ドマの歴史と役割
ハイパーコラボレーションをお届けするポッドキャスト 組織の未来地図 ナビゲーターの寺嶋です。
ナビゲーターの吉田です。
この番組では、デジタル時代における組織の経営や マネジメントはどのような視点で考え、デザインするのか、
また、それをどのように導入していくのか、 皆さんと一緒に地図を描くように進めていきます。
高田さんによるハイパーチームマネジメント勉強会を 受けてのポッドキャストです。
今回も第9回、ドマと後藤新平からデジタルトランスフォーメーションの 困難さと面白さを考えるについてお話をしていきたいと思います。
吉田さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
前回は、一人一人の頭の中にある情報を開示していく、 チームで考えること、そしてチームで計画することが大切だというお話をしていただきました。
今回はですね、ちょっと最初のテーマに戻って、 ドマについて考えていきたいと思うんですけれども。
そうですね。私、自分の母方のおばあちゃんの家は、 もう建て替えちゃったんですけど、昔は、
玄関から入るとそこに広い土間があって、 そのまま突っ切ると台所、そこを突っ切るとそこも土間っていう昔ながらの作りだったのを 思い出しながら聞いていました。
あと、民族資料館みたいなところに行って、 一つの資料として見るってことはあるんでしょうけれども。
ドマの機能みたいなのを、今、僕自身はあんまり考えられてないし、 そんな恩恵も受けてないなと思うんですが、最近ドマってどうなんですかね。
私とか、家の設計みたいなやつって、情報として、 夫がそっちの仕事をしてるっていうのもあって、好きで雑誌とかよく見るんですけど、
最近いいなって思うのは、玄関のドマのスペースをちょっと大きくして、 そこに人が寄っていけるみたいな場所、空間作りって素敵だなって思ったりしますね。
なんか復活してきてる感じなんですか。
なんか雑誌見てると、時々見かける時ありますね。
じゃあ、単なる玄関ではなくて、いろんな機能を持たせた空間として、 もう一度着目されてるってことですかね。
そうですね。自分の生活とか考えてみても、 どうぞお上がりくださいって、家の中まで通していくっていうのは、お互いちょっとハードルが高いかもしれないけど、
ちょっと玄関先に接点があるっていうのは、なんかいいんじゃないかなっていうふうに思ったりしますね。
ちょっと閉じた暮らしから、また広がった暮らしみたいなのが求められてるということも言えますね。
言えますね。
ちょっとさっき言ってたドマの役割っていう話から考え直してみると、
かつて私がまだ覚えているおばあちゃんの家とかを思い起こしてみると、 やっぱりドマって家族全員のための作業場だったんですよね。
台所ももちろんドマの状態でご飯作るっていうのもありますけど、
ひいおじいちゃんがそこで藁を積み上げて造理を編んでいたりとか、お正月の前には餅つきをそこでやったりとか、ドマで作業するっていうのは非常に頻繁に行われてた場所でしたね。
単一機能ではなくて、いろんなサービスを生み出していたような空間だったってことですね。
ちょっとそこは違うかもしれなくて、どちらかといえば家の作業をその閉じた中でやっていたっていう感覚の方が強いです。
なのでドマイコール作業場だったと思うんですね。
デジタルトランスフォーメーションとマイクロサービス
要は農業であったり他の仕事もあると思いますけれども、家族という単位で仕事をしていたっていう前提があって、ドマという作業場がそこに必要だったっていう前提があるんじゃないかと思うんです。
これがやっぱり家という場所と働く場所っていうのが完全に分離されたっていうところがあって、ドマって必要なくなっちゃったっていう側面は大きいんじゃないかなと思うんですね。
それあるでしょうね。
だけどまたここで復活してきてるのは、逆に孤立した家、完全に閉じた家から接点を持った外部との接点。
もともとはドマって外と中の曖昧な空間みたいな意味合いもあると思うんですけど、外部との接点であるっていう捉え直し方をすると、
またそういう新たな近代住宅の中のドマの役割っていうのができてきたんじゃないかなっていう気はしますね。
ここでもう一つの副題であるデジタルトランスフォーメーションの混乱さと面白さを考えるというものにつなげて考えてみると、
デジタルを基盤としていろんなデータが生まれている中で、それをどうやって情報として捉えたりサービスとして提供していけるかというような視点が重要になってくると思うんですけれども、
そこに対して何か吉田さん着想するアイディアとか考えとかあったりしますか。
ありがとうございます。デジタルトランスフォーメーションっていう文脈で言うと、アーキテクチャというところと切っても切れない感じがするんですよね。
もともと私が資格を持っているエンタープライズアーキテクトっていう仕事は、どちらかといえばとても巨大なシステムを一枚岩のように会社の中に構築していくっていうことを目的に、
もともとはそういうモデリングの仕方とか分析の進め方、対話の仕方っていうのが出来上がっていたんですけれども、もはやそういう時代ではなくなっていて、
そのもう一つ違った考え方としてマイクロサービスっていう考え方が浮上してきています。
小さいサービスの単体としてサービス自体を捉えて、アーキテクチャの設計であったりデータ構造みたいなものも考えていく、それによってすぐに動く小さなサービスを提供することができるっていう利点があるんですよね。
ただこれ自体は非常に設計もしやすい、そして使いやすいものができる一方で会社の特に大きな会社で捉えていくと、そういった小さなマイクロサービスの繋がり合いの中で企業経営っていうのはされているので、
マイクロサービスの接点の設計とかデータの流し方っていうのは意外と難しい。密結合にしてしまうとがんじからめになってしまうし、じゃあ素結合でどうやってうまく機能させるのかっていうのは簡単ではない側面はあるかなとは思いますね。
さっきのドマの認知の違いっていうのは、ここに非常にシンクロするところがあって、一つの仕事、一つの屋根の中でやっている、一つの企業の中でやっている仕事に大きな岩盤のようなドマが一個あるのではなくて、外との多様な接点としてドマが設計されてるっていうふうに考え直すと、
まさにマイクロサービスの接点として現代的なドマ、みんなここでつながりますよっていう現代的なドマがデジタルトランスフォーメーションの中でも必要な概念とはなってきてるなという感じはします。
デジタルなドマが誕生してるってことですね。吉田さん、第5回目の勉強会で、個人、チーム、組織はとても細胞に似ている、核、脈、網との関係性についてというテーマで皆さんで考えましたけども、この網の存在が素結合を形成していくために重要なものであるということも言えますかね。
サービスドリブンの視点
概念としてはそうですね。その網をどういうふうに構築していくのかっていうのが、おそらく今一番本当に難しい要素ではあって、いろんな実験とか、サービスの分け方みたいなところも重要ですけど、
一つ確実に言えることは、テクノロジー側からの見方ではなくて、ビジネスやサービスからの見方でどのような結合が求められている、あるいはどのようにマイクロサービスを区切っていくのかっていうのは考えていかないとならなくて、そうではないと結局ユーザー側からするとサービス提供者として使いやすいものになっていかないっていうところがあると思うんですね。
その網の区切れ方、網の作り方っていうところでビジネスをどういうふうに構成していくかを考え直すってところが重要なのかなとは思います。
やっぱりここでサービスドリブンという視点が必要になってくるってことですね。
思います。
今日も渡田さんの勉強会第9回、ドマト・後藤新平からデジタルトランスフォーメーションの困難さと面白さを考えるというテーマで、ちったりこちったりしましたけれども、吉田さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
また次回よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。