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尾原
MOATって言葉って好きじゃないですか、日本の企業が。
けんすう
確かにね、最近ここ2,3人すごい聞く言葉になってますよね。
尾原
そうですね。特にMOATって言葉って、なんて意味です?
けんすう
掘りとか、そんなイメージですかね。
尾原
そうですね。だから、やっぱりビジネス用語って基本的に前回お話したように戦いの中で作られてきた言葉だから、やっぱり掘りって何のために戦いだとあるんでしたっけ?
けんすう
なんかお城の周りに掘りをやってお水を入れといて、兵士が入ってこれづらくなるとか。
尾原
細かいな。兵士が入ってこれづらくなるっていうことが掘りの役割で、つまりライバルができるだけ自分のビジネスに入ってきにくい状況を作るっていうことを持って掘りだからMOATっていう言い方をするんですよ。
これだとネットワーク効果の魅力って半分じゃないですか。
けんすう
これ、そもそもネットワーク効果とMOATって関係あるというか、なんか近い言葉としてあるんですか?
あ、そっかそっか。MOATって呼ばれたものに対してどのぐらいパーパーって思いつきます?
例えばなんかユーザー数が多いとか、ブランドがあるとか。
尾原
そうそう、ブランド。
けんすう
ちょっとなんだろう、インフラ費用が安いとか思いつきますけどね。
尾原
そうね。一般的に呼ばれるMOATと呼ばれるのは、一番これバイブルなのが結構企業家が全員読んでるわりに意外と抽象化して覚えてないピーター・ティールのゼロトゥーワンって本があるんでしょ。
けんすう
はい、読みました。
尾原
ピーター・ティールのゼロトゥーワンの中には、MOATという言い方よりは彼はもっと言葉強くて独占のためにっていう言い方してるんですけど、
4つの独占技があるって呼ばれてるものがこれが一番MOATのメジャーなものなんですけど、4つ覚えてます?
けんすう
ネットワーク効果、ブランド、なんか特別な技術とかでしたっけ?
すごいすごいすごいすごい。プロパリタリーテクノロジーっていう意味で、日本語にすると先行有益感のある独占的技術って感じですね。
最後が他より安く提供できるっていうビジネスの技にスケールメリット、規模の経済。
尾原
要はたくさん作ると安く作れるよねとか、たくさん作れるのはうちしかたくさん作れないから、他はちょっとしか供給できないから市場独占できないよねとか。
けんすう
インフラ費用もね、たくさん使うと安くなったりするよねみたいな。
なるほど、この4つですと。
尾原
この4つが一般的に言われるモートで、それ以外にも例えばオペレーションエクセレンスみたいなものだったりとか、
あとカウンターポジショニングみたいなものとか、あとコーナードリソースみたいなものとか、プロセスパワーみたいなものとか、
この辺は何だ?セブンパワーって本訳されたよね?日本語。
けんすう
はい、これも企業家向けの本として一時期ちょっと話題になりましたけど、それの言葉なんですか?今出てきたのは。
尾原
そうですね、一般的には日本の中ではモートという解釈をされちゃっている。
ただ僕の愛するネットワーク効果についても、モートって言い方しちゃうと魅力半分しか出てない、もったいないよっていう言葉になっちゃうんです。
けんすう
じゃあこのモートの中にネットワーク効果が入っていると思うともったいないってことなんですか?
尾原
そうなんです、そうなんです。
けんすう
ちなみにモートと競争優位性みたいなのって違うんですか?
尾原
いや、正確に言うとモートって、さっき言ったようにライバルが入ってこれなくするための仕組みだから、どっちかっていうと守りサイドなわけですよ。
守るので、モートのことアメリカではディフェンシビリティみたいな言い方もするんだよね。
けんすう
なるほど、じゃあもう競争相手が入ってこないものに特化した話なんですね。
尾原
そうそうそうそう、さすが早いな、早いな。
けんすう
競争優位性はもう競争してるけどそこでなんでうちらが強いんだっけみたいなやつだからちょっと違うんですね。
尾原
でも前回、戦略って2つだよねって話をしたの覚えてる?
けんすう
いやちょっともう覚えてないのでもう一回お願いできますか。
尾原
そうだよね、やっぱり前回収録から時間経っちゃったもんね。
はい、10分前ぐらいですね。もう一度お願いします。
前回言った話は、顧客の選択優位性の仕組みによる担保と、持続的競争優位性の担保っていう2種類の話をしたんですよ。
つまり何かっていうと、ディフェンスする前にはお客様から選ばれないと、そもそもディフェンスも何もないじゃないですか。
けんすう
はいはい、守る意味がないよねってことですね。
尾原
そう、だからネットワーク効果が本当に素敵なのは、お客様から選ばれる理由が仕組みによって増えていくっていう、
まあこれを攻撃って言うとちょっとお客様に対して失礼なんだけど、ポジティブを増やしていくっていうところの要素と、
ライバルが入りたくても入れないっていう持続的競争優位性のディフェンスサイド、モートサイドの話の2種類があるんですよ。
で、モートっていう言い方をしちゃうと、そのお客様から選ばれる理由づくりが仕組みで増えていくっていう議論が減っちゃうんだよね。
けんすう
じゃあもうモートの中だと思わずに、あくまで戦略の一つとして考えないといけないよっていうのが。
尾原
そうそう、戦略の一つとして考えなきゃいけないよっていう話と、あともうちょっと大事なことがさ、
モート作る前にまずお客様から選ばれないと全て始まらないじゃないですか。
けんすう
確かにそうですね。
尾原
でかつ、そのお客様から選ばれる理由っていうのが、毎回ヘトヘトで努力するんじゃなくて、
ネットワークビジネスなんだから、ネットのビジネスなんだから、仕組みとしてネットの力の中でお客様から選ばれる理由が増えてった方が楽に勝てますよね。
けんすう
そうですね。
尾原
お客さんも楽に、いいものにどんどんなっていく方が嬉しいじゃないですか。
だから魅力を増すためのネットワーク効果と、ライバルが入ってこなくなるためのネットワーク効果の2種類があって。
このモートっていう言い方をおっしゃったり、ディフェンシビリティという言い方をおっしゃうと、
お客様から選ばれる価値がどんどん仕組みで増えていくっていう、最初のステージで一番大事な議論をしないケースが多いんですよ。
けんすう
なるほど。要はモートって入ってくるライバルの方を向いちゃってるけど、
お客さんが喜ぶものに対して、ちゃんとネットワーク効果を考えるのが、
どう考えても先というか前提だよねってことですね。
尾原
そうですね。
けんすう
そりゃそうですよね。使う人が増えれば増えるほど便利になりますっていうのを考えるべきなのに、
使う人が多いからライバルが入ってきませんにしちゃうと、何段階か価値が落ちる。
そうか、でもピーター・ティールの本とかに、モートの一つとしてネットワーク効果とかが入っているから、その勘違いが起きてるみたいな。
尾原
どこから起因したのかはよくわかんないんですよね。
少なくともピーター・ティールはモートって言い方よりは、もっと言葉の強い独占のためっていう言い方をしちゃってるので。
ちなみにピーター・ティール様は、今AIがもともとPayPalっていう決済の会社を立ち上げたファウンダーの一人で、
その後、僕らが今AI、AI、AIって言ってるディープラーニングですね。
あれの会社のディープマインドって会社を最初に見つけて育てって言った人間でもあるし、
今、生成AIで話題のオープンAIさんのファウンダーの一人でもあります。
けんすう
すごい。
尾原
っていうぐらいキレキレのおっちゃんが言ってることなんですけど。
その言葉が強すぎんだと思うんだよね。
けんすう
なるほど。でもその確かに勘違いはわかりました。
まとめると、モートの一つとしてネットワーク効果を捉えるのではなくて、あくまで戦略の。
戦略の一つって感じなんですか?
尾原
そうですね。戦略の一つですね。
だからさっき言ったように、さっきピーター・ティールが言った4種類っていうのは、
正確に言うとあれもモートっていうよりかは、戦略の4種類って言ったほうが良くて。
だって規模の経済ってできたら、結局規模の経済によってお客さんは安く使えるわけじゃないですか。
けんすう
Amazonとかそうですもんね。
尾原
さすが。また台本ブレイクする。
Amazonの例とか後でちょっとしゃべろうと思うんですけど。
けんすう
なるほど。すいません。先に言っちゃった。
尾原
いいんですよ。
けんすう
だから1点わからなかったんですけど、戦略って世の中にたくさんあるじゃないですか。
例えばポジショニング戦略って呼ばれるものがあったりとかする中で、
ポジショニング戦略やるためにネットワーク効果がありますとかなのか、
ネットワーク効果というものを使った戦略がありますなのかというと、どっちの感じなんですか。
尾原
それで言うとですね、すげえいい質問ですね。
前回興奮しすぎてその辺の話を一切するの忘れてたんですけども。
あくまで戦略っていうのは戦いを略するためにあるわけですよ。
だから戦いを略すときに、ポジショニング戦略って何かっていうと、
あなたそこで戦ってますよね。
私はここで戦うのでお互い戦わなくていいじゃないですかっていう戦いを略すやり方がポジショニング戦略なわけですよ。
けんすう
確かに言われてみればシンプルにそうですよね。
尾原
だから戦いを略するっていうもののやり方って、
これを知るには入山先生の世界標準の経営理論っていうのも、
その本で殴れば人殺せるってぐらい分厚い本があるんですけど、
その中に32個の経営戦略理論があって、
そのうちのちょっとずれてるかもしれないけど、
14種類ぐらいが戦略の話なんですよ。
っていうぐらいリアルなビジネスだと戦略ってむちゃくちゃ種類があるし、
尾原
これはどっちかっていうと、メーカー時代の利益を仕組みで作るモデルの本ですね。
けんすう
ごめんなさい、もう一回。ネットワーク効果はなんていうところに入るんですか?
尾原
配電盤モデルっていう。
けんすう
配電盤モデル。
尾原
そもそも配電盤がわかんないじゃん。
けんすう
配電盤とは。
尾原
配電盤って、昔って電話かける時に、誰から誰に電話繋ぐんですかっていうのを、
人力でオペレーターが線を繋ぎ直して繋いでたんですよ。
けんすう
電話交換手みたいなやつですよね。
尾原
結局、電話というコミュニケーションビジネスにする時に、
ここに繋ぎ方をお願いしないとビジネスが動かないですよねっていうことをもって配電盤という言い方をしてて。
けんすう
なるほど。つまり一旦集約して、この人はこの人と電話したいからこう繋げようってやる、
その繋がる場所みたいな。
尾原
そうです。
けんすう
配電盤。
尾原
だから昔は割と相互ネットワーク効果の中の相互ネットワーク効果のことを
ゲートウェイビジネスモデルっていう言い方をしたり。
なるほど。
ワンストッププラットフォームみたいなものが流行ったりしたんですけど、
すいません、インターネットロジックみたいな話になっちゃうんですけど。
一箇所に物を集めると、そこでしか売買、そこで売買するのが楽になるから、
そういう集約ポイントになりましょうみたいな紹介をされてるんですよね。
けんすう
なんかイメージ砂時計の絵みたいな感じ。
尾原
そうそう。さすが早い。
真ん中を取るとめっちゃいいよね。
そうそう。っていうやつなんですよ。
けんすう
なるほど。イメージしやすかったですね。
ネットワーク効果はこの一種だよねっていう。
尾原
そう。で、話をさっきの件数の指摘に戻すと、
イディアマ先生の世界標準の経営理論では17個ぐらい、
このザ・プロフィットでは23個ぐらい、
仕組みで利益が出続けるものっていうものが載ってるんですね。
それは仕組みで利益が出続けるから、やっぱりこれは戦いを略す戦略なわけですよ。
けんすう
うーん。
尾原
だけどもっと大事なことは、
要はこれいわゆる金税的な言い方で言うと全部民主じゃないわけ。
なるほどね。かぶるところもあるし、だぶってるところもあるよね。
だぶってるところもあって抜け漏れもあるし。
だからポジショニング戦略とネットワーク効果を両方使った方が最強じゃんっていうやり方もあるし。
うーん。
例えばわかりやすい話で言うと、初期の頃のメルカリとヤフオクって、
ポジション戦略とネットワーク効果の組み合わせなわけですよ。
けんすう
あーなるほど。確かになんか別物として扱われてたみたいな感じですよね。
尾原
だからなんとなくオークション、ヤフオクションとメルカリみたいなフリーマーケットモデルって、
尾原
売り手がいるから買い手が来て、買い手が来るから売り手が来るよねっていう風に同じようなもののような気がするじゃないですか。
けんすう
はい。
尾原
全然違いますよね、ユーザーからすると。
けんすう
ユーザーからするとね、ヤフオクとメルカリ、同じようなことやってるけど全然違うサービスというか、パソコンかスマホかみたいな違いもあるし。
そう、感覚的には違いますね。
尾原
一言で言うと、ヤフオクは時間かかってもいいから高く売るっていうモデルなんですよね。
おー確かに。
メルカリっていうのはどっちかっていうと、手軽に出品できて早く買ってもらえる。
だからこれはさっきの件数の言葉で言うと。
けんすう
全然違うって言ったやつですか?
尾原
いやいや、ポジショニング戦略。
けんすう
ポジショニング戦略、はい。これがポジショニング戦略なわけですね。
尾原
だけど、ヤフオクっていうのは、時間がかかっても高く売りたいっていう人が集まってくると、そこを買いたいっていう人が集まってくるわけですよね。
だからやっぱり中古品のパーツみたいな。
すごいマニアックで、世の中だと買ってくれる人がいないかもしれないけど、ネットだと距離が関係なくなっちゃうから。
全国からこのパーツ高くても買いたいって思う人が集まってくると、オークションで値段が上がるから売れるっていう風に。
売り手が集まると買い手が集まって、買い手が集まると売り手が集まるっていうのが起きますよね。
一方でメルカリはメルカリで、今の季節の服をパーティーで1回着たから、このシーズン中に他にも使いたい人がいたら早く次の人が使ってくれたらいいなみたいな形で出品すると、それを買ってくれるっていう形で。
これがこれで買い手が売り手を呼んで、売り手が買い手を呼びますよね。
けんすう
なるほど。これちょっと細かい質問なんですけれども、スマートフォンが出る前にパソコン版でヤフオクではないフリマサイトみたいなのがあったなっていうのがあるんですけど、
例えばそのサイトが買てなかったら要はポジショニング的に被っちゃってるというか、パソコン使って出してる時点で被ってるし、気楽さもそんなに変わらないから。
おっしゃる通りです。
尾原
だからそれが前回言ったティッピングポイントの話なわけですよ。
けんすう
スマートフォンが普及してみんながカメラをパシャパシャ撮ってすぐアップできるし、買い手もスマートフォンでバーッと見れるようになったっていうティッピングポイントを超えて初めてミルカリが回るし、初めてある意味だとポジショニングもちゃんと分かれたみたいな。
そう、ちゃんと分かれれた。
はー、なるほど。
尾原
すごい、なんか前回の復習しながら新しいの追加していく。
けんすう
でも確かになんか、なんだろう、雰囲気ではヤフオクとミルカリ違うよねとか、ミルカリって人が増えたから価値あるよねって思ってたけど、あんまり整理できてなかったんだなっていうのが気づきました。
尾原
で、こうやって言葉を分解していくと、どうやったら仕組みで勝ち続けるんだろうっていう会話が楽しくできるわけですよ、起業家が。
けんすう
はー、逆にここまでちゃんと分かってないと、確かにネットワーク効果の話をしても、それこそ元の一種だと思っちゃって、うまく使いこなせないとかが起こるわけですね。
尾原
そうなんです、そうなんです。
けんすう
で、さらに話を戻すと、そのモートっていう言い方をしていると、ライバルが入ってこないためのやり方っていうところに集中しちゃう。
尾原
だけど実はこのネットワーク効果にしろ戦略っていうのは、お客様から選ばれる理由が仕組みで増えていくっていう部分があって初めてライバルが入ってこれないっていうところが有効になるわけじゃないですか。
けんすう
なるほど、やっぱりこの順番が大事なわけですね。
尾原
そうなんです、そうなんです。
けんすう
そうか、メルカリもたくさん商品があるから買い手の人が喜ぶよねだし、買い手の人がたくさん多いから売り手はどんどん売れて嬉しいよね。
尾原
これが回ってるからライバルは同じことできなくなるよねっていうこの順番でやらなきゃいけないのに最初からライバル入ってこれないようにするためにたくさんユーザー集めますでやっちゃうと全然ぐるぐるいいスパイラルが回らないっていう感じなんですね。
だからそのメルカリの例で言うとやっぱり最初メルカリっていうのはそのポジショニング戦略として長く時間使っても高く売るっていうところからできるだけ早く楽に売れるっていうところにフォーカスを当てたからやっぱり女性のファッションっていうところつまりそのこのシーズンの中で次使いたい人が早く手に入るっていう循環を何周回すんだみたいな感じでやったりとか
回すんだみたいなところのジャンルをまず選んでるわけですよねなるほどそうなった時にこのネットワークエフェクトをお客様から選ばれてそのお客様から選ばれる理由が増えるために何をやったかっていうと彼らはリアルのフリーマーケットに行って
尾原
うーんどうせだったらこのままメルカリに出品しませんかみたいなことをいうことでそのある程度今のシーズンのファッションがここだったら選べるっていう選ばれる理由が選びたいものがあるからユーザーが来てユーザーがいるとこんなもの売れるんだって思うからこのユーザーもじゃあもうこのシーズンこれ来ないから売ろうみたいな形でユーザーがどんどん構造的に魅力的になってくるんですね
という仕組みづくりにむちゃくちゃ時間かけたわけですよなるほど確かに今の人知らないかもしれないですがメルカリの初期ってリアルフリーマめちゃくちゃやってましたよねそうそうそうなんですよ
それがやっぱりお客様から選ばれる仕組みづくりっていうのが最初リアルに出すことによってここで出品していいんだって記憶を持ってもらってでもここで売れるんだっていうふうに思い始めたらもうメルカリをに先に出品するようになるじゃないですか
メルカリに先に出品するようになったらじゃあこういうものが買えるんだってことでユーザーがまた来るじゃないですかそうするとユーザーのうちの一部がじゃあ私も出品しようになるじゃないですかそうするとこれぐるぐるが回り始めると
もうリアルの振り間に勧誘に行かなくても勝手にユーザーさんがここで売るのがいいんだっていうふうに売るようにぐるぐる図が回り始めるとどんどんほっといても出品数が増えていってどんどん出品数が増えていくからユーザーもどんどん来てくれてっていうユーザーへの魅力っていうのが仕組みで増していくわけですよね
けんすう
なるほどすごいわかりましたやっぱそのぐるぐる図で顧客に選ばれるようにしましょうねっていう前提を知った上でネットワーク効果の中身に次回からようやく入れるようになったってことですね
尾原
ただここについてもうちょっと時間が延びちゃうんだけど一個言いたいのがこの一周目回すのに山田信太郎がどれだけの工夫と努力を重ねてるかってことだけはちょっと足したくて
例えばこの一周目を回す魅力をちゃんとユーザーに伝えるために彼が何の努力をやったかというと売れた商品もソルドアウトってわざと画面に残し始めたんですよ
要は最初出品数が少ない時に何が売り切れたかっていうのを出さない方がユーザーにとっては買えるものだけが見えるから楽なはずじゃないですか
でもあえて売り切れたものも画面に残すことによってこんなものが出品しても売れるんだっていうことをユーザーが気づくわけですよ
けんすう
確かになんか出す人からしたら売れるかどうかが一番不安ですもんね
尾原
そうそうなんですよそうするとこれがこんなに早くソルドアウトしてるんだっていうことに気づくとじゃあ私も出品しようってなるわけですよね
けんすう
なるほど面白い
尾原
普通のUXユーザー体験の感覚だと売り切れたものを表示するっていうのはユーザーにとって買えないものが表示されるからそれは削りましょうってなるのが自然のところをやっぱりメルカリさんのすごかったところは
お客さんのこのここで出品したくなるここで買いたくなるっていう魅力を回すためにそれを仕組みとして回すためにあえてソルドアウトも表示する選択をする
こういうところができる男が仕組みで勝ち続ける仕組みでユーザーで選ばれ続けるスタートアップになっていくわけですよね
けんすう
なるほど確かにこれ今だとみんなソルドアウトのが出てるので自然だと思ってるんですけど
一般的なECサイトだと買えないものはもう落としましたからね
そこは大きな差でありそこが要はお客さんに選ばれる仕組みをちゃんと作ってるからメルカリはすごいんだよってことですね