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2025-04-08 15:33

#007「土間と後藤新平から 〜Digital Transformationの困難さと面白さを考える〜」:誰が意思決定をするのか

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Hyper-collaborationがお届けするPODCAST「組織の未来地図」#007は、ハイパー・チームマネジメント勉強会第9回目の内容である、「土間と後藤新平から 〜Digital Transformationの困難さと面白さを考える〜」のエピソードを振り返りながら、組織・チームで行う意思決定について考えてみたいと思います。

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Summary

今回のエピソードでは、後藤新平と土間の例を通じて、デジタルトランスフォーメーションの難しさと面白さが論じられています。情報アーキテクチャの重要性や意思決定の複雑さについても深く掘り下げられています。デジタルトランスフォーメーションの進行にはリーダーシップが重要で、特にチーム内の対話と協力が求められています。プロジェクトマネジメントにおいては、計画の策定が複数の視点から行われることが不可欠であり、これが成功の鍵となります。

土間とデジタルトランスフォーメーション
Hyper-collaborationをお届けするポッドキャスト、 組織の未来地図、ナビゲーターの寺嶋です。
ナビゲーターの吉田です。
この番組では、デジタル時代における組織の経営や マネジメントはどのような視点で考え、デザインするのか、
また、それをどのように導入していくのか、 皆さんと一緒に少しずつ地図を描いていくように思考していきます。
吉田さん、こんにちは。
こんにちは。
今日も高田さんによるハイパーチームマネジメント勉強会について 振り返ってお話をしていきたいと思っております。
第9回、タイトルが「土間と後藤新平から Digital Transformationの困難さと面白さを考える」という、
これもまた、中身を聞かないと全然どんな内容か 想像できないようなお話でしたね。
はい。土間ですか?みたいな感じでしたよね。
ね。
はい。吉田さん、今日ちょっと鼻声ですね。
そうなんです。ちょっと風邪ひきました。鼻がぐじゅぐじゅしてます。
お聴き苦しくて申し訳ないです。
この気温差ですからね、しょうがないですよね。
みなさんご自愛ください。
お話の内容としては、インフラに関するいろんな事例を教えていただいて、 それについてみなさんで考えるという回でしたが、
高田さん曰くインフラというのは、アンサンヒーロー、歌われないヒーロー、
逆の言い方をすると、「止まるとディスられる存在」だということを言ってました。
で、今回クイズから始まったんですけども、どんなクイズだったかというと、
人口爆発の裏側に立った発明は何かというお話でした。
答えを言っちゃうと、これ窒素だそうで、ハーバー・ボッシュ法という方法で、大気から窒素を取り出す、
取り出した窒素で化学肥料だったり、飼料だったりができて、農作物が増えたり、家畜が増えたりということで、人口爆発の裏支えになったという話であったり。
活版印刷が宗教改革だったり、科学の進化を支えていた。
あとはコンテナ、これが発明されることによって海上輸送の進化が起きて、貿易が促進された。
そして土間ですよね。土間の話になったんですが、
土間って昔は、家の外と中を結ぶ中間の空間で、ここで台所仕事とかしてたんですけども、西洋化が進んで台所改革が始まって、水道が整備され、水道が各家庭に届いたんです。
初期の水道っていうのが、実は衛生上あまり良くないもので、乳児死亡率が高まったという話ですね。
そこに、後藤新平さんがシベリア撤兵で使われなくなった化学兵器から塩素を取り出し、その塩素を水道に入れるということで、衛生面を高め、乳児死亡率が下がったというエピソードをお話しいただきました。
いろんな構造が変わっていく中での我々の生活の変化みたいなことをなぞらえながら、
今の時代、インターネットによるデジタル革命みたいなのが起きてるんですが、その中で情報構造が大きく変わっていく中で、我々の組織構造っていうのは、今、変われないでいるのではないかという問題提起をして、ブレイクアウトルームに入ったという感じでしたけれども、この会を受けて、吉田さんはどんなことを考えました?
情報のアーキテクチャと意思決定
ありがとうございます。ちょうどですね、ブレイクアウトセッションの中で、この情報の構造っていうところで、たまたま私がご一緒したのが、情報に関するお仕事、テクノロジーに関するお仕事をされている方だったからっていう経緯はあるんですけれども、すごくいいお話だったなと思うのは、まさにアンサンヒーローで、情報のアーキテクチャを考えている人が、裏でコツコツコツコツ、アーキテクチャの変更、アップデートっていうのをしてきた。
で、ある時、ユーザーの皆さんが気がついて、何に気がついたかっていうと、今まで誰が何してるのかとか、確認したりとか、コミュニケーションをこんな風に取っていかないと伝わり合えないよね、みたいな、人間側の努力を非常にしていたのが、ある時、ふとユーザーの人たちが、あれ?最近あんまり頑張って情報を探しに行かなくても大丈夫になってきたよね、なんでだろう?
で、気がついたら、その裏のアーキテクチャが、少しずつ少しずつアップデートされていって、皆さんに伝わりやすい構造になっていたのだっていうことに気がついたっていう、とてもいいお話だったんですよね。
本当にこの情報化社会っていう中になった時に、すごく情報の流れみたいなことを考えていかなければならないし、そこにアーキテクトの役割がある。
もう一方で、その情報は何のためにいるんですかって言ったら、もちろんその情報を活用して何らかの行動が、活動が起きるっていうことが重要で、活動が起きる手前で何がいるのかっていうと、意思決定だと思うんですよね。
この意思決定の構造自体が、インターネット発明以降大きく変わってきてるっていうようなことを、いろいろ思い出してるところでした。
はい、ありがとうございます。
寺嶋さん、会社の中で意思決定者っていうと、どんなイメージですか。どんな肩書きの人がどんなふうに意思決定。
実はですね、イメージするのは、経営者、マネージャーが意思決定してるというふうにイメージするんですが、
昨今そうでもないなというふうに思っていて、経営者は「君たち自分たちで考えなさい」というようなセリフを最近は言ってると思うんですけども、
でも実際現場に行くと情報が足りなくて意思決定できないよねっていうような声も聞こえていて、
誰が意思決定者なのかがあまり明確ではなくなってきてるのではないかなと思います。
そうなんですよね。意思決定って小さく考えると毎日、例えば今日の朝ご飯をパンにしようかなご飯にしようかなみたいなところから始まって、
私たち意思決定なく日々を生きていくことはできないので、全員が意思決定毎日毎日してますけれども、
会社の中の重要な意思決定って誰がしてるんですかっていうと、なかなか見えにくくなってるっていう現実はありますよね。
特に日本の場合、ハンコ社会みたいなのがあって、順番にみんながハンコを押すっていうことがある種の意思決定の印みたいになっていて、
最終的にこれ誰の意思なんですかって言うと、そこがすごく曖昧だみたいなところがありますよね。
もしくはもう誰にも相談しないで一人で考えて一人で意思決定しちゃってっていう人も一定数いたり、それによってまた混乱が生まれてたりというのも見えますよね。
たまにそういう一人で突っ走る人がいるおかげで組織の変革が促進されるっていう側面はあるんですけれども、
一人で考えるっていうところにある種の美徳なのか、あるいは学生の時代から植え付けられた習慣なのかもしれないんですけど、考えるっていうことは一人でやることだっていうことを無自覚に信じてるっていうか習慣化してる人がとてもたくさんいるような気がするんですね。
先ほど言った通り人の行動っていうのはその手前の意思決定があって始まるわけなんですけれども、言い換えると組織活動っていうのは意思決定の連鎖によって起きてるわけなんですね。
この意思決定の連鎖っていうところがあるにもかかわらず決定する前に何を考えてるのかっていうのはなかなか見えないというのが今の現状で。
指示とか最終決定したことは伝えられるけれども、どういうプロセスをたどってその決定に至ったのかっていうのが見えてないっていうのが、ものすごく今の企業活動の中のパフォーマンスの低下とか、あるいはイノベーションみたいなものが生まれてきにくいっていうところに要素があるんじゃないかなっていう気がしてます。
企業のパフォーマンス向上の誤解
おそらく聞いてくださってる皆さんも、優秀なリーダーみたいな人を何名か思い浮かべてもらうと、きっとこんな人がいるんじゃないかと思うんですね。
一人で考えて、一人で計画し、一人で行動する。これを一連のパッケージを一人でやりきっていて、高パフォーマンスであるっていう、いわゆる優秀な人っていうのが会社の中に点在しているはずなんです。
今の時代、情報化社会になっても日が長いので、多くの人が頭脳労働になっているにもかかわらず、見えているのは行動だけってなってしまうと、一緒に働くっていうことがものすごく難しくなってくるわけなんですね。
これ、企業の無自覚な方針が隠れてるんじゃないかと思うんですけども、あるいは信じている、ビリーフみたいなものがあるんじゃないかと思うんですが、何かというと、個々人のパフォーマンスが上がれば、それを足し算して企業のパフォーマンスが上がっていくんじゃないか。
一人で意思決定して、一人でパフォーマンスをして、好業績というか、いい成果を素早く出しているリーダーがいたりすると、あのような人をもっと増産すれば会社はうまくいくと誤解し、結果的に研修みたいなことをしてみたり、採用で、一人で動ける人を増やそうという努力をしたりすると思うんですけど、何かこれが逆効果になってる感じがするんですね。
全体的にパフォーマンスを上げていくためには、頭の中で考えていることを開示していかなきゃいけない。これはリーダーやマネージャーやシニアマネージャーっていう意思決定の権限が広くて、責任の範囲が広い人たちであればあるほど、頭の中で何を考えているのかっていうのを開示する。つまり、対話が必要なんだと思うんです。
これによって初めて、一人でものすごいスピードで縄跳びしてる人たちが大縄に縄跳びを持ち替えて、みんなで飛ぶ状態が始まるきっかけになると思うんですけれども、これが企業側からすると、ある種パフォーマンスが落ちるような恐れに誤解するっていう感じかなという気がしてます。
いわゆる達成型のリーダーっていうものをまだまだ求められているでしょうけれども、本当にこれからの時代、外部環境と手を取り合って成果を上げていくためには共創型のリーダーであるというようなことが必要なんですよね。
どんなに優秀なリーダーであったとしても、ある特定の領域で見れば優秀だけれども、ある特定の領域に移ると、そこは得意じゃないとか見落としがあるみたいなことは必ずあるので、複雑化した状況下にある私たちの企業活動の中では、本当に競争的にいろんな人の強み、あるいはいろんな人が経験を通じて見てきているものを共有して、よりイノベーティブな活動に変えていくってことが重要じゃないかなと思います。
実際、これはちょっと手前味噌になるかもしれないんですけど、我々の提供しているサービス、ハイパーチームマネジメントの中で、営業チームが1ヶ月のチャレンジで大変化したっていうのが事例がありましたけれども、その時も一人一人は、実は活動が始まる前は、あの人たち、ただお客様に請求書とか持ってくるのが仕事だと思ってるんじゃないの?みたいな、
ちょっとディスられ方をしていたのが、なんか一つのワンチームになる取り組みを始めたら、一気に活動が大きくなって、要は、人によっては誰に承認されなくても、誰が決めなくても、自分から動くっていう勇気とか、あるいはちょっと向こう水なところがある人はいるんですけど、多くの企業人っていうのは、「これで合ってるかな」、「今これを起こして弊害はないのかな」って、ちょっと様子を見るところがあったりするんだと思うんですよね。
「どうかなっていう相談ができて、いいんじゃないの?やってみようよって、チームで一声かけられたらそれで活動が起きる」っていうようなことを、マネージャーの人が発見したこととしてフィードバックしていただきましたけど、まさにそういうことじゃないかと思うんですね。
人と人がその考えていることをすり合わせていくっていうことが起きて初めて、それがチームとしてのより大きな活動の波になっていくっていうところがあると思います。
これが一人で考えることから、一緒にチームで考えるっていうことに変化する大きな利点じゃないかなと思います。
そうですね。まさにこの間、社内で緊急時にどのような行動を取るかみんなで考えるという模擬ワークショップをやったときにですね、一人だったら多分的確な解を出すのに相当悩んだと思うんですけども、
みんなでアイディアを出し合って情報整備することによって、制限時間内にとても良い解を出すことができたって体験しましたよね。
しましたね。あれ面白いワークでしたね。
やっぱり緊急時にはリーダーが物事を決定するというような考え方も一定層ではあるんでしょうけども、緊急時だからこそチームで解を求めるっていうのはすごく良い体験だったと僕は感じました。
緊急時っていうこと以外でもですね、ちょっと視点を変えるとプロジェクトマネジメントって何なんだっていう話にもこれは通じる話だなと思ったんですね。
PIMBOKとかの体験を見てもらえばわかるように、プロジェクトっていうのは計画のところに非常に重点が置かれているところがあります。
もちろんアジャイルに考えれば重厚な計画を立てるよりも、ライトに計画してそして実践から学習していこうっていうのはもちろんあるんですけど、とはいえプランニングがないアジャイルっていうのはないはずなんですよね。
この計画を立てるっていうところに複数の頭脳が乗っていくためにどうしたらいいのかっていう、そういった体系化がやっぱりこのプロジェクトマネジメントの今まで積み重ねられてきた技術の中にはたくさんフレームワークとかいろんなものが設計されていて、
なんでフレームワークがあるのかって言ったらまさに一緒に計画するためにあるって言っても過言ではないと思うんですね。
やっぱり一人で考えるのではなくて、複数名がそういったある種思考のフレームを活用しながら、効率的に考えるっていうことがこれからすごく重要な時代に入ってきてるんじゃないかと思います。
プロジェクトマネジメントの計画
吉田さんまた時間となってしまいましたので、今回はここまでとさせていただきます。
はい。
次回もまた同じテーマでお話を聞ければと思います。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
15:33

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