知らない?六本木のアーバーとかで多分件数も何回か飲んだことあるはずだよ。
スピーカー 2
DMMさん?
スピーカー 1
そうです。亀山会長。
はいはい。
もともとDMMの亀山会長って、今のオンラインになる前ってレンタルビデオ店やってたんだよね。
レンタルビデオ店をやってる中で、やっぱりソフトがどんどんどんどん彼らが扱うタイプのソフトが、ものすごいライフサイクル早いし、次々新しいの出るし、めちゃくちゃ多様なジャンル出てくるじゃないですか。
そうすると困ったって言って、全くアメリカンエアラインと同じことするんですよ。
スピーカー 2
へえ。
スピーカー 1
レンタルのビデオのシステムを作って。
で、いろんなお店に置いていって。
で、そうすると売れ筋がわかるわけですよね。
21:00
スピーカー 1
じゃあ次に亀山さん何やったかっていうと、物質のレンタルビデオになるのにレベニューシェア始めたんですよ。
スピーカー 2
あー、なるほど。
スピーカー 1
いや、置くときゼロ円。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
あ、だけど借りたら借りた分のパーセンテージくださいって。
そうすることによってお客様の需要もわかるし、その需要に合わせたビデオを作るから外さないし、ましてや初期に置くのにゼロ円だから置いてもらえるし。
スピーカー 2
なるほど、面白い。
スピーカー 1
これで亀山モデルは伸びたわけです。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
シャープさんごめんなさい。ごめんなさいって言うと亀山さんにごめんなさいになる。
スピーカー 2
ややこしいですね亀山モデルって言うと。
いや面白いなと思ったのがやっぱりその、使う側からしたらフェアな仕組みなので入れやすいっていうのはすごいありますよね。
スピーカー 1
はい、そうなんです。
だけど結果的に入れやすくて、でもこれ大事なことはやっぱりうちの予約しかさせませんとか、うちの商品しか扱えませんっていう風になっちゃうと、もうその時点でいやそういう縛りかけるんだったら安くてもいらないっすってお店になるじゃないですか。
スピーカー 2
なりますね、なる。
スピーカー 1
でもこれオープンですと。ただオープンな上で、うちは皆さんより便利を目指しますっていう状態だとハッピーハッピーなんだよね。
スピーカー 2
やばい、なるほど。
スピーカー 1
これがイネーブラ戦略の根幹なんですよ。
スピーカー 2
へー。
スピーカー 1
ただリクルートのえぐいところが、ナンバーワンの状態でこれ始めてる。
スピーカー 2
僕も今それを言おうとしました。つまり新規参入者がやるのはめっちゃわかるなと思ったし、ネットワーク公開で入れなかった人がやるのはわかるんですけど、じゃらんがこれをやるみたいなのって、例えば結構リスキーというか、かにばっちゃいますよね。
スピーカー 1
そうですね。だから下手すると他の出向もどんどん楽になれるよみたいなことかもしれない。
ただそこらへんは、ここから先は表に出てない情報で、今日のエアレジもそうですし、来週のインディードにとってはむちゃくちゃそうなんですけど、結構エアレジインディード以降になってくると外にあんまり情報が取材とかでしゃべらなくなってきてるので、ここから先はわりと推定の話なんですけども、だからオリジナルの爪が大事って話だと思うんですね。
ホットペッパービューティーとかも、他の予約もエアレジで受けれますよっていうことはできるわけなんだけれども、予約を受けるときに、スケジュール欄に対してパッケージプランの細やかさだったりとか、受け入れるマッサージプランの初回は何%引きにしますとかっていうことだったりとか、
24:05
スピーカー 1
あと髪の毛切るときにカットモデルの方に、この美容師だったらこういう髪型が得意ですよみたいなことの写真が選べるみたいなことだったりとか、やっぱりマッチングそのものが圧倒的にリクルートのでっからでしかマッチングができないっていう性能があるからできるっていうところがあるよね。
スピーカー 2
なるほど。ネットワーク効果が崩れたとしてもJALANと楽天トラベル比べたときにJALANはその爪の強さで勝負できるから壊しても大丈夫みたいなのがあるんじゃないかってことですね。
スピーカー 1
そうですね。ただ問題は、結局これリクルートとタベログどっちが儲かる問題に戻ってくる話なんだけど、リクルートはお客さんに対してプロモーションをやってるからパーセンテージ取れるけど、ソリューションにはお金そんな払わないわけだよね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
だからこれイネーブラーそのものがソリューションじゃん。だからリクルート的な感覚で言うと儲かんないよね。
スピーカー 2
エアレジオね。そうなりますよね。
スピーカー 1
なのでここがある種防衛戦であり、さっき言ったようにエアレジオを入れることによってお客さんの動きとかお客さんがどんなメニューを好まれてるのかとか、そういうデータがわかるからよりいいマッチングサービスを提供していけるからやるっていう。
ここは儲けるところっていうよりかは防御もプラス次に向けた投資だよね。
スピーカー 2
なるほどなあ。それ的には結構すごいですね。
スピーカー 1
だからそれはやっぱ体力あるうちに、それやる意味あんの?っていう中でも、特にリクルートっていう100億円で30億割利益出してくれない人それお前人間として価値あるのかっていう会社の中でもきちんとやってるっていうところがすごいところだよね。
スピーカー 2
なるほどなあ。
だっていわゆるエアレジオを元にして今、エアビジネスツールかな。いろいろやってますもんね。
スピーカー 1
だから決済としてのエアレジみたいので始まって、それが飲食に対する総合ソリューションにしましょうみたいな形でエアウェイトって言って、人気のお店の整理券を自動で発行してあげて、自分の順番に近くなってくるとメッセージが届きますねみたいなこともやれば。
当然これエアイネーブラーモデルって別にレジだけじゃないので、じゃあ求人に関しての求人の面接工程管理だったりとかみたいな形で、いろんなジャンルにこのイネーブラーっていう発想が通用するんだよね。
27:08
スピーカー 2
すげえ、なるほど。
スピーカー 1
ただ入り方の共通点として大事なのが、これエア予約ソリューションじゃなくてエアレジなわけよ。
スピーカー 2
つまり、どこまで行っても店舗さん視点である必要性はあって。
スピーカー 1
エア予約ソリューションですっていうふうに言われたら、あなたたち牛耳るつもりですかってちょっと辛いじゃないですか、リクルートが来たら。
でもエアレジって言われると、やっぱりレジってさっき言ったようにめちゃめちゃ金たかってるし、本当はレジで飲食店のお店があとこのテーブル何分後に空きますよみたいな管理ができても嬉しいし。
スピーカー 2
レジってまだ未解決なことの塊だからし値段も高いから、そこを値段革命をしてあげて、レジから入ることで結果的に予約管理を取るっていう。
下流をちょっと安さ革命で入り込んで上流工程を握るっていうのがこのイネーブラーモデルの上手いところなんですよ。
ここまではめっちゃわかったんですけど、さっきのAmazonのテイクレートってここにどうやって繋がるんですか。
スピーカー 1
たどり着くかって話でしょ。じゃあさっき言ったようにAmazonは今テイクレートは33%取れてます。これなんで33%も払ってると思う?
スピーカー 2
Amazonだと売れるから。
スピーカー 1
でもYahooで売っても前回の話5.5%ぐらいは取れるわけじゃん。
スピーカー 2
なるほど。もしかしたら自社のブランドのものを売ってるからとか。
スピーカー 1
はいはいはいはい。そうですそうです。要はおっしゃる通りでAmazonブランドのものも売っているからっていう話もあるし、
あと何よりこの33%の中にはAmazonの倉庫に置いて。Amazonの倉庫に置いてるから翌日配送。
スピーカー 2
確かに。だから他の売り手の、何でしょう、売り手というかAmazon以外のところがお店が売っててもその在庫ってAmazonの倉庫に置いてAmazonが発送してくれるみたいなのがサービスとしてあるんですよね。
スピーカー 1
はい。そうすると結果として33%払ってるわけですけど、でも実質的にやっぱり世の中のECの人たちって自分たちで発送とかやると、
スピーカー 2
梱包とか倉庫とかの手数料が何のかにおいて15%ぐらいかかっちゃうし。特に送料が重たくなってってるから。そうするとそこだけで10%から12%ぐらいかかっちゃうんですよね。
30:15
スピーカー 1
そうするともともとのテイクレートである15%から広告出行すれば20%ぐらいのところに、もともと22、23%かかってたコストが、むしろAmazonに置くとたくさんの規模を扱ってる規模の経済が効くから、比較的安く済むのでトータルで見れば33%で済んでます。
スピーカー 2
なるほどなー。Amazonにとってのイネーブラーは倉庫?
スピーカー 1
そう。だからイネーブラーっていうのは、一回相手の裏側に入ってできるようにしますよっていうことをやっていくことによって防御力を高めるっていう観点もあるんだけど、こと物流とかがハマってくると、やっぱり倉庫って、もう今Amazonロボット倉庫作ったりとかさ、っていう風に規模の経済が効くから他社よりも安くできるわけよ。
スピーカー 2
はー、なるほど。だからAmazonずっとこの倉庫管理のロボットとかに投資し続けてるっていうのは、そこがめっちゃ強いんですね。
スピーカー 1
そう。しかもたくさんの集配が集まると、そこが物流との周波数上になるから早く送れるようになるよね。
スピーカー 2
うーん、なるほど。
スピーカー 1
そうすると、他では2日かかるところはAmazonが翌日で行けますっていう風になるよね。
スピーカー 2
なるほど。だから物流に統制する理由っていうのは、単純な効率化ではなくて、イネーブラーとしての役割を支出するみたいな部分もあるんですね。
スピーカー 1
そう。つまり何かっていうと、イネーブラーモデルは最初はネットワーク効果を壊しながら、でもうちが一番いい製品を提供できるからうちが選ばれる状況に持っていくっていう負けないためのやり方だったんだけれども、
そこで入り込んだ後に、めっちゃ金かければ安くて行きますぜみたいなことだったりとか、たくさん規模を集めれば効率的にできるのでお客さんに早く届けるとか、お客さんへのメリットを届けれますよっていうイネーブラーの集約効果を発揮することができると、そこそのものが強みになって、
ユーザーからすると、早く届いてほしいものに関してはやっぱりAmazonでお願いするよねっていうふうになるし、一方お店側からしたら多少手数料取られたって、どうせうちで払っても同じくらいの金額払うから、だったらAmazonに経由でお願いした方が早く届くってことで選ばれるから、Amazonの方に在庫を置いとこうって話になって。
33:09
スピーカー 2
はあ、これもしかしてクラウドのAWSとかも同じ発想なんですか。
スピーカー 1
そうですが、はいはい、そういうことです。
スピーカー 2
なるほどなあ、すげえわかった。
スピーカー 1
AmazonのAWSとかはやっぱりクラウドって世界中に散らばれるから、規模が集まると世界中の電気代が安いところでサーバー動いてるわけですよね。
だいたい今、僕ら朝収録してるわけですけど、深夜の地球の裏側あたりのサーバーで動かしてることが多くて。
スピーカー 2
そういうふうに、イネーブラーモデルっていうのは規模を束ねるから、規模を束ねることによって他よりも安く提供できる、他よりも優れたものを提供できるっていうふうになった途端に、そこも収益源になり得ますよってことです。
なるほど、そうですよね。だから今Amazonの倉庫と同じようなものを作ろうと思っても無理ですし、AWSと同じようなものを作ろうと思っても無理だから。
スピーカー 1
我々のようなデジタル小作人的な人は、そこを使うしかないみたいに、もうなってますもんね。
そう、そうするとやっぱりこれからどんどん全てのBの仕事がサース化したり、バーチャル倉庫を含めてリアルもクラウドも全てがどこかに預けていくっていう、
サードパーティーに預ける時代になってくるから、このイネーブラーモデルをきっちり理解して、ネットワーク効果を壊しながら自分のところを通るようにしていくのか、ネットワーク効果を持ってたとしても自分でやっていくのか。
じゃあそこで規模を集めた時に、どこが次の収益ポイントに変わるのかっていうところをしっかり見ながら、収益性と収益性が安さだったり速さをつけるから自分のところに集まってっていうのをやるっていうのが大事なんですね。
スピーカー 2
うーん、なるほど。これめちゃくちゃ面白いなあ、なるほどなあ。
ただね、これ普通に言ったらここでまとめじゃないですか。ちょっとだけ時間伸びちゃうんだけど、最後にもう1個言いたいことがあるわけよ。
スピーカー 1
リクルートって、そんな規模を集めたから儲かりますっていうだけで仕事する会社でしたっけ?
スピーカー 2
違いますね。
スピーカー 1
リクルートの裏社税は何ですか?
スピーカー 2
裏社税。
スピーカー 1
みんなが知ってる機械を。
スピーカー 2
それでいいんですね、はい。
スピーカー 1
機械を自ら作り、機械を持って自らを変えよう、なるわけですね。
リクルートがなんでこういうエアーモデルをやってるかっていうと、こうやって業務を集めて効率化していくっていうだけだったらさ、一番簡単なのフランチャイズじゃん。
36:12
スピーカー 1
コーヒーチェーンの中に入れば全部ポスレジもあるし、コーヒーチェーンとして豆も集中購買してくれるし。
でもなんでイネーブラーモデルにこだわってるかっていうと、それは地元の店舗の味を残したいからなんですよ。
スピーカー 2
なるほどな。
リクルート自体が飲食店やるとかではなくて、地元のそういう個性的なお店を残すためにフランチャイズにも対抗できる力を上げるみたいな。
スピーカー 1
そっちの方が結果的に各お店の個性が残って、各お店の個性が次の多様な進化を作っていって、その多様な進化がいいものであれば詰めとして集団で女子会みたいな感じで作ってあげれば、そこにユーザーが面白いって言って新しく動くし。
そういう街の雇用性をいかに尊重するか、その中でトレンドを作るのであれば新しいトレンドを作ることによってユーザーさんに新しい人生の選択肢だったり彩りを提供するかっていうことが大事だから、
エネーブルは一見集約するとリクルートフランチャイズモデルになっちゃうところをあえて下支えにしていくから、リクルートの中ではこれをリバースフランチャイズモデルっていう言い方をしてる。
スピーカー 2
Amazonとかね、例えばスーパーの会社を買って自分たちでやろうとしたりとか、ウォルマートとかもIT頑張ってますけど、自分たちのお店を広げていくって形ですけどリクルート全然違うんですね。
スピーカー 1
そこら辺がやっぱり根っこだと思うんだよね。ビジネスの選択肢としてオシャレにAmazonのようにどんどん足していってやっていくっていうのもあるんだけれども、やっぱりリクルートは人生の多様性を応援していく。
スピーカー 2
確かにな。リクルートがドトール買収するとかローソン買収するとかなさそうですもんね。
そうなんですよね。
面白い。
スピーカー 1
ところに最後は企業のパーパスとかミッションとかっていうところとビジネスっていうところを掛け算にし、とはいえビジネスって儲かっていくとライバルがイネーブラーモデルで壊しに来るから、ライバルに壊されるぐらいだったら先に壊しちゃえっていう。
ここまで含めたイノベーションっていうところがARGの面白いところですよということですね。
39:03
スピーカー 2
すげえ面白い、なるほど。だからリクルートの根幹となるような考え方とかパーパスみたいなものは変わってないけれども、ARGみたいなイネーブラネットワーク効果を壊すようなものはその土台の上でできてるっていうのがすごいわけですね。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
めっちゃ難しいことやってますね。僕普通にだったらもうローソン買収した方がいいじゃんとか考えちゃいそうですもん。
この理論だけを突き詰めると。
スピーカー 1
この辺がやっぱりリクルートがリクルートらしく入れるためにリクルートらしさを殺す事業モデルは何かみたいなことを、一回もう社長直下でプロジェクトがどうもあったらしいんだよね。
スピーカー 2
へえ。
スピーカー 1
どうも件数の当たりの同期の件数もやめちゃってるから、そのやってた頃をやってゴリゴリ作ってたらしいんだよね、この辺は。
スピーカー 2
でも確かに僕がいた時もリクルートを殺すようなものは何かみたいなのはずっと言われてた気もしますね。
スピーカー 1
その辺が大事なのが、リクルートらしさを残しながらリクルートを殺すのは何かって平行で考えることによって、こうやって自分を殺すものをあえて内側に入れることによって、むしろ自分たちを新しくしていくっていう発想が。
まあ多分これからインターネット企業がやっぱり最初に儲かったビジネスから2週目3週目に入っていくサービスが社会インフラになっていくみたいな時にヒントになるんじゃないかなって思うよね。
スピーカー 2
なるほどめっちゃ強い。やめなきゃよかったんじゃないですか僕たちリクルート。
好きなんだけどね。外で解説するのもいいかなっていう。
確かにね。中にいるとね、もう皆さんすごい大変な思いをしてこれをやってるから。
外から見るとね、さぞかし簡単にやったんだろうに見えちゃうけど、当然現場の人たちのね、大変なのを積み重ねた上ですからね。
そんなこと言い出したら、ヒアリングしてるからさ、エアレジーがどういう失敗を繰り返しながらこのモデルにたどり着いたかとかだいぶ仮説あるんだけどさ、それ喋ってるとさすがに時間がないし、あとそれ喋ってるとちょっと怒られるかもしれない。
聞いてる人もね、そこまで解像度を知ったとてなんで、このぐらいの要素の方がちょうどいいと思うんですけど。
こんな感じですかね。ありがとうございます。
スピーカー 1
はい、じゃあ最後、次回は総集編の入る手前として、今リクルートで最も収益性と成長性が高いインディード。
42:04
スピーカー 1
これは実はリクルートの悲劇を逆手に取ったから生まれたビジネスなんだよっていう、ちょっと他にはない角度の話をしたいと思います。
スピーカー 2
今のね、中核みたいな感じですからね、もう一番大事なところかもしれません。
はい、ではまた次回よろしくお願いします。
スピーカー 1
よろしくお願いします。
42:28

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