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まだ答えのない、これからの人生 ― 保育士・まやさん(仮名)の人生ノート /先生の人生ノート
2026-10-29 15:18

まだ答えのない、これからの人生 ― 保育士・まやさん(仮名)の人生ノート /先生の人生ノート

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サマリー

保育士として15年働くまやさんは、30歳頃に体調を崩して休職し、短時間勤務を経験しました。婚約解消後は生活のためフルタイムに戻りましたが、仕事だけを優先して自分を犠牲にすることは避けたいと考え、月1回は予定がなくても休むようにしています。両親との旅行や海外ディズニー、実家のリフォーム、大切な人との時間など、仕事の外の人生も大切にしたいと思うようになりました。将来の完成図はまだ描けなくても、自分を追い詰めないことや身近な人との思い出を増やすことを軸に、収入を増やす挑戦も始めています。

保育士15年、将来が描けない現在地
まだ答えのない、これからの人生 ― 保育士・まやさんの人生ノート
これからやってみたいことってありますか? まやさんにそう聞いたことがあります。
少し考えて帰ってきた答えは、思い浮かばないでした。
保育士になって15年、毎日目の前の仕事をして気づけば35歳になりました。
でも、これから何がしたい?と聞かれると、答えが出てこない。
仕事がないわけではありません。保育士はこれからも続けたいと思っています。
両親と旅行にも行きたい。大事な人との時間ももっと大切にしたい。
自分の時間も欲しい。それなのに、どんな人生にしたい?と聞かれると、やっぱりわからない。
まやさんは今、自分のことを人生に迷子状態と話します。
でも、最初からずっと将来について何も考えてこなかったわけではありません。
むしろ以前は、自分なりにこの先の人生を思い描いていました。
それが30歳の頃を境に少しずつ変わっていきます。
思い描いていた通りには、どうしても進めないことがある。
頑張っても自分ではどうにもできないことがある。
そんな経験をしてから、まやさんは先の人生を以前ほどはっきり描かなくなりました。
では今、何も見えていないのか?
今日は、これから何がしたい?という問いにまだ答えられない一人の保育士の現在地から始めます。
まやさんは昔から憧れていた保育士になりました。
そこから15年、担任をもって子どもたちと過ごして、行事があってまた次の1年が始まる。
毎年目の前のことに一生懸命でした。
体調不良と働き方の転換
この子にはどう関わったらいいんだろう?
明日の保育どうしよう?
うまくいかないことがあれば家に帰ってからも考える。
もっとできるようになりたくて保育について調べることもありました。
気づけば仕事以外の時間にも保育のことを考えているのが当たり前になっていました。
もちろんこの15年の中でもう嫌だと思ったこともあります。
それでも保育は好きでした。
だから大変なことがあってもまあ仕方ないかと乗り越えてまた次の日も仕事へ行く。
そんな毎日を繰り返してきました。
保育士になることはずっと前から考えていました。
でも保育士になったその先、自分がどんなふうに働いて、どんな生活をして、どんな時間を大切にしたいのか、そこまで考えることはあまりありませんでした。
明日のことは考える。来月の行事のことも考える。
でも5年後、10年後の自分のことは後回しになっていました。
そんなマヤさんが初めてこの先も今と同じように働くのかなと考えることになったのが30歳の頃でした。
今までのように働くことが一度できなくなった時です。
30歳の頃、マヤさんは大きく体調を崩し、仕事を休むことになりました。
そして職場に戻ることになった時、最初から以前と同じ時間で働いたわけではありませんでした。
まずは短い時間からの復帰でした。
久しぶりの保育園、働く時間は以前より短い、それでも一日仕事を終えるとしんどさを感じました。
フルタイムに戻って本当に大丈夫なのかな、そんな不安もありました。
一方で、短い時間で働いてみたからこそ思ったこともありました。
今後もこういう働き方でいいのかもしれない。
時短勤務にしたり、パート保育士になったり、保育士を辞めるのではなく働く時間を少し短くする。
そうすれば今より自分に余裕を持ちながら好きな保育の仕事を続けていけるかもしれない。
当時、マヤさんには婚約者がいました。
結婚して二人で生活していくことを考えれば、フルタイムではない働き方も選べるように思えていました。
ところがその後、婚約はなくなりました。
二人で暮らすはずだった未来が変わり、働き方についてももう一度考えることになりました。
一人で生活していくなら、自分の収入で生活を支えていかなければなりません。
時短勤務やパートでは現実的に厳しい。
じゃあフルタイムで働くしかないか。
短時間で働いてみて、このくらいなら続けられるかもしれないと思った。
でも生活のことを考えると、その働き方を選ぶことはできませんでした。
心と体にもう少し余裕を持って働きたい。
でも一人で生活していくためには収入も必要でした。
マヤさんはフルタイムの保育士として働くことを選びました。
こうしてマヤさんはフルタイムで働く生活に戻りました。
とはいえ、以前と同じように働けるようになったわけではありません。
疲れた時には勇気を使って休みながら、少しずつ仕事のペースを取り戻していきました。
一度立ち止まったからこそ、今度は自分の状態も見ながら働こうとしていました。
自分を犠牲にしないための休み
ところが、復帰した次の年、マヤさんには使える勇気がありませんでした。
休みたい、でも休めない。
体がしんどい日も気持ちが落ちている日も仕事へ行く。
保育園に着けば子どもたちがいます。
自分の調子が悪いからといって、目の前の子どもへの関わりを全部止めるわけにはいきません。
思うように動けない日は、そんな自分にも腹が立ちました。
前はもっとできたのに、なんでこんなことで疲れるんだろう。
仕事が終わって家に帰る。
やっと一人になったのに、頭の中ではその日のことを振り返っていました。
あれ、ああすればよかったな。
あの時の言い方よくなかったかな。
考えてまた落ち込む。
一日くらい何も考えずに休みたい。
そう思っても休める日は限られていました。
その一年を振り返った時、マヤさんの中に残ったものがありました。
もう自分を犠牲にするのはいやだな。
仕事を辞めたいということではありませんでした。
保育士はまだ続けたい。
悩むことだって悪いことだとは思っていません。
悩みがない人なんていないと思うし、
ただ心や体がしんどくなるところまで我慢する必要はない。
そこまでして仕事だけを優先したくない。
それから有給が使えるようになると、
マヤさんは月に最低1日は自分のために休みを入れるようになりました。
何か予定があるから休むのではありません。
自分を休ませるために先に休みをとる。
15年間仕事をすることには慣れてきたマヤさんが、
少しずつ休むことも自分の生活の中に入れるようになりました。
そうしてとるようになった自分のための休み。
仕事の外の時間と両親への思い
マヤさんはその時間に少しずつ仕事から離れるようになりました。
旅行とかお風呂が好きだから日帰り温泉とか近場の銭湯に行ったりします。
特別な予定がなくても今日は仕事のことを考えない。
そんな日を意識して作るようになりました。
以前は仕事のことを考える時間が生活の中に当たり前にありました。
家に帰ってからもその日の保育を振り返る。
次の日のことを考える。
気になることがあれば頭から離れない。
でも今は仕事から離れて自分の好きなことをする時間も意識して持つようになっています。
そんなマヤさんに、もっとお金と時間に余裕ができたら何をしたいと聞いてみました。
少し考えて最初に出てきたのは、両親と旅行に行きたいという答えでした。
マヤさんが仕事を休んでいた時期、そばで支えてくれたのは両親でした。
自分が思うように動けなかった時も生活を支えてくれた。
だから今度は自分が両親に何かしたい。
家族で旅行に行って一緒に過ごす時間を増やしたい。
そんなふうに思うようになりました。
そして両親だけではありません。
大事な人との時間もちゃんと大切にしたい。
一緒に出かけたり、行ってみたかった場所へ行ったり。
思い出や体験を増やしていきたい。
めちゃくちゃ身近なところで言えば、部屋も片付けたい。
理想の部屋にして自分が心地よく過ごせる場所を作りたい。
一つ一つはものすごく大きな夢ではありません。
でもマヤさんにとっては今まで仕事の後ろに置いてきたものでもありました。
仕事をする時間だけが人生ではない。
休みの日に誰と過ごすのか、どこへ行くのか、
何をして笑うのか、一人の時間をどんなふうに過ごすのか、
そんな時間も自分の人生を作っています。
マヤさんは今少しずつ仕事の外にある時間も大切にするようになりました。
ではこれから先、保育士として働く時間と
自分のために使う時間をどんなふうに持っていきたいのか、
そこはまだ見えていません。
実家のリフォームと新しい収入への挑戦
その両親と旅行に行きたいにはもう少し具体的な行き先があります。
以前お母さんが海外ディズニーに行ってみたいんだよねと話していたことがありました。
その話を思い出した時、マヤさんは私が連れて行ってあげたいと思いました。
仕事を休んでいた時に支えてくれた両親、いつか自分がその恩返しをしたい。
その一つがお母さんを海外ディズニーへ連れて行くことでした。
両親に自分は何をしてあげられるだろう、そんなことを考えるようになった頃、
もう一つ気になることがありました。実家のことです。
ある日実家へ帰って廊下を歩いていると、床が少しへこんでいるところがありました。
ん?とは思ったものの、その時はそこまで気にしていませんでした。
別の時、畳の上に座ってパソコンを使おうとした時です。
座っているはずなのに、なんだか体が斜めになっているように感じました。
あれ、ここ傾いてない?お母さんに聞いてみると帰ってきたのは、
そうなのよ。今まで何度も帰っていた実家なのに、
自分が両親に何をしてあげられるのかと考えるようになってから初めて気づくこともありました。
それをきっかけに、まやさんは実家の状態を改めて気にするようになりました。
海外ディズニーに連れて行ってあげたい、それだけではありませんでした。
これから両親も少しずつ年齢を重ねていきます。
階段の上り下りも今より大変になるかもしれない。
この家でこれからも生活していくことを考えた時、まやさんにはもう一つやりたいことができました。
この家もリフォームしてあげたいな。
両親への恩返しとしてもう一つやりたいことが増えました。
海外ディズニーも実家のリフォームも、自分が行きたい旅行もまだかなってはいません。
どれもやろうと思えば、時間だけではなくお金も必要になります。
だから今まやさんはフルタイムで保育士を続けながら、今の収入とは別に自分で収入を増やしていくことにも挑戦しています。
保育士を辞めたいから始めたわけではありません。
両親との時間も、大事な人との時間も、自分がやりたいこともこれからは大切にしていきたい。
そのために今の働き方だけに頼るのではなく、自分にできることを少しずつ増やそうとしています。
まだそれがどこまで形になるのかはわかりません。
それでも今は、いつかできたらいいなと思うだけではなく、そのためにできることを始めています。
答えのない未来で大切にすること
最後に、どんな人生だったら結構いいと思える?と聞いてみました。
答えは、「わからない」でした。
これからどこに住むのか、何歳までフルタイムで働くのか、誰とどんなふうに暮らしていくのか、まだ決まっていないことはたくさんあります。
それでも話を聞いていると、少しだけ見えているものもありました。
自分をしんどくなるまで犠牲にしないこと、大切な人との時間を後回しにしすぎないこと、
両親が元気なうちに一緒に思い出を作ること、そして自分自身も行きたい場所へ行って人生を楽しむこと、
未来の完成図はまだ描けていません。
でも何を大切にしたいのかは少しずつ見え始めています。
もしかしたらこれからの人生は最初から全部を決めなくてもいいのかもしれません。
その時の自分が大切にしたいものを見失わずに一つずつ選んでいく。
マヤさんは今そんな未来の途中にいます。
あなたはこれからの人生で何を大切にして選んでいきたいですか?
保育士の人生ノート。今回は保育士マヤさんのまだ答えのないこれからの人生。
あなたのノートには今どんな未来が書かれていますか?
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