2021-12-21 28:51

すばらしい新世界 #3

個人に合わせてパーソナライズすることはユートピア?ディストピア?/しょせん人間なんて空っぽなんだから…/当時の人達はどう思ったんだろう?技術の発展と感情の関連について/人間の動物性を放棄しすぎ?難しいことを考えている方が深みがあると思ってしまう可愛らしい性質

--本紹介--

西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め……驚くべき洞察力で描かれた、ディストピア小説の決定版!

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1932年ってすごいですよね、それで。 いやすごい、すごいですよ。
でもなんか文庫版に寄せた跡書きで、でもあのハクセディ自身が、でもなんか核技術のことを書かなかったのは後悔してますって書いていましたね。
うーん。ユートピア兼ディストピアを書くんだったらなんかね、核エネルギー化みたいなことがね。
そう、核エネルギーで成り立ってるっていう世界にしたでしょうって書いてた気がする。
だいたいそうなるもんな、小型の核融合炉があってみたいなね、書き方になりますもんね。
これ多分、フリーフェックスと薬物によって、我々から見えると現実逃避をするっていう社会だとすると。
いや本当にこれはミキさんが言うように、あれですね、いいじゃんって思う、普通に思うんだよな。
わかんない、それでも思うのが、まあでもその選択権がないままそこにズブズブにされてることとかは、
気づけた身としては読者だからわかってるっていう意味からするとちょっと不愉快な話ではありますよね。
まあそうね。
だからいいんだからいいじゃんって、世界同性間が安定できるからいいじゃんって言って勝手に決めた話で、そこに自由とかは全然ないですよね。
だからディストピア小説なのかなって思いますけどね。
そうね、かつそういう選択と自由っていうのって別に、
多分当時のイギリスもそうだし今もそうだと思うんですけど、選択することとか自由とか、あとは権利とかってものすごくたっとばれる価値なんですけど、
別にそれ一個もいらなくないってことだと思うんですよね、これディストピアをするためには。
そうですかみたいな、大事だそうですかって思うことの、何て言うんですかね、
気味悪さっていうか、落ち着かなさというか、そういうのはどうしても感じてしまうんですね。
自由意志とかね、クリエイティビティみたいなものが一番いらないって、一番価値がないみたいな。
何かを想像することとか発想したり表現することっていうのは何にも生み出さないって言ってますからね。
そうね。
工業創業的には、だから価値がないって言ってて、それは悲しい話ですよね。
ポードですよ。
でも思っちゃうのが、なんか表現ができる人間っていうのが限られているような気がしてしまって、私は。
やっぱり遺伝子スクリーニングして、そういうアート界隈の人間っていう階級も一個作れば、何かも全然問題ないみたいな、私はそんな気がしてしまっているんですけどね。
アート階級ね。
うん。
あー、なるほど。
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それは社会の安定に寄与するかどうかで判断されるんですね。
たぶんこの社会で、もしいたとすると。
そうか、でもそうすると結局物語とか作ったりとかすると危険だからダメなのか。
なのかな?あるいはそこで感動したりするじゃないですか、もうそうまたセックスでよくないって言われちゃうっていう。
そうそうそう、確かに。
感動したいんだったらね、そうまたセックスでいいじゃんってなっちゃうよね。
そうそうそうそう。
しんどいね。
うん。
それは私たちからしたらしんどいけど、難しいねこれ。
そうなんですよ。だからロジックで反論することが超難しい。
いいなーと思って。
当時本当にいいなと思ったんですけど、これ後書き読むとあれなんですよね、あんまりこう発表された時は批判的というか、もうあんまりこういい作品だとも思われてませんでしたっていう。
うんうんうん。
そうなん、そうそうそうすか?みたいな。
戦争が終わったばっかとかですよね、第一次世界大戦終わってしばらくしたみたいな時ですよね。
そうね、終わってミキさんが挙げてくれている、どの作品に近い時期なんだろう、ひわまたのぼる前回やったやつとほぼほぼ同じようなタイミング。
あ、そうですよね。
第一次世界大戦後のヨーロッパですね。
なんで受け入れられなかったんだろう。
えー、オーストラリア政府はこれを一瞬禁止を扱いにしたと。
すると、もう薬物いいじゃんみたいになっちゃうのはダメとかそういうことなのかな、フリーセックスを奨励するのは良くないみたいな。
あとあれかも、その瓶から人間を作るとか試験管から作るみたいな発想が、私たちそういう類似ジャンルめっちゃ浴びてきてるからはいはいみたいな感じだけど、エヴァとかも通ってきてるけど、当時の人は衝撃的すぎたのかも。
あー、なるほどね、キリスト教的価値観とは。
確かに確かに、すごい神話性が悪そう。
なるほどなー。
これまた全然違う話になっちゃうんですけど。
タットバっていう、去年?今年?今年か。
今年できた期間雑誌があって。
なんかATTVAみたいな本屋さんでやってるやつ?
そうそうそうそう、そのタットバ。
それのボリューブ2に三大の流氏菌のインタビューが載ってるんですよ。
あ、そうなんだ。
そうそう。
その中で結構いろんなテーマが使われていて、自説柄、フェイクニュースみたいなことだったり、情報をどうするかみたいなことが使われたりするんだけど、その中にハーモニーでこういう世界があるんだけどさっていうことに流氏菌が答えてるとこがあって、すっげえ面白かったんですけど。
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人間の感情っていうのは変化し続けてきたはずだと。技術の発展とともに。
未来において人類の感情にも大きな変化があるんじゃないかなというふうに思っていて、
人類の感情が技術の発展で変化していくってことは創作における重要なテーマの一つですっていうふうに言っていますと。
技術が変化すると人間の感じ方とか感情っていうのがどんどん変わっていくと思っていますと。
情報と感情っていうのは相互に影響しあっていて、
情報システムっていうのが受け手の感情状態を認識して、その人に合わせた情報の届け方をするっていう未来が来ると思っていますっていう。
例えばみきさんが沈んでるときと楽しいときと酒に酔ってるときと酔ってないときとで、
例えばヤフーニュースの文字が変わりますっていうのはできそうな気もするじゃないですか。
確かに。
そういう側面って今回のこの素晴らしい新世界の方だと、生まれる前から揃えるっていうことだと思うんですよね。
T型フォードを作るみたいに人間を階級化して企画化してっていうSFじゃないですか。
なんだけど今回のこのリュウジキンさんの話を読んでて思ったのは、
もうバラバラで生まれてきた後に一人一人に別の世界を見せますっていうディストピアもあるわけじゃないですか。
ディストピアなんですかね。
っていうのはディストピアだと思いますか。
難しい。
俺多分それをユートピアだと思ってそういうので起業します。
今ちょっとヨウカンナ君のメタバースみたいなああいうので流行ってるのでそういうのを起給してる人もいるんだと思うんですよ。
一人一人に合わせた世界があってみんなにとっての生きやすい社会があってみたいな。
当然ユートピアだって言いながら話をしていくんだと思うんですけど。
オルダスハクスリーの素晴らしい新世界と何が違うんだっけ。
本来的に目指せるものとして何が違うんだっけっていうのを考えたときに、
それはディストピアなのだろうかユートピアなんだろうかっていうのをこのリュウジキンのインタビューを見ながら
うーんって考えていたと。
確かにね。
今思ったことはオルダスハクスリーの世界だと生まれる前に揃えるから階級っていう定義を引いて、
その階級に合わせて成立させる、人を成立させるみたいな話だけど、
生まれた後に人ごとに見せるものを変えて、それでみんな幸せになればいいじゃんっていうのって、
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だから人の数だけ階級あるみたいな話で、滑らかな平等な社会のようでいて、
めちゃくちゃ見せ合ってないみたいな、そういうディストピアなのかなって思いました。
うーん、なるほどね。
誰が言ってたか忘れちゃったんですけど、
多様性を究極に進めた社会は究極に孤独であるっていう。
そうそうそう。
そういうことなんだよな。みんな違う階級ですっていう時って結構しんどいですよね。
人間にそんなに中身があるかというと怪しいなと思って、
オルダスハクスリーの中に出てくる新世界で住む人たちって結構空っぽじゃないですか。
今日は誰とデートするの?
私的には空っぽで見えて、
今日は誰とデートするの?
昨日は誰とセックスしたい?みたいな話しかしてなくてハッピーみたいな感じで、
それと私たちの中身がそんなに変わらないような気はするんですよね。
グッドポイントですね。
一人一人見せるものを、世界を変えることによってユートピアができるって言ってる人たちは、
まるで私たちの中身にすごく複雑なものが詰まってるかのように話しているような気がして、
でも私たちは結構空っぽなんじゃないかなとかは思いますね。
なるほどー。
いやー、なんか思ってもない話を聞いた感じがするけど、
なるほどなー。
空っぽだなーと思うけど、振り返って鏡で自分の顔を見た時に、
お前がそんなに空っぽじゃないと言えるんだっけって言われた時に、
グヌヌってなるっていう。
そうそうそうそう。
そんなもんなんじゃないか人間ってそもそも。
そんなもんな気もするよなー。
でも諦めちゃいけないってだけの話だと思うんですけどね。
空っぽなりに、空っぽだからいいやじゃなくて、結論も出ない話なんですけど。
あ、そうっていうのも、あの後、ひわまたのぼる、前回やったじゃないですか。
で、ひわまたのぼるの話を人としてる時に、
友達がなんでひわまたのぼるが好きかっていうと、
ひわまたのぼるの人たちも、新世界の人たちとほぼやってること変わらんっていうか、
酒飲んでセックスしてみたいな。
確かに。
確かにそうな思い返してみると。
思い返してみると同じことやってるじゃないですか。
で、あの時に、
友達はあの小説を読むと、人間の本来のくだらなさが浮き彫りになっていて、
自分も本当は一生懸命キャリアアップしたり修正目指したり、
後輩に行くせいとか頑張ったりするけど、
結局自分も元々はこんな人間でしかないんだけど、
頑張って仮面をかぶってるっていうか、演じているんだみたいなことにホッとするって。
なんか人間も自分も元々はこんぐらいの者でしかないんだってことが分かってホッとして、
好きで安心するからなんか読むみたいなことをやってたんですよ。
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へー、なるほど。
うん。
前回話をしたこの小説を楽しく読める人ってどういう人なんだろうっていうのを聞いて、
っていうのを疑問に思ってたのが、今その氷がサーッと溶けていった感じがしました。
なるほど。
そういうことですか。
そう言われると少し分かる部分もあるような気がするじゃないですか。
分かる、分かる。
いや、ハーモニーの最後の伊藤圭角さんにインタビューしてるものの中でも、
伊藤圭角さんがこれを書いてくる中で、
人間って動物的なところを放り投げすぎじゃねえかみたいな話を答えてたんだよな。
ちょっとどうだっけな。
なんかね、動物的なものっていうのを遠ざけすぎじゃねえかって書いてたんで、
なるほどなあと思っていて、
それをね、なんか今ミシャの話を聞きながら感じたんですよ。
動物っぽい動きをしているときに空っぽだなって思ってしまう側面ってあるじゃないですか。
ある。
それはなぜ理性的なことを考えていると空っぽではなく充実しているように感じるっていうのは、
すごい幻想の中を生きているような。
確かに。
かわいらしい性質ですね。
かわいらしい性質。
かわいい性質だ。
いや、そうなんだよなあ。
なるほどね。
いや確かに日はまた昇るとすげえ同じ話をしてるなあ。
ね、実はね。
確かに。
いやなんか今の話と関連をしているかどうかわからないけど、
本質的にこういうことなのかなと思った、
こういうことなのかというか、こういう問いかけがあるなあと思った、
この素晴らしい新世界の中のジョンの発言が、
僕は不幸になる権利を要求してるんです。
ウスタファー・モンカーの話の最後のところですね。
不幸になる権利を要求してるんです。
老いて醜くなって無力になる権利、
梅毒や癌になる権利、
食べ物がなくて飢える権利、
白身にたかられる権利、
明日をも知れぬ絶えざる不安の中で生きる権利、
長治不遂になる権利、
あらゆる種類の悲絶に尽くしがたい苦痛に苛まれる権利も欲しいと。
言ってウスタファー・モンカーは、
はあ?まあ自由にしろいいじゃんって言って終わるんですけど、
みきさん欲しいですか?不幸になる権利。
そういうふうに言われたら欲しくないんですけど、
今までそういうことを要求してたことがあったような気がします。
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求めてしまっていた気がする。
欲しくないですよ、全然。
不幸自体はね。
でもまだ不幸の方がいい。
ジョンと同じですよね。
何もないくらいだったらまだ不幸の方がいいみたいな発想がある。
なるほど。
なんかその方が深みが出ると思ってるんですかね。
だからそれ同じですよ。
何か理性的に考えている方が、
中身が詰まった人間のように錯覚するという性質が
発露していると思います。
それがその惨めな状態の過剰、補償というか、
派手さを求めているだけ。
不幸にはなりたくないけど不幸になる権利は欲しいっていう状態は、
みきさんは何か想像できますか。
不幸にはなりたくないけど不幸になる権利は欲しいか。
私のその問いに対する自分なりの答えは、
不幸になるのはできるだけ減らしたいけど、
不幸になる権利はできる限りフルに欲しいですみたいな、
なんていうんですか、
なんでその権利欲しいのって言われたら分かんないけど、
みたいななんかその、
倒作した思いが。
ある。
ある。
あるな。
投票行かないけど投票券配られないと怒るみたいな。
そうそうそう、そういうことですよね。
だから全然興味ないけど誘われなかったら嫌だみたいな。
いやー目減ってんなー、いいなー。
好きじゃないけどLINEはくれないと嫌だみたいなね。
そういうことですよね。
いやー目減ってんなー、つーの。
なんかすごい、すっごい好きな本の一つに、
自転車選手のランス・アームストロングっていう人が書いた、
ただマイオジョーノのためじゃなくっていう本があって、
ランス・アームストロングってアメリカ人で、
ツールドフランスっていうすごい有名なレース、
7連覇ぐらいしたもうスーパー自転車選手だったんですけど、
結局その人がドーピングしてたことが分かって、
称号とか全部剥奪されちゃったんですよ。
そのドーピングが分かる前に出してたのが、
ただマイオジョーノのためじゃなくて、
マイオジョーノっていうツールドフランスで
1人の人が着るジャージみたいなのがあるんですけど、
そのためじゃなくっていう書いてる本があって、
それも確かドーピングのやつで絶版になっちゃったのかな。
その話の中、かつランス・アームストロングって、
そこそこの選手だったのがガンか何かになって、
復帰して帰ってきてめちゃくちゃ強くなったんですよ。
それはドーピングのせいだったってことなんですか、結局は。
18:00
簡単に言うとそう。
世界で10位とか15位ぐらいの選手だったのが、
ガンなって帰ってきて、ツールで勝ち出したっていうことで、
その本になった。
ただマイオジョーノのためじゃなくって本になってるんですけど、
そのドーピング諸々を置いておいて、
その本の中に出てくる、
ガンから復帰して自転車こぎ出すと全然こげないわけですよ。
なんですけど、いろんな人に支えられながら、
山を登っていくと、自転車なんで。
ツールドフランスってフランス中を走るんですけど、
山をガンガン登っていくんですよね。
2000mとかグッと登るんですけど、チャリで。
ランサムストロングが山を登ってる瞬間に、
あ、俺このために生きてるって悟るっていうシーンがあるんですよ。
自転車に乗ってめちゃくちゃ速いところでも、
マイオジョーノを着た瞬間でも、
ゴールテープを切った瞬間でも、どこでもなくて、
山を登ってる瞬間に、
あ、俺このために生きてるんだ、このために自転車やってるんだ、
っていうのを悟るっていうシーンがあるんですけど、
すっげー好きなんですよね。
不幸になってる瞬間って、生きてるなっていう感じしません?
する。
なんかね、これがすごくこう、
不幸になる権利を要求するっていうことなんですけど、
いやこれね、難しい。
正確には、不幸になった後の不幸のどんどこを感じてる時にするかも。
もうここから上がるその手前ぐらい。
あー。
落ちてる瞬間には感じない。
落ち終わったみたいな感覚の時にするかも、生きてる感覚が。
なるほどー。
落ち切った時か。
うーん。
生きてるなーっていう感覚ねー、そう。
でもそれがその新世界的には生きてるなっていう感覚も何も生きてますからっていうね。
感覚とかいらんでしょうみたいな。
かつ彼らからすると60の時には絶対死ぬけど、別にそれが悲しいことでも何でもないっていう。
多いこともなくスッと死んでいくんですよね。
車の歯医者と一緒ですよね。別に車はそこに対して感情を持たないっていうことなんだよなー。
みきさんのこの話始めた時の最初の一言目は、めっちゃいい社会じゃんでしたけど、今どうですか?1時間ちょっと話をしてきて。
楽しみてー。
いやそれでもね、いい世界だと思っちゃいますね。
なるなら誰がいいですか?新世界の。いろいろ出てきましたけど。
レイリーナでしょ。
一番ヒロイン?
一番モテる子。弾みがいいと言われまくる。
弾みがいい。
やりたい放題の子。
それも何て言うんですか、分かりやすいっていうか、女の子を褒める一番いい表現があるんですよね。弾みがいいなんですよね。
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しかもそれがその役者あと書きで、なんで弾みがいいにしたかっていうと、肉感がいい、結局その抱き心地がいいみたいなこととか、ふくよかなとか、ふわふわしたとかでもよかったんだけど、
そのプルー何とかみたいな単語が椅子とか家具とかにも使われてたから、椅子とか家具とかにも同様に使える表現を探した結果、弾みがいいっていう表現にしたって書いてあった。
なるほど。物だけってことなんだ。
結局物なんですよ。
そんなレイニーナになりたいと。
なるならね。
なるならね。
結局今私はこの世界を生きててチェンジできないから言ってるみたいなところが若干ありますけどね。
本当にチェンジできるとした時にどうするかっていうのはちょっとまたその時になってないと分かんない感じがする。
所詮ファンタジーだろうと、サイファイな世界でしょって思ってちょっと言ってる自分がいますけど。
ハーモニーもそうだし、この作品もそうだし、ちょっとディストピア、ユートピアじゃないけど、三体みたいなところを読んでても、なりたい人が全然いないんだよな。
望みさんは全然いかないですか?いかない?
すごいいい世界だなと思うし、行ったら幸せだなと思うんですけど、社会としてはすごい幸せそうなんだけど、そこに個人として入りたい個人っていうのが全然いないんですよ。
ああ、分かる。目指せないですよね。
社会としてはこの素晴らしい新世界、すっごいハッピーなんだけど、高校人も一個一個は幸せなんだけど、一人の一個の個体としてどうかって言われるとあんまり魅力的じゃないっていうのが難しいなと思っちゃうんだよな。
モブキャラがいいっすね、こういう社会の。
確かにモブキャラがいい。
モブキャラになりたい。
誰にもわからないまま死んでいくモブキャラですよね。
そうそうそう、誰にも注目もされず、ここで言うとこのαβγεのγぐらいの真ん中ぐらいの感じで、誰にも注目されずひっそり走馬して死んでいくっていうのが一番モブキャラでいいですね。
過ごすならね。
過ごすならモブキャラがいい。
でも私はこれ持って行きたいかな。
一瞬待って、やっぱりレイニーだ。
せっかくやろうと思えば持って行きたいかな。
ジョン好きになっちゃいますもんね、レイニーはね。
これやるときも切なかったな。
切ないよね。それが一番最後のキーになるやつですもんね。
新世界が好きになったらすぐセックスって感じだからね。
出会って3秒で合体みたいな話ですよね、本当に。
24:01
なかなかの世界線だよな。
こういうのに影響を受けた作品がたくさん生み出されてると思うと、SFの世界は本当に豊かですね。
そうですね。
私これで思い出したのが、ミシェル・ベルベックって読んだことありますか?
え、ない。ミシェル・ベルベック?
フランスのSF作家なんですけど。
へー。
たくさん出てくる。
結構多作だね。まだ存名の、フランスのSFの中で一番有名くらい。
1956年生まれ、65歳。
本当にね、暴力とセックスしかない世界をずっと描いてて、逆にそういうのを読みたくなった。
そういう空っぽに、人間が空っぽででも幸せそうなのは、私はやっぱりちょっといいなと思っちゃって、というところがありますね。
いやー、そういう惹かれるところには自分なりの性のテーマがあるんでしょうね。
ミシさんからしたら。
いや、なんかわかるんですけど、私SF好きなんですけど、あんまり人間の空っぽさみたいなところには、こう、っていうところよりかは、
なんていうんだろう。
例えばさっきの、いすかりゆうばさんの楽しい超監視社会とかの短編集を読んでても、
その表題になっている人間たちの話っていう短編があるんですけど、
なんかね、科学も政治じゃんみたいな話なんですよ。
すごい乱暴に言うと。
なんか人間の中にあるご都合主義な感じとか、科学だからいいでしょっていう、いやでもそれでも政治ですよねみたいな、
なんかこう、ちょっと正しいこと言ってるんですよみたいなメッキをしたやつが剥がれていくっていう作品にグッと惹かれるんですよ。
なんかやっぱり自分の好きな作品って何かなっていうのを見ていくと、やっぱりそういう個人的なテーマというか、
こう、怒りを感じるポイントというか、そういうことがわかるのはSFの作品のすごくいいところだなっていうふうに思ってた。
だから三木さんからしたら、こう、暴力とセックスかどうかちょっとわかんないですけど、空っぽさというか、
さっきの話じゃないですけど、空っぽなんだけど、空っぽな人を見ていて、その人たちと私たちは違うと言えるんだろうかみたいなのって、
なんか大事なテーマなのかなと思いながら。
確かにそうかもしれないですね。
言われてみれば確かに。
という感じで、私から三木さんへのご紹介、素晴らしい新世界でした。
はい、ありがとうございました。素敵な本を。
いえいえ、そんなそんな。
次どうしましょうね、まだ決めてなかった。次は私の番ですよね。
27:02
好きにやってください。
なんかあれですね、三木さんの3月にやるワークショップ舞台。
はい。
なんかそれの地続きにあるような本が良さそうですね。
確かにね。
なんて言うんだろう。
いや、完全にそのテーマにする本とかじゃなくてもいいんですけど、
なんかそれを考える上で、
素人になるというか、
身体制ですね。
テキストコミュニケーションに頼らないコミュニケーションについて、
今ずっと考えてます。
私の苦手な分野ですが。
古くからたくさんありそうだな。
あとはもう一個は、
美容室とか行った時に、
なんかお仕事何されてるんですかとか言われて、
ジムですとかちょっと嘘ついちゃうみたいなこととかあるじゃないですか。
ある。
そういう美容室演劇みたいな、
そういう社会に時々瞬間的に発生する、
ちっちゃな演劇みたいなこととかもよく考えてます。
はあ。
坂井二年目ぐらいの時に行った合コンで、
ずっと八百屋っていう体で話したことありますもん。
なんでそんなことするんですか。
すげー楽しかったっすよ。
なんでなんでなんで。
いやわかんない。
何されてるんですかって聞かれて、
ちょっとそう、
なんて言うんだろう。
八百屋って言いたくなっちゃったみたいな。
なんて言うんですか。
衝動としての八百屋が。
そういう嘘じゃない嘘みたいな、
そういう嘘について考えてます。
はあ。
あれもなんかどっちのテーマでも楽しい本がありそう。
なんか探してみます。
じゃあそんな感じで。
じゃあ考えます。
はい。ありがとうございました。
はい。じゃあ今日もありがとうございました。
ありがとうございました。
28:51

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