オープニングと近況報告
生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と書店員の佐藤が、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
今回も始まりました本の虫のススメ。 8月、もう夏本番ですけれども、皆様いかがお過ごしですか。
ほぼだよね、たぶん。 あっ、そうか。2週目?
うーん、14日かな。
そうすると、あれですかね、寄生したりとかしているはず多分多いんかな。
そうですね、シンガポールは8月9日が独立記念日で、
今年が61回目?
それでなんか結構いろんなとこにパラパラ、
国旗とか、なんか商店街の飾りみたいなのが出たりしてますね。
やっぱりなんか当たり前ですけど、国によって全然この記念日とかね、祝日とか雰囲気違いますね。
うーん、やし、なんか当たり前やけどさ、日本の建国記念日ってさ、どこかからの独立ではないやんか。
そうやね、そうやね。
で、なんか日付もなんか、ほ、ほんま?みたいな感じやんか、日本の場合。
でもなんか、当たり前やけど、シンガポールはマレーシアから61年前のこの日に独立したっていう歴史的な事実なんだなっていうのがなんか当たり前やけど、
なんか建国記念日ってもっとこう、私の中でぼんやりしたものやったんやけど、
あ、その日のこの写真とか報道とかもあって、本当になんか、建国、土地続きの建国記念日だと思って。
なんかなんとなくそれが新鮮に、まあ当たり前ですけど、新鮮に映ったりしましたね。
うーん、そっか、確かに建国記念日っていう日は普通は独立した日なはずなんよね、きっとね。
そうそうそうそうそうそう。なんかね、日本の方が圧倒的にマインストが…
ショリティーなんだけど。
だよね。
あー、確かにな。そういう風に考えても見ないことを考えさせられるね、やっぱり海外にいるとね。
いや、本当に本当に。
読書習慣と「わたしの上海游記」の紹介
シンガポールは日本よりはちょっと涼しいと思いますが、椿さんは夏の属性はいかがですか?
進んでますか?
結構最近読んでるけど、もういつものあれです。読み散らかしで、読みきる前に違う本を読んでる。
いいですね。
今、7、8冊読んでるんじゃないかな。
忘れへん、その7冊前の本。
忘れる。
よね。
なんかちょっと戻ったりして。
そうそうそうそう、ちょっと戻ったり、まあええかと思って進めたり。
まあなんか読書は自由でいいと思うんですよね。
本当に本当に。
なんか別に、その時になんかやっぱり楽しむだけじゃないかもしれないけれど、その読むっていう行為をしたくて読んでるので、私は。
結構だからすぐに読んだら忘れちゃうんですけれど。
でもやっぱり読んでる時楽しい。
それが一番かなと。
間違いない。楽しむためのものだから、読書っていうのは基本的には。
最近、まだこれもだから読み終わってなくて、でも7割型ぐらい読んだかな?
この本なんですけど、これがめちゃくちゃ面白い。
実はホームスリスナーさんにお勧めしていただいた本なんですけれども、
私の上海雄起、洋裾子の小鳥で本を読む。
お便りムスムスでね、紹介してくださった本ですよね。
これ、日本で生まれ育った方で、今上海の大学で先生をしているペンネームなんですけれど、
カシンさんという方が書かれた本です。
もうなんか一言ですごい説明するのは難しい本なんですけれど、
本当にあれなんですよ、洋裾子の小鳥でこのカシンさんが本を読んでるんですよ。
本を読むだけじゃなくて、やっぱり実体験というか、
自分が上海で過ごされる日々の中で感じたことっていうのを、
これまで著者のカシンさんが読まれてきた本と関連づけて連想しながら、
まさに筆が走るみたいな風に書いてるエッセイで、
その読書の地層が厚い。
めっちゃ本読んである?
めっちゃいろんな本を読んでて、
もちろん書く時にそれぞれ読み返し張ったりとかしてるんやと思うんやけど、
それもなんかすごい、ただ表面を撫でる読み方じゃなくて、
自分の体に落とし込むみたいな読み方を全部されてて。
だからそう、単なる読書紹介では全然ないんだけど、
だからこそ出てくる本全部読みたくなるみたいな。
またツンドクリストが。
やばいよ、この本だけで20冊ぐらい増えたんちゃうかな。
そんなに?
本当に本当にめちゃめちゃ面白い。
それでやっぱり全然日本とやっぱり中国、特にこの著者の方が、
途中で引っ越されたけど今住んでるのは上海。
その前どこやったかな、ちょっと忘れちゃったんですけど。
上海のいろんな大学、勤めてる大学の状況だとか、
あるいはロックダウン中にも中国にずっと滞在してはったんやけど、この著者の方。
だからそのロックダウン中のこととか、
あとは入院も中国でされてて、
入院の時の体験のこととかも綴ってらして、
それだけを並べると単なる気候文、
違法人が違う土地で体験したことを綴るみたいな読み口かなと思うんだけれど、
感じると思うんだけど、全然でも読んでみると違って、
怒った体験の中に埋め込まれている歴史とか、
そこから自分が連想したこととかが綴られてるから、
すごい多分、自己欺瞞を許さない人なんだと思うんだよね、この著者の方が。
だからその異国で感じた違和感みたいなのを違和感として放っておくんじゃなくて、
それを自分を解剖する刃に変えてるみたいな感じで。
だから痛いというか、ちょっとしんどくなる部分も正直ちょっとあったりもするけど、
だからこそ、本当に鋭いナイフのような誠実さで、
自分の感じたことを断面を、自分の体を切った断面を見せてくれるみたいな。
うまく言えないんだけれども、それがすごい新しいし、
めちゃくちゃその表面を撫でるだけじゃない中国の顔つきというかも感じられたりして、
もう面白い。
語彙力がなくなった。
語彙力がなくなる、本当に。
そのエッセイという形ではないのか?
エッセイだと思う。
エッセイなんや。
ご自身が中国で体験したことを書いているエッセイという括りではある?
ではある。
だけどそれに収まりきらない感じだよね、きっとね。
そうやね、ここで体験しましたロックダウン大変でしたじゃなくて、
その背景にある、例えばなんで上海っていう大都市でロックダウンが可能になったのかっていう、
そもそも街の作りの話とか、
あとは中央政権と時系団みたいなののつながりというか、
一筋縄ではいかない関係とか、
でその中で自分も大学教員っていうある意味、
共産党と無関係ではいられない立ち位置に自分がいるっていうことだとか、
そういうことをもうだから見てる視点が自分その著者の体を通してるけど、
すごい多層的で全部見渡そうとしてる感じっていうのがすごい伝わってきて、
全体像がそうあった時に自分の体はここにいて、
どういうふうに感じ反応し生きていくのかみたいな、
すごいいろんなことを扱うんだけれどトピックとして、
それが全部自分の問いに戻ってきてるような感じで、
だからこれだけ本当にすごい数の本を紹介というか、
引いたり自分の考えで、
ここはこう考えた、この本でこういうことを書いてたみたいな、
自分の血肉になってるって言ったらなんかすごいチンプな言葉だけど、
すごいね、面白い。
哲学的な要素がある感じ?
哲学?
とも違う?
哲学とは何だろうか。
いやでも、哲学ではない。
ではないんや。
エッセイで実際に起こったことから、
いろいろと発想がつながっていく。
その中の基盤に本があるっていう形かな。
全体を説明するのがすごい難しいんだけれど、
でもその一つ一つの著者の問題意識とか、
引っかかりとか、あるいはすごい愉快さみたいなのが、
一つ一つすごい考えさせられるというか。
スッと早く読める本ではないんだけれど、
かみしめるように読んでいくことで、
中国っていう国全体の見え方っていうのも、
自分の中でちょっと変わっていく感じ?
それは言い悪いとかっていうより、
改造度が高くなるみたいな意味?
改造度…
まあでもそうかな。
言い悪いではもちろんない。
自分の態度がすごい一面的だったんじゃないかっていうふうに感じる。
それはその著者さんの目を通して、
こんな見方があるんじゃないかっていうような視点をもらえるっていう感じなのかな。
それをでもなんか、
押しつけがましく全然言ってなくって。
全部多分自分の問いに戻ってるから、
あなたたちはこうすべきだっていうのはなくて。
私はここでこういうふうに生きてこう感じているっていうのを、
すごい誠実に書いてる。
特に全然日本と仕組みの違う社会主義国家に住んでるわけやんか。
それってなんとなく怖いとか。
やっぱりそういう意識ってあって、
それ以上のことっていうのはあんまり知らなかったりしたんだけど。
なんだろうな。
例えばこれ、
誰かのこれも、
チェコの作家かな?
誰かの引用で書いてあったんやけど、
ジョージ・オウェルの1984って、
一回ホームスでも紹介したと思うんですけど、
世界で多分一番有名なディストピア小説。
で、ビッグブラザーっていう大きな存在が、
すべての行動を見守っているっていう、
そういう監視社会を風刺したジョージ・オウェルの作品なんですけど、
それについてチェコのクンデラっていうチェコの作家の人が、
その方自身がチェコって長い間社会主義国家だったわけじゃない。
頭に備わっているOSみたいなのがまたやっぱりちょっと、
ずっと民主主義国家で育っている人とはまた違うっていうところを、
そんな乱暴な言い方じゃないんだけれど、
言ってて。
そのチェコの作家クンデラが、
ジョージ・オウェルの1984年に対する批判をしてて、
これってのは全体主義が悪いっていう、
逆にそのプロパガンダ一色に染まりすぎてて、
それ自体が逆に全体主義的だと。
だからその作品が小説ではなくて、
小説っていうのはクンデラの定義。
小説の技法っていう小説。
小説じゃないな。
たぶんエッセイをチェコの作家のクンデラが書いてるんですけど、
それの中で彼は、
小説っていうのは一つの読み方ができるものっていうのは、
そもそも小説じゃなくてプロパガンダだと言ってて。
だから自分がその立場とか、
これまでの歩みとか、
いろんなその立場によって開かれた読み方がある意味できるものっていうのが、
小説と呼ぶ。
それが小説だっていう風に言ってて。
だからその小説の精神に全くのっとらない。
なんか逆に全体主義悪いよっていう、
全体主義を煽るものだっていうように言ってたりとかして。
だから、
そういう見方で全然、
中国とかに住む人の見方をちょっとトレースするような読み方をしたりとか。
だから本当に一筋縄では行かない本なんだけれど、
だからこそすごい面白い。
いい本ですね。
なんかいろんな読書があってよくてさ、
本当に何も考えずに笑える本もあっていいしさ、
30分ぐらいで読み終えて、
その後内容何も覚えてないけど楽しかったみたいな本もあっていいと思うけど、
でもたまにそういうちょっと歯ごたえのある本というかさ。
そうそう、そうやね。
そういうの読みたいときある。
そうやね、そうやね。
すごい面白い、いい本なのでぜひぜひぜひぜひ。
本好きの方で、
ちょっとそういういろいろ本を尋ね歩きたいなみたいな気分の方もぜひ読んでいただけると、
新しい読書の入り口っていうのが本当に信じられないぐらい無数に空いてるんで。
ぜひぜひ本当におすすめですね。
単純にその中国に興味がある方とかも本当にいろんな角度から論じて、
商用してるって感じ、なんか想像を歩きしてるって感じなので、
きっと楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
なんかその話を聞いててさ、一冊思い出した本があるんやけどさ、
「八本脚の蝶」の紹介と読書体験の共有
昔ホームスで紹介したことは一回あったかもしれないんですが、
二階堂奥歯さんという方が書かれた八本足の蝶という本があるんですね。
覚えてないな、わかんないな。
紹介したかちょっと私もうっすらぼんやり記憶が曖昧なんですけど、
二階堂奥歯さんは出版社の編集を確かされてた方で、
20代だか30代だか結構若くして自殺自死されてしまった方なんですね。
その方が日記的に書かれていた日々のことを綴った本なんですけれど、
この本がお作りになった二階堂奥歯さんが、
もう生きてきた日数よりも読んでる本が多いぐらいの本の読書家。
すごい読書家で、
その本に対する愛情がもうあふれかえってるのよね、すごく。
この本がよかった、この本が。
だから二階堂奥歯さんのこの八本足の蝶を読んで、
私も読みたいつんどくリストが、何冊やろこれ。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10、40冊増えました。
すごい!
約40冊ぐらい本当に、
これ読みたいこれ読みたいって本当に本を愛してる人が紹介してくれる本の熱量っていうものを感じて、
こっちも読みたくなってしまうっていう本ですね。
ちょっとこうだんだん調子を崩されていって、最後の方、人生をたたんでいくまでのことがあるので、
あんまり調子が良くない時とかには読むのをお勧めしないですけれど。
でもそうですね、この本は本当に宝石みたいに輝いてる、
二階堂さんが残してくれたすごい素晴らしい本だと思うので、
こちらもちょっとお勧めしたいと思います。
また今ネットで本の想定見てるんですけど、綺麗ですね。
そうですよね、なんかちょっと幻想的な感じで。
奥羽さんはこういう、どういう感じだったかちょっと忘れたけど、
ゴシックっぽいものとかちょっと幻想っぽいものとかがお好きで、
服装もそういう感じの服装されてたりとか、
こだわりを持って美しいものを身の回りに集めていたタイプの方だったようですね。
なのでこれもね、つんどくが増えることを覚悟して是非。
あれもこれもと。
結構あの幻想端尾とかその辺のキーワードにピンとくる方は、
この本はいいんじゃないかなと思います。
めっちゃ気になる。
泉京華さんとか、あと佐渡公爵の佐渡の悲惨物語とか、
岡崎京子さんって若くして事故に遭われて筆をちょっと折ってしまわれてる状態の漫画家さんだとか、
そういう方とか、もう本当にもうどんだけ読んでんのっていうぐらい本が出てくるから。
なのでね、本好きの本当の本読みさんの生活をちょっと垣間見て、
その中にいさせてもらうみたいな。
結構やっぱり私の上海雄喜も全然ジャンルは違うんですけど、
そういう本好き、本当の本好きに色々とおしゃべり、
毎日座っておしゃべりしてもらってるみたいな、そういう感じの読み口ですごい面白いので、
そっちも気になりますね。
ぜひぜひ、どちらの本も絶対いい本だと思うので、ぜひ読んでみることをお勧めいたします。
はい、というわけで今回は本好き、本狂いと言ってもいいのかもしれないの方が書いた本2冊をご紹介しました。
リスナーからのメール紹介と番組からのお知らせ
はい、ではあのコーナー行きたいと思います。
お便りむすむす。
お便りむすむすはお便りを通じてリスナーの皆さんと楽しく交流するコーナーです。
はい、今回はホームスネームキジバトさんからお便りいただきました。
キジバトさんお便りありがとうございます。
ありがとうございます。
椿三作さんこんにちは。初めてお便りさせていただきます。
エピソードを順に拝聴し、おそまきながらエピソード122で紹介されていたレプリカたちの夜の不可思議なあらすじに興味がすそられて読んでみました。
章が進むにつれ起きる出来事や増していく不穏さ、終盤に明らかになる事実にまさに揺さぶられるようでした。
普段はビジネス書や技術系の本を読んでおり、久々の小説でしたが、面白い読書体験でした。
これからのエピソードも楽しみにしております。
追伸。なるべくネタバレにならないように感想を書いてみましたが、内容がスカスカになってしまいました。
ネタバレにならないように本を紹介されているお二人の説明力に感覚しております。とのお便りです。
岸松さんありがとうございます。
ありがとうございます。
そうですよね、ネタバレにならずに喋るの。私たちも奥歯に物が挟まって、映画でよくしてるよね。
読んでみたいですね。
面白いから。
本当に本当に。
普段あまり小説とか読まれずにビジネス書や技術系の本を読んでらっしゃるけど、久々に小説を読んでくださったということで、それもまた嬉しいですね。
本当に本当に。
自分の生活の中には入ってこないような本との出会いをサポートできたらめちゃくちゃ嬉しいなと思ってやってるので、まさに本当に嬉しいことです。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
プリカたちの夜も結構異色の物語で、これミステリーって一応、ミステリー大賞か何か取ってんねんけど、ミステリーってどこまでの枠をミステリーって言うんだろうっていう、
それをちょっと揺るがされるようなすごい改作なので、この本ももし機会があったらぜひ手に取って読んでいただけると嬉しいです。
今調べたらもう文庫化されてるみたいなので。
そうだね。
手に取りやすいんじゃないかなと、私も佐藤さんの説明を聞いて気になってたお便りなので思い出しました。
生地畑さん本当にお便りありがとうございます。
ありがとうございます。
いろんな読書体験のきっかけになるようなお手伝いができていれば嬉しいです。
嬉しいです。
といったところで、来週も楽しみにしていただければ幸いです。
良い読書体験を。
良い読書体験を。
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