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その誘拐のシーンだと、オーバーロードのあまりにも凄すぎる手腕みたいなところばっかり目奪われてて、
助ける時とかにも、一瞬彼らの時間を止めて、非状態みたいな感じにして、助けるみたいなシーンとかあって、
大丈夫、彼らは今正常な世界より数千倍遅い時間で生きているだけだ。
我々が行ってしまっても、彼らに何が起こったかすら分かる前みたいな感じで、さらって解決して。
そういう、私と常識が違うやり方をさらってやってくる感じに、ずっとやられ続けてましたね。
Mikiさん、SFミステリーとしてめちゃくちゃ楽しんでるじゃないですか。
そうそう、楽しかった。
めちゃくちゃ楽しんでるなぁ。
でもなんか多分、私一番純粋な読者、作者が考える一番純粋な読者目線で、
なんで顔見せてくれないの?みたいな。
国民総長の人すらも、それは顔見せれない理由があることは分かっているが、
もうそれを知りたいのは自分の好奇心でしかないのだった、みたいな描写とかあって、
マジで、なんでこいつら絶対顔見せてくれないの?なんで?なんで?
なんでこんなすごい技術持ってるんだ?って思いながら読み続けて、最後、
ああーってなって終わるっていう、一番純粋な読者だったと思います。
オーバーロードへの憧れというか、見たいっていう欲求をずっと抱えながら見ていける。
ずっと持ち続けて。
確かにネタバレになっちゃいますけど、面白いから大丈夫として、
オーバーロード自体もある種中間管理職的な、上から言われたミッションをやってるだけだったし、
まだ超えられない壁とかを抱えながら、辛抱強く地球と向き合ってたみたいなことが分かるじゃないですか。
本当に最後の方に、人類は初めてオーバーロード自体にも、
より上位の主体っていうのがあることを初めて悟ったみたいなのが、
かなり終盤の方に出てきたし、それまで全然思ってなくて、
ああ、そういう感じか!みたいな思った程度なんですよね。
のどめさんが結構序盤から中間管理職的な目線で読めてたのは、
ちょっと考えすぎるし。
でもあれですよ、オーバーロードの振る舞いがすごい、
自分たちっぽい?
序盤から、すいません、ちょっと俺もただの提督やねんみたいな感じで、
あんまいろいろ言われへんねんみたいなやつも、こういう人っぽいなみたいな。
中間管理職っぽいなって思いながら読んでいて、
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ポーランド人の女王もそうだし、国連総長もフィンランドの人なので、
タイミングも1952年ぐらいだと、戦争でむちゃくちゃにされた国なはずなんですよね、どっちも。
戦から10年経ってないみたいな感じですもんね。
そうそう、第二次世界大戦が冷めやらぬみたいなところだから、
翻弄されるみたいなのが、こういう登場人物の国の設定とかでもあるのかなっていうのを読むっていう、
あんまり没頭できない、なんだけど楽しいみたいな読み方をしてたですね。
確かにそういうとこもある。
戦後、世界大戦直後なんだなっていうのを思ってた。
序盤にそういう表現がすごく多かったなと思っていて、
オーバーロードたちが地球に来たことですごく平和になったわけですけど、
戦争っていうことがもう意味なくなっちゃう。
一瞬でオーバーロードで止められるし、一瞬で国も滅ぼせるから、
別に国境戦を広げることに意味なんてないみたいなことがあったときに、
主権国家はすでに瀕死の状態にありましたと。
オーバーロードが来たことで、ただ主権国家っていうのは死期が早まっただけですっていうのが出てきたときに、
そうか、そういう世界戦で話をしていくのか、
溶電機の終わりっていうタイトルっぽいな、知ってる世界っぽいなと見ながら、
この辺は楽しく読んでるっていう序盤でしたね。
どうかなと思ってたことの一つなんですけど、
力の使い方の話が途中、3分の10くらいのところに出てきて、
頭の中で他人の声が四六時中囁いていたとしたら、
ヒトラーの独裁者としてのキャリアはどれくらい続いたと思うかねっていうやつを私はハイライトしていて、
確かにミサイルぶっぱなすとかそういうことするより、
延々と他人の声が頭の中でするの超やだなと思ったんですよ。
っていうのを私ここまで読んで、一回置いて、
自分がどういう声を頭の中でさせられたら嫌かなっていうのと、
自分がこの人を屈服させたいっていう人の頭の中に音を発生させられるやつをねじ込めたとしたら、
何ができるかなっていうのを妄想してたんですけど、すごい楽しい夜でした。
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やりたいなあ、そういうのを。
頭の中に声か、なんか私がこの本を通じて感じたのは、
頭の中に声があるっていうよりかは、常に見られている感覚を植え付けるみたいなところで感じてましたね。
ちょっと話はずれちゃいますけど。
全然。常に見られているっていう感覚か。
この本でもオーバーロードでさ、結局どうせずっと全部見てんじゃん、うちらのことみたいな、
丁寧みたいなものはあったかな、人間側に。
確かに結局あらゆる都市の上空に浮かんでた飛行船めっちゃたくさんあったけど、
実は一隻でしたみたいなのって出てきますもんね。
見られてる感じか。
頭の中に声が実践していなくても見られてる感じがあればもう十分、
そういう効果を出せてるよなあって今聞いてると思います。
空港のパノプティコンの世界ですね。
そうそう、本当に。監視のロシアムの中で見られてるみたいな。
それを監視されながら、人間の描写としてはみんなすごいハッピーに生きてるっていう描写になるじゃないですか。
宇宙人が来て、オーバーロードが来て、争いなくなって、食料問題も解決され、みんな超平和みたいな。
それって両立するのかな?するのか。
みんな気づいてないって書いてありましたよね。
この徐々に平和になっていくのが、実はオーバーロードのおかげだってことを多くの人は理解、疑ってすらいなかったみたいな。
なるほど。世代を経ればってことなのか。
いるのが当たり前の世界に生まれ。
まあそうか。
でも偉い人とか、そのことを忘れてない人は一定数いる。見られてる感覚を持ってる人は一定数いる。
まあそうだよな。
頭の中にずっと声がせれたら、不快なものだと耐えられる人が剥がれてしまうと思うので、
わりと楽しくて快感的なところをまず奪いに行きますよね。
その人の快楽なスイッチをまず奪いに行き、声がする気持ちみたいな状態からどんどん自分のプロパガンダを植え付けていく感じになるかなって思いました。
いいですね。みきさんサディストですね。やるね。
どうですか?違いますか?
大変だな、それ。
人の声が純粋にしてたら、政治心情的には好きな心情かもしれないけど、ずっとしてたらさ、
不快不快にいたら不快の方に行きかねないじゃないですか。
だからまずは人間の生理を奪いに行くところからしないとって考えます。
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すごい楽しそうに今その話してますけど、不安になってくるぐらい。
そうか。
これを読んでいった一番最後の結論があるじゃないですか。
みきさん的にはこの結論はハッピーエンドだと思いますか?
そうでもないと思う?
そうではない、ハッピーエンドではないと思いました。
そう?
ハッピー、アンハッピーとかじゃない。
シンプルエンド。
シンプルエンド。
終わっちゃったって感じでしたけどね、私は。びっくりした。
結構激動の何かではあるじゃないですか。
一人の学生生活が終わりましたみたいな話ではなくて、
もうちょっと劇的な何かがあるじゃないですか。
人類全体がこうなりますみたいな話があるわけですね。
時間軸も長いし、空間的にも地球に留まらずもっともっと広くなるし。
それでハッピー、ハッピーとも言い切れないし、
でもアンハッピーなのかと言われると悲劇かと言われると別に悲劇中あげてもないっていう、
不思議な独豪感のやつだね。
人間目線だと、ハッピーと言ってもいいかなとは思いますけど、
人間がこういう形で収束した、進化したのかどうか、こういう形の変化を受けたって話ですけど、
オーバーロード目線でいくと、結局オーバーロードって、
オーバーロードがすごく強い主体として地球に意志を持ってやってきたってわけでもなくて、
自分が叶えたいことがあって地球にやってきたけど、
結局その問題自体は解決しないまま人類が先にいなくなってしまったっていう風に読んだので、
かわいそうじゃんって思った。
問題を解決しないままいなくなっちゃったのか?
これはどこまで言いたくてもいいよね。
オーバーロードって結局オーバーマインドみたいになりたい、
そういうことを理解したいと思って、
オーバーマインドの意志を伝えるためって、
媒介みたいな感じで地球に行っちゃったけど、
結局オーバーマインド側に行きたいっていう気持ちはずっと持ってたわけですよね。
それが達成できないまま、オーバーマインドの支持はなぜか遂行できちゃったし、
人間の方が先にオーバーマインドの方に行っちゃったっていう。
オーバーロードってオーバーマインドになれないことがわかってるみたいな感じじゃなかったっけ?
それでもなりたいんじゃなかったでしたっけ?
なりたいんだけどなれないことがわかっちゃって、だから管理職やってますみたいな。
もうそこは諦め!割り切れてるのかな?
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それだったらいいんですけど、割り切れてないかなって思って。
そうだよね。
割り切れたら部下の方が先に昇進しちゃったみたいな。
中学管理職。
分かってるけど、割り切れない感じ。
個人的にはすごくみきさんの割り切れない感じなんだろうなってのは超分かる。
先に部下に昇進された、仕事頑張ってる切ない中学管理職の悲哀みたいな。
最後ちょっと話したけどね。
だから部下目線だったら別にハッピーエンドって言えると思う。
もう一回構造整理すると、人類っていうのがいて、
今幼年期の終わりというところにある通り、
宇宙的に生命として幼年期にあるっていう整理をされてますと。
それよりもうちょっと大人なオーバーロードっていう、
さっきみきさんと話をしたとき、この形気持ち悪いなって言ってる、
すごいクソデカいやつがいて、
全然可愛くないやつがいて、
さらにその上にオーバーマインドっていう、
誰も見たことないスーパー知性みたいな人たちがいて、
オーバーマインドになれる可能性のある種族とそうじゃない種族っていうのがいて、
オーバーロードっていう大きいやつは、
どうやらなれないらしいと。
種族の出前としてはなれないらしくて、
人類はひとかわ向けるとなれるみたいな存在だってなってるんですよね。
むしろオーバーロードを経営せずに直でなれるっていうね。
そうそう。だからオーバーロードは、
オーバーマインドってさらに上の人たちから命令されて、
人類っていう種族を頑張って、
オーバーマインドの一部にせいっていう指令を受けてやってきた人たちっていうことですね。
それを見ながら、
本当につらいな、このオーバーロードの仕事を任されたら本当につらいだろうなと思って、
読んでたんですけど、
一番最後の最後に、人類の子供たちがみんな、
なるじゃないですか。
覚醒した子供たちが、
一人二人で始めて、そこからうわっと、
みんな、ハーメルンの笛吹きみたいな感じで、
オーバーマインドになってしまい、
人類では理解できない、すごいぼーっとしてるんだけどすごいみたいな子たちになっちゃうわけですけど、
お父さんがオーバーロードと話をしたときに、
オーバーマインドの道具にされていることに不満はないんですかって、
オーバーロードの人たちに聞くと。
オーバーロードの人たちが、この関係には利点があって、
それに知性があるものは、運命の必然に腹を立てたりはしないっていうところに、
スーパーグッときちゃって、
うわー、頑張ってるーっていうのとともに、
ミキさんと一緒に読んだスローターハウス5、
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1年くらい前でしたっけ、読んだときに。
そういうもんだっていうのがたくさん出てくるじゃないですか。
オーバーロード。
そう、そういっとゴーズ。
オーバーロードもその精神かーって。
たぶんこれがすごく印象に残ってるから、
時間管理職の小説だなっていうのをすごく思ったんでしょうね。
確かにそう読める。
やっぱりそこの描写も全然違う。
オーバーマインド目線で読んだっていうか、
ちょっと話が変わっちゃいますけど、
なんでオーバーマインドが直接人類に行かないでオーバーロードを経営するんだとか、
オーバーロードが道具として使われていいのかみたいな話をするときに、
そうやって媒体した方が物事が上手く伝わるもんだから、
自分はもうそういう役目だから、みたいなことを言うじゃないですか。
それで確かにそうだなって思って、
物事ってダイレクト心理で理解しようとすると絶対上手く理解できなくて、
周り道のように感じても、
例え話とか比喩とかを経由した方がスッと入ってくるみたいな、
戻ってあるじゃないですか。
一見遠回りっぽいなって思いながらも、
それが後から振り返ると最短の理解の道だったみたいな、
仕組みってあるなって思ってて、
何か物事を理解したりするときに。
その構造ってSAの世界でも引き継がれてるんだっていうか、
オーバーマイドだったら脳にブスッとさせて、
ビュッてやって、はい!みたいな感じじゃなくて、
媒介させるっていうのはやっぱり、
イニシエからの伝統芸なんだなって思って。
イニシエからの伝統芸、媒介。
確かにね。
リュウデンの方がいいってパッと見は思っちゃうけど、
やっぱりそういうことがないんだな、物事とか世界のことわりって、
みたいなことを改めて思うっていうか。
回り道とかしょうもない仕事をやらされて大変だで、
やれやれっていうよりかは、
世の中、世界を理解するってそういう順調だよね、
みたいなことを思っちゃいました。
そうでしかやっぱりできないよね。
オーバーマイドから人間に直ぐ脳を刺して、
脳を刺してビューとかはやっぱりないよね、
みたいなこととかを考えました。
そういうものなのかな、みたいな。
なるほど。脳に刺してビュー。
とかオーバーマイドから、
よくわかんない粉とか巻いてさ、
吸ったものから徐々に覚醒し始めた、
みたいなこととかないなって思って。
瞬きをした瞬間全てを理解した、
みたいなこととかってあんまない、
そういう描写ってないし、
確かに。
情報差、伝達力からしたら早そうだけど、
それじゃうまくいかない感じってあるよなって思う。
そうね、そりゃそうだな。
それでやられちゃうと小説にならないっていう話は
ありそうな気がするけど、確かにそうね。
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最後のオーバーマインド的な構想って、
多分いろんなとこに引き継がれてるんだと思うんですよ。
そのスーパー知性みたいなやつだったり。
あるいは個々人っていうのがある種溶けちゃって、
子供たちもみんなで一個の知能みたいになるわけじゃないですか。
体が。
エヴァだってそうですもんね。
そうそうそう、エヴァもそうだし、
私全部言うんですけど、
ナルトも確かそんな感じのことを
敵がやり始めるみたいなやつあったはずなんですよ。
あ、そうなんだ。
確か、みんなが自我というのを持つのが悪いのであって、
自分を捨ててみんな同じような幸福の感じ方、
超知性みたいなのになれると、
もっと世の中に良くなるはずであるっていうのに従って
敵が攻めてきて、
ナルトがいや違うんだって抗うっていうのが確かあったんですけど。
確かに一つの知性になると、
多様性があるからアンハッピーなのであるっていう思想って、
一定説得力を持って現代でも生きてるんだよなっていうのは思うんです。
思うんですよね。