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2022-12-04 06:05

#132 ナッジで人に望ましい行動をさせたいときの注意点

#心理 #心理学 #メンタル #メンタルヘルス #セルフケア #ナッジ #行動経済学 #行動分析 #行動療法
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こんにちは、心理師のはるかめです。 この放送では、あなたが自分に優しくして人生をより良くしていくために、
セルフコンパッションや心理学、人生に役立つ情報をお伝えしています。 みなさんは、ナッジっていう言葉はご存知ですか?
これ行動経済学の言葉になるんですけれども、 簡単に言うと、他の人に望ましい行動をしてもらうために、
本人が、その人が自発的に行動できるようにする方法、というふうになります。 具体例を後ほど挙げていきますけれども、
先日、私、妻が見たい番組があるというので、付き合ってテレビを見ていたんですけれども、 そこで、このナッジについて紹介してたんですね。
行動経済学の言葉というふうに言いましたけれども、行動経済学っていうのは、 経済学と心理学合わせたようなものだと思っていただくといいかなと思います。
もともと経済学っていうのは、人を合理的なものだと、 理屈通りに動くことができるものっていうふうに考えた前提での学問だったんですね。
でも、皆さん予想がつくと思うんですけれども、 人間っていうのは、やっぱり理屈通りには動くことはできないんですよね。
経済、お金を回したり、お金を稼いだり、買い物したりとか、そういうことをするときにも、 人の心理っていうのは大きく関わっているんじゃないのっていうことで、
近年、研究が進んできている学問になります。
最近、特にこの行動経済学を利用して、社会活動とか経済活動とかを進めていく流れがありまして、 その中で特に注目されているのは、このナッジっていうものになるんですね。
そのナッジを使うとどういうふうになるかっていう例なんですけれども、 テレビの中で紹介されていたのが、
例えば、大腸がん検査を受けてほしいよっていう、 市役所とか行政の思いがあるんですけれども、
その検査を国民に、市民に進めていくときの文言を変えてみたら、検診率が上がったよっていうものだったんですね。
それで、もともとはどんなふうに伝えていたかと言いますと、 この検査を受けてくださる方には、検査キットをお送りしますっていうふうなものだったんですね。
このときの検査の受診率っていうのが20%だったんです。 この言い方を変えてやったパターンとしては、
今年度検査を受けてくださらないと、来年検査キットをお送りすることができませんっていうふうに言い換えたんですね。
こうしたところ、検診率が29%まで上がったんですね。 これはナッジの効果が9%分あったよっていうことがわかりますよね。
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ただ、私はナッジそのものはとても素晴らしいと思うんですけれども、 ちょっと惜しいなっていう思う点があるんですね。
それは行動分析とか行動療法の観点からすると、 ちょっとあまりやらない方がいいなっていうことをやっているんです。
それはこの場合ですと、今年度検査を受けない方には来年度検査キットをお送りすることができませんっていうふうに言っているんですけれども、
これって聞いた方ってどんなふうに感じますか? ちょっとやばいなとか焦りとか心配が出てきませんか?
これが行動の学問からすると、あまり望ましくないんですね。 もちろん人の行動を変えたいとか、こういう望ましい行動をとって欲しいっていうものはあって、こういうふうにやっているっていうのはわかるんですけれども、
こういうデメリットを提示するっていうことは、人に例えデメリットを解消しようとして何か行動を起こしたとしても、別のデメリットを心理的に生み出すっていうことが考えられるんですね。
なので、まともな行動療法家とか行動分析のプロの方でしたら、おそらくこの方法は取らないと思います。
デメリットを消すときは、基本的には無視をするというか、消去をするというか、相手にしないというか、そういう方法を取るようにして、メリットを提示して人の行動を変えていくっていう方法を取るんですね。
例えばこの場合ですと、検査キットをお送りすることができませんっていうふうに、相手に脅かすような言い方をするのではなくて、例えば今年度検査を受けてくださった方は、来年度検査キットを取りに来る必要がありませんとか、何かしらのメリットを提示するっていう方法が望ましいんですね。
これに関しては、今思いついたものを言ったので、どれほどの効果があるかわからないんですけれども、人にメリットがあるなとか、得があるなとか、ちょっと面白そうとか楽しそうとか、なんとなくやっちゃおうかなみたいな、そういう雰囲気を醸し出していく方が人の行動っていうのは変えやすいし、問題が他に発生しにくいっていうこともなるんですね。
なので、なじ、もしそういうふうに人の行動を変えたいなっていう場合には、脅かすような方法、言い方をするのではなくて、何か必ずメリットを提示することで人の行動を変えていくっていうのがいいんですね。
これは、やるようによっては自分にも使えるかもしれませんので、ちょっと考えてみていただくといいかなと思います。
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それでは、今日もあなたが自分に優しくあれますように、心理師のはるかめでした。
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