EQとコミュニケーションの重要性
Hyper-collaborationがお届けするポッドキャスト、組織の未来地図、ナビゲーターの寺島です。
ナビゲーターの吉田です。
この番組では、デジタル時代における組織の経営やマネジメントはどのような視点で考え、デザインし、またそれを導入していくためのポイントなどを、
多様な視点から思考していき、皆さんと一緒に地図を描いていくという内容にしたいと思っています。
吉田さん、こんにちは。
こんにちは。
今回も高田さんによるハイパーチームマネジメント勉強会について、ちょっと振り返りながらお話をしていきたいと思っております。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。今回、高田さんがテーマに据えてくれたのは、分かるということ、なぜEQや1on1が必要なのかというテーマでした。
はい。
なんか、人間の感覚の話であったり、分かると分かり合えないの、はざまの話であったり、すごく面白い内容でしたね。
そうですね。分かるっていう、一般的に使われる言葉ではあるんですけど、奥が深いというか、本当に分かったってどういうことなんだろうっていうのを考えさせられるテーマでしたね。
今回、吉田さん参加していて、印象に残ったパートとかってありましたか?
分かった気になってるなって思ったのはですね、何かこう、例えば数学の公式が分かりましたという分かるのレベルと、人と人がコミュニケーションをとっている中で分かりましたっていうのは、全く違うレベルだなっていうのを改めて考えたんですよね。
で、あなたの言ってる意味が分かりますって言ったときに、要は人は五感を通じて物事を解釈してるって話が高田さんの話にあったわけなんですけれども。
ありました。
はい。で、参加者の方と私、話してたときにですね、例えばです。そばとかを、寺嶋さん、そばが好きですけど。
大好きです。
そばをズズーッと食べたときに、2人で、ああ、おいしいねって言い合った。その瞬間にお互い分かり合えた感覚を持ってるとは思うんですけど、例えば私と寺嶋さんが一緒におそば食べていて、寺嶋さんがおいしいねってその舌で感じ取ったものを、私は全く同じように自分の中で再現することはできない。
できない。
だから私なりのおいしいねはあったけど、実は寺嶋さんとおいしいねとは全然違うおいしいねだったかもしれないのに、分かった気になってるっていう話を参加者の方とブレイクアウトセッションで話してたんですね。
分かり合うって、とことん奥が深い。どこまでも分からないっていう感覚がありますね。
僕みたいに週に3回そば食べてる人と月に1回そば食べてる人の、そばの味覚への感度は絶対違う。
もう一つが、そのときやっぱり同じテーマで出たんですけれども、たくさん日本に外国人の方が来てくださるじゃないですか。日本食おいしいおいしいってみんな言ってくださりますけれども、そもそも食文化が違う人たちが食べたときにおいしいって感じて、これは昔から私不思議に思ってたんです。
おいしいって言ってるそのおいしいの感覚は、どんな感覚なんだろうなーって一生分かり得ないんですけど、どんな感覚なんだろうっていつも思うところではあります。
ありますよね。そば屋さんに行って外国人の方が食べてると、啜れないので、もぐもぐって噛んで食べてる。
でもね、日本食おいしいって言ってくれます。すごい嬉しいけどどんなおいしさなんだろうそれはって、いつか知りたい気持ちになります。
いずれ何かが発展して、何かをピコってつけると、その感覚を味わえる日が来るかもしれない。
報連相の限界
ちょっとビジネスの方に話を振ってみると、ビジネスの中でコミュニケーションの大切っていうのは、どこでも言われてるし、皆さん実践してるとかっていう風になりますけれども、
一つ気になるのが報連相って言葉あるじゃないですか。コミュニケーションを大切にしようって言って、じゃあ報連相しようっていう取り組みはいっぱいやってるわけですよね。
いっぱいありますね。何十回私はマネージャー陣から報連相が大切だとか報連相ができてないってこれまで聞いてきたことかって感じがします。
この報連相が社内のもしくはチーム内のコミュニケーションを活性化するということに関して、吉田さん何か意見であったり思うところあったりします?
すごく気になっていることが一つありまして、これもしかすると私の単純なバイアスかもしれないんですけれども、少なくとも報告連絡は定義からしてそうだと思います。
でも相談っていう言葉も含めて、ビジネスの中で言われている報連相って略して言われるようなシーンで言われる報告連絡相談って、割と一方通行な感じがするんですよね。
基本的に報告する人から報告相手に向かって一方通行に話している。その頻度も結構間が空くというか、必要なタイミングでしますっていうような形になっちゃう。どうしても。
時には報告書という形で報告が行われて、それに目を通したとチェックをすることがリーダーの役割だったりしますもんね。
これがさっきの、それこそ蕎麦をすすった感度まで伝わるっていうほどの解釈になるのかって言ったら、それこそ報告書の書き方が下手だから伝わらないというようなお嘆きを私たち時々聞き、
じゃあそれをどうやったらうまく書けるようになるのか、トレーニングを設計してくださいとか、そもそも言語化っていうところのスキルっていうのが足りてないから、だから伝わらないのだっていう問題意識。
それ自体間違いじゃなくて、そのトレーニングは絶対的に必要なことですし、やっぱりそれが言語化できてきちんと文章として構成できるっていうことは、伝え合うことのハードルを下げるというか重要な能力だとは思うんですけど、
それがどんなにうまくなったとしても、私たちやっぱり言語の限界っていうことを、これ高田さんもよくおっしゃることですけど、言葉で伝えきれるものっていうのは非常に限られていて、
解釈しきれない報連相が一回来たからわかるっていうのは、本当に範囲が狭いんだってことを、そこを知っておくことの必要性っていうのをいつも感じるところです。
ということは頻度が重要だっていうことですか。
そうですね。私たちもそれこそマネジメントを変えていきましょうっていうようなプログラムの中で取り入れてるのが一つは朝会っていうのがありますけども、
これ自体私が学ばせてもらったのは、アジャイルって言われるシステム開発のアプローチの手法って言って、間違いだって怒られたらあれですけど、
そういう取り組み方がありますけど、そのアジャイルの中のスクラムっていうプラクティスがありますけれども、そういったコミュニティの中で教えてもらったり、
あるいは自分で本を読んだりした中で、その朝会スタンドアップミーティングって呼ばれたりもするそうですけど、15分間毎日、
昨日の状況、今日の状況などを話すチームの朝会スタンドアップミーティングを毎日やるっていう、そのプラクティスの中に埋め込まれたものを知ったときにですね、これだって。
この頻度でやりとりしていたら、1回では伝わりきれないかもしれないけれども、毎日毎日毎日毎日そういった小さいコミュニケーションが頻度高く起きるっていうことが、
言葉の限界っていうことを乗り越えて、お互いが分かり合えるステージに上がっていく一つの重要なポイントじゃないかと思ったんですね。
このスクラムの考え方が非常に優れてるなと思ったのが、もともとは野中郁次郎先生、この間残念なことにお亡くなりになられてしまいましたけど、
野中郁次郎先生のニューニュープロダクトデベロップメントゲームっていう論文の中に出てくるスクラムを組むように、みんなで一緒に活動するっていうお話がその中に出てきますけれども、
やり方自体を体系化して、マネジメントの中に落とし込めるようにしているっていうところが本当に素晴らしいんですが、その前提にあるのが、野中先生が見つめていた人って、
どのようにコミュニケーションを取り、一緒にチームとして仕事をするのかっていう、本当につぶさにチームを見つめてきた人間のあり方を捉えているからこそ機能するやり方になってるんじゃないかって思うんですね。
なので、理想としては綺麗な一発で伝わる報告書を書く。あるいは連絡するときに明瞭な言葉できちんと連絡するっていうことが理想としてあるかもしれないけれども、ひとりの人間が集まって活動するときに言葉っていうものが持ってる限界があって、
頻度が鍵
その脳の中でギュッと凝縮された言葉の中を濃縮還元して、理解しようとしたときに抜け落ちてしまう情報をどうやって補完するのかっていうと、コミュニケーションの頻度っていうことだと思います。
吉田さんと僕、このポッドキャスト収録に対してちゃんと打ち合わせをしてるんですけども、吉田さんが使っているこの言葉はこういう意味だろうというバックグラウンドを僕は想像しながら聞いてるし、逆も吉田さんはしてると思うんですけども、そのことが大切だっていうのもありますけども、逆にこの人が言ってるこの言葉はこういうイメージだろうが先行してしまうと、それはそれでまた勘違いを生んでしまうんですよね。
なので頻度を高めて、それってこういう意味なの?ああそういう意味だったんだ。というようなやり取りが必要だということですよね。
まさにそうですね。本当にそう思います。
面白かったのは、やっぱり私たちそういったマネジメントのスタイルを導入するってことをお客様先でご支援してますけれども、マネージャーがポロッと言った言葉がすごく面白かった。
何人か同じことをおっしゃってくださいましたけど、今まで何言われてるか質問されたりとかアドバイスを求められても、何を聞こうとしてるのかって解釈するのに時間がかかって、なかなか指示を出したりするのに時間がかかったのが、朝会を繰り返す中で、「ああ、あれね?」みたいな。
言われなくても、「ああ、あれね?わかったわかった。こうしたほうがいいよ。」ってすぐに判断できるようになって、指示を出せるようになったのが、ものすごいパフォーマンス改善につながったってことをおっしゃってくださいましたけど、これが魔法でもなんでもなくて、人ってそういう言葉の限界の中でコミュニケーションを取ってるんだっていう前提に立てば当然起こることだろうなとは思いますけど、
すごい嬉しかったですね。それが良かったって言っていただけて。
そうですね。1週間に1回きちんと報告の時間を取っていたけれども、何にも分かんなかったって。
言ってました。言ってました。
そこの痛みを持ちながら体験してくださって、変わってきたっておっしゃっていただけたら嬉しいですよね。
他印象に残っている変革というか、チェンジみたいなのってありました?
そういう分かってくる領域が広がってくると、全ての人がどうなのかっていうのは検証したわけじゃないですけれども、
人としてお互いに興味を持つっていう人が増えてくる感覚はありますよね。
それこそ朝会みたいなものは、きのうやったかの今日やること、
今日やることに関する問題事項や不安なことを端的に伝え合うみたいなのが基本のスタイルではありますけれども、
チームによっては、きのう食べたものとか、きょうの体調とか、
人に興味を持ったからこそ少しそういった余白というか、伝え合うことが可能になってきているっていうのも、
実はチーム自体を非常に強固なものにしていく良い例なんじゃないかなっていう感じはしました。
五感を使った理解
そうですね。
高田さんが「わかるということは、五感を使って、それが記憶と結びつくことだ」って言って、
その五感というのは「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」というものだと。
視覚から始まって触覚までいくんですけど、味覚、触覚の方が共感しやすいというお話だったんですよね。
その日常のコミュニケーションの中に、味覚や触覚で得た経験を言葉で表すということが、
分かり合えることへつながっているのかなというふうにも思いましたね。
実は共有するのが難しい、そういった領域を伝えたいって思い始めるっていうこと自体もすごく価値のあることじゃないかなと思いました。
今回の高田さんの勉強会の「わかるということ」の副題に、なぜ1on1が必要なのかという副題を据えてくれているんですけれども、
ここに先ほど言った周辺情報のようなもの、ただただ言葉で伝達するものではないことが、
例えば感情であったり、1on1での仕事以外の話であったりということが、
コミュニケーションを活性化していくために必要だということがテーマとして添えられてあったことが分かりましたね。
そうですね。妄想というか、コミュニケーションの頻度が上がって興味をお互い持つようになって、
食べたものとか、見たものとか、触ったものみたいなものを共有し合うってなると、
そうだったの?じゃあ今度一緒に行こうよとか、おいしいの?私も食べたいみたいな。
より一層共同体験をしたいっていう気持ちになる可能性。
必ずしも仲良しクラブとかお友達にならなきゃいけないっていう意味じゃないですけど。
可能性はあって、だとするとより一層感覚的なものを、それこそEQという領域かもしれませんけれども、
お互いの感度を擦り合わせていくようなことになるかもしれないなと思いました。
そうですね。はい、吉田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
今回はタッチポイントの頻度ということに着目して、分かるとは何かということを振り返ってみました。
もう一回別のテーマで、このことについてお話を聞きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
はい、ありがとうございました。
ありがとうございました。
またお耳にかかりましょう。
ありがとうございました。