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2024-10-02 32:12

#7−5 一旦アンバンドる?価値の細分化が可能にしたNetflix再建計画

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月額制に目をつけたNetflixは効率的な在庫管理で特許を取得し、ユーザーの満足度を高めつつ、配送の迅速化を実現して競合に差をつけていきます。今回はそんなスムーズなシステムを構築するに至った「バリューアンバンドル」という戦略について解説します。


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▼MC:

尾原和啓(IT批評家) https://twitter.com/kazobara


京都大学院で人工知能を研究。マッキンゼー、Google、iモード、楽天執行役員、2回のリクルートなど事業立上げ・投資を専門とし、内閣府新AI戦略検討、産総研人工知能研究センターアドバイザー、現在13職目 、近著「アフターデジタル」は11万部、元 経産大臣 世耕氏より推挙。「プロセスエコノミー」はビジネス書グランプリ イノベーション部門受賞


▼サブMC:

けんすう(アル株式会社代表取締役) https://twitter.com/kensuu


アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年に株式会社nanapiを創業。2014年にKDDIグループにジョインし、2018年から現職。


▼番組への感想、MCへのメッセージは以下までお寄せください。

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▼音声編集:株式会社BOOK


▼アドバイザー:株式会社BOOK代表取締役 樋口聖典

サマリー

このエピソードでは、Netflixの創業初期の苦労やビジネスモデルの進化、月額サブスクリプションの導入による顧客体験の変化について掘り下げています。特に、バリューアンバンドルという概念を通じて新しい価値の創造に焦点を当てています。Netflixは、価値の細分化を通じて効率的な配送体制を構築し、ユーザー体験の向上を目指しています。特許を活用した戦略によって、競合他社との違いを明確にし、最適な在庫管理を実現しています。Netflixの再建計画において、価値の細分化を通じた新しい市場の創出が模索されており、特にアンバンドルの概念が多様なクリエイターを育てる土壌を形成しています。

Netflixの創業と初期の課題
スピーカー 2
はい、というわけでNetflix編第5回ですが、5回までやって、まだ1990年代ですよね。
スピーカー 1
いやいやいや、1997年に創業して、今ようやく1999年のサブスクリプション開始っていう、ようやく2年経ちましたね。
スピーカー 2
あ、2年経ちましたか。じゃあ、理論上あと60回ぐらいあれば、現代までいけそうですね。
スピーカー 1
そうですね。追いつけそうだと多分思います。
でも真面目な話で言えば、やっぱり創業して事業基盤のモデルが固まるまでっていうのの苦労っていうものを、どういうふうに戦略打ちで売ってたかっていうのを、やっぱり解像度を見ていくって大事だから、やっぱり創業期の方が細かい話になるんだよね。
スピーカー 2
そうですね。よく言うんですけれども、やっぱり企業って最初は獣道でいろんな道を行かなきゃいけないけど、大きくなればなるほど実はシンプルになっていって、勝ちパターンが減っていくので、王道だけをやっているとうまくいくみたいなことは、なんか大きくなった会社の人、皆さんおっしゃいますね。
スピーカー 1
そうなんですよ。かつ、ネットフリックスの場合はですね、ここにやっぱり2つの事変が加わっちゃうんですよね。
スピーカー 2
事変。
スピーカー 1
1つはインフラ事変ですよね。ネットフリックスはVHSというビデオカセットテープからDVDというものに変わったときにグッと出世して、その後次の事変としてのストリーミング、オンライン配信の時代っていう話という2回の局面を繰り返すし、あともう1個でかいのは、覚えてますか?ドットコムバブル。
スピーカー 2
2000年前って感じですかね。
スピーカー 1
そうなんですよ。だから実はネットフリックスって、ちょうどさっき言ったように今、1999年の9月の月額サブスクリプションの開始のところまで、ようやく来れたわけですけど、ここで要は2001年のドットコムバブルに突入するっていうタイミングに入ってくるわけですよ。
だから実際、ネットフリックスって、最初に2回目に話した、今、時価総額が45兆円あるビジネスが75億円で売却みたいな話もあったよみたいな話をしたんですけど、まさにこの75億円で売却みたいな話が出たのが、
バリューアンバンドルの概念
スピーカー 1
どうにか月額サブスクリプションを立ち上げてきたときに、2000年になってネットバブルが崩壊しかけて、彼らからすると月額モデルだから最初新規会員をどんどんどんどん集めるわけですけれども、初月無料でやってたんですよ、彼ら。
そうすると当たり前だけど、新規会員が増えれば増えるほど、1か月目が無料だから赤字がしゃべらないように溜まっていくわけですよね。
それの構造がおかしくなって、ライバルであるブロックバスターに売らなきゃいけないかもみたいな話になったりはするわけなんですけれども。
結局この買収提案というのが帰却されて、どうやったかっていうと、実は従業員の3分の1を解雇するみたいなことになっちゃったんでしょうね。
でもここから先面白いのが、120人いた従業員の3分の1を解雇して80人になったんだけど、逆にそこでやっぱり少人数で、クレイジーなアイデアでもいいから、突入していかないとダメだっていうものが生まれてきて。
そこで結局、今日話すバリューアンバンドルっていうようないろんな打ち手が出てきたりして、再生していくっていう話に繋がっていくんですよ。
しかもその時に結局できた文化であるロックスター文化。これは後の方で解説するんですけれども、ノールールズっていう本がめちゃめちゃ売れたのって覚えてる?
スピーカー 2
ネットフリックスの組織についての話ですかね。
スピーカー 1
そうですね。実はこの組織文化っていうものの源流ができたのは、このネットバブル崩壊のタイミングで。
スピーカー 2
なるほど、このタイミングなんですね。
スピーカー 1
要は少数の1人のロックスターがいれば、普通の社員10人分の働きができるぜっていう原型が、ある種、強制的に社員を減らさざるを得なくなって、
死活問題の中で何でもやってやろうぜという外部環境の中でロックスター文化が生まれるっていうところとかは、歴史の面白いところっていう。
なるほど、なるほど。
そういう中で、じゃあ今日のバリューアンバトルっていう話に入っていこうと思うんですけれども。
前回、月学生サブスクリプション制を導入するときに、3つの話を同時に考えたんですよっていう話をしたの覚えてる?
スピーカー 2
覚えてます、はい。
スピーカー 1
3つなんですか。
スピーカー 2
3つですよね。
サブスクリプションにします。サブスクリプションにして、もうわかんないですね。
スピーカー 1
1つ目は月学生で好きなだけ映画を借りれるようにしましょうということと、2番目が好きなだけ借りれるようにするのを円滑にするために、配送っていうものを全国に分散させるということをやりましょうっていう話と、
あと3番目が待ち行列を借りたいリストっていうのを使っておいたら、それで自動的に次が配信されるっていうシステムっていうこの3つなわけなんですけれども、
この3つを打ち手として考えて全部やったらうまくいったっていうのは、結局これをうまく考えられたのがバリューアンバトルがあるからっていう話なんですね。
スピーカー 2
バリューアンバトル?
スピーカー 1
バリューチェーンっていうのは割と使われる用語だと思うんですけど、どんな定義で知ってますか。
あんまりバリューチェーンも最近言われないのかな。
スピーカー 2
昔の経営の本とかによく出てくる、メーカーさんとかでよく使われる、全然説明できないです。
スピーカー 1
要は単純に言えば、価値の鎖がバリューチェーンですね。
価値の鎖って何かっていうと、ユーザー様が価値っていうものを出会うまでにどういうプロセスに分解していってやればいいのかなっていうことがバリューチェーンってことで。
例えば従来のビデオレンタルで言うと、店舗に行って商品を選択してレジで支払って返却して返却したときにまた店舗訪問になるから商品選択レジ支払いに戻るっていうようなものがバリューチェーンですよね。
スピーカー 2
これがバリューチェーン。
スピーカー 1
それに対してバリューアンバンドルっていうのは、この商品選択っていう部分とかレジ支払いっていう部分を、今の状態って店舗に訪問して商品選択してレジに支払って返却してっていう工程がビデオレンタルの中でチェーンのように鎖で縛られてて他のプロってないじゃないですか。
スピーカー 2
はい、確かにね。
スピーカー 1
これをバレすことによって、この工程を全く違うものに変換できるんじゃないかっていうのが、バリューを繋がってる、バンドルされてるものを外して作り直すっていう意味でアンバンドル。
スピーカー 2
なるほど、完全に理解しました。要は再構築みたいな感じですね。
スピーカー 1
今までは繋がってて当たり前って思ってたことをバラバラにし直したら、全然価値作り直せるじゃんってことなんでしょ。
さっき言ったように、前回大事だったバリューバーチャライゼーション、実質的な価値の変換をちゃんと見ましょうっていう話で言うと、
都度払いでレンタルしてた時から月額でサブスクリプションになると、月額で払ってるからたくさん借りた方が得っていう風に実質価値が変換されてるじゃないですか。
そうするとたくさん払った方が価値っていう風になった時に、このビデオレンタル屋のバリューチェーンって再構成できんじゃないかっていうのがアンバンドルの考え方なわけですね。
サブスクリプションによる顧客体験の向上
スピーカー 2
面白い。
スピーカー 1
つまり何かっていうと、ビデオレンタル屋さんって基本的に在庫があるものの中から借りるしかないので、1回1回店舗訪問した時に、その時にお店であるものをピックアップして返却して、また行った時にまたあるものの中から選択するわけじゃないですか。
スピーカー 2
なるほど。これもうピンとこない人もいるかもですね。昔は当たり前ですけどレンタルビデオ屋さんとか行って借りられてたら借りれなかったんですよね。
スピーカー 1
そこがみんなわかんないかもしれないのか。
スピーカー 2
そうなんですよ。当たり前なんですけどね。在庫がないのでっていう。これが実はかなりボトルネックにもなってて、超有名な新作とかだと30本とか入れても全部貸し出し中です。
ないんだって言って買えるとかってよくあったんですよね。昔は。
スピーカー 1
そうなんですよ。それが結局、月額制になったところで在庫がなかったら貸せないっていうのは変わらないわけですよね。
だとしたら、在庫がなくても貸せないっていう状況は変わらないけれども、できるだけお客さんが借りたいものをパッと借りれるようにするっていうところで、商品選択っていうバリューチェーンを、
じゃあ事前に自分が借りたいものをリストにしときましょうっていうもののクエリー性にしちゃいましょうっていうのが転換なわけですよ。
スピーカー 2
要は順番待ちじゃないですけど、自分の中でこれ借りたいですっていうのがあったら、空いてたらそれも送りますよみたいなことですよね。
スピーカー 1
そう。そうすると、さっきのバリューアンバンドルとして、もともと商品選択っていうのは行ってから決めるものかな。
前に乗って、どんどんリストに追加しておくと、そこから送られるようになりますよっていうふうに変わるわけですよね。
スピーカー 2
今までだったら店舗に行って、店舗に行って探すっていうのがアンバンドルされて、全然違うフローになってるってことですね。
スピーカー 1
そうです。そうすると、ユーザーの行動がどうなるかっていうと、今までのビデオレンタルのやり方で月額制に変えると、
ビデオを見ました。ビデオを返却しました。そしたらサイトに行って、次のビデオを借りますになるわけじゃないですか。
でも、事前にリストアップしておくとどうなるかっていうと、ビデオを返却されましたと同時にリストアップされてる作品の中で、在庫があるものの一番優先順位上を送ってあげるだけでいいから、ユーザーがサイトにアクセスする必要性なくなるわけでしょ。
スピーカー 2
そうですね。自動的に来ますからね。
スピーカー 1
そうすると、ユーザーからすると待望のものが来てくれるからOKって満足度高いじゃないですか。
かつ、Netflix側からすると、実は在庫を倉庫に貯めなくて良くなるので。
スピーカー 2
ああ、そうかそうか。置いてる必要がなくて常にユーザーの手元にあるみたいな状態が作りやすいですね。
そうなんです。
スピーカー 1
しかもこれリストアップされたデータベースがあれば、受け取ったらそのまま次はこの人に送り返すんだよねって貼り直して送ればいいだけなんですね。
スピーカー 2
すげえ、面白い。
スピーカー 1
そうすると2番目のシナジーの話に聞いてきて、じゃあこの送り返していくっていう作業っていちいちアメリカってめっちゃ広いじゃないですか。
それを1個の倉庫に集めて1個の倉庫から出してたら郵送かかっちゃいますよね。
スピーカー 2
なるほど、ちょっと分かってきました。
バリューアンバンドルの概念
スピーカー 2
ってことは店舗が全国にバラバラにあると、この地域で借りた人が1回この倉庫に戻ってすぐにまた近くの人に渡すと送料とかもかからないし早い。
スピーカー 1
そういうことです。
だからアメリカの場合は何個のブロックに分けたかっていうのはちょっと調べられなかったんですけど、ある程度ブロックに分けて近所のところに送るとすぐに倉庫の方に行って、倉庫に行った瞬間そのブロックの中で、そのエリアの中で今待ってる人のところにピューンって飛んでいくので、配送の時間っていう待ち時間を減らすことができるから回転率上げれる。
スピーカー 2
しかもそんなにスペースがいらないってことですね。
スピーカー 1
そうね。かつずっと保有する期間がゼロになるので、そうすると倉庫の面積もちっちゃくする。
スピーカー 2
すげー面白い。
スピーカー 1
っていうふうに変わるんですよ。
こういうふうにさっき言ったように、バリューアンバンドルっていう形で、今まで普通のユーザーの行動を一連のものとして捉えてたものを、これここだけ別で考えたら全く違うやり方できんじゃねって考えるっていうことがバリューアンバンドルだし。
スピーカー 2
なるほどな。これはでもいいな。
スピーカー 1
待ち行列を作るっていうことで、あれこれよく考えたら、間で在庫を保有するっていうのをゼロにできるんだったら、むしろDVDを送るっていう裏側って、倉庫で貯めておく配信先を決める、配信先のための郵送があるっていう構造を分割して地域でもってもいいじゃんっていうふうになるわけでね。
そういうふうに、価値の中身を支えている構造、ネットワーク。このバリューネットワークを新しいバリューアンバンドルに基づいて作り直すっていうことから、バリューネットワークっていうふうになるわけですね。
スピーカー 2
面白いですね。これは特にイノベーションが起きたときとか、そういったときに必ず起こるけど、今までのバリューチェーンを壊せないとか、発想的にないっていうのはありそうですね。
Netflixとブロックバスターの競争
スピーカー 1
そうなんですよ。しかもこれをやると、結局どうやってユーザーの次借りたいものリストを保存して、今ある在庫の中から誰にどういう順番に当てていくとユーザー満足度が高まるのか、みたいなところのアルゴリズムだったりとか。
あと、どういうものはどのブロックに置き続けると、次、次、次って言ってユーザーにはすぐ届くし、倉庫に保有する期間を短くするか。でも一方で、なかなか借りられないものが他のブロックには待ってる人がいるかもしれないみたいなことも起こるわけじゃないですか。
そうすると、このDVDは何枚までは関西ブロックに置いといて、このブロックではそろそろあんまり使われないから、一旦中央ブロックの方に返しとこう、みたいな。
その在庫をどこの倉庫に置くと、一番ユーザーにとって配送待ちが減るのか、倉庫に品しておくっていうことを減らすのかみたいな、いろんな最適化が起こりますよね。これをトップ取るわけですよ、Netflixは。
スピーカー 2
なるほど、特許まで。
スピーカー 1
なので、実際にNetflixに送れることですね。ブロックバスターもやべえということで、この月額レンタル制に入り込むわけなんですけど、Netflixは待ってたばかり。特許侵害だと特許訴訟を起こして。
結果的に言えば、Netflixとブロックバスターは和解するので、一応和解条件が公開されてないから、どういう形で決着ついたかわからないんですけど、少なくともブロックバスター側の足を遅らせることだったりとか。
ブロックバスターは特許侵害をしたよみたいなところで、世の中に騒がれることによって、Netflixの方がちゃんとしてるみたいな印象を与えたりとか、みたいなこともできるようになってくるわけなんですよね。
スピーカー 2
これ大きいですよね。ブロックバスターっていうめちゃくちゃ大きいところが特許侵害してまで入り込みたかった市場ってことはめっちゃいいサービスかもって思いますよね。
スピーカー 1
そうなんです。
今度はやっぱり新興の会社だからこそ、新しいユーザーに対する裏方の仕組みをきっちり作ってって。
そこに合わせた配送体制を作ってっていうことで、何よりもユーザーからしてみれば、いちいちサイトに行かなくても自分の望みのものがバンバン送られてくるし。
しかも配送センターが地域ブロックに分かれてるから早く送られてくるし。
ユーザーにとっての体験価値を最大化する仕組みを再構築していくっていうことをやりつつ、特許っていう防御をすることによって、後発で後を入れくる人を防ぐみたいなことができるみたいなのは、
特許とユーザー体験の最適化
スピーカー 1
やっぱりどんどんどんどんネットがリアルをアップデートしていくDXの時代のほうが、結局リアルのオペレーションって複雑じゃないですか。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
実はそこに秘伝のダレが溜まったりするんでしょうね。
スピーカー 2
うーん。
スピーカー 1
こういうことってすごい大事だなっていうこともあったりするわけです。
スピーカー 2
いや面白いな。でもこれはいろんなところで今起こってそうですね。
スピーカー 1
この手の話で有名なもので言うと、Amazonのワンクリック特許ですよね。
結局AmazonってもうIDに送付先の住所とクレジットカードの決済情報が入力されてるから、じゃあ普通だったら一回ECってものをカートに入れます。
カートに入れて配送先の確認と決済手段の確認があって、それで買いますって言って、買うまでに2クリック3クリックかかるわけですよね。
それをECって1回配送先も登録されてるし、決済のクレジットカードの内容も登録されてるから、もうユーザーがいつもの場所に送ってって言ったらワンクリックで買えるじゃないかと。
これをAmazonがある種、これもバリューアンバンドルのショートカットなわけですよ。これを特許取ったんですよね。
そうするともうこれ特許だから、後発のECは1回間に確認画面挟まないとAmazonの特許侵害になっちゃうわけですよ。
だから他のサイトはAmazonはワンクリックでものが買えるのに、他のサイトってもっさりしちゃうなってユーザーが思っちゃうわけですよね。
でも実際は後発はやりたいんだけど特許取られちゃってるからやれないし。
さらに言うとこの2000年代とかって通信速度遅かったですから、間にワン画面入れさせるって結構ユーザーストレスなんですよね。
スピーカー 2
これね今だとピンとこないかもですけど、まあまあインパクトありますよね。
スピーカー 1
ジーって出てくるのを待たなきゃいけない。
スピーカー 2
そうなんですよね。今だとあれなんで特許取るのかもしれないですが、1ページ表示するのにすごい時間がかかってた時代とかだとかなりクリティカルだったりしたんですよね。
スピーカー 1
この件とかは先にちゃんとユーザーのバリューチェーンを考えて、ここはもう消却できるよなとか、ここは全く違う価値に変えれるよなんていうバリューアンバンドル思考があるからそういう打ち手ができるし。
そこを戦略的に考えてるから、じゃあここの部分を特許取っとけばユーザーにとって一番快適な道を通れなくするわけですね。
この辺はなかなか日本の中だと相手に対する、相手の足を留めるような言い方は悪いですけど嫌がらせ的な戦略ってあんまり語られないんですけど、相手が一番快適な道を通れなくするっていうのはもう特許戦略の王道なんですよね。
なのでMBAの教科書の中ではこういうことをペインリリーバーって言ったりします。お客さんにとって今までペイン、これめんどくさいなって思ってたところをもうなくしちゃう。
そのペインをなくしちゃうことによって、そのサイトのユーザー体験をめっちゃ快適にするっていうのでペインリリーバーっていう言い方ですよね。
スピーカー 2
このフローを変えちゃうみたいなところって身近な例で言うと、漫画とWebtoonは全然作り方が違ったりするんですね。
スピーカー 1
なるほどね。
スピーカー 2
でも漫画についての知識がある人ってWebtoonも漫画っぽく作っちゃうみたいな発想で考えて、全然違うんだなって後で気づくっていう話を聞いたんですけど、漫画ってやっぱり作家の方がアイディアを出して、ネームとかを作って編集者に見せていいねってなったら作画するって形なんですが、
Webtoonってそもそも複数人でやってたりするので、プロデューサーがいて、ディレクターみたいな人がいて、企画を作ったらその企画を元にネームを切れる人に発注して、ネームが出てきたら今度は作画する人に別の人に発注して、色をつける人に発注して、リリースするんだけどそれらは全部工程をディレクターが管理していて、
出してみて、この辺で離脱してるからここ差し替えようみたいなものをやっていくみたいな、全然違うものなんですよね。
漫画の編集者の方とかに言わせるとやっぱりWebtoonと漫画、似てると思われがちだけど、もう全然別物で、なので別に編集者とかのノウハウが使えると思われがちなんですけれども、なんかだいぶ違うんですよっていう言い方をしてましたね。
スピーカー 1
そうですね。ちょっとこれ横道にそれちゃうけど、時間が長くなっちゃうけど、ちょっとこれ大事な話なので、バリューアンバンドルを使う時のもう戦略的な王道を今ケンスが言ってくれたんですよ。
スピーカー 2
バリューアンバンドルのもう1個大事なことは、今までは繋がってる工程だから、その工程を1人の人がやるっていう形になってるところをアンバンドルで分けちゃうと、それぞれの工程が得意な人に分ければいいじゃないかっていうふうにゲームチェンジするから、プレイヤーを入れ替えることができるんですよね。
スピーカー 1
つまり今まで漫画っていうものは、原作と漫画を描くっていうぐらいの役割分担あるものを、基本的には原作をラフなコマに落とすネーム作りみたいなところから、じゃあそこの中身を作っていくみたいなところを1人が全部できないと、なかなか漫画家が育たなかったわけですよ。
それをネームだけを切る人っていうのは、言い方悪いんですけど、絵が1個1個は汚くても、小回りだったり構図がかっこよく決めれるっていうことの方が大事な能力なわけじゃないですか。
それだけできる人であればいけるし。さらに言えば、それの後に構図とかは描けないんだけれども、めちゃめちゃ綺麗な背景が描ける人とか、めちゃめちゃ綺麗な迫力ある人の顔が描ける人とかっていうふうに、
スピーカー 2
一箇所得意なところがあれば、その得意な人同士を組み合わせれば価値を出すことができるっていうのが、実はバリューアンバンドル戦略におけるうまみで、それをビジネスとして再構築したのがある種ボカロなんですよね。
価値の細分化と新しい市場
スピーカー 1
今まで初音ミク前は、歌をうまく歌える人でしか歌手が成り立たなかったっていう、ある種うまく歌える人に歌ってもらわない限りミュージシャンって浮かばれなかったわけですよ。
それが初音ミクっていう、入力をすれば歌ってもらうっていうことができることによって、いろんな歌の構成を考えれる人が浮かばれるようになったし、何よりも歌い手の時間を拘束しなくてよくなったので、たくさんのABテストみたいな仕掛けができるようになったんですよね。
そうするとニコニコみたいなところで、いろんな初音ミクの使い方みたいなことが開発されていって、こうやって高音使うといいんだみたいなのが開発されたりとかして、結局そういうトライアルの回数っていうものが異常な成長を生み出すので、結果的に米津玄師さんっていうニコニコでは8って言ってたような方の新しいタレントが生まれたりとか。
スピーカー 2
さらに言うと初音ミクが歌い方のバリエーションをむちゃくちゃ増やしてくれたので、その歌い手のバリエーションで育った人が生声で初音ミクの歌い方、異常の歌い方っていうものをするみたいなものが開発されるみたいなのがADOさんなわけですよね。
スピーカー 1
そういうふうに順番で分けると、バリューアンバンドルが生まれると、歌は歌えなくても歌を書くってことだけの能力でも浮かばれることができるっていうふうに特化した才能だけでどうにかできるっていう新しい市場が生まれるし。
何よりもバリューアンバンドルされると多産多市としていろんな打ち手が生まれるから多様性が生まれるし、そうするとその多様性を前提として育ったネイティブなクリエイターっていうのも生まれるっていうこの3層構造が本当はバリューアンバンドルのすごいところで。
スピーカー 2
あれですよね、1人がやってたことを分散して効率化して大規模にするもできるし、逆に言うと複数人がやってたことを1人にまとめることによって回数を増やしたりもできるみたいな。
うちの会社とかでもAIによってサイトを作るみたいなところが今までプロデューサーとデザイナーとエンジニアが必要みたいなところをプロデューサー1人でできるようになる。するとすごい大胆なアイディアとかを試しやすくなるみたいなことは起きてるので、これも一つのアンバンドル。
スピーカー 1
正確に言うとアンバンドルをしたことによって、今までボトルネックになってた希少なプロセスがあるから数が作れなかったところとか、コストが高いから一発勝負しかできなかったところがAI化するとか自動化するみたいなことが起こることによって、
たくさんのチャレンジを安くできるようにゲームチェンジしちゃう。ちょうどネットワークエフェクトのAIの会で希少性の場所が変更するよねっていう話したじゃないですか。
あれってバリューアンバンドルで考えたときに、今まで希少だからなかなか動かせないって勝手に思い込んでたところが、バリューアンバンドルしてみると、あれここAI化したらむしろ希少じゃなくて、もうたさんたしな数打ち当たるの世界にゲームチェンジできんじゃねーのみたいなことが考えるってことでしょ。
スピーカー 2
そうですよね。これはもう実際多分起きてますよね、そのAIとかにもよって。やっぱり大きな技術が出たときにそこがガチャガチャガチャっと変わるので、それをいち早くつかんで変更するみたいなのがすごい大事なんだなと思いました。
スピーカー 1
そういったことを前提で考えるために大事なことが、今まで鎖のように一つにつながっている行動の連鎖であるバリューチェーンを外して考えるバリューアンバンドルっていう考え方と、じゃあそのバリューアンバンドルしたらDVD借りるときの商品選択をリストにすればいいじゃんっていう風に考えたら、
じゃあその裏の実行工程っていうものを再構成し直すっていうバリューネットワークっていうことがすごく大事だねってお話ですね。
スピーカー 2
なるほど。これめちゃくちゃわかりやすいですね。
スピーカー 1
はい。ようやく2001年ぐらいまで来ました。
スピーカー 2
よかった。結構進んだぞ、今日は。
そんな感じですかね。次回は何の話になるんですか。
スピーカー 1
次回はですね、いよいよ、今でもまだリアルのDVDをやり取りしている時代ですけれども、ここからオンラインのストリーミング時代に入っていったときにどうなるのかっていうお話をしたいと思います。
スピーカー 2
はい。じゃあ楽しみですね。ではまた次回。ありがとうございます。
スピーカー 1
よろしくお願いします。
32:12

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